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2019/7/6 Glen Etive/ Etive Slabs/ "Spartan Slab" (VS), 210m, 6p

前夜Glasgowで1泊し、早朝に出発してGlencoeを目指します。

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グラスゴーから車で2時間。A82の看板を追ってひたすら北上するだけなので簡単


Glencoe(グレンコー)は嘆きの谷という意味だそうで、過去に悲しい村民虐殺の歴史があるのだとか。
景観の美しい谷としても人気が高く、村のビジターセンターなどで歴史的展示をみることも出来ます。


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晴れることが少ないグレンコー谷。晴れても雲がかかってもそれぞれに美しい景色が楽しめる。


私たちは村には寄らずにその手前のクライミングエリアGlen Etiveへ。


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A82からEtive川沿いの道へ入り南西へ進みます。この川沿いの道は多くのキャンパーが自由なかんじでpull overに駐車して好きなところでキャンプを楽しむキャンプ天国でした。今回キャンプ装備を持って来なかったのは少し損した気分。行き止まりに車をとめて歩きます。



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岩場が見えてきた。アレ?びっしょびしょ?気のせい?とりあえず取り付きまで行ってみよう。


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Etive Slabsのエリアには、壁の真ん中に快適なベースがあります。今回登るラインはここら辺からスタートです。


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前日は1日けっこうな雨でした。そのせいなのか、いつもなのか、壁はひどく濡れています。憂鬱だねー!


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イギリスっぽい、緑と青の景色を満喫しながらクライミング!


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イギリスグレードのVS(Very Severe)は、Eグレードの一番下であるE1のさらに下のHVS(Hard Very Severe)のさらに下。って言っても知らない人にはピンとすらきませんね。


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これがBritish Trad Gradeの比較表。VSは5.7-5.9くらいを含んでいて、難しいほど安全性は高い(safeより)、簡単なほどヤバい(boldより)、っていう風に読み取ります。


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つまり最高で5.9くらいの濡れたスラブでした。2ピッチ目は緊張しました。


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3ピッチ目の出だしは面白い形状。エッジは切れてるのになかなか上がれません。


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ルートは大きく右上して行きます。ここら辺からクラックもちゃんと発達してきて精神的にラクになる。


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4P目も楽しい。壁の弱点を絶妙につき、かつプロテクションがとれるところだけをたどって進んでいく。ルーファイも面白い。


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クライマーズライトを見下ろす。ここにも何本もルートはあるのだけどあまりに全面濡れている。そして我々以外にクライマーは一人もいない。天気いいし、休日なのに。


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見上げた先にあるあの棚状を登れば終了。もう1本継続したかったけど、時間かかっちゃった。


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登りきったらDescent Passに出て終了、とある。でも、なんかめっちゃ急だね。"Pass"じゃないね。


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PassじゃなくてScramblingでした。おりた頃には16時を過ぎていました。翌日は丸1日行程が予想されるCuillin Hillsトラバースなので、これにて撤収。車に戻り、さらに2時間ほど北へ走ってSkye島に到着しました。


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道すがら買い出しして、20時くらいには村に到着。Skye島の入り口にある"Kyleakin"という村です。

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橋を渡って入島。海岸線のかんじはノルウェーに似ていて、ここもフィヨルドなのだろうと思わせる。


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バックパッカー宿にチェックインしてダッシュでパブレストランへ。


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パブは食事も食べられるけど時間が遅くなるとドリンクのみになることが多い。また、一般的なパブでの食事の仕方はカウンターにて注文し先払い。テーブル番号を言ったり、「あそこに座ってる」と伝えたりします。


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今夜はSkye島の地エールを。明日朝早いので1杯にしておこう。


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こちらはイギリスの伝統料理、ビーフステーキパイ。名前から想像するのとはちょっと違って、ビーフシチューの入ったパイです。明日はCuillin Traverse!

2019/7/3〜7/5 Glasgow、Dumbartonの岩場

7/3は朝一の便でBelfastからGlasgowを目指します。
日本へ帰る両親を見送ったところで、それより1時間早く出るはずだった我々の便はどんどん遅延しています。
"Next information 10:00"という表示を見て「もう1時間待ちか・・」と電光掲示板の横でコーヒーを飲んでいたら、10時すぎ、突如として我々の便がリストから跡形もなく消えました(笑)。

「えっ!?なにが起こったの?」

何事もなく時の流れる出発エリアを出て手荷物検査場まで戻り、おじさんに事情を話す。やっぱりココから外へは出られないようで、「戻ってバーに背を向けて正面にドアが2つあるからそれを出て下の階へ行け」みたいな複雑な指示をもらう。誰もいない通路を「コッチでいいのかな?」とかなり怪しみながら向かってみたところ、申し訳なさそうな顔をしたスタッフが目を合わせてくれました。
(欧米ではアイコンタクトがすごく大事です。こちらが困った顔でおどおどしていても関係ないスタッフが声をかけてくれることは少なく、逆にもし積極的に目を合わせに来てくれる人がいるなら、その人こそが自分の探し求めている人、で合ってます(笑))

「cancel便のひと?荷物は預けた?あっちのカルーセル(ってイギリスでは言う)でピックアップして」と教えてくれました。

そこで初めて、フライトがキャンセルされたのだということが分かりました。
預けた荷物を無事確保してまたチェックインカウンターまで戻ってくると、Flybeのカウンターには列が出来ています。
何の通知もなく、突如としてキャンセルされていたフライト・・。こんなこともあるんだと驚きました。


日本と違って、自分からアクションを起こさないとなにも起きないんですね。
アナウンスもなかったし、誘導員もいなかった。
電光掲示板にすら"cancelled"の通知ナシ(これはちょっと謎だけど・・)。
羽田や成田なら係員が速やかに何らかの対応をしていたでしょう。
またひとつ勉強になりました。
でも勉強代がかかります(笑)。


この日はエディンバラへ飛んでそこからFlybeの手配したタクシーでGlasgowへ送られるという形でなんとか到着出来ましたが、ウイスキー蒸留所のある人気の島への予約していたフェリー最終便には間に合わず、島に渡れないので自動的にホテルもキャンセルとなってしまいました。compensation受付フォームから今請求をしていますが、格安航空会社だし、2週間たって返信なし。これらのお金が戻ってくるかはかなり怪しいです・・。


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辿り着いたGlasgowの街!


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現代美術館。赤い三角コーンをかぶったこのおふざけがすごいモチーフはGlasgowの象徴になっているよう。驚きの理由はグー○ル先生におたずねください。


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カフェで後半のクライミングの作戦会議。Makotoは聞き取ってもらえない。


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酒代をゲットするために、街頭の100秒ぶらさがり100ポンドチャレンジ(参加費10ポンド)に挑戦!主催者のおじさんはスペイン語訛りで"You're a rock climber? Rock climbers can do this! "と連呼。


気を取り直して、島の観光をするはずだった翌日はDumbartonへ行きました。Glasgowから車で30分のところにあるスポートとボルダーのエリアです。ペコマは5月にココでがっつりクライミングしています。

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ヤンキーの溜まり場になるという町外れのこじんまりした岩場。しかし看板ルート"Requiem"は巨大な一枚岩のど真ん中を貫く堂々たる姿!


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岩のいたずら書きはクライマーが頑張って消したんだって。魅力的な課題がいっぱい


今回は、"Highlands"と呼ばれるイギリス北部の標高の高い地域でScrambling(ハイキング以上、Climbing以下の岩登り)をする予定。
がっつりクライミングをする予定はなかったので、ダブルロープ1本しか持っていません。
ボルダーをやったり、簡単なルートをやったりしてDumbartonの岩場をEnjoyしました。


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ボルダーでアップ。トポがネット上の文章情報しかありません。ペコマが来たことあるからある程度分かりましたが、はじめてだとその文章情報を読み解く必要があります


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一番簡単なルートで上まで行くとダンバートン城の城壁にたどり着きます。観光客と"Hi!"って挨拶します。
夕方になると噂通り不良少女たちが集まって来てボルダーの下でパーリーをはじめました。スマホで爆音でラップをならし、ガラス瓶を叩き割ってキャーキャー言ってました。タバコの煙もモクモクしてました。強風でダウンを着ないと凍えそうな気温だと言うのに、少女たちは腹出しキャミに短パンでした。種族としてのたくましさを感じました。ちなみにクライマーに石投げてくるやつもいるみたいです。



季節は夏なのに、気温は低いし湿度も高くない。すかっと晴れないけど、ざーざー降る日は少なく、降水量は総合すると日本より少ないそうです。おまけにずっと強風が吹き荒れているので濡れてもすぐ乾きます。
まさに"クライミング気候"。うらやましいです。


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天気予報をみて、7/6〜8で北部へ移動し、Glencoe、Skye島Cuillin Hills、Ben Nevisへ行くことに決めました。
楽しみになって来た!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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