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3年ぶり2度目、待望の"氷の国"再訪〜カナディアンロッキーでアイスクライミング〜

12日間のツアーを終え、カナダから帰国しました!


fc2blog_20200316150042005.jpgただいまー!


カナダは、今までに訪れたなかでも大好きな国のひとつです。

人々がおおらかで、ありとあらゆるフィールドアクティビティが生活のすぐ側にある国だと感じています。
(東の方は全く行ったことないですが・・)


IMG_5062.jpgWeeping Wall Right-handed。黒ッコはペコマから借りて行きました。最終日に白ッコ買いました。安かった。


西海岸沿いのスコーミッシュは花崗岩天国で、これまでに2度登りに行きました。
そこから内陸に約900km、カナディアンロッキーの谷底にあるキャンモアは、今回で3度目の訪問です。
初めて訪れたのは3年前のお正月でした。その時に刻み込まれた"氷の国"の強烈な記憶は、ふたたびこの地を踏みたいという気持ちを日々募らせるものでした。


2度目の訪問は2年前の6月で、青鬼"まっちゃん"の生活拠点をたずねながら気ままにクライミングを楽しみました。
夏のロッキーも素晴らしいです。
そして、アイスクライミングを目的としたツアーとしては今年が2度目となりました。


IMG_5075.jpg初日、Louise Fallsでロケハン。今回ドローンが使えないとのことで、どうしたらいい画が撮れるか試行錯誤でした。


今回の旅はプライベートではありません。
私がサポートを受けているカリマーインターナショナルの製品プロモーションのための撮影のお仕事でした。
私がメインで関わらせて頂いている、ハイエンドモデルを開発する"Ultimate"シリーズの製品撮影と、ハイキング向けモデルである"Explorer"シリーズの製品撮影を全日程で完了します。そして"Explorer"のモデルさんは現地の欧米人男女が必要とのことで、モデルの手配や彼らとのコーディネート役も私が務めさせていただきました。そんな英語出来ないけど・・・^^; でも英語を話すお仕事をもらえるなんて貴重な機会は、こんな特殊な環境でもない限りありえないので、私としてはラッキー!なことでした。


IMG_5074.jpgHaffner Creekでのヒトコマ。手前にボケているのは氷筍。世界初のM10といわれる"ケイブマン"のヌンチャクも写り込んでいますね。構図が美しすぎ!そして私の手足が長く見えるという高度テク(笑)!


結果として、登りたかった氷を登ることができ、モデルさんたちともいい関係を築け、撮影も上手くいって、とてもよい経験をさせてもらえました!


IMG_5066.jpgとっても根気強くコチラの要望に応え続けてくれたCanmore在住Jamesさん。Thank you so much!!


私たちが身を投じて興じている登山やクライミングといった遊びは、完全なる自己満足の世界です。でも今回のような「撮影」というお仕事は、何らかの形で社会に還元される「モノづくり」の一種。


IMG_5065.jpgGrotto Fallsでの撮影のヒトコマ。時にはアックステンションしてカメラマンの"Go"の合図をひたすら待ちます。撮影は撮る側も撮られる側も忍耐が必要です。


IMG_5097_20200316145614f19.jpg巨大な一枚氷"Weeping Wall"と、バンドをはさんで更に上に形成された"Weeping Pillar"。3年前は丸1日かけて、下部Weeping Wallの右側のラインを登り終了しました。今回は上部Pillarにも挑戦します!下部だけで120m、上部だけで120m、あまりにでかい!でかいは、正義!!


IMG_5098_2020031614561607d.jpg今回は、下部Weeping Wallをより簡単な左寄りのライン、"Left-handed"で駆け上がって、午前中のうちにPillarとご対面しました!PillarはWallより雪崩リスク高めとなっていますが、Pillarへのアプローチ途中の雪田がその一因だろうと思われました。人と比べてこの大きさ!120mのPillarを間近にして、その巨大さに改めて心奪われます。


IMG_5104.jpgPillarの核心部となる2ピッチ目を、じゃんけん無しでリードさせてもらえました!感謝!バンドから望遠で撮って頂いた1枚です。すごい迫力ですね。計23本という、いまだかつてない大量のスクリューが腰で踊っていました。6本余ったけど。。



IMG_5068.jpg1ピッチ60mのうち、その2/3ほどがバーチカルなつららの集合体。パンプに耐えながらのクライミングでしたが、とっても充実しました。小雪降るなかのクライミングで、Pillarに陽があたることもなく安心して登れました。


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成田さんとNくんと私と。登攀メンバー3人で、登り終え下降後に氷瀑と記念撮影。行動時間12時間+往復4時間ドライブという長い1日でした。


アイスクライミングは総じて危険性の高い遊びです。
時には、つららの集合体でスカスカいう氷にスクリューを精神安定剤よろしくねじこんで、ランナウトに耐えながら、些細なミスも許されないクライミングを恐る恐るこなすというようなことが要求されます。そうしたリスク、時として命にも関わるようなリスクを許容する行為も、その全てが、「一体何のためにやっているのか理解不能」な自己満足でしかないわけですが、それが「モノづくり」という生産活動の一部分になりうる。何ともシニカルで、しかし面白いことです。私はこの仕事に大きなやりがいを感じました。


IMG_5087.jpg撮影の目処がたって、ツアー終盤に本気トライ。前から憧れていたCurtain Callです!なんて美しい御姿!


IMG_5091.jpg遠くから見るとこんな感じで、雪崩リスクの低い日にトライしたいラインです。


IMG_5089.jpg今回は成田さんと2人での登攀。私はまたしてもじゃんけんすることなく、核心となる2ピッチ目をリードさせてもらえました!ありがたや〜。コチラはその2ピッチ目を拡大した写真。独立氷柱の上1/3ほどのところに亀裂が入っているように見えますね。おそろしや〜。


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氷瀑の間近から見上げた姿。威圧感ハンパない!!


IMG_5071.jpg2ピッチ目出だしはうろこ状を登る。必然的にプロテクションは限られます。氷は硬くて安心感があったけど、壊さないよう慎重に体重移動。途中から氷質をみて左トラバースを開始。頭上には尖ったカーテンが恐ろしげに覆いかぶさっています。しかし足元はみたこともない逆立ったチビウロコ地帯で、スタンスが悪そう。さらにあがっていくと・・・


IMG_5070.jpg息を飲んだ。氷柱はここで上下真っ二つに分離していました。「終わった。。」と頭が真っ白に。Will様の理論書の通りなら、この上下の氷柱は岩との接着もとても弱いと思われます。なぜこうして存在しているのか、神秘でしかない。手前側で約30cmほど、奥のほうでは数メーターにわたって氷が途切れており、完全に向こうの景色がよく見えてしまっていました。降りたほうがいいのではとも頭をよぎったけど、それとてもはや安全策とはいえない。落ち着いてよく考えなおしたら、質量の大きい下部氷柱に乗っているよりは、さっさと質量の小さい上側に乗り移ってしまった方が安全ということに気づいた。上の氷の末端内部で水がぐるぐる回っているのが透けて見える。何もかもが神秘。下部氷柱に乗っかって(ぶった切れているから棚状のガバ足(笑))さらに左へトラバースしたら、突破口がみえた。やった!


IMG_5069_20200316092721529.jpg成田さんの「左へ行けば氷いいはず」というアドバイスも力になって無事完登できました。本当に素晴らしい氷のアドベンチャーでした!!


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それにしてもすごい立ってる。


もちろん、それによって自分のしたいことが妨げられるようなら、私は躊躇なくこうしたお仕事をお断りしたいと思っています。幸いなことにカリマーはクライマーという反社会的(笑)な人種をとても尊重してくれます。だからこそコチラとしても、これまでに培った経験技術を活かして、多少無理のあるようなリクエストにも出来うる限り応えたいと思うし、それだけのキャパシティを身に付けたいとも思います。


IMG_5095.jpgもっともっとレベルアップが必要だな!



マウンテンワークスの皆様と、撮影スタッフの皆様にも大変お世話になり、12日間の共同生活はとても楽しいものでした。本当にありがとうございました!


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私をふくめ今回はスタッフ計5名。それに対し10人分はあるように見える荷物w ギア、撮影機材等々で壮観です。。


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買い出し風景。卵の量!!!


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みなさんのスペックが高過ぎて、炊事は紅一点ながら私の出る幕一切ナシ(笑)。牛やらラムやら、お肉をほぼ毎日食べられてとーっても美味しかったー!


今回、マウンテンワークスさんが撮影した写真のなかから一部を個人的にお裾分けして頂きましたが、その他ほとんどの写真や動画などの素材は、今後様々な形で皆様のもとへお届けされることと思います。


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Moonlightへのアプローチ。3年前に登った氷瀑もいくつも再訪できて楽しかったです!


カリマーの専門店ももうすぐオープン!ということで、これからも開発に撮影にイベントにと、積極的にお仕事させて頂きます!とっても楽しみですね^^


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カナダのお土産といえばメープルシロップですが・・。個人的にオススメなのはコレ。唐辛子と果物のジャムです。数年前にはじめて"チポトレピーチ"というジャムを見つけてハマッて以来、カナダのスーパーで探しては試しています。今回も2種類購入。真ん中はキリマンジャロのお土産インスタントコーヒー☕︎


たくさんの友人がいるキャンモアにはまた必ず行きます!みなさん遊んでくださいね^^


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ラストナイトパーリー!Thank you guys!

2017正月 カナディアンロッキーレポ 〜Canmoreグルメ編〜

美味しいものを食べ、うまい酒を飲むのが大好きな私たち。
ツアー中はほぼ毎晩飲んでました(笑)。
11泊のうち2日は自炊して家飲み、9日は外食してホリデー気分を満喫してました。
お休みサイコウ!

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宿のすぐお隣さんで連日大にぎわい、ジャンキーな匂いを漂わせまくって到着早々存在感抜群だったのがThe Grizzly Paw Brewing Co.です。外には素敵なファイヤープレイスが!テレビもあって大人気のアイスホッケー観戦しながら-20℃アンダーのアウトドアでキンキンのビールを飲めます(笑)!



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ブルワリーなので色んな種類のビールが飲めます。飲み比べもあります!Squamishでも感じましたがカナダはビールが美味!私はカナダではじめてベリー系フレーバーのビールを飲んでハマりました。日本では個人によるお酒の自家醸造が禁じられていますがカナダは合法!そのお陰でクラフトビールの質が高いわけなんですね〜。



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メニューはジャンキーなもの色々!少し味付け濃いめではありますがどれも美味しかったです。滞在中一度リピートしました。店員さんはスマイル$0です。忙しそうなのに超感じ良い。楽しくなるお店です。宿の隣ってこともあってお家飲み並みにリラックスできました。この写真のPrime rib sandwichはお肉ジューシーで美味かった!かなりお勧めです!



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こちらも宿のほど近く。日本人の方が経営されてるChef's Studio Japanという和食屋さんです。お寿司、お刺身、天ぷらなどなど。New Year Eve Eve(?)に伺って店員さんから色々情報収集させてもらいました。日本酒は日本国内の価格相場を知っているだけにちょっと手が出ませんでした^^;


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和食つながりで、こちらはElevation place(クライミングウォールがあるスポーツ施設)の向かいにあるラーメン屋さんYama Ramen Barです。



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店内は和風のインテリア。ラーメン、餃子などありました。麺はちょっとインスタント風味だったけどチャーシューが分厚くて美味しかった。そうそう、こちらの卵は黄身がかなり明るいレモン色なんですよね〜。味はおんなじ。


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夜はトリップアドバイザーで人気上位の店を調べたりもしました。1位のお店は予約いっぱいで行けませんでしたが、2〜4位のお店はチェックしてきましたよ!こちらは人気度2位のスペイン料理のお店、TAPASです。


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お肉に合う赤ワインを楽しみながら



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色々な肉料理を頂けるお店でした。普通に日本で人気のお肉料理屋さんに来てる、という錯覚に陥るほど日本人好み(?)な素材を活かした味付けだったと思います。
混んでいたけど楽しくお食事出来ました。



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こちらはまたまた宿のすぐ近くにあるシュラスコのお店、Gauchosです!こちらが人気度3位だったかな?


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美味しいし近いしでこちらもリピートしました。サラダバーがあって、色んな野菜やお惣菜、ビーフシチュー、カレーなどが食べ放題です。ヘルシーだし味付けもとても美味しかったです。自然と笑みがこぼれますね〜。


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そしてシュラスコ!串刺し肉をお兄さんがせっせと運んで来てくれます。たまに塊肉もきます。



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種類豊富だし、ビーフはどれも柔らかくて美味しいです。確実に食べ過ぎます。


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そして驚いたのがデザートのクオリティ。いやー。カナダの飲食店質高めです。。


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最終日の夜に行ったのは人気度4位のお店、パスタやピザ等イタリアンが楽しめるRocky Mountain Flatbread Co.です!こちらも宿から歩いて10分かからない距離です。



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店内には大きな石造りのかまどがあって、やはりお客さんで賑わってました。パスタもピザも美味しかった!カクテルやデザートも充実してました。


このほか、写真はないですがCanmoreの街の入り口近くにあるインドカレーのお店、Spice Hut Indian Cuisineにも行きました。こちらは宿から離れているので、登って来た帰りに車のまま寄りました。カレーは色んな種類があって、ナンもガーリックとかココナッツとか種類豊富。もっと長く滞在してたらリピートしてたかも!美味しかったです。


ということで、Canadian delicious cuisineも氷と同じくらいめいっぱい満喫して来ましたよ!あ〜、お腹すいてきた〜〜・・



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おまけ。patagoniaが撤退して国内では余り見かけなくなったCLIF Bar(私は割と好きだった)ですが、MECで買い物をしたとき日本では見たことのないフレーバーのものを見つけたので試してみました。
しかし行動中に食べようとすると、カチカチに凍って石化してる!\(^^;)/そもそも-20℃アンダーの環境には適さないものだったようです。顎が外れるかその前に歯が折れるかというくらいの凍りっぷりでした。
オススメしません!!

2017 正月 カナディアンロッキーツアー 〜 カナダのススメ

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2016/12/28〜2017/1/9のカナディアンロッキーツアーの記録です。


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今回ははじめてエアカナダを利用しました。成田からCalgaryまでの直行便があります。しかも格安航空券より正規チケットのほうが安いという驚愕の事実。10時間くらいで着くと思うと、結構近いですね。映画も色々見られて快適でした。


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カナディアンの英語は分かり易く、レンタカー諸々問題無し。アメリカと似て非常に広大でシンプルなHwyをひた走るだけの楽々ドライブです。CalgaryでMECというアウトドアショップに寄りました。


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二階建てで広く、ギアの品揃えもなかなかいいです。ギアは日本より2割くらい安く買えるので買い物用に空のトランク1個持ってきたいくらい。私たちはハーネスやらロープやらスクリューやら、かなり現地調達しました。(とくに70mロープね!)


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Canmoreまでは1時間くらい。しばらく走るとロッキー山脈に近付いてきて周りが山だらけになります。わくわくさんだね!


宿泊はTHB(The Hostel Bear)ではなく、街の中心に近いところにあるBow Valley Motelにしました。「お値段以上」のクオリティで11泊のロングステイを超快適に過ごせました。

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ダイニングキッチン!もっと大勢でわいわい泊まったら絶対楽しいしお得!

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広いリビング。エキストラベッドもあり。ここにギア広げて乾かしたり、トポ眺めながらビール飲んだりしてました。

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ベッドルーム。おしゃれ。

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バスルームもおしゃれ!シャンプー、リンス、ボディソープ、ドライヤーもありますよ!


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お部屋の目の前に車も停められて言うことなし!


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このモーテルは立地も素晴らしくて、多数の飲食店が徒歩5分圏内。スーパーも徒歩10分圏内(車で行ったけど)。そしてクライミングジムも徒歩5分でした。ここはウォータースライダーつきのプールやトレーニングジムなどもある総合スポーツ施設です。
アイスクライミングツアーでジムが近い必要はとくにないですが、私の人生で住みたい町リストの上位にランクインしました。

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これがウォールです。簡単なテストを受ければリードも可能。ジムにあるロープを自由に使えます。小さなボルダー壁もあり。でもクオリティはスポーツセンター内の壁、って感じです。ツアー中、Calgaryの「Climbing Center」というジムにも行きましたが、そちらの方が玄人向けでした。リード壁もボルダーもありトレーニングスペースも充実してました。ワイドの課題とかもあって楽しかったです。


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街はクリスマスを過ぎていてもずっとクリスマスツリーとサンタさんでした。新年があけても平気でクリスマス飾りをおいてる店もあったので、そういうものなんですね。


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大晦日はスーパーが早く閉まり、レストランもお休みの所が多いという事で、huffner creekから早めにあがってお買い物して自炊パーティでした。すると夜9時頃、花火の音が・・!



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町外れにある巨大な池が凍ってスケートリンクになっており、出店が出て音楽ガンガン、みんなが氷の上で踊ってました。アイスホッケーが大人気なようですが、マイスケートシューズを持ってるのも標準らしくて滑ったりホッケーしたり自由な感じでした。私たちも普通の靴でツルツル滑りながら踊りました。


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ツアー中、一度Banffの街も観光(チラ見?)しましたが、Canmoreと比べると賑やかで、立ち並ぶお店なんかも観光地色がより濃い感じがしました。Jasper方面に通うには近いですが、もう少し静かで現地の「生活感」が感じられるCanmoreのほうが好きかなって思いました。雰囲気的にSquamishに近い、閑静な感じと言うか。きっとBanffに泊まったらBanffも気に入るんだろうけどね。


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Canmoreの街にもギアショップが1件(店名が"Vertical Addict"っていう凄い名前だった)、アウトドアショップは色んなジャンルのものが何軒もありました。でも値段も品揃えもCalgaryのMECの方がいいです。


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毎朝暗いうちから(といっても6時や7時・・・)起きて快適なキッチンで目玉焼きを焼き、快適なダイニングで朝ご飯を食べ、


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着替えてパッキングしたら車に乗り込んで氷へGO!車窓から「あ、あそこにも滝あった!」とか言いながら登りに行って暗くなるまで登って帰るという素敵なツアーでした。


次はグルメブログらしく、Canmoreのグルメレポです!


Cascade Waterfall - 2017 正月 カナディアンロッキー アイスクライミング 記録

※カナディアンロッキーツアーのレポートです。文中のグレーディングなどはカナディアンロッキーのトポ"ICE LINES"を参考にしています。※


2週間もあったはずのツアーも気づけば今日が登れる最終日。明日は日本に帰国です。
1/7はBanff方面への行き帰りのHwyから見えていた、ひときわ目をひく滝に登りに行くことにしました。
Cascade Waterfall (WI3,300m)です。


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前夜のWeeping wallからの帰り道で暗い中を通ったとき、Cascade waterfallの左のガリーを下山するヘッドライトが見えていたし、人気ルートで渋滞しそうなのは想像がつきました。帰国の準備もしないとなので、今日はなるべく早く帰りたいところです。早起きして出発しました。Hwy 1からLake Minnewankaへ行く為のexitを出てすぐのところにparking lotがあります。すると、どこに停めるのか少し迷ってぐるりと一回りしている間に、他パーティが続々と到着。真っ暗な中ちゃちゃっと登攀準備を済ませて、あれよあれよとアプローチ開始して行きます。やばい、出遅れた!


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私たちも急いで準備して急いで歩く!結局3人パーティの後、2番手で登攀開始となりました。まだ暗いです。


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300mといっても、はじめの200mはナメ滝をひたすら同時登攀。しばらくして広い雪原に出ると、ついに車道からも見えていた100mの滝が姿を現します。



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太陽が昇って滝を照らし出してゆく。今日もまたとない晴天です。


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テンション鰻だね!



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滝のふもとでぱしゃり。



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1P目はchippeがリードでした。先行パーティが登るのを待ってスタートすると、太陽光に照らされた氷の表面はすでに溶け出しており、硬い氷ばっかりだったカナダではじめてとても登りやすい氷質になっていました。反射光が眩しい!



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2P目が核心ピッチ。pecomaがリードします。先行パーティの中には、日本の雪が大好きで北海道や上越に通い詰めているボーダーも居ました。



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天気最高!テン鰻!!


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いったんトップアウトしてしばしのラッセルのあと、最後に30m程度の滝が出てきて終了です。



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岩峰がかっこいい!連日沢山のパーティが登っているはずなのでトレースがあるかと思いましたが、下山のトレースがよく分からなかったので適当なところから左の尾根へ上がりました。雪崩を誘発しそうなひどいトラバースになってしまった。。


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しばらく尾根を降りて行くと入り乱れたトレースにぶつかりました。みんな迷ってるんだね。そこから先はトレースを辿り、25mの懸垂地点に到着。ボルトアンカーがありました。


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先行パーティを待ったのもあって、降りてくるころには15時近くになっていました。


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毎日見ていたこの景色もしばし見納めですね。この山だらけの中をHwyを通したのがすごい。



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最後にもう一度、Cascade Waterfallを振り返ります。まだ登ってるパーティと懸垂下降してる風のパーティが見えました。滝にはアンカーがあるから同ルート下降も出来るんだけど、そうすると最後の200mナメ滝をひたすらクライムダウンという地獄が待ってるんだよね・・


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カナダは氷天国でした!またくるぞー!!!

Weeping Wall Right-Hand Side - 2017 正月 カナディアンロッキー アイスクライミング 記録

※カナディアンロッキーツアーのレポートです。文中のグレーディングなどはカナディアンロッキーのトポ"ICE LINES"を参考にしています。※


ICE LINESのグレーディングは日本よりワングレードくらい辛めと聞いていましたが、数日登って感じが掴めてきたのでもっと難しいのを登りに行こうということになりました。
そういうわけで1月4日と6日はWeeping Wallに行きました。



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Canmoreからは約2時間とちょっと離れてます。Hwy1を西へひた走り、BanffをこえLake Louiseをこえて更にJasper方面へ。真西に向かうHwy1から途中で北へ向かうHwy93にのりかえて、さらに20kmくらい北上したところにあります。Rampart Creek Hostelという近くの山小屋をベースにするのもオススメだとか。
そろそろかなと注意して見ていれば、薄暗くても巨大な滝が右手に見えてくるのでわかります。その道向かいの駐車スペースに車を停めて準備です。


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このparkingにはイタズラravenが居てクライマーの荷物を狙っています。ザックのジッパーくらいは苦もなく開けられるそうです。なので取り付きに荷物を残置することは出来ません。車で登攀準備をすっかり済ませていくのが吉です。


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アプローチはガチで5分です。これでもまだ本来の大きさほどには発達していないそうです。
私たちはバックロープに日本から持ってきた60mダブルロープを使うつもりでしたが、駐車場でたまたまお会いしたKさんが「懸垂は70m必須」と教えて下さり、親切にも70mダブルロープを貸してくれました!
そして私たちはこのロープに大いに助けられることになるわけで・・感謝感謝です。


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この日はじゃんけんで勝った順にリードすることにしました。1P目はchippeから。私たちと同じRight-Hand Side(WI5,160m)を登ろうとしている3人パーティがいたため、本来のラインより少し左寄りから登り始めました。



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Left-Hand(WI4,180m)を先に登り始めた3人はガイドパーティで、リードしていたガイドはICE LINES著者のBrentさんだったらしい。サインはもらい損ねました。


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1P目はトポによるとWI4で45-55m。右コーナーの岩壁にボルトアンカーが打ち込まれた快適なテラスがあり、そこでピッチをきります。でもあとから登り始めた右のパーティと干渉してしまい、中途半端な位置でスクリューアンカーを取りました。しかし右のパーティのリードもボルトまで行かずに私のすぐ隣でアンカーを作り始めました。
彼らはフォローの2人が上がってきてから、結局10m先のボルトまでまたスタカットで移動することにしたようで、ちょっと揉めてました。



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右隣のパーティが全員フォールラインから離れるのを待って、pecomaが次のピッチを開始。凹角状を直上して25mほど伸ばし、ハングしたカーテン下のミニ洞穴でピッチをきりました。



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chippeがフォローを終えて合流するも、ここから更に直上するのは傾斜も強く、氷も不安定で悪そう。しばし右パーティの様子を伺っていると、ボルトアンカーから20mほど登ったところでピッチを切って下降をはじめたようでした。彼らが充分離れるのを待って、元のラインに戻ることにしました。ここから右コーナーへトラバースを試みます。


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途中、もろいクラゲの大群地帯に入り込み、容易に壊れる氷の中をヒヤヒヤしながらのランナウト。なんとか悪場を抜けて氷質がしっかりしてきたところで、右コーナーになんちゃってアバラコフが残置された穴状のテラスがありました。本来の2P目はトポによるとWI5,60m。まだロープは25mくらいしか出ていないので、先の25mと合わせても少し足りない。しかしそこから先は80度程度の傾斜となっており、先もよく見えません。どれくらいロープを伸ばせるのかもよく分からなかったのでそこでピッチを切りました。


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次のピッチをpecomaがリード。傾斜の強い部分はほんの5mほどで、あとは傾斜の緩い凹角状でした。ロープが50mほど出たところで解除コールがかかりました。これだけ出たとすると、もしかしてトップアウトできたということもあり得る?とちょっと期待します。


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でも、やはりpecomaが到達したところは終了点ではなく、そこから最後のバーチカルなピラーが威圧的にそびえ立っていました。
私たちはトラバース気味になったとはいえ、トポ上の1Pを3Pに分けて登ったことになります。それにしても2P目が60mとは到底思えません。1P目終了点のボルトから60mでここまで到達するのは不可能に思えました。
この時点ですでに16時をまわっており、間もなく暗くなることが予想されました。ヘッデンを1つしか持って来ていなかったので、ここから下降することにしました。
懸垂下降用のボルトアンカーは更に右の岩壁に設置されており、トップアウトしないと使えません。
巨大な氷柱にロープじか掛けは凍ってひけなくなるのが怖かったので、スリングを残置して下降を開始しました。


ルート上に残置アバラコフがあるのを知っていたのでそこを目指しましたが、結果的には70mロープの伸びも相まってギリギリくらいでした。アバラコフフックを置いて来てしまっていたし、60mロープだったらスクリューまで残置の危機でした。


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二日後、ギアショップでマムートの7.5mm 70mダブルロープと捨て縄を購入し、アバラコフフックもちゃんと持ってゴミ掃除のため再訪しました。
この日は絶対一番にとりつき、かつ明るいうちにおりてシュラスコを食べに行きたかった(笑)ので早起きしてきました。まだ薄暗いですがもう9時です。早起きの甲斐あって、この日は一番乗り。この日はこのあと1パーティがLeft-Handを登りに来ただけでしたが。
はじめのトライとオーダーをかえて、1P目をpecoma、2P目をchippeがトライし、3P目はじゃんけんで決めようと言う事になりました。


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こんどは本来のラインを快適なボルトアンカーまで、50mくらい順調に登ります。この日も天気は最高でした!



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どのくらいロープを伸ばせるのか未知数な2P目。70m伸ばしてもたぶんスリングを残置した快適なハング下までは行けません。でもその15mくらい手前から傾斜は緩み始めるので、行ける所まで行ってきる、ということでスタートしました。
結果、長い長い80mの旅となりました。最後の10mはpecomaが同時登攀していたようでした(といっても傾斜70度程度はあるのですが・・)。どんどん重くなるロープをひきずり、アンカーの分をぬいて使えるスクリューは12本。途中またクラゲ地帯を通過したり、残弾を気にしながらのランナウトにひやひやしつつ垂直部をこなして、二日前にも訪れた緩傾斜帯にたどり着いた時には心もパンプしかけてました。しかも気付けば2時間半以上経っておりびっくりするやらへこむやら。。


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スクリューセットに手間取ったり、氷の大海原からラインを見極めるスピードもなく、心のパンプからくる打ち込み過ぎやらなにやら・・。もろもろの”遅さ”の積み重ねでこんなに時間がかかってしまうのでしょう。でもそれが今の実力なのです。結局、80m伸ばしても二日前に下降を開始した地点にはあと一歩届きませんでした。次のピッチのもろフォールラインに入りそうな緩傾斜部分でどうにも動けなくなり、表面のウインドスラブをノミックのハンマーで叩き壊してピッチを切りました。



次のピッチはpecomaに快く譲ろうと思っていました。余りに時間をかけてしまった後ろめたさもあるし、正直心もよれていたし。でもフォローであがってきたpecomaの慈悲深さは私の想像をはるかに越えていました。

「いや、これが実力なんだからしょうがない。予定通り、じゃんけんでいいよ」と・・・!


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なら遠慮なく、とじゃんけんをしたら、見事にchippeの勝ちでした。
次のピッチはWI5,50m。
長さにしてこのルート全体の2/3以上、そして核心部の全てをリードさせてもらえるという幸運を手にしたのでした。
そう、じゃんけんも実力のうちなのです!



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威圧的に見えた核心部も、垂直なのは15m程度。ほどなくして傾斜がゆるみ登り易くなりました。しかし心も身体もよれていたので登りは散々でした。途中、ゴミも無事回収出来、最後にはトポにある通りの「ごついチェーンの巻き付いたぶっとい木」がありました。
お疲れさま!


他にひとも居ないし、いつも通り「フォー!(解除!)」と叫ぶと、はるか左のほうから「fooooo!」という威勢のいいお返事が。Left-Handを登り終えた2人が下降を開始するところでした。pecomaのフォーはきこえてきません。きっとさっきの彼らの声にかき消されたのでしょう。仕方なく「解除!」と言い直し、改めて「カナダで"フォー"コールは不可」と思い知ったのでした。


下降はぶっとい木から約60m、55m、55mの3回で出来ます。岩肌にアイゼンの引っ搔き傷と快適なボルトアンカーがあります。やはり70mロープ前提での安心設計です。無事明るいうちに降りられ、シュラスコで乾杯出来ました。


次回はこの更に上にそびえ立つWI6、100m超のPillarにも是非挑みたいですね!!

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Author:chippe


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2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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