2023/04/30
母になってからの1年半を振り返る。

息子がもうすぐ1歳になります。
自分の子がついに「0歳児」を卒業するというのは、彼と一緒に成長してきた自分も同じく「産後」を卒業するということのようで、あっという間だったとは思わないけれど、それでも「もう1年も経つのか!」という事実に特別な感懐を抱かざるを得ません。

この感懐には、実にさまざまな感情や感動が入り混じっているようです。
信じられないという気持ち。すくすくと育ってくれてとても嬉しいという気持ち。
反面、「彼はいつまでも赤ちゃんではない」という当たり前の現実を教えられるようで、それに対する切ないような気持ちも混じっています。
はじめはほとんど寝ているか泣いていて、生きることだけに必死だったそれはそれは弱々しい生き物でした。
それがいつしか、生理的微笑ではない笑顔を見せてくれるようになり、寝返りをうったり、周りの世界に興味を示しはじめ、遊ぶようになり、学ぶようになり、自力で移動するようにもなり、両親とそれ以外の人を認識しはじめ、出来ることがみるみる増えていきました。
日々刻々と変化する子供の様子を全て記録に留めておきたくなり、はじめそうなるのは嫌だと思っていた「スマホの写真が全部子供」という状態になるのは避けようもありませんでした。

今では、離れた場所から一所懸命にハイハイで移動してきて、私の足を攀じ登り、全力でハグを求めにきてくれるようになりました。そのせいで勉強も仕事もトレーニングもあまり捗りませんが、可愛いがとまらず、加速し続けています。
いま、私にとって最愛の恋人は、遠い山の大きな壁や岩のかっこいいルートではなく、彼です。
寝ても覚めても頭に浮かぶのは、白い山のかっこいいラインとかムーヴのひとつひとつではなく、彼の笑顔です。
自分の人生にそんなときが訪れるとは、ほんの2年前まで全く知る由もないことでした。

柔らかくて小さな身体を抱きしめて、そのぷにぷにのほっぺに顔を埋めている瞬間はとても幸せで、しかも10年後はもうそういう関係性ではないかも知れないと思うにつけ、何物にも代え難い貴重な瞬間なのだと噛み締めています。
でも、私は私、彼は彼。
自身の心身の大きな変化に未だ戸惑いもありますが、
私はそろそろ、自分のやりたいことや目標に向かって本腰を入れて取り組みはじめたいと思っています。

改めて、彼を宿してからの1年と10ヶ月ほど、優しさと愛情で私たちを助けてくれた家族、友人、通りすがりの人たちにも「ありがとう」と言いたいです。ひとりでは絶対にここまで来られませんでした。

これからもテンション鰻登りで、彼の人生にいっぱい寄り添いつつ、新たなスタートを切りたいと思います。