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2019 autumn 中華 黎明 Rock climbing in China Liming 中国 リーミン クライミング

「人にはナイショにしておきたい」

そう言って、敢えてリア充アピールはせず黙っておく人がいます。黙っておきたくなるモノがあります。

そういうのは自分とは無縁だと思っていました。基本的に、いい情報はなるべく多くの人と共有したいものです。


登山はじめたての頃からホームページを開設し、最近は本体がブログとなりつつあるものの、すっかり「配信する人」になってしまった私。「ブロガー」に転職しようかなどという考えもふと浮かぶほど、しかし筆不精とキャパシティの低さからそれも叶わないので、ただのフリーターとして細々書くのみに留まってはいます。

そんな私ですが、今回ばかりは魔が差しました。
「あんまりおススメしないでおこうかな・・・」と・・・・。


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というわけで、今回は中国黎明(リーミン)の岩場の魅力をほんの少しだけ(笑)、ご紹介しましょう!


8月にペルーを旅行中、友人からメッセージが入りました。

「11月に中国行かない?」

そのときはまさに、クレジットカードの不正使用が明らかとなったのに日本の担当デスクと電話が繋がらず、心拍数が上がり、てんやわんやしている時でした。てんやわんやしながらだったので、余り考えずに即返信しました。

「はい、行きます!」

あとで聞いたところ、本来行くはずだった某Kさんが行けなくなったため私にお鉢が回ってきたそうです。
Kさんにはもう、感謝しかありません(笑)。


私はアンテナの受信感度が低いので、ヤンショウやら巨大ケイブやらと中国のすごい噂はいろいろ聞くものの、今回行くリーミンについてはほぼ何も知りませんでした。瑞牆バムをしていた時、一緒に行く友人宅でトポを読み込み、テンションを高めていきました。


人生初の中国大陸上陸、そして人生初の砂岩クライミングです!


11月11日、他のメンバーに遅れること1日、ポッキーの日に成田から飛びました。目指すリーミンははるか西、雲南省にあって、最寄りの麗江の空港までの直行便はありません。四川省の成都で1回乗り継ぎです。それでも搭乗時間は5時間+1時間。時差も1時間なので、ダメージはほとんどありません。


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成都で乗り継ぎ20時間。宿をとって1泊し、フライト前にちょっとだけ町歩きも。


この1年、ヨーロッパや南米にアラスカと、北米さえ楽に思えるような長時間移動ばかりだっただけに、今回の移動の負荷はほぼゼロといってもいいくらいでした。このメリットは心身ともにとても大きいです。


今回は全部で2週間、クライミングできる日数だけで言ったら約1週間の短い旅行です。退職からわずか2年ですでに、これが「短すぎる」と感じてしまうのだから、慣れというのは恐ろしいものです。


麗江の空港には深夜に到着しました。迎えに来てくれた宿の主人の車で西に100km、約3時間。すでに数週間前から来て暮らしている先発隊の友人の部屋をシェアさせてもらうことになっており、深夜に潜り込みました。


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お世話になったお宿、千里ノ外(Faraway)Hotel。オーナーのラバンさんは優しくて穏やかな人。


翌朝は、もうすっかりリーミンに馴染んでいるその同室と、私より1.5日早く黎明に着いていた2名と合流し、ただ後ろをついて行って、隣のお店で朝食をとりました。この後数日、同じ店で朝食をいただきましたが、毎回出てくるのは同じ麺、そして量は日に日に増えていきました。


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左上:朝ごはんの麺。辛いのは入れ過ぎ注意。右上:お湯とクルミとヒマワリの種はセルフサービス。左下:とある日の朝ごはん。ほっかほかバオとあったかい豆乳をテイクアウト。豆乳には砂糖をたっぷり入れてもらう。右下:夜には美味しい肉野菜炒めなどなど。



リーミンは老君山国家公園という国立公園内にあり、渓谷沿いに巨岩が林立する広大なクライミングスポットです。欧米人に人気が高く、世界各国からクライマーが集います。そしてたいてい同じ宿(2択くらい)に泊まるので、お互いの距離が近くすぐ親密になれます。一人で行ってもすぐにパートナーが見つかるというわけです。


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個包装のドリップコーヒーが、ほかの国にはないものらしく大盛り上がり。


クライミングのあとは、みんなで連れ立って3つくらいある主要なレストランのどこかに食べに行きました。わたしたち日本人4人は中国語がほぼ使えなかったので、ジェスチャーと翻訳アプリでどうにか注文をとっていました。中国語の話せる人がメンバーの中に加わると、オーダーを全てお任せして円卓にただ座っていれば、多種多様な中華料理をたくさん食べられました。


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毎晩大挙して押し寄せた(笑)。


ルートは、ボルトルートもあれどほとんどがトラッドです。30m級の美しいショートルートがわんさかあり、砂岩ならではともいえる「ずっと同じサイズが続く」クラックもあります。それぞれが4番までを2セットずつ持って行って、必要な時には4人全員のギアをかき集めてトライしました。#.5が7個とか、#.75が8個とかね・・・(笑)。

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岩だらけ。


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とにかく壁だらけ。

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Faraway cornerという名の美しいコーナークラック。レイバックとワイドが多いところは世界標準。


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30mの膝がめっちゃ痛いワイド、Clamdigger。友人にならって、服がズレないよう膝テーピング。FLトライでは、簡単なところでスリップしてしまい無念の1テン!2便目は後日、道端の売店で買った750円のデニムを履いて完登。


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かわって、#.2サイズが肝となるAkhum-Rah.フットホールドが皆無なら・・もう、アレしかない!!


マルチピッチも沢山。逆に、というか、簡単なマルチは少なく、どちらかというと5.12や5.13を含むハードなマルチに★付きが多いです。
今回行けたマルチは、Liming Select(リーミンセレクト、LS、★5つ)の1本で5.10に収まっているSoul's Awakeningというルートのみでした。


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Soul's Awakeningは気持ちのいいマルチ。


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40mのピッチをランナウトしながら登りきり、ふっと一息。リーミンの谷を見下ろす。


とにかく1週間では短過ぎて、LSをちょい齧りするくらいしか出来ませんでした。


岩の質はもちろんなのですが、ここの魅力は他にも沢山あります。たとえば、Faraway Hotelの看板犬であるDing Dong(ディンドン)。彼の名前がついた美しいクラックもあります。


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ディンドンクラックを登る友人と、眠りこけるディンドン。


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上の写真の友人は後日見事RP!私はまだまだ力及ばず。宿題になってしまった。


彼は非常に頭が良く、人間の言葉をほぼ理解しているようでした。
そして推定8歳?なのに活発で、痛めているらしい右後ろ足をかばいながら岩場へ一緒に出勤します。道をよく知っているし、誰よりも早く登っていきます。


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「The Caveのアプローチはコッチだよ」と先導するディンドン。


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たまにディンドンの友達も登場。


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水をもらうディンドン。朝晩は冷え込むけれど、日中はかなり暑くなる日も。


岩場につくと、私たちが登っている間は昼寝したりして適当に過ごし、夕方また一緒に宿へと帰ります。
朝晩は寒いらしく、激しくシバリングしながら身を寄せてきます。


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クライマーにとってSFT(Super Friction Time)が訪れる夕方には「もう寒いから帰ろうよー」となきはじめる。


そして夕飯にもついてきて、股の間に割り込んできてじっと見つめてくるのです(鶏の骨とかが欲しい)。

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ディンドンの写真ばっかり撮っている気が・・。


彼を連れていけないエリアに行く日の朝はちょっと可哀想でした。しつこくしがみついてくるディンドンを無理やり宿に押し込んで扉を閉めると、必死に扉をガリガリしながら吠え立てていました。その日宿に帰ると、ディンドンは激しく怒っていました(笑)。ごめんねディンドン。


宿には生まれたばかりのピータンもいるけど、彼はいたずら真っ盛りだし少し臭うし、ある日はう○ちをぶら下げながら駆けずり回ったりしていたので、クライマーたちからの扱いもディンドンへのそれとはちょっと違っていました(笑)。


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宿の2階の屋上ですやすや眠るピータン。寝ているときはかわいい(笑)。


ごはんの話に戻りますが、ご飯は美味しくてとても安いです。ボリュームはたっぷりなので、いろんな種類を食べたければやはり大人数で行ったほうがいいです。夜にかなり豪遊したとしても、1人50元(750円)はかからない、といった感じでした。


行動食はクッキーとか果物とか。いろんなお菓子も売店で買えます。また、1のつく日にマーケットがあって、食料をいろいろ安く手に入れられるようです。残念ながら私は12日に黎明入りして20日に去ったので、マーケットを楽しむことは出来ませんでした。次はマーケットのことも考えてスケジューリングします。


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ある日の行動食。クッキーはディンドンも大好き。


#4サイズのワイド、#.5サイズのフィンガー、#6まで連れていかなければならない40mクラスのルート、などなど・・・。短い間ではあったけれど、いいトレーニングになりました。


安い、近い、でかい、が三拍子揃っている此処は、何度でも訪れたくなる素晴らしい場所です。


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みんなで!


決して一大観光地ではなく、こじんまりした、とても静かで、のんびりと時間の流れる場所です。
それゆえキャパシティはそれほどありません。

この環境が保たれているのは、それほど多くない観光客と、まだそれほど多くないクライマーたちがこの土地を愛し、モラルある行動を心がけているからだと感じます。


皆さんにはとくにオススメはしないですが(笑)、私は近いうちにまた、ディンドンと、再開を約束した友人たちに会いにこの地へ戻るのではないかと思っています。

2018/6/8〜13 アメリカ-カナダ国境超え 〜 Canadian Rocky クライミング

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Canmoreの岩場にて。Fuel (5.12c) とCoolなHa Ling Peak。


<陸路でカナディアンロッキーへ>


Smith Rockに3週間滞在の後は、陸路でカナディアンロッキーへ向かいました。


転戦先としてSquamishも検討していましたが、6月に入ってからの天気予報は絶望的。
ほかにSkahaの岩場(片麻岩のゲレンデ)に寄るという選択肢もありましたが、「ショートルートよりアルパインがしたい!」という私のわがままを聞いてもらい、残り日数も少なくなってきたので直接Canmoreへ向かうことになりました。


私もこれまで二度Squamishに行っていて、一度は日程のほとんどが雨という悲惨さでした。Skahaの天候は比較的安定しているっぽいので転戦(Squamishから車で約5時間半)先として定番みたいです。


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さて、走行距離1200kmの長いドライブのはじまりです!


<無理せず1泊、念願の焚き火>

Hwyをひた走って約7時間。得意のFree Wifiで検索したところ、カナダとの国境近くに焚き火のできるサイトを見つけました。
近くのWalmartで薪とソーセージとスモアセット、酒を買い込んで向かいます。


アメリカのキャンプ場はどこも設備が充実していて安い。
長期滞在者にはありがたい限りですね。
ここ、Springy Pointのキャンプサイトは1サイト1泊$20でCampfire OK、トイレとお湯の出る炊事シンクありで、綺麗なシャワー(有料)もありました。


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久しぶりの焚き火はやっぱり最高!3時半くらいまで飲んで語って、翌朝はひどい二日酔いから残り6時間のドライブ再開となりました・・

キャンプ場の詳しい情報はコチラ


<ついに国境超え!>
Hwy95の北上を続けると、国境はおもむろに現れました。
四方を海に囲まれた日本に住んでいると陸続きで外国があるというのが新鮮ですが、待望の国境はなんともあっさりしています。


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ゲートでパスポートを渡し、お姉さんと数分間の会話を楽しんだらアメリカに入国できました。
それ以外何も起こりません。パスポートにスタンプすら押してくれません。
非常にあっけない国境超えでした。蚊に刺されただけ(いまだにかゆい)。



<Canmoreでの1週間>
アルパインをやりに来たけれど、6月のカナディアンロッキーの天候は不安定。
暖かい日もあれば、気温10度前後で風が強く、体感温度はもっと下がるようなさむ〜い日も少なくありません。
街から車で10分ほどのゲレンデで吹雪いた日もありました。
天気予報と相談し、アルパインを1本と、ショートルートのゲレンデでのクライミングを数日、雨の日は街の観光などもしました。


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Canmoreの街から間近にそびえ立つHa Ling Peak。21P, 5.10dのスポートルートがあるが、北面なので真夏でも涼しいらしい。
今回は天候の関係で断念。


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Switching Gearは中古品も取り扱うギアショップ。この時はMSRの新品スノーシューが30%offになってた。



<トポについて>
ショートルートのトポや、山のトレッキング、アルパインのトポまで、なんと図書館にあり、無料で閲覧できます!


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棚に無くリストに載っている本は受付で出してもらえる。


私たちはCanmoreの街にある総合施設Elevation Placeの図書館で必要な情報を調べて行きました。
ネットの情報も利用しました。



<天気予報について>
Spot Wx
北米の山の天気予報はこの無料サイトがオススメ。気温や雲、風速などの詳しい予報を地点ピンポイントで出している見やすいサイトです。



Mt. Yamnuska - Dreambed 8P 5.11b


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現地ガイドの方々にも相談し、アルパインはこのルートを選びました。
Kananaskisにある標高2000mほどの岩山で、地上から約300mの垂直の石灰岩壁がどーんとそそり立っています。


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上:1P目、下:2P目。取り付きが分かりにくく、間違えそうになった。


カナディアンロッキー(とくにアルパインルート)の石灰岩の特徴は、「ガビガビ」、「脆い」。
これはDreambedも例外ではなかったですが、tradとboltのMIXで多彩な内容の楽しいルートでした。


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上:ルート終了点。行動食を狙うリス。下左:6P目。下右:3P目。


60mシングルに、いちおうbail用のロープも持参して登りました。寒さにビビって防寒具も多めだったのでフォローは荷物重かった。
登攀時間5時間、チームOS(私は1、3、5、6、8Pリード)でした。
じゃんけんでつるべで行くパーティは気をつけてください。奇数Pと偶数Pで余りに内容に差があるので・・(笑)。


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ルート終了点から東のピークへ。2人(?)で記念撮影!



<石灰岩のゲレンデ、Grassi Lake


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岩場に大量の石を落としてくるヤギがいるのでメット推奨


Canmore市街から車で約15分という素晴らしい立地に、初心者向け垂壁〜かぶった5.12後半まで90ものルートを擁する石灰岩の一大ゲレンデがあります。ローカルクライマーは仕事終わりにジム感覚で通っちゃうという、なんとも贅沢な環境。
広さは目測、二子山弓状の倍近くはありそうです。
今回の滞在ではここで触り始めたルートをやりに三度訪れました。



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でかい!広い!のに近い!



<グルメレポ>
2017年のお正月にアイスクライミングで訪れた際も美味しいお店の紹介をしましたが、今回新しく行ったお店を追加でご紹介します★


1.Bella Crusta
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おいしいフォカッチャのお店。好きな具材を5つ選べてCA$6〜10くらい。


2.Crazyweed
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ちょっといい感じのカジュアルレストラン。地元の人もよく訪れる人気店だそう。前菜もお肉もお酒もピザも全てが美味しかった!イチオシ!


3.Spice Hut
2年前のお正月にも訪れているカレー屋さんを再訪。安くて美味しいです。
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4.Gaucho
こちらも2年前に二度訪問しており、今回三度目(笑)。サラダ、シチューなど種類豊富なバイキングがついたシュラスコのお店。安定の美味さでした!
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5.RAMEN ARASHI(Banff)
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パートナーの知り合いの日本人の方々に連れて行ってもらったバンフのらーめん屋さん。大人気店ですごい混みようだった。美味しい坦々麺でした★


<Wifi SPOT>
バム生活なのでやはりWifiは大事です。
1.Elevation Place
クライミングジム、プール、シャワー、カフェ、図書館と快適な電源スペースを有する総合施設。
ここで朝ごはんを食べたりトポ閲覧したりWifiしたりしてました。
2.Visitor Information Center
案内所の建物は22時には閉まってしまいますが、外にピクニックテーブルと水場があるので炊事は可能です。
日中は屋外でもWifiサクサクですが、22時を過ぎると利用できなくなるみたいでした。


<宿泊>
Wapiti Campground


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焚き火!


Canmoreの街ではキャンプするならここ1択です。
でも1サイト1泊CA$27もする上、サイトもあまり居心地はよくなくて、炊事は上記のVisitor Centerでやったりしてました。
シャワーも微妙だったので利用しませんでした。
アメリカのキャンプ場と比べるとクオリティは、、、、という感じです。でも焚き火はできました。
Banffのほうには安いキャンプ場も沢山あるみたいです。



<今回の旅のパートナー>
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青鬼「まっちゃん」ことSt.Eiji。空港まで送ってもらいました。


今回、1ヶ月生活を共にしたSt.Eijiくんは現在Canmoreでワーホリ中。とくにCanmoreへ移動してからは、彼にとっては完全に日常に戻ってしまったわけですが、アラスカに行けなくなったにも関わらずとってもよくしてくれお世話になりました。
おかげで楽しい1ヶ月でした。いいカメラで素敵な写真もいっぱい撮ってくれました。



さて。不思議な不思議な2ヶ月の旅はこれにていったん終了。



今後も楽しみな計画が次々と決まりつつある今日この頃ですが、引き続き放浪生活を満喫します!

憧れのリゾートクライミングに挑戦。

この秋冬は乾いた岩のクライミングに勤しんでます。
そして冬休みはついに彼の地"プラナン"へ登りに行きました!

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Ao Nam MaoからLong Tail BoatでRailayへ!



これまで、

"プラナン=リゾートクライミング=易きに流れるな!"

みたいな妙なこだわりのようなものがあり、行ってみたいなあと思いつつも選択肢にあがることはありませんでした。
でも今回、知り合いが複数人で行くと聞き、joinさせてもらうことに。
それで色々誤解(?)が解消されましたが、そもそも"タイのリゾートクライミングプラナン"ではないし、"リゾートクライミング=ゆるいエンクラ"でもありませんでした。


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Thaiwand Wall !

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Pra-nang beachからTonsaiまでのボート移動。なかなかに腿あたりまで濡れるかんじね(笑)。



まず、Pra-Nang Beachというのはタイ、Krabiにある広大なクライミングエリアの中のほんの一部の名称でした。
Pra-NangやRailayといった比較的観光客が多いエリアに加え、よりかぶってて難しいルートが揃っているTonsaiの岩場とその他周辺の岩場も含めるとエリアはかなり広く、マルチピッチもあるし、最高で8cまでのハードルートが揃っている石灰岩の一大エリアでした。


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Tonsaibayの岩場。毎日大盛況!



また、気温20度程度と暑熱環境ではあるものの、陽があたる時間帯を避けて岩場を変えればほぼ1日中登れ、スコールが降ってもかぶってるから濡れないし、気候的な厳しさとかアプローチとかがほぼゼロな分、100%クライミングのみに集中できます。もちろんダラダラ酒を飲んで過ごすこともできるし、夜明けと同時にクライミングスタートして夕方までがっつり登り続けることもできます。


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こういうかんじ。Humanalityという三ツ星マルチもここにある。



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夜はBarのライトに照らし出され岩場も幻想的に。



部屋やレストランから岩場までがほんの数分という素晴らしい環境のもと、朝は夜明け前に起きて準備をし、明るくなると同時にクライミング開始、ホテル代に込みの朝食ビュッフェが9時半までなのでLOギリギリまで登ってからオープンテラスで朝食。食べた後もまた登り、昼過ぎ、かなり暑くなってきたらランチ休憩を挟んで、14時過ぎくらいから暗くなるまでまた登る・・という幸せな毎日。
レスト日は早朝のみ登って、あとは宿のテラスでまったり過ごしたりもしました。贅沢な時間です。

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メニューも毎朝ちょっとずつ替わる。ちゃんと美味しくてヘルシーなメニューばかり。美味しくてつい食べ過ぎちゃう。



寒い日本から一転しての暑熱環境ということもあり、はじめ数日は暑さでぼーっとすることもありました。Deep Water Soloのためにパタゴニアの水着を買って行き、結局DWSはやりませんでしたが、普通のクライミングが十分暑すぎるのでビキニは大活躍でした。4日目くらいからはだいぶ暑さに慣れてきたものの、今度は徐々に疲労が蓄積され身体が重くなるという・・。
それでもすぐ目の前によだれの出るような質の高いルートがわんさかあるので、自分を強く律しないとつい登ってしまいます(笑)。
そんな贅沢な環境です。

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Rieser Baby 二つ星!



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みんなガツガツ食べてがつがつ飲むから気持ちがいい!



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面白いことにみんな(未来の)同業者(笑)。そしてがっつりクライマー(笑)!




そして毎晩美味しいものを食べて美味しいビールを飲む。リゾート最高!
タイ料理はどれもかなり美味しかったしめちゃ安でした。(コスパはアメリカの3倍くらい?)
すでにマッサマンカレーとかパッタイが恋しいです。

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ヤモリは本物!(笑)



石灰岩は「ザ・スポート」って感じでこれまであまり馴染みがありませんでしたが、このツアーでだいぶ好きになりました。ホールディングやムーヴはジムからはじめてクライミングをしている人にしたら対応しやすいと思うし、逆に外岩メインだと「こんなジムっぽいことを外でやれるのか!」という驚きの連続です。さらに、石灰岩が作り出す独特の形状によってクライミング自体は超立体的でエキサイティング。だからマルチも面白い。あの天地が分からなくなるような長いどハングも、石灰岩ならではですね。
やはり海外の岩壁は本当に巨大です。タイも然りでした。大きいは正義だなぁ。

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Dum's Kitchen. Very Huuuuuge Rock! And so beautiful!



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Thaiwang Wallの三つ星マルチ"Load of the Thais".青い海に張り出したハングを登る爽快なマルチピッチ



今ツアーの目標ルートは、Tonsaibayの看板ルート"Tidal Wave"に定めていました。
同行(もといガイド)してくれた超リピーターのTくんにも"Must Try !"とオススメされていたし、グレードは7b+とか7b+/7cとか5.12cとか言われているそうですが、はじめてのタイで5日という日数を考えれば実力的に妥当かなと考えていました。
実際行ってトライしてみると、とても見栄えのする、内容も面白いどっかぶりルートで、確かにこれはMustだなと実感。
完登には2日4便。その後さらに高グレードを狙いたい気持ちも出てきてしまいましたが、残日数やら何やら考慮すると非常に微妙で、その後は7b周辺でお茶を濁す感じになりました。
でも予定していたマルチは2本とも行けたし、どちらもとても楽しかった。ここでしかできないクライミングが出来たと思います。
ほかにも、なかなかに登りごたえのある7bをOSに近い形でFLできたのも印象的でした。
とにかくまたいつ来られるか分からないタイのクライミングは、この7日で結構満喫出来たと思います。

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サイコー!!



それもこれも、超リピーターのTくんが一番効率的なプランニングをしてくれたおかげ!
自分たちでも気をつけてはいましたが、ディナーのチョイスなんかもほとんどお任せで、私はお腹を壊すことも体調を崩すことも全くなくとにかく楽しいだけの毎日を過ごすことができました。
出会いもたくさんあり、収穫いっぱいのツアーでした。


いいスタートを切った2018年も、クライミングにクライミングに、楽しく元気な1年にしたいです。
今年もどうぞ宜しくお願いします!



★成果まとめ★


Pahn Taalod 6a: MOS
Money Maker 6a+: OS
Rod Yaak 6b: FL
Bad Boy 6b: MOS
I No Speak England 6b: _MOS
Muai Thai 6b+: MOS
Viking In Heat 6c: FL
The Lion King 6c+: OS
Wake and Bake 7a+: MOS
Tough Trip Through Paradise 7a+: 4try ×
Don't Buy Toys 7a+: FL
Riser Baby 7a+: 3RP
Tonsai Playboy 7a+: 2try ×
Up To You 7b:FL
Cafe Andaman 7b: 2RP
Knights In White Satin 7b+: 1try ×
Tidal Wave 7b+: 4RP
Orange Juice 7b+: TR 1try ×
Baby Gorilla 7c: 1try ×


Massage Secrets 5, 6a+, 6a+: 3P(50m)つなげてOS
Humanality 6a+, 6b, 6b+, 6b, 6a: OS
Lord Of The Thais 6a+, 6c+, 7a+, 7b, 6a: 4p目×(それ以外OS)

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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