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2018/10/4 甲斐駒ケ岳 Aフランケ スーパー赤蜘蛛 ワンデイトライ

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昨日はスーパー赤蜘蛛に行ってきました!



パートナーは最近知り合ったツヨツヨ女子クライマー"ASAKOMAN"!
八丈島で辺境クライミングしてたらメッセージがきて、
「10/4天気予報よさそうやし、行かへん?ワンデイで!」
と誘ってもらったのがきっかけでした。
こういうとき二つ返事でおっけーできるのが、、無職って最高!(笑)


スーパー赤蜘蛛は今回で3度目です。
1度目は2013年。Yosemite Noseの練習のためにホールバッグを持って行って大テラスビバークというスタイルでした。
2度目は2015年。この時は普通に岩小屋泊まりの2泊3日でした。


今回はワンデイでのトライです。テンション鰻!
私はまだどのピッチもRPできていないので、今回はチームRPが目標です。



天気予報が次第にあやしくなるというお決まりパターンのなか、
「天気予報が、、あれやな」
「でも予報通り15時降り始めなら逃げ切れるんちゃう?」
「せやな!」
って感じで前日の夜を迎えました。
(本場の関西人の前でエセ関西弁を使って叱られたいタイプ)



ASAKOMANは2度トライしているものの、1度目は昨年アプローチ敗退で、2度目の今年も雨に降られて3ピッチ目までで敗退しているとのこと。スーパー赤蜘蛛への思いは強いものがあるようです。
「雨だとしても、ギア担いで取り付きまでどのくらいかかるか歩いてみたいから、行くわ」
とASAKOMAN。
「じゃーダイエットになるし私もいくわ!」(注:登山は大概ダイエットにはならない)
って感じで雨天決行になりました(笑)。



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話し合いの結果、ギアは60mダブルロープ×2、カム#.3〜#.5×2セット+#.75〜#2×3セット+#3×1、ナッツ1セット(使わず)、120cmスリング×4、60cmAQD×8、オズQD×4。水は七丈小屋補給で、登攀中は2人で1L。防寒具はレインウエアと化繊ジャケットを各自1。私は行動食はバー系を中心に1500kcal程度。
切り詰めすぎない程度に切り詰めて軽量化をはかりました。



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前夜23時に歩き始め、七丈小屋着2時20分、八合目岩小屋には3時過ぎころ到着しました。
ASAKOMANは健脚です!
本当は、白み始めるころ岩小屋に着いて、ある程度明るくなってからアプローチ開始のつもりだったのですが、幸い最近一度アプローチをしているASAKOMANが一緒なので、2年ぶりの私も安心。
岩小屋で装備を一つにまとめ、いらないものをデポしてそのまま取り付きを目指すことにしました。


アプローチはある程度踏まれているしピンクテープもあるものの、明瞭というほどではなく、暗いので慎重に降りて行きます。
最後のほうで、FIXロープが巨大な落石の下敷きになっている(2年前はなかった)ので、そこだけロープを出して20mくらいの懸垂。
ケータイの電波が入ったので予報を確認してみたところ、いろいろ総合的に楽観的に判断して、降り始めは15時!
とりあえず登ろうということに決定しました。
そしてアプローチ開始から2時間弱くらいで、Aフランケ取り付きに到着しました。


時間は5時過ぎ。
まだまだ暗いのでゆっくり支度しながら明るくなるのを待ちます。
オーダーはふたりとも特に希望なく、じゃんけんで勝った方が奇数ピッチ、ということにしました。
結果、私が奇数ピッチ、ASAKOMANが偶数ピッチ担当に。
明るくなってくると、赤石沢対岸の紅葉がやばいことになっててテンション鰻です!
目標のチームRP目指して、クライミングスタートです!


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2回きていて2回とも結構ひどい状態だった1ピッチ目。
1ピン目にクリップすべく、おそるおそるホールドを触ると・・なんと、なんと!ぱりっっっぱり!!
ピッチを通して終始ぱりっぱりで超快適。
ああ、触っているだけで幸せを感じます。これだからやめられないよね、クライミング。
1ピッチ目は無事RP出来ました。


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八丈島でTG-5が壊れたので、新しい"コンデジ"としてついにGoProを買いました!
あえてGoProにした理由は、軽さコンパクトさと、八丈島でけんじりが撮ってくれた写真の綺麗さ&広角のすごさです。
今年9/27発売の最新モデル!
ということで撮りまくってみました♪


本当に広角度合いが半端ないですねー。マルチピッチでは重宝します。
風景写真としてはイマイチなのかもしれないけど、ブログにアップするような登攀の記録的な写真だったら十分な画質です。



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2ピッチ目、凹角はASAKOMAN。つづいて3P目、険悪な印象しかない5.10前半がついたスラブです!
しかし・・・えっ、こんなに簡単だったっけ?と思ってしまうほどのパリパリさ加減。
こちらも呆気なくRP出来ました。ここまでだけでももう来て良かった!と思っちゃうほどの状態のよさ、適度な気温と湿度。快適すぎる!



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続く4ピッチ目、ASAKOMANは前回3ピッチ目敗退なので、彼女にとってはOSトライです。
ここ、5.7とか言ってるけどハングの傾斜だけですでに5.9以上はあっておかしくない。しかも"隠しホールド"の存在に気づけなければ全く登れません(笑)。でもつよつよASAKOMANは難なくOSでした。Excellent!


ASAKOMANがそのまま大テラスまで伸ばしてくれて、フォローを開始したところ、なんか冷たいものを感じました。
気のせいかなー?と思って空をみやると、何やらしとしと降っているような。
あれー、まだ9時だからやっぱり気のせいかな?


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大テラスで休憩しつつ、またスマホをひらきます。
雨雲レーダーを見ると10時半くらいには雨雲に呑まれそう。
雨はまだやまないけど時間はまだ9時半です!


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「どーするー?」
「どーすっかねー」
「でも、この予報のかんじだと、降ってもぱらぱら程度でざーっとくることはなさそう」
「てか実質あと3ピッチやし。行けるっしょ!」
「この程度の雨ならクラックの中までは濡れへんやろ!」
「せやな!」
「せやせや!」
って感じで雨天決行になりました(笑)。


5ピッチ目、大テラスから凹角を抜けてみると、その先のスラブはぬめぬめ。
カイコマの花崗岩は濡れると本当によく滑りますね。
ああ・・束の間のぱりっぱりでした。でもあれに触れただけでもう来た甲斐あったから問題なし!



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赤石沢に立ち込めるガス


雨はいったんおさまったようで、また空が明るくなったりしていました。
ついにやってきたスーパークラックは濃いガスに包まれて見えなくなったり、かと思えばぱあっと晴れて一番上まで見渡せ、ダイナミックな景観がひろがったりと幻想的。やっぱり山っていいね。



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6ピッチ目、核心の5.11cのクラックです。ASAKOMANクライミングすたーと!
でもやっぱり、悪いよねー。テンションが入ってからは一歩一歩、進んで行きました。
「あー!」「くー!」という呻きがモチベーションの高さを物語っています。
雨の心配とかなければ小一時間ここに留まって、私も一便出したいなとも思っていたけど、本格的な雨になったら最終ピッチのスラブも怖いし、今回は6ピッチ目RPはお預けで前進することにしました。



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7ピッチ目、2年前は出だしに苦しめられRPならずでした。
今回も悪かったです。
でも2年前のびちょびちょに比べれば状態もよかったし、気合いでなんとかハンドセクションまで行きました。
そうしたら、最初のレイバックで力を使いすぎたか、残りのハンドがやたら疲れました。「ガバなのになんで?」って思うほどヨレヨレになってました。
はじめ「軽量化のためにカムは2セットでランナウトに耐えればいっか、ハンドだし」とか思ってたけど、やっぱり#2が3個あってよかった。本当によかった。3個でも心折れそうになったよ。やっぱり40mは長いです。長いは正義です。



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スーパークラック上部からの写真。

上からみると・・このスーパークラックの凄さが身に沁みます。
レッジトゥレッジ・・・私なんかにできるのか?
って思っちゃうけど、次また来るときは70mロープ持参です。誓います。
それに見合うだけ強くなって再訪だな!
それにしてもこれをフリーソロ・・・・ああ、改めて目眩がしますね。



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14時、スーパークラック終了点にて紅葉と自撮り!
超広角だから自撮り棒いらず、リーチのない私でも簡単に自撮りが楽しめます♪
サイドポケットに入れたままクライミングしても全くストレスを感じない大きさ、重さ(116g)です。
買ってよかったかも!



時間はそろそろ15時にせまる。
雨もスーパークラックを登っているときからまたぱらぱら来ていたのが、ここへきて本降りっぽくなってきました。
8ピッチ目はスラブ。ASAKOMANがOSトライです。
つよつよASAKOMANはここも見事!OSでした。NICE!



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終了点にて「オツカレー!」
ここでいったんロープを解いてスクランブリングしましたが、途中でまたロープを出して岩小屋まで。
Aフランケ頭着は16時。八合目岩小屋着は16:20でした。
「行動食尽きた・・」「やばい腹減った・・・」とうめきながらパッキング。レインウエアを着込んで雨下山開始です。


17時頃、静まり返った七丈小屋の前を通ったら・・・主人の花谷さんに声をかけてもらい元気出ました。あにき・・☺️



登りながらも、女子ふたりの関心ごとといえば美味しいお店の話です。そしてASAKOMANがよく行くという"Dill"というお店の話題に。
七丈小屋のメニューに"Dill自家製ジンジャーシロップを使ったホットジンジャー"というのがあり、私も頂いたことがあって、レストランだとは知らなかったけれど"Dill"の名前だけは知っていました。ASAKOMANの話を聞けば聞くほどに行きたくなってくる。



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もしラストオーダーに間に合いそうなら行きたいねー!と話していたところ、「もしかして急げば間に合うかも?」と気付いてしまう。
少し急ぎ足に降りて、駐車場着は19時22分でした。



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登山はダイエットにならないのです!

美味しいごはんまでたらふく頂いて、大満足の1日でしたー!
レッジトゥレッジRP目指して頑張ります。
ASAKOMANさんくす!!

2018/7/21 北岳バットレス第4尾根〜白峰三山縦走日帰り〜後編

道中のお花たち。キタダケソウはたぶん終わってしまったと思いますがお花畑はまだまだ見事でした!
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(左上から)ハクサンイチゲ、シナノキンバイ/シロバナタカネビランジ/ミヤマハナシノブ/チングルマ/ミヤマダイコンソウ/タカネナデシコ



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かわいいグリーンのお花、ミヤマバイケイソウ



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稜線の登山道と合流後、そのまま間ノ岳方面へ進みたい気持ちをぐっとこらえて、約10mの登り返し。
11時23分、北岳山頂に到着しました。山頂は登山客で賑わっています。
近所にある人気のパン屋さん「まちのパーラー」のブリオッシュをいただきます!



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SpO2モニターを持って来ていたので測ってみる。はじめ80台後半だったので少し呼吸を意識。



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「さ、のんびりしてはいられないよ!」とペコマ。ここからコースタイムにして12時間の長い道のりが待っています。
山頂出発は11時半過ぎ。16時半下山はなかなか厳しそう・・。



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北岳山荘まで約300mの下り。さあ、後半戦のはじまりです!



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力の限り走って、足が上がらなくなったら歩いて、の繰り返し。すぐ後ろにぴったりとくっついてくる(高度障害で頭がガンガンしているはずの)ペコマが檄を飛ばすのでサボれません!(泣)


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でもお花の撮影は怠らず。。


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でもってまた走る!農鳥小屋はあいかわらずトイレの臭いが●×△■@!
ここまで1時間40分。コースタイム3時間35分なので半分をきっています。いいペース。



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少し休憩してまたブリオッシュをむさぼり食ったら、ここからついに最後の登り核心です。
もう駆け上がる元気がない。さすがのペコマも疲労がたまって来た様子です。
13時50分、西農鳥岳にタッチ!



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その20分後、農鳥岳登頂して、無事三山の頂上を踏みました。北岳山頂から2時間40分でした。



もうあとは下るだけ!って思いますが、何気にコースタイムでいうとまだ5時間50分もあります。ロングコースなのね・・。
下りで怪我しないよう、気を引き締めて行きましょう!



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下りは軽快に飛ばして、大門沢下降点には15時前に到着。しかしここで、ペコマ痛恨の忘れ物に気づきます。
前の休憩地点にカメラを置いて来てしまった様子。ペコマはものすごく残念そうにしています。



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そして「残念だぁ〜・・」と言いながら、とぼとぼと元来た道を引き返して行きました。空身で往復30分かかったそうです。
私は遺されたペコマの荷物も担いで先に下降を開始しました。



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林の中の急斜面をゆっくり下り、1時間半ほどかかって小屋手前の水場に到着しました。ここでやっとペコマとも合流。念願の冷たい水を500cc補給して、最後のカロリー補給もして、ついにラストスパートです!



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小屋を通過し、沢沿いの登山道をひたすら下る。普通のランニングシューズのペコマは足が痛くなってきてスピードを上げられません。



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登山道が終了、ここから約4kmのロードです!



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駐車場が見えた!最後の全力疾走!



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ゴーーーール!あ〜〜つかれた!ここを今朝出たのが遠い昔のことに思えます。



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時間は17時22分。全行程10時間59分でした。ペコマは頭痛がひどくロキソニンを服用。私もちょっと膝痛が再発でした。
車にあった水をがぶ飲みして、奈良田温泉へ直行しました。



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奈良田温泉の日帰り入浴施設、「奈良田の里温泉」は550円と格安なのに、清潔でアメニティも揃っていてとても良かったです。
施設は高台に建っており、雰囲気あるヒノキの浴槽からは山の眺めも素晴らしい。表の縁側も夕涼みにもってこいです。
ただひとつの難点は、駐車場が高台の下にあること・・。急斜面と階段の登りが約5分。全てが終わったと思っていただけに、最後の最後で心も折れました(笑)。



こうして長い1日が終わりました。終始お天気に恵まれたいい山行でした!
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6:23広河原〜大樺沢〜8:40北岳バットレス下部岩壁Dガリー大滝〜ヒドンスラブ〜9:50第4尾根11:00〜11:23北岳11:34〜12:44間ノ岳〜14:08農鳥岳〜大門沢下降点14:30〜奈良田温泉第一駐車場17:22

2018/7/21 北岳バットレス第4尾根〜白峰三山縦走日帰り〜前編

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二俣にて



北岳バットレスはご存知の通り、日本第二の高峰北岳東面にそそり立つ、日本国内では有数のすっきりとした岩壁で、とくに第4尾根は非常に快適なクライミングが出来るとして大人気のルートです。



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高度感のあるナイフリッジと化した崩落地をトラバース。その後、新ルートはチムニー状の小ハング超えもあり楽しい



しかし2010年10月に大崩落があり、また崩落する可能性は幾らでもあるとのことで、もう近づかない方がいいだろうと言う意見も多く聞かれます。が、依然多くのクライマーを迎え人気ルートの上位に君臨し続けています。
枯れ木テラスのあたりはその崩落により一部ルートが変わって、以前より少し登りごたえが増しているようです。


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ホソバトリカブトと5尾根支稜、Dガリー



私とペコマは、今からちょうど10年前、2008年の7月19日にはじめてバットレスにトライしました。
結果は悲惨なもので・・・。
登り切って無事下山することはできたものの、ほぼ遭難していたといっても過言ではない状況でした。
アプローチを誤って第3尾根に入り込み、間違いに気づきつつもさらに前進して"落石の巣"第2尾根を登攀するという危険を冒しました。


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10年ぶりの第2尾根。垂直のボロ壁から、最後はハング超え・・。未熟だった自分たちが辿ったラインを感慨深く俯瞰した



そのときの(恥ずかしい)記録がコチラです。クライミングをはじめ、バリエーションに行きはじめてまだ1年にも満たないころで、とくに私は色々とやらかしてます。今もあまり成長出来ていませんが、この頃は本当に恥ずかしい登山ばっかりしてました。戒めも込めて、今回再度読み直してみました。けっこう面白かった(笑)。
»尾根の向こうの記録(ペコマ記)
»ちっぺブログ


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ハング超えのあとはこの長い長いハイマツ帯が待っている。深夜、ここを一心不乱に這い上がったのが懐かしい



その後、バットレスへはなかなか再訪の機会がありませんでした。
冬期にも一度行っていますが、天候敗退で壁には取り付けていません。
ペコマとは、いずれまたちゃんと4尾根を登りに行きたいね、と話していましたが、白峰三山の縦走もセットにして日帰り、さらにタイムアタックにすればもっと充実するかな?ということで今回の山行が決まりました。



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アメリカにトレランシューズを忘れて来たペコマはランニングシューズで挑む!



奈良田第一駐車場に前夜入りし、朝一のバスで広河原入りする計画。これなら帰りのバスの時間を気にすることも無いし、奈良田から更に林道を走って鷲ノ巣山を超えて芦安に戻るという過酷なプランも回避できるというゆるふわ計画です♪
登山道はコースタイムの半分、登攀を3時間として計算し、目標は10時間切り!



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朝4時半には第一駐車場を出て奈良田バス停へ。すでに数パーティが並んでいた



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ギアは8mm40mロープ×1、スポーツQD×4、アルパインQD×5、120cmスリング×3。水分は大門沢小屋まで給水出来ないと考え、ペコマ3L、私が2.5Lを用意。行動食は1000〜1300kcalくらい準備した。クライミングシューズも入れるとトレランザックはぱんぱんになり、ハーネスは装着して走った。ちなみにペコマのシューズはおニューのTCプロ!



バスが広河原に着くと、トイレを済ませて6時半頃出発しました。芦安からのバスが少し遅れて大量の登山者を連れて来ていたので、この渋滞に巻き込まれなくてよかった!と心底思いました。


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ぴーかん!でも今シーズン入ったどの山よりも涼しくて快適



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ここが一番きついところ。ペコマの檄が飛ぶ!(笑)



大樺沢ルートは未整備で通行止めとなっていました。実際、ところどころ足場が崩れていました。そのせいもあって途中から少し登山道を外れて沢登りしつつ、二俣へ。標高はまだ2000mに満たないながら、雪渓があるおかげか沢を吹き下す風は天然のクーラーです。まさに念願の避暑ランニングでした。
大岩が目印のバットレス沢を過ぎ、ほどなくして水流のあるC沢に出合います。そこからD沢を少し詰めてトラバースし、C-D沢間の尾根の踏み跡へ。順調にアプローチし、広河原から2時間で下部岩壁取り付きに到着しました。


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C沢出合にて、こんなにしっかり水流あるならここまで水500ccで良かったなあ、と思っているところ



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Dガリー大滝取り付き。雪渓の崩れる音が空洞に反響していた。鳳凰三山の稜線も美しい


先行が居なさそうならDガリー大滝でアプローチすると決めていました。だーれも居ないのでレッツゴー!
ここでアンザイレンし、8時40分登攀開始です。

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III級程度とのことだったのでトレランシューズでリードしましたが、ここがこの日の登攀中一番悪かった気がします。。



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緊張したよー。快適な4尾根はまだかなー?



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大きなハング下のバンドをトラバースしてCガリーを目指します



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多くのネット上の記録にもあるとおり、Cガリー側まで行くと赤印があってヒドンスラブまで導いてくれます。尾根直登ルートの前を横切るとき、2パーティくらいが登っていましたが、その後の登攀中もルート上で出くわすことはありませんでした。



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ヒドンスラブはペコマがリードして、4尾根取り付きへ。快適なテラス!登攀開始からここまで1時間もかかってしまった。。。



ついに念願の第4尾根登攀開始!じゃんけんで勝ったペコマから登り始めてコンテです
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ひゃっほー!なんだこの快適さは!下部岩壁と大違い!



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1回リード交代し、またコンテ。すぐにマッチ箱に着いたので懸垂してまた交代。快適だけどあまりに短い



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マッチ箱を振り返る。高度感は最高!




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この快適なクライミングがせめとあと2倍くらいあったらもっと楽しいのに。終始岩場貸切りで、11時登攀終了しました



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そしてここから20分の歩きです。お花が綺麗過ぎて、写真を撮りながら山頂を目指します。ペコマは高度障害で頭痛がはじまっているようでした・・




写真が多いので後編へとつづきます!

2018 2月27日〜28日 錫杖岳 前衛壁 2ルンゼ 登攀 2日目、エピローグ

<1日目の夜>

楽しい楽しい夜のはじまり♪

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手前側の部屋は2畳ほどの縦長。


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洞窟内には氷柱が発達しており、ラッキングにはアイスフックが大活躍(笑)でした!
氷も雪も取り放題(あんまり綺麗じゃないけど)。テントじゃないからお湯こぼしても問題無し!


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はまり込んで天井を見つめてると、ここが垂直な壁の中だということを忘れて不思議な気持ちになる。
というかこれハーネスつけてる必要全くないし!ということで、このあとハーネスも脱いで完全リラックスムードになりました。


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消耗品の買い足しで最近週1くらいで行ってるカモババで見たことのないアルファ米を見つけたので、今回試食。
キムチビビンバも海鮮ビビンバも美味でした。
今まで食べたことあるアルファ米の中で一番美味しかった。具沢山だし。
韓国の商品みたいで、注水線(だよね?たぶん)がハングル。お値段490円とちょっと高級ですがグルメさんにはオススメですよー。


山の話に花咲かせ、食事も終わったところで最後のお湯作り。
静かに燃えるジェットボイルを見つめながら、FIXしに行った時見た壁の様子を思い返しつつ脳内オブザベーションする。
なんか登れそうな気がして来たな・・。楽しみ。早く登りたい!


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ちなみに左奥の部屋はこんな感じで3畳くらいある。こちらを寝室にしました。天井も高くて普通に立てる。広い分温まらず、夜はちょっと寒くて何度か起きた。


<2日目>
※ネタバレ注意。オンサイトが気になる方はお気をつけください※


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本日も快晴!


明るくなると同時にユマール開始しようということで、5時起床目標に。
結局寒くてそれより少し早く起きて煮炊きを開始した。
6時半ころ、Sくんのユマールから本日の登攀開始となった。


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あのベルグラに日が当たるとちょっとやだな・・と焦りながらフォロー。

フォローしながら6P目を見上げると、あれ、昨日見たときより威圧感が減っている。壁も寝てみえるし、フットホールドも見て取れた。
クラックはやはり所々ジャミングも使えそう。核心はベルグラへの乗り移りか・・?


S「いけそうですよ、これ、岩の部分は寝てるし、スタンスもありそうだし。なんとかなりますよ!」
ち「確かにね!おっしゃー楽しみになってきたー!」


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ギアを選定。スクリューは全部で12本あるけど、間引いて6本に。岩用ギアは全て持った。
よっしゃ、いくぜ!ミックスなんてまともにやったことないけど、これまでやって来たことがどれほど通用するか楽しみだ!

そしてさようなら・・・・ギンギンのピュアアイス!


ここは荷揚げすることとして、空身でクライミングスタートした。


出だしはクラックとフェイスにフッキング。フットホールドはフェイスに、研いだ前爪の先をひっかけ立ち込む。
このクラック、トライカムEVOがバチ極き。
適度にランナウトするものの、プアプロじゃないのでつっこめる。
凍土のつまったクラックにガンガン打ち込みかなとか思ってたけど、丁寧にホールドを削り出してフッキングのほうが効率がいい。
ハングにつっかえながら、ワイド登りも駆使してずりずり。
ときにはハング下の薄い氷に「たのむよ!」と声かけしながら全体重をかけ乗り込み。
高い足へのハイステップの繰り返しとなった。


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少し行くと、さいご1cmくらいが入りきってないハンガーボルトが見えた。

ボルトあるんだ!!(このピッチは記録あんまり読んでない)

もちろんボルトにもクリップし、更にカムも極めて、足が悪くなるセクションへ。もう、しびれてたまらない。
でも技術もメンタルも上手くコントロールできている。
細かすぎる足を選ぶと崩壊する。前爪ピンポイントのスメアも使い、2本目のボルトへ。ついにベルグラが目前となった!


ちょっとよれてくる。ここでクラックにハンドジャム。ばちぎき!ふー、休める。
悪い体制で上を見上げると、ハングから恐ろしげな氷の槍がいくつも飛び出していた。
体勢をあげるまえに、枝払い。だいぶ綺麗になりスペースを確保できたところで、つららの根元まで乗り上がった。


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ここからベルグラへの乗り移りが一番緊張した。
ついに凹角をはなれ、垂直の空間へ飛び出していかなければならない。
出だしのベルグラは3mくらい。つららの根元に短いスクリューを2本固めどりしたら、氷が厚くなる数メートル先まではプロテクションはとれない。かつ、絶対落ちられない。緊張した。

背後のつららは、ちょっとくらい体重を預けても大丈夫そう。
背中を使って体勢を安定させながら、クラックにフッキングした右アックスをきかせつつありったけ左アックスをのばし、やさしく「カツカツ」とベルグラを削ってホールドを作った。そこにフッキングしテスティングする。氷は薄いけど、強度は十分ありそう。
ゆっくりと、重心を左手の方へ移動させて行く。少しずつバランスが悪くなり、体幹に力がはいる。振られたら落ちるので背中も使ってゆっくり動く。
重心が完全に左に移った!そこからはもう、一気にいくしかなかった。

安定できるところまで、氷に余計な負担をかけないようやさしく打ち込みながら駆け上がった。
数メートルで氷は安心できる厚さに。やった!
傾斜は寝た。もう、慎重に登れば落ちることはないはず。でもまだしばらく氷は続いているようだ。

しかし、次のピッチはスクリュービレイだ。
残弾が少ない。スクリュー2本を残そうとしたら、最後のマントルはランナウトしてしまった。
しかもなぜか、落ち口で氷が消え、スカスカの雪面になってしまう。
緊張しながら、しっかりアイゼンの前爪を打ち込んでマントル。締まりの悪い雪面に這い上がった。

やった!


最終ピッチの氷壁が目前となった。なるべくフォールラインをさけて右のほうでビレイ点を設置。
解除コールをした。
やったー!嬉しい!
こんなに素晴らしいピッチを登れたぞ!ひゃっほー!


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槍穂連峰と自撮りを試みたけどちゃんと入りきってない。


去年までは怖さのほうが勝っていたドライ。今年はまだ山も数回目だけど、全てをコントロールできている中でクライミング出来た。
フッキングもなんとなく、きいてそうなのときいてなさそうなのがわかるようになってきた。
パンプもあまりしないし、してきても回復できる。
これはこの冬シーズン、フリーをある程度頑張ったからだ。持久力はかなりついたし、ロングルートのなかで回復する術も身につけた。アイゼンでは足置きがフラットソールと全然違うけど、股関節を上手く使えば傾斜は殺せる。
ワイド登りも、ジャミングも、今までやってきたフリークライミングが色々と活かせた。
やっぱりクライミングは最高に楽しい。
終了点ではアドレナリンが垂れ流し状態だった。


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フォローのSくんもサクサクと上がって来た。荷物担いでるのに流石です。こうしてみると立ってるなあ。谷底まで見通せてしまう高度感が素晴らしい。


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ついにあと1Pとなった!目の前の氷壁はかなり幅があるが、左半分は見事なベルグラだし、登れるラインは限られている。Sくんがリード開始。しかしルーファイに難儀している。私はといえば、ビレイを開始すると猛烈な眠気が襲って来て身体を起こしているのも辛い感じになった。なんだこれ・・。落氷を避ける姿勢をとっているふりをしつつ、ザックに突っ伏して半分寝る。
氷壁を10mくらい登ったところで、「上まで抜けられないかも」とSくん。
途中でピッチを切ることになった。



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いきなりチャンスが回って来た、"8P目"。フォローしてみると、なかなかにこの氷、立っている。
下から見て思っていた感じよりもだいぶ立っている。完全にバーチカル。な上にラインも複雑で、弱点らしい弱点もない。
まだ1Pしかまともに登って居ないというのに、全身がだるく、荷物が重く感じた。

見上げてラインを確認。左はぶったちベルグラ。右も複雑な形状をしている。いくとすれば完全に垂直な、直上ライン。小さく凹状になっているので足を広げれば少しは傾斜を殺せるか・・。

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リード開始すると、やはり荷物が重く、後ろにひかれる感じがした。思った以上によれているようだ。アドレナリン出すぎて反動がきているか。腕がパンプする。アックステンションが何度もよぎった。でも、まだいける。このパンプはコントロールできる。
お正月のタイでも、ガバのどっかぶりは鍛えたし、こういう時は過呼吸気味にして血中酸素濃度をあげれば回復してくることは経験済みだ。この冬はフリーを頑張った。それが去年の冬シーズンとは明らかに違う点だった。
せっかく6P目をオンサイトできたのに、ここでアックステンションしたら悲しい。
ランナウトした状態でどうにもならなくなっちゃうようなことにはたぶんならない。
核心を超えてからも、入念にレストしながら、氷への打ち込みもブレブレになりつつ何とかトップアウトした。
やっぱりマントルはすかすかの雪面。
最後は締まらない雪をラッセルして太い灌木に達した。

はあーーー疲れた!


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12:51、登攀終了。2人ともピークに達したときには13時半近くなっていた。
継続なんて言ってたけど、たった3Pにだいぶ時間がかかったなあ。もう、2ルンゼでお腹いっぱいだよ。
じゃ、だめだね。
まだまだ修行が必要。次はもっと登攀スピードを上げられるようにしないとね。
さて、暗くなるまであと数時間。最後までがんばろう!


しばし話し合い。明日には天候が荒れるし、今日中の下山は変化なし。とすると、これからまた何かを登る時間はないだろう。でも、2ルンゼの懸垂も7ピッチもあるならそれなりに時間がかかる。6P目ビレイ点みたいなおそろしげな灌木で懸垂するのも嫌だし、北東壁右ルンゼも見に行きたい。方角を確認し、とりあえず北東壁のほうへ行ってみようということになった。
もしラッセルに時間がかかるようなら、15時半までには2ルンゼの懸垂を開始できるよう戻って来ることにすればいい。


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雪は思いの外腐っていなかった。順調にSくんがすすみ、あとに続く。北東壁上部と思われるオープンバーンに出た。geographicaで位置を確認しつつ、たぶんここからまっすぐ懸垂すればグラスホッパーかなとあたりをつけた。

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掘り出したハイマツの根元で懸垂。木はたくさんはえてる。


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向かって右手にみえているのがP4かな。


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予想は的中。グラスホッパーの終了点の残置スリングに、60mいっぱいで辿り着いた。ぎりぎりぴったり!計算通りだね!(嘘)
ここからたった3ピッチで地上だ。気が楽になる。
けど気を緩めず、行動食とお湯をとって体力回復につとめる。


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グラスホッパーは見事に結氷していた。左ルンゼも立派だった。
しばらく人が入っていない雰囲気があったけど、残置アバラコフはちゃんとあった。
こうして考えると、2ルンゼと比べて、3ルンゼってものすごく短いんだなあ。
そして2ルンゼの下降は、恐ろしげな残置で7ピッチもかけておりるより、北東壁から降りるのが正解ムーブじゃない?(笑)


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右ルンゼも見事だったけど、2P目の出だしがどうかな?といった感じだった。初登、第二登の年(2007年)と比べても形が違う。
毎年微妙に形が違うらしい。こちらもいつか登りたいな。


<エピローグ>

今冬4回目の山行にして、やっと「完登」できました(敗退つづきだったもので)。
とても充実した山行となりました。
反省点は、
・登攀スピードの遅さ
・雪の処理が苦手
・フォロー力の低さ(馬力がたりない)
・山慣れが足りない(経験値!)

一緒に登ってくれたパートナーに感謝!そして留守担当の人生のパートナーにも感謝です。
まだまだがんばります(^ω^)ノ♪

2018 2月27日〜28日 錫杖岳 前衛壁 2ルンゼ 登攀 プロローグ、1日目

<プロローグ>

「壁の中でビバークしましょ♡」(by Sくん)


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2月中旬から、クライマーなら誰もが憧れる"Climbing Bum"(まだあと1ヶ月は"見習い")生活を満喫している。
5〜6月にはアラスカ遠征を控えているし、調子にのって平日も山、休日も山って予定を詰め込んだら、家にいる日は洗濯と次の山行のパッキングに終始し、がんばって時間作ってジム1、2時間、で、また長距離ドライブに出発!
みたいな息つく暇もない感じになってしまった。。(見習い期間中にしっかりスケジューリングも学ばないとね)


2月最終週も平日パートナーSくんと三日間くらいでどこかに行こうと計画していた。
だが、直前になって、最終日3月1日は天気が荒れることがわかり、二日の日程で錫杖にしようということになった。


先々週にハイパーな方と入山したとき、1ルンゼも2ルンゼもとても状態が良さそうに見えたので、もしかして北東壁右ルンゼもいい感じなんじゃ・・と淡い期待がありつつ、Sくんは「2ルンゼに行きたい!」と言う。
そこへきて、上記発言。
しかも「2ルンゼって、ビバーク前提で登られてるみたいじゃないですか」なんてシレっとのたまう。

え?そうだったっけ?

そんなのよく知ってる青鬼の変態二人と、あともう一人くらいしか聞いたことないけど・・って思ったら、出て来た記録はやっぱりその人たちくらいなものだった。
でも確かに某変態さんたち(参考記事)いうところの"ホテル錫杖"には泊まってみたい気がする。
それに先々週、ハイパープロフェッショナルな方も何やらおっしゃってたな・・

「ハンターいくなら継続の練習しといたほうがいいっすよちっぺさん!」 (by hyper TK)

右ルンゼがダメでも、北東壁のどれかに継続するってプランは面白そうだし、ビバーク装備を担いで登る練習はしたい。

ということで、2日の行程で"2ルンゼ〜北東壁(右ルンゼ)"って計画をいちおう組んだ。


だが、平日パートナーのSくんも私とほぼ同じような生活をしているみたいで、25日の日曜日もかなり遅くに下山したようだ。
それでまた翌日夜発では辛かろうと、27日朝に東京を出発することにした。

プランはこう。

27日:東京発→入山→2ルンゼ登攀→ホテル2ルンゼ(仮名)チェックイン→5P目FIX→泊
28日:2ルンゼ後半部登攀→北東壁へ→右ルンゼもしくは左ルンゼもしくはグラスホッパー→下山→東京

的な。


うん、なんだかワクワクしてきたぞ!


久しぶりに本気軽量化を考える、この楽しい時間。


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ビバーク装備は、共同装備として
1〜2人用ツエルト×1、小さいジェットボイル×1、ガス缶小×2、ライター1。
ほかに各自、
マットとシュラフ。私はサーマレストのウレタンマット(ほぼ新品)を背面長に切って持参し、シュラカバとドイターの夏用シュラフ。(+ビレイジャケット、ミトン)
Sくんはパタのエンカプシルダウン!+半シュラ!というセレブリティな組み合わせにエアマット。

食事は、
アルファ米に粉スープとブレンディ。+行動食多め(アーモンドとカキピーとレーズンのMIXに、えいようかん3本、バーなど)。

湿雪のラッセルも考慮して、グローブは本気登攀用とオーバー手、替えのクライミング用グローブの3つを持参した。


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登攀具は、
約60mダブルロープ×2、アルパインヌンチャク×10、キャメロットC4を#4まで1セット(2〜4はUL)、DMMナッツ1セット、大きいトライカム適当に間引いていくつか、EVO 1セット(核心Pで大活躍)、ハーケン3枚(使わず)、イボイボ2本(使わず)、ミニアイスフック×1(ホテル2ルンゼで大活躍)、スクリュー12本(LSL17cm×4、LSL13cm×4、LS10cm×2、BD17cm×2)、捨て縄3m×1、長スリ各自、ビレイ具等各自、いちおうアバラコフフック(兼スクリュー通し)と小さなヤスリ(右ルンゼを見据え)・・。


そして、そして、カネコロンのためにギンギンに研いだままのノミックとスティンガー・・!(右ルンゼに着く頃にはきっとまんまる☆)


これまで2年弱くらい使って来て常々「小さいな」と思っていたascendionist 35Lでしたが、ハーネスはけば冬の1ビバークくらいは十分パッキングできることが今回判明しました。なにごともやってみないとわからないね。


ぎりぎりになっちゃったけど、ホテル2ルンゼは無事予約とれました!(?)
2月27日、始発で八王子駅まで来てくれたSくんをpick upして、いざ錫杖へ!


<1日目>

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なんかめっちゃいい天気!すぎ!


駐車場には9時半ころ到着。予定より早く出発できそうだ。
ストックわかんで行きましょうと話していたが、Sくんわかん忘れ。
でも駐車場でちょうど下山して来た知り合いのクライマーに遭遇し、トレースはバッチリという情報を得る。やったね!


10時歩き始め。
アプローチはこの時間ですでに腐り雪。2ルンゼは若干北東向きだから大丈夫かな・・

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ちょこんとした槍が萌きゅん。


トレースばっちりにつき、11時頃にはクリヤの岩屋でいらない装備をデポ、11時半ころ取り付きに到着し、12時には登攀準備完了できた。


「攀船記でゆずっていただいたので・・」



と、奥ゆかしいSくんは、核心の6P目のリードを譲ってくれるという。
遠慮なく登らせてもらうことにし、奇数ピッチ担当となったSくんリードで登攀開始した。


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1P目

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1P目抜け口

1P目は左の凹角にラインをとって氷を登る。氷の発達もたぶん良さそうだし草付きも凍ってる。雪田にあがったところの潅木でビレイ。
そのまま2P目の雪田をあるいて3P目と思しき氷化した凹角の直下に至る。
フォールラインに入りたくないけど、プロテクションをとれるところが見当たらない。
仕方なく、懸垂用なのかな?と思われる汚いスリングをちょっとどけて、ピナクルとスクリューでビレイ点とし、Sくんを迎えた。


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2P目雪田。あまり日が当たらないのでそこまで腐ってはいない。


つづく3P目、順調に氷瀑を登っていくSくん。姿が見えなくなってからもしばらくロープが伸びて行き、ほどなくして3m分くらい短い青ロープのほうがいっぱいとなった。


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ビレイ解除し、「いっぱーい」(フォー!コールは使用せず)と言いながら数メートル登るとロープの動きが止まった。
すぐに「どうぞー」のコール。
フォローを開始した。

快適に氷を登っていると、10mくらい登ったところで右壁に割と立派なラペルステーションをみつける。
あまり気にせずフォローをつづけ、ふっと「見覚えのある」ような景色の脇を通過した。

数メートル登ったところで、「ん?」と思い見下ろすと、あれ。右下方に見たことのある洞窟状がある。
誰かさん(参考記事)がベルグラへの乗り移りに苦労してプアプロガチフォールしてたあの場面にものすごく似てる・・・

気がするけど、きのせいだよね!
(4P目は偶数ピッチ担当者にとっては初日一番の核心部かなと思って楽しみにしてたし!)


きのせいだよね!
(だってもしそうなら3P目が短すぎるし!)


って思いながら登り続けたら、こんもりと積もった雪塊の向こうで隠れるようにビレイしてるSくんの姿が見えて来た。


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ちっぺ「Sくん、もしかして・・・・・もしかした?」

S「・・・・・・はい、もしかしました・・・すいません・・・」

ち「あ、いや、全然いいんだけど・・。あれ、やっぱり?(笑)」


なんと楽しげに思われた4P目というものがなくなってしまっていた!氷はりすぎ?
狐につままれた気分で、16時頃には無事ホテルにチェックインとなった。


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ホテルの部屋を見て開口一番、

ち「うわっ!なにこれスゴイ!✨」

思わず歓喜の声をあげた。きっとこれを見たら誰もがそうするだろう。


2畳くらいの部屋が二部屋もあり、ゆうゆう立って過ごせるほど天井も高い。
なんなんだこの空間は!!
これは泊まらなきゃ損!ていうか、むしろ1泊じゃもったいない!!

感動さめやらぬ中、荷物を預けて、

ち「えーっと、じゃあ、FIX行っちゃっていい?」
S「もちろんです!」

と、オーダーが逆転したけど私が5P目を行くことになった。
明日のオブザベもできるしちょうどいいか。

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空身で快適なIV級くらいの氷を登って行き、最後は岩が露出したいやらしい腐り雪地帯を草つきも使って登って終了。
はじめ、6P目のラインがわからなくてどっちに行こうか?と迷ったほど、6P目は岩岩していた。
思っていたのと全然ちがう・・

すでに枯れている、前腕の半分くらいの太さしかない灌木の根元に汚いスリングが巻かれている。

なにこれ。これで懸垂とかしたわけ?(笑)

クラックに#4と#.75を極め、その"(笑)"な木も使ってビレイ点とした。

ふたたびよくよく見上げると、やっとラインが見えて来た。


なるほど・・・
クラックを使って登って行って、最後はあの恐ろしげなつららの下から恐ろしげなベルグラに乗り移って、そしてハング越えするのね・・・!


なにこれやばい!登れんの?すげーすげー!


興奮しながらFIXロープを設置し、ホテルに戻った。


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部屋につくと、Sくんによって荷物が整理され、壁ビバークおきまりのFIXも張り巡らされ、非常に快適な空間が作り上げられていた!

うわー泊まれるの楽しみだー!

テンション高め、かつ万事予定通りに初日を終了した。

2日目の記録につづく!

プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属。国際認定山岳医。
好きな食べ物:肉。
カリマージャパンアンバサダー。

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