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2019/08/11 アルパマヨ 登山記録 〜 親切に乾杯 〜 11/08/2019 ¡Vamos a bajar!

4時半起床。
さあ、降りましょう。
用を足しに表へ出ると、南西壁の上の方にヘッドライトが光っていた。
体調は問題なし。起きて炊事などしてから測定すると、SpO2は80台前半だった。
ま、もうどうでもいいや。
ゆっくり支度して7時に下山を開始した。

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今日どこまで行けるか分からないが、BCまでは荷物1つで、BCからは前後ザックで降りることにする。


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アディオース!アルパマヨ!


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アディオ〜スみなさん!


まずは懸垂3回。

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細引きは絡みやすいのでその都度丁寧にスタフバッグへ仕舞う。


最後の屈曲したピッチでロープがひけなくなり、2度ほどプチ登り返し。

懸垂が終わる頃には9時を回っていた。
フレッシュな身体で、ひとり静かに作業が出来たので良かった。

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バーを1本食べて、ここからは歩き。雪はまだ硬く歩きやすい。クレバスも問題なく通過した。


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また新たなパーティが登ってくる。上から見下ろすとルートを横切るクレバスが見通せる。

例年Cordillera BlancaもHuayhuashも8月中は問題なく登れることが多く、9月に入っても登れるそうだ。本格的な雨季が始まるのは10月からという人もいた。


MCには10時半頃等到着。私が張っていて荷物をデポしたサイトには立派なテントがたっていた。

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危険地帯は通過。あとは頑張るだけか!


近づいてみると、現地ガイドとスタッフのテントで、ガイドだけは英語が話せた。どうもお客さんが具合悪くなってしまったらしく、予備日がもう無いから、明日はHCまで行けたとしても山を見るだけで降りるしかないという。


やはり6日の行程だそうだ。弾丸だなあ。
高いお金を払って高山病で登れなかったら悲しいだろう。ガイド登山も大変だ。


私の装備を見ると皆、「ソロなの?登ったの?」と聞いてくる。説明が面倒だから、山を知ってそうな人にはちゃんと答え、ただ興味本位っぽい人には「登ったよ」とだけ答えた。


MCのデポをまとめると、外付けを駆使しなければパッキング出来なくなった。

MCからBCまでの600mの下りは砂砂のザレ道。ザックの重みで後ろ体重なのでよく滑る。スピードも出せず、ブレーキを利かせて降り続けたから疲れた。たぶんこれが原因となって、下山後はひどい筋肉痛が待っていた。


13時少し前にBCに到着。荷物を放り出してデポを取りに行った。袋は無事だった。ここまできたら湯を沸かしてリフィルヌードルを食べると、それだけを楽しみに歩いてきた(笑)。


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この掘っ建て小屋でビールを売っているというが本当だろうか?


パッキングも2つ体制にするのでいったん全ての荷物を広げる。デポの中身を整理していると、あれ?何かがおかしいな、と気付く。ゴミ袋にしていたジップロックの口があいている。空気を抜いて閉めた記憶がある。
そして、なくなっているものがあることに気づいた。そういえばお気に入りの折りたたみのカップは?あれ、エアマットは??


アルパマヨBase Campにはトレッキングの人も含め不特定多数がやってくる。
やはり盗られて本当に困るものは置いて行かず正解だった(ソーラーパネルとか、MCまであげていなかったら盗られていたかも)。


どん兵衛を美味しく頂いてからパッキングを済ませると14時過ぎくらいだった。今日ここに泊まるのはまだもったいない。もうちょっと降りよう。


前後ザックで軽快に下り、サンタクルストレイルとの合流点には15時半着。

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クマかと思ってドキッとした。そこ、道ね。


カタディン浄水器を取り出して清流を頂く。かーっ美味い!というかやっと自撮り棒登場!orz

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アンデスの天然水!サイコー!


その後砂浜でアブの大群に襲われながら、どうせ歩くだけだからllamacorral(初日のキャンプ地)を目指してみるかー、と思い始める。サンタクルストレイルはオアシスをずっと歩く感じなので、寝ようと思えばどこでも寝られる安心設計。


そんなこんなで17時頃、大きな湖であるJatuncochaの横を通り過ぎた。なにやらテントが沢山あって、白人たちが楽しそうにしている。おーおー、いいねえ。楽しそうだねぇ。
そしてllamacorralにつくのは19時半くらいかな?
なんて思いつつ通り過ぎようとしていたら、ペルー人のおじさんがこちらに手を振っていた。


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私も振り返した。
知り合い?違った(笑)。
彼は英語が話せた。ガイドだ。

「どこまで行くの?」
「えーっと、ジャマコラール?」
「もう暗くなるよ!」
「そだね」
「ココこんなに気持ちがいいのに!ココに泊まればいいのに」
「そだねー」
「絶対それがいいよ。よければお茶やスープもあるよ?」
「泊まります!ココに決めた!!」

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というわけで、今度はトレッキングガイドのおっちゃんから施しを受けることになったのでした(笑)。


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急いでテントを張り、キッチンテントへ向かうと、コックさんがにゅうめんみたいなものの入ったスープと甘いお茶、ワンタンの皮を揚げたやつ(tequeño)を恵んでくれました。ありがたやー!

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無銭飲食が板についてきた!?


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ソパ!あったまる〜


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これは何?ってきいたら、「わんたん」って言われてビックリした(笑)。


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水を取りに行ったらさっきのおじさん食器洗ってた。


何故こんなにもみな親切なのだろう。チップとか渡すべきだったのかしら・・。文化がわからない。。


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サンタクルストレイルは常に足元注意!テント張る場所も注意!


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コッチはただのおばけ松ぼっくり。


今夜これで終わったじゃん!めっちゃラッキー!と思いながらテントで歯を磨いていると、さきほどのおじさんがまた声をかけてくれました。


「スープ美味しかった?いまから焚火やるからジョインしなよ!」

マジスカー!


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サンタクルストレイルはどこでも焚火が出来るわけではないようで、このサイトだから出来たそうだ。トレッキングツアーの他のお客さんたちに混じって焚火の周りに腰かけた。するとまたスープが出てきた。それで終わりかと思いきや、なんとロモサルタード(牛肉と玉ねぎトマトなどを炒めたMust Tryのペルー料理)まで出てきた!なんて豪華なの!


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タンパク質だーい!


お客さんたちはカナダ人とフランス人のごちゃ混ぜだったようだが、盛り上がってくるとフランス語が飛び交い始めた。いよいよわけが分からなくなってきたところで、先に寝た(笑)。


ここまできたら明日は街に降りたい。
colectivoの最終がたぶん14時くらい。ここを何時に出ればいいかな?
でも早起きは頑張りたくなかった。バスに間に合わなくても登山口ビバークすればいっか。
もうここから先はどうにでもなる。
ひさびさに寒さに震えない一夜を過ごした。


2019/08/10 アルパマヨ 登山記録 〜Summit Day 〜 ペルー旅行記その7 〜 10/08/2019 Cumbre del Alpamayo 5947m

Summit Day

23:45に目覚ましをかけていたけれど、寒くて寝ていられなかった。23:30には起き出した。
夜間もAZAのせいかトイレに行きすぎだった。そのおかげか否か、高度障害は出ていない。たぶん多少無理のある今回の行程を考えれば、それだけで充分過ぎる位だ。

スープご飯とミルクティーの朝食を済ませてペコマから天気情報を聞き(快晴ほぼ無風!)、1:17頃歩き始めた。

背中のザックには細引き60mと60mダブルロープ1本、スクリュー5本、テルモス1L。ここまでの残置の感じからスノーバーは1本に減らした。でも懸垂回収でトラブったりすると嫌だから、捨て縄は持ってきた8本、全部持った。バーは5本、1000kcal。

それ以外のギアは全て腰についてるし、アイゼンもつけちゃってるし、これまでと比べるとだいぶ軽く感じる。昨日の疲労もそれほど残っていない様だ。
寒くてビレイジャケットは脱げないけれど、動き続けていればなんとかなりそうだ。

で結局、自撮り棒はテントに残置・・(笑)。

BCは下から見れば、巨大アイスフォールの上にちょこんと広がっている平らな雪原だ。昨日、ルート取り付きへと下る降り口は確認してあった。

Wilderたちはもう出た様子。となりのパーティはテントの外に集合しているがまだ準備中と見える。

アプローチで遠くから見ていたデブリ帯を通過したとき、デブリの巨大さにたじろいだ。右上の斜面が崩れてここまで流れてきた跡だ。暗いからより恐ろしく見えるのだろう。足早に通過した。怖い怖い。

取り付きに近づくにつれ、Wilder/Yさんペアとの距離も縮まり、後続も迫ってきた。最後は固く締まった急な雪壁の登り。やはり息がきれてペースが落ちた。

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取り付きには3、4人が立てるほどのスペースがあったが、そこにWilder、Yさん、私の順番で滑り込んだ。後続はその下の雪壁に支点を作って待つことになった。

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後続のガイドはかなり煽ってくる感がある。先頭の2人が出たあとに出るのがいいか。それともロープを出さないなら、Yさんが出る前に出てしまったほうが良いのか?


様子を見つつ、Wilderのリード開始後少しして、登り始めることにした。
やはり遠くから見たベルクシュルントのところは壁と離れていた。取り付く先の壁は部分的にしっかりした氷壁。アックスをきめたらそちらへ軽く飛び移る形になる。アックスはバチ効き。でも足元は奈落の底。スクリューをきめて、ワンポイント死なない程度の確保を試みた。


その間にYさんがフォローを開始した。待たせてしまっている。やはりYさんの後の方が良かったか・・。

核心と思われるそのパートを抜けると、はるか遠く暗闇へと続く雪壁があらわれた。ひたすらダブルアックス。途中、残置スノーバーでYさんをビレイ中のWilderの横を通り過ぎた。しばし休憩したかったけどスペースもないし、そのまま通過する。


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“¿Cómo estás? だったか、”How are you?”だったか忘れたけど、Wilderが声をかけてくる。"Very good.”とかなんとか朝の挨拶を交わして通り過ぎた。


息が上がらないペースで登っているが、ふくらはぎの乳酸感が強い。やはりSpO2は低いのだろう。だが、昨日までの感覚からすれば、硬雪にスノーバーを打ち込んで支点を作るだけでも一苦労。このままたぶん60m上にはあるであろう残置まで行ってしまった方が楽なのは明らかだ。


と、ほどなくして猛烈な勢いでWilderが上がってきた。くそー、さすが速いな、と悔し紛れに関心する。
まあ現地ガイドと速さを競い合っても仕方ない。そこにありがたくスノーバーの残置があったのでしばしレストすることにする。


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すると「そこで止まって」と彼が言っている。「ああ、大丈夫。ちょっと休みたかったからここで止まる」と言うと、私を追い越しざまに、珍しく息切れした途切れ途切れの感じで彼は言った。


「Chiaki-san、Yさんの、後ろから来なさい。それで、あなたの、安全のために、ロープを繋ぎなさい」


その刹那、記憶の中の複数の場面や思考が一気に去来した。
その場では相槌をうつ位しか出来ない一瞬のうちに、彼はまたザクザクと登って行ってしまった。


ロープ繋げって言ったかな。


ソロで登るなっていう、あのことかな?


でもつい今しがた楽しげに挨拶を交わしたときの彼とは雰囲気が明らかに変わっていた。


現地ガイドと揉めるのは一番良くない。日本人の印象も私のせいで悪くなったら不本意だ。何より、私はその時点ですでにWilderという人の人柄を信頼していた。


下からフォローを開始したYさんが上がってきた。とりあえずここでYさんが行き過ぎるのを待とう。オーダー的にもその方が良さそうだ。かなり間を詰めてくる後続のガイドが気になるが、まあお客さん自体はそれほど早くないようだしいいだろう・・。


Yさんの通過と同時に私も登り出す。


次の支点でビレイしていたWilderと合流。すると彼は言った。


「そのロープをください、彼と繋ぐから。4mくらいあれば安全。」


やっぱり、聞き違いではなかったのか・・・


私は反論しなかった。即OKと答えた。今では、その判断は正しかったと思える。


そこから先は怒涛のクライミングだった。
ひたすらダブルアックス。分かっちゃいたけど、モノポイントアイゼンのふくらはぎはパンプ。でも彼らとペースを合わせるしかない。足を引っ張ってはいけない。


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ちなみに、バツーラと合わせるとキックしてるうちに外れることが判明した恐ろしいスティンガー。シャモニで新調したダートはアラスカであっという間に行方不明となってしまったため、今回また引っ張り出してくることになった。メーカーに問い合わせたところ、ナットで留めるなどして対処するしかない様だったが、DIYが苦手だし重くなるしで放置していたのだ。今回、解決策として、プレートのところをダクトテープでガチガチに巻いて使ってみた。
これがとても調子が良かった。


もちろん、何やってんだろ、私、なんて考えも浮かんだ。はぁはぁしながら。"誰もいないときに登る"・・。どうしても単独で完登したかったなら、こんな混戦状況で登ろうとすること自体間違いだったのだろうか?でも、その"ルール"さえなければ、遅いパーティがいて順番待ちをくらったり、そうでなければ追い越しをしたりしてもらったり、そういうのは良くある話だ。
こと、このような人気ルートなら。


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ガンガン登るWilder。


とにもかくにも高度はグングン上がった。しかしビレイの時間があるのもあって、いくら頑張って登っても身体の震えが止まらない。おそらくこの激しいシバリングが最も私の体力を奪う原因となった。


後続のガイドとは度々ビレイ点で一緒になった。
"君たち名前は?"なんて聞かれたりしたが、独りで登っていたかと思いきや急にWilderたちと登り始めたこの奇妙な状況を、彼はどう思っているのだろう?


山頂まであと3、4ピッチを残したところで、やっと夜が明けてきた。


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昇ったねー!と沸き立つ。


やったー、太陽カモン!て思ったけど、私はただのこの時までずっと勘違いをしていた。


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キタラフ北壁に日が当たっている・・・。


って、当たり前じゃん!ここは南半球!!


しかもこの壁は南西向きだから午前中はほぼ日陰ですorz
当たり前じゃん・・そもそも8月なのにいま冬だし、ここ(笑)。
やっぱり酸素薄くてボケてる?(違うか)


頂上稜線上に出たのは8時頃だった。ここから15mくらい、スノーマッシュルームを登って終了。

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下から見てよくわからなかった最上部は、右から東側を回り込んで登るラインになっていた。ここら辺は年によって雪の形が変わるから、ラインも微妙に変わるらしい。
ちゃんと状態を見て登らないと、この最後のひと登りで壁が崩れて死んでいる人もいる。


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空飛ぶYさん!


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空飛ぶYさんその2!


08:30、頂上に立った。


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5947m。


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稜線上、ここより高いところはない。


快晴。雲海と見渡す限りの青空。天気のことはよくわからないが、朝の雲海は大気が安定している証拠と聞く。とにかく凄い眺めなのは間違いない!


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でも正直なところ、この時の私の心の中には濃い靄が立ち込めていた。入山前から始まり、入山後の日々を振り返る。そして今日、そして今。
この登山の意味はなんだろう。


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Wilderにもだが、Yさんにも申し訳ない。いやむしろいきなり巻き込まれたYさんこそが被害者だ。


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BCから見えていたのは東壁側。Arhuaycochaがよく見える。


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麗しのArtesonrajuさまも間近。


とにもかくにも下山を開始。下降も結局ロープを借りた。Wilderは降りるとロープは引かず「◯×△〜!」ってなにかコールするだけだった。Yさんによれば、日本語で「どうぞ〜!」と言っているらしかった(笑)。

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何ピッチもの懸垂下降。


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アバラコフやらスノーバー。60mおきと言わずそこかしこにある。


取り付きまで降りてきた。すでにモナカになっているところもあって降りずらかった。Wilderはそこら辺分かりきっているようで降りやすいところをサクサク下ってた。


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まだ登っているパーティもいる。おそらく彼らはガイドレスのフランス人たちで、この日登頂できず、翌日再チャレンジのためHCに留まったパーティだ。


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これはいわゆる空元気というやつ(笑)。ほんとはヘトヘト。


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下降終了後ほどなくして壁はガスに包まれた。


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BCへの登り返しは一苦労だった。登攀中も下降中もずっとシバリングが止まらなかったせいか疲労でぐったりしていた。いやな寒気もした。ロープをつないでからは、持ってきた1Lのお湯を飲むタイミングもなく、脱水気味でもあった。ゆっくりゆっくり、一歩一歩を進めた。疲労困憊の体でBCに帰着した。


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それでまた、お茶をいただいた(笑)。
Wilder、Yさん、ありがとう!!


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彼らはこの日下ると言っていて、スタッフがテキパキと下山準備を開始していた。私は当然無理だ。今、すでに12時。暗くなるまでは6時間。少なくとも今から数時間は休憩しないと動き出せないし、荷物も昨日までの倍になる。


このような高所に意味もなく留まるのはあまり良くないとはいえ、今日下ったら事故るな、と思った。


後続のガイドパーティも下山してきた。この日登れたパーティはもれなく今日中に降り始めるようだった。


ガイドレスのフレンチパーティだけが、ここに残ると言った。独りぼっちにならずに済んで少し嬉しかった。ちなみに彼らはキッチンスタッフを雇っている。いい匂いがすでに漂ってきていた。


昼食を済ませたYさんたちは下山していった。私は異様な疲労感で、灼熱のテントのなかに転がっていた。呼吸以外はなにも頑張らずに。
呼吸だけは頑張らないとだめだった。モニター上は、ひどい時でSpO2:60台前半まで低下した。ここで気を抜いて明日ひどい高山病になっても困る。下降ははじめ懸垂もあるし、クレバスの通過もあるから気は抜けない。


数時間、ミルクティーを飲んだり、寝たり起きたりを繰り返して、15時半を過ぎると体調も少し回復してきた。


そこでやっと、今日1日を振り返ることができた。


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北壁側は見ていないけど、南西壁は充分過ぎるくらい美しいよ!


下山後、お茶をもらいながら、私はWilderに聞いた。


「ところで・・ひとつ聞きたいんだけど、なぜあの時、ロープを結べと言ったの?」

すると彼は少し表情を曇らせて答えた。

「後ろのパーティのガイド、彼が言ってきた。"彼女は何をやっている?ソロだぞ。降ろすべきだ"と。私はガイドとしての立場がある。ああするしかなかった」


私は、する必要のない質問をしてしまったかな、と一瞬思った。でも想像の中で自分の良いように解釈するだけでは、きっと何年たっても納得できない登頂となってしまっただろう。


私は答えた。


「なるほど、分かった。よくわかりました。本当にありがとう」


この言葉しかないはずだ。


彼はYさんを安全に山頂に立たせるというとても大事な仕事中だった。このビジネスにおいて正念場だった。それなのに、得体の知れない小娘を、大事なクライアントと繋いでくれ、登らせてくれたのだ。「だから言っただろ。降りてくれ」って一言言えばそれで済んだはずなのに。


まだぼーっとする頭で、その時のことを反芻した。ほんの少しでも「リードさせて」とか言おうと思った瞬間もあった自分を恥じた。そして、アルパマヨの美しい姿を数枚しかまだ写真に収めていないことに気づき、テントを出た。もっと写真を撮らなきゃ、もっとこの壁をよく見なきゃ。


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本当に美しいよ!


ほどなくして、また新たなパーティが2つほど、HCに上がってきてまたサイトが賑やかになった。


呼吸だけを頑張りながら、それ以外はなんにもしないでただただ壁を眺めていた。


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やっと水を作る気力だけ沸いた(笑)。


その後もテントの中で悶々としていた。
食料はなかなか食べられないせいでまだ残っている。燃料もたぶんもつ。天気も、ここから多少崩れる情報はあるが、明日の午後から風が強まる程度のことだ。もう1泊粘ることは出来なくはない。つまり、明日再チャレンジも不可能ではない。
私はこれでこの登山を終わりにして降りて良いのだろうか?


ぼーっとする頭で考えた。悶々とした。
でも、明日また0時に起きてアタック、行けるのか、自分。ペコマにも心配をかけるだろう。否、それよりやれるのかどうかだ。冷静に考えて、やれるのか、自分。どうなんだ。


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それにしてもあそこまで寒かったのはなぜか?順化不良?カロリー不足?気温に比して薄着しすぎだったとは思わないんだけどなぁ・・


私はたぶん無理があるという結論に、はじめから傾いていた。心も体も弱かった。
事故るだろう。5割くらいの確率で。

降りよう、明日。


粉スープを使って白飯を食べやすくする作戦を、残りのスープを使い果たして実行した。食べられる。それだけでホッとする。食べてくれないと身体は回復しない。


19時くらいまでは頑張って起きていたけど、耐えられなくなって寝た。明日も早起きして、ゆっくりかつ安全に下降しよう。

2019/08/07〜08 アルパマヨ 登山記録〜Base camp からMorain Campへ〜ペルー旅行記その5〜 07/08/2019-08/08/2019 hasta Campo Morrena Alpamayo

8/7、4時半起床。

起きたらinReach Miniの電源を入れ、空気孔から手だけを出してテントの外に取り付ける。

シュラフは#2、防寒具も薄い化繊のビレイジャケットのみだ。予報では山頂ですら-10度いっていないのでこれでも余裕と思っていたが、やはり深夜から明け方にかけては、この標高でも熟睡は出来ない寒気に包まれた。

面倒くさくてフライを張っていないから、より標高が上がってもまだ切り札がある、と自分に言い聞かせる。しかない。


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今回、α米や水戻しパスタの半分の値段だったので、朝食用にリフィルヌードルを購入した。山の中ですら、カップ麺なんて十何年ぶりだろう?という位、普段カップ麺というものを食べない。
今朝はどん兵衛にした。ものすごく美味しくて感動した(笑)。クセになるかも。


それほど急いだわけでもないが、テント撤収して6時には歩き始められた。

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朝6時はまだ暗い。


今日は最初から前後ザック作戦。そのせいか、良いペースで歩けた。

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しかし、ふとした瞬間に足を取られ転んだ。ほぼ真っ平らだが、不揃いの石畳で固められた道に差し掛かった時だ。少しでもバランスを崩した途端、自分の身体と違うところに重心がある身にはもう成すすべがなかった。

慣性のままに、というか、前のめりに倒れて、そのまま頭が下になるところまで行った(笑)。スネとおでこを打った。どちらも軽症で済んだ。

これが崖っぷちの道だったら・・即アウトだ。
それ以後、考え事はせず、足元に意識して歩くよう心掛けた。


それにしても、昨日とは比べ物にならないくらい良いペース。昨夜は「明日大丈夫かな?」と心配になるような疲労感だったのに、今朝起きたらすっかり元気になっていた。


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周りの景色を楽しむ余裕はないが、余りにピラミダルなArtesonrajuの姿だけはついつい見惚れてしまう。


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Jatuncocha湖はLlamacorralから約2時間ほどのところにある直径1kmほどの美しい湖。水がとにかく綺麗で、魚もいっぱい居るらしい。このほとりにも気持ちのいいテンバがあるが、主に泊まるのはトレッカーで、アルパマヨ登山の人でここを利用する人は少ない。


そうは言っても、30分〜1時間おきには大きい岩を見つけて休憩する。途中、砂浜みたいな大平原をずっと歩くようなところがあり、めぼしい休憩用の岩もないので辛かった。"ライフセーバーのトレーニング道"と名付けて、「はやく終わらないかな〜」とぼやいていた。


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ロバ強し。動きを見ているとけっこう賢そう。ある程度自主的に動くし、他のトレッカーの邪魔にならないよう立ち止まったりもする。


Llamacorralから8kmほどでサンタクルストレイルを外れ、アルパマヨへ向かう谷へと入っていく。
明らかにトレッキング風の家族連れなども結構コチラへ来ていて「アレ?」と思ったが、BCまではトレッカーも多数訪れるようだ。


ここからは標高差350mほどの登りになる。でもかなり細かく九十九折っているせいで道自体の傾斜はそれほどでもない。まだまだ前後ザックで余裕だ。


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アルパマヨBCには14時過ぎに到着した。BCは沢山のテントで賑わっていて、とてもオフシーズンとは思えなかった。

そういえば、結局Yさんたちに会わなかったなあ・・。
"絶対どこかで追い付かれるから。アスタマニャーナ!(また明日!)"と言って昨夜別れたのだ。
まさかYさんがお腹を壊してダウンしていたとは、この時知る由もなかった(笑)。


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シューズにたまった砂。サンタクルストレイルの砂加減はかなりのモノ。富士山の砂走りを駆け下りた後よりも凄いことになる。足も真っ黒。


まだまだ余裕があるので、今日中に荷揚げしようと思い立つ。
テントを張り、休憩して、揚げる荷物(主にギア)をパッキングした。17時下山開始と決め、15時20分頃にテンバを出た。

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昨日のうちに、今後のプランは練り直してあった。
もっと荷物を減らさないと登れないのは明らかだ。


まず、HCの滞在日数を減らす。天気はきっと大丈夫だし、天気待ちなどしない。キタラフも行かない。で、HC滞在は2泊と決める。そうして、食料燃料だけでなく、その他の装備ももっと切り詰め、BCとMCとにそれぞれデポする。


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標高が上がると、BCの背後に水をたたえる巨大なArhuaycocha湖が見える。大きさはJatuncocha湖とほぼ同じくらい。氷河の侵食で出来た湖だ。ちなみに”cocha”はケチュア語で”湖”。


MCからHCへのキャンプアップが1日で済めば理想で、無理でも2日以内に収めたい。ということで、MCに揚げる荷物は4泊分のみでいい。ガス缶も4つもあるけど、BCに1個置いていくことにした。


この日はMCにはたどり着かなかったものの、標高4800mくらいまで荷揚げすることが出来た。
荷物が軽いとこんなにも違うものか。

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休憩中に測定。


道中、ギアを担いで降りてくる人とすれ違い、下山の人だなと思って話しかけた。有難いことに英語が通じた。彼らは無事登頂したようだ。French Directの状態を聞くと"Good good!"と言うので嬉しくなる。また、Morain Campで水が取れるのか定かでなかったので聞いてみたら、「とれるよ。氷河が溶け出したストリームがある」という。それなら安心だ。

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雪に埋まってロストしたりするはずもない安心感のあるデポ(笑)。


17時半過ぎにはテンバに戻り、α米のご飯。
今回、味のあるご飯は2食分だけで、あとは全部白飯。ゆかりとごま塩を持ってきたが予想以上に味気なかった。やっぱりいつもみたく牛飯とか、ビビンパのやつとか、買えばよかったなあと後悔する。
でも・・明日の朝ごはんはリフィルヌードルだ!
そうやって自分を励ます。シーフードヌードルか、カレーヌードルか、どん兵衛のたぬきと狐も選べる。
よし。早く明日の朝が来るよう、早く寝よう。


8/8も4時半起床。

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で、シーフードヌードル〜!
72gで400kcalというのも嬉しい。

今日MCに上がれるのは確実なので、それを踏まえてBCに置いていく荷物を仕分けした。けっこうな量になった。
デポ袋的なものは何も用意しておらず、日本の100均のポリ袋でデポしていくというのが何とも心許なかった。ただ、BCには大きな掘っ建て小屋みたいなモノがあって、デポ荷物置き場みたいになっていたので安心した。


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一応、盗られて本当に困るようなものは置いていかないようにした。


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荷物が軽い。順調に高度を稼いでデポ荷物を通り過ぎ、9時くらいにMCに着いた。まず、いいサイトを確保する。水場の近くがいいな、と思って水場を探した。耳を澄まして場所を探る。しかし・・・水音は全く聞こえてこない。


困ったな・・と思いながら、適当なところにテントを張ってデポを回収しに行った。

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絶景なり!


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やはりArtesonrajuが目につく。面白そうなmixルートもあるのでパートナーを見つけてまた来たい。


11時頃、デポを持ってMCに戻って来た。これからまたHCまでの荷揚げに行きたい。でも、水を確保するのが先決だ。仕方なく、ものすごくしょぼい雪渓の生き残りみたいなやつを採集することにして、スコップ代わりのスノーバーとアックスを持って窪んだところへ降りた。

するとその途端、左のほうからハッキリと分かる水音が急に聞こえてきた。


あーっ!ある!あるぞー!


嬉しかった(笑)。

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あった(笑)。


音のする方へ行ってみると、本当に小さくて濁ったストリームがあった。でも水量は豊富。そして私にはカタディン浄水器があるから何も怖くない(笑)。


水を3Lほど確保して、デポ荷物をパッキングし、11時45分に荷揚げを開始した。


モレーン帯のガレ場を詰め上がる。ケルンを辿っていくが、あまりいい道が分からない。

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そしてついに、氷河の取り付きへ!バツーラに換装してアイゼンを装着。やっと雪山登山の開始だ!


この時間になると雪は多少腐ってくるが、それでも踏み固められたトレースは歩きやすい程よい固さ。雪ダンゴも全然つかないし、いい傾斜でグングン高度を稼げる。ガレよりもライフセーバーのトレーニング道よりもはるかに歩きやすくて疲れない。


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SpO2も、起きて行動している分にはとくに下がらないようだった。


それでも標高5200mを超えた辺りから明らかに息が切れた。途中、雪庇の突き出たナイフリッジや幅1mほどのクレバスの通過があり緊張する場面もあった。


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行きはアックスを効かせてまたぐ。帰りはジャンプ!


標高5300mを少し過ぎたくらいで、設定していた下山開始時刻になったので終了とした。この少し上からロープを出すことになるのだろう。

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ここからだとまだラインが全然見えてこない。一体どこを登るというの?


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フレンドリーなフレンチパーティも荷揚げのため上がって来た。彼らは私より50mくらい上、壁の直下まで行っていた。


MCには16時半頃に戻って来られた。ゆっくり身体の手入れなどして、ココにデポする荷物を仕分けした。ガス缶をさらに1個減らし、ソーラーパネルも置いていってモバイルバッテリーだけにする。明日は冬装備でスタートするので、ここまで着てきた衣類やトレランシューズもデポ。
明日の荷物はかなり軽そうだった。

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MCには私のほか、4張りくらいしかテントがなかった。
荷揚げの往復中にもすれ違わなかったし、Yさんたちはどこに行ったのかな・・。
寒い夜に備え、フライを張った。


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今夜も白飯にゆかりとごま塩。なかなか食が進まなくて、最後はお湯を追加して流し込んだ。
行動食も1日800kcalくらいと、いつもの山行の時より少な目に設定して用意しているのに、なかなか1日分を食べ切ることができない。なるべくお茶などと一緒に、夜に残りを消費するよう心掛けた。
テント内でモニターをつけると、SpO2:75%くらいまで下がっている。
意識的に深呼吸し、早く寝過ぎない方がいいな、と思う。


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いつも無意識に行なっている呼吸という作業は、意識的に行うとすごく疲れる。一般に食事中はSpO2が下がると言われるが、単に換気量が減るシチュエーションでもれなく下がる。更に、寒くて、ほぼテント内を締め切った状態で火を焚いているのも良くないんだと思う。通気孔から直接外気を吸ってごまかす。


こりゃ睡眠中は結構下がりそうだね・・。


明日、HCに上がれるだろう。そんな確信が持てた。
アルパマヨ南西壁との対面まであと少し!

2019/8/6 アルパマヨ 登山準備と出発〜ペルー旅行記その3〜06/08/19 Preparación y partida por escalada Nevado Alpamayo.

出発前夜、買い出しした荷物を含め、装備をチェックする。


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テルモス1L、カトラリー、身体拭き、薬類(ダイアモックス含む)、テーピング、ダクトテープ、リペアシート、プロトレック、ライター2こ、細挽き、日焼け止め、保湿剤、目薬、グローブ2つ、オーバーグローブ、ソーラーパネル、モバイルバッテリー(20000mAhと5000mAh)、コード類、グラサン、雪袋などゴミ袋、コンプレッション(着替え、モンベルダウンハガー女性用#2、ペラペラのインナーダウンパンツ、象足)、双眼鏡、カタディン浄水器、エアマット、90cm位に切ったサーマレスト、バツーラ、行動食9000kcal分約2kg(ワラスで購入)、α米とリフィルヌードル10日分計20食、粉スープ、ミルクティーの粉、ポカリの粉、テントマット(ワラスで購入)、inReach mini(小型イリジウム衛星端末)、ビレイジャケット(Rabの薄めのやつ)、ヤッケ上下、ノミック、アックス流れどめ、8ozガス缶×4(ワラスで購入)、ヘッデン、予備ヘッデン、カメラ、カメラ予備電池、予備SDカード、トレペ、ナルゲン2L水容器、ゴアライト1〜2人用+フライ+ポール、ハーネス、PAS、120cmスリング×2、環付き×1、ATCガイド+環付き、マイトラ+環付き、60cmAQD×3、オズQD×1、6mm150cm細引き×8、スクリュー×5(21cm、18cm×2、13cm×2)、アバラコフフック、アラミドコード+環付き、スノーバー×2、60mダブルロープ×1、60m6mm細引き×1(懸垂ロープ回収&荷揚げ用)、工具、アイゼン(スティンガー)、ビーコン、リップ、単四4本(エネジャイザー)、地図とコンパス、十得ナイフ、MSRリアクター、SpO2モニター、歯ブラシ、自撮り棒、スマホ、パスポート、金


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アタックザックはkarrimor ultimate35、これもultimate60に入れて一つにまとめる。


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真面目に計算すると、総重量は32kgくらいになっていたと思う。普段からこんな重荷に慣れている訳ではないので、歩けるのかすごく不安になる。


今回、ひとりで山に入るにあたり、天気予報の入手はキモ。ということで、今年アラスカで出会ったシャモニ在住のガイド夫妻が使っていたのと同じ、GarminのinReach Miniを導入した。


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端末自体はとても小さく、99gと軽い。専用アプリをDLしてスマホとペアリングして使う。端末のみでもプリセットメッセージを送ったり、GEOSという組織へのSOS信号を発信することができる。


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ペコマに天気予報サイトを見てもらって、定時交信で教えてもらう。SMSもEメールも送れる。

さらに、イリジウム衛星ネットワークとの契約はオンラインでワンクリック、ほんの数分で完了。1ヶ月単位での契約可能。
遠征と遠征の間に準備期間が2週間くらいしかない私にとってこれはとても便利だった。
ソフトバンクの衛星電話は契約にも受信チップ取り寄せにもかなりの時間がかかるのだ(去年の遠征で経験済み、1か月は見ておいたほうがいい)。


しかも、このアプリ付属のオフライン地図がかなり良くて重宝した。


そして、今回一番心配だったのが高度順化だ。
7月に2回富士山へ行ったのみで、ペルー入国後も順化行動は特にしていない。


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SpO2モニターとAZA(アセタゾラミド/ダイアモックス®︎)を持参した。入山後からは125mg 朝晩の予防内服もはじめた。


というわけで、アルパマヨを目指しながら順化しなければならないので、はじめに考えていたスケジュールは以下のような感じだった。※()内は睡眠高度


8/6 入山〜llamacorral(3800m)
8/7 llamacorral 〜Alpamayo Base Camp(4300m)
8/8 BC〜Morain Camp(4950m)
8/9 MC〜High Camp〜MC(4950m) 荷揚げと順化行動
8/10 上に同じ(4950m)
8/11 MC〜HC(5500m)
8/12 順化登山でQuitaraju(6040m)登頂〜HC(5500m)
8/13 HCにて休養(5500m)
8/14 Alpamayo summit day〜HC(5500m)
8/15 HC〜llamacorral (3800m)
8/16 llamacorral 〜下山
8/17-18予備日


かつ、天気待ちが出来るよう、HCには6泊できる装備を揚げようと考えていた。そんなこと出来っこないっていうのは初日に思い知るんだけど。


また、不測の事態があれば食い延ばしをすることにし、食料は10泊分のみとした。


今のところ、さすが乾期。予報は毎日晴れ晴れ晴れだ!アタック予定日の14あたりも全く問題なさそうだった。


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Mountain Forcast。ペコマにはこのサイトの情報を教えてもらった。


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Windgru。こちらも天気が荒れる予兆は出ていない。


8/6は朝4時半起床。colectivoの始発が5時とのことで、それに乗れるよう準備。まだ外は真っ暗だけど、宿から徒歩1分なので楽だった。

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このおっちゃんは私のザックをひょいと持ち上げた。強かった。


colectivoは瞬く間にぎゅう詰めになった。登山者は一人も乗っていない。地元の人の足なのだ。


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私が乗ったのは始発の場所だったから座れたけど、このあと立ち乗りも含め満載になった。
街中が近づくとhump(コブ)があり、速度を落とすものの、後輪の真上に乗っていた私の並びは衝撃で20cmくらい浮いたりしていた。


まずはこのバスでCarazまで行く。そこでcolectivoを乗り換えてCashapampaへ向かう。この乗り換えがうまく行くのか心配だったが、カサデギアスで乗り場の大体の位置を教えてもらっていた。


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途中、Yunguyの街が近づくと、ペルーアンデスの盟主Huascaránがどでかく見えてきた。さすがの迫力だ!


Carazには7時頃到着。Huaraz-Carazで”Siete soles”(7ソレス)だった。停留所にバスが停まって下車すると、入り口付近でモトタクシーのおっさんたちが”Parón? Cashapampa?”って叫んでる。


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トゥクトゥクみたいな乗り物。


パロン、はArtesonraju方面。観光名所のパロン湖のこと。私は”Cashapampa Cashapampa!”と主張。
“¿Cuánto es?”(いくら?)と聞くと3ソレスだという。するとモトタクシーのおじさん、素早く私の荷物を載せて走り出した。


え、もしかしてこのモトタクシーでさらに1時間半、Cashapampaまで行っちゃうの!?と驚いたが、そうではなかった。Cashapampa行きcolectivoが出る停留所まで連れて行ってくれたのだった。
短距離にしては結構とられた(笑)。ま、100円だけど。


colectivoはだいたいの出発時間は決まっているが、乗客が十分集まらないと出発しない。7時過ぎにはバスに乗り込んだが、バスが出たのは7時半ころだった。


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ブエノスディアス!


バスはダートの崖っぷちをどんどん登っていく。途中、山間にある村々に寄って、野菜とか届けたりもしてた。急に民家の前に停まってそこん家の人を降ろしたり、道端の人を乗せたりしながら、それでも9時前にはCashapampaに着いた。


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え?ここ?


大人気のトレッキングルートであるサンタクルストレイルの出発点がこのCashapampaだ。立派な登山口があるものとばかり思っていた。ただの道ばたなのでポカンとする。でも看板はちゃんとある。


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その方向へ進んでみると、なにやらロバがいっぱい繋がれていた。


そうか・・。これがロバか!

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更に歩くと、売店のある可愛らしい広場に出た。つまりココがCashapampa登山口だ!


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でかい荷物を見て、さっそくそこにいたおじさんがロバ(buro)要るか?と聞いてきた。


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この人たちはトレッカーらしい。ロバの手配をしてた。


でも、調べたところによれば、buroは2頭からしか受け付けてくれないとか、buroドライバーのための食事、テントなどもコチラで用意しなければならないとあった。そんなのは不可能だし、ややこしい。
ということで、ロバなしで歩き始めた。

さあ、ついに入山!


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と早速自撮りしたけど、こんな風に笑っていられるのも最初のうちだけだった・・・。


〜つづく〜

2019/7/8 Ben Nevis/ Tower Ridge (IV, 3)

Cuillin トラバースを終えて、改めて明日以降の天気を確認。しようと思ったけど電波がない!
Ben Nevisへ向かう方向へと移動し、電波があって一晩車中泊出来そうな場所に車を停めました。

野宿はできません。なぜなら"みっちゃん"が居るから!!!

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悪天候の名所、Ben Nevis。


やはり明日は午後まで天気がもちそう。で、明後日以降は帰国日まで雨です。


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4時起床。眠い、眠すぎる。

少し残っていた昨夜のポテチとワインをちびりながら、ベンネビスはそれほど大きい山じゃないしすぐ終わるだろうと結論づけました。「明日スーパーが開く時間に合わせて移動して、朝飯食って、タワーリッジ行こう!」


タワーリッジはベンネビス北壁のバリエーションの中でも簡単なルートで、グレードはたしかD(Difficult)。(前々回のブログのグレード表参照)
一応昨日と同じくらいのギアを持って、基本ずっとコンテで登るつもりで出発しました。


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朝ごはんを食べながらアプローチ。


Ben Nevis North Faceルートと呼ばれるトレッキングルートから北壁基部にあるC.I.C. hutを目指します。
ベンネビスに登頂する一般ルートは西側にある緩やかな尾根で、登山口も全く別のところにあります。


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C.I.C. hutは冬もクライマーたちのベースとして活躍します。予約制で、ググると専用サイトが出てきます。事前に鍵を借りて使用するそうです。



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水も取れます。駐車場から1時間半くらいでした。


今回登るTower Ridge取り付きはこのhutから目と鼻の先。
トポには「顕著な尾根から取り付き、あとはアイゼンスクラッチを辿るだけ!」とあります。合理的で分かりやすい!
一応クライミングシューズに履き替えてコンテで登ります。


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レッツクライミング!

でもずっと2級程度?です。
3点支持は要るけどロープは要らない。そんな感じです。
地形も単純なのでただただ上を目指せばいいだけです。


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アイゼン跡をたどって


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ひたすら登る。息が切れます


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先行が2パーティいたけど、結構どこでも登り放題なので抜きやすい


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予報は曇りで、午後から崩れるとのことでしたが晴れて来ました!


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あっという間に最終ピッチ。向こうに山頂が見えます。


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山頂は大勢の登山客で賑わっている。平日なのに!流石はイギリス最高峰!


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トップアウトすると鳥が歌っていました。


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本来の山頂・・。流石はイギリス最高峰!(標高1344m)登頂は断念しました(前日の疲れが原因)。


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こうして見下ろすとタワーリッジかっこいいね。冬はもっとかっこいいのでしょう!


さ、さっさと降りてビール飲もう!


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トレイルはこのあといったん東のコルにおり、ぐるっと尾根をまわって北東にあるピークに登ってから下山します。でも山頂の東側、コルの手前の沢地形のところにクライマートレイルと思わしきガレ道があり、トレイルをかなりショートカットしてNorth Face Trailに合流できます。行きには1匹もいなかったのに、帰りはそこかしこで羊の声がしていて、小屋までくると親子が草を食んでいました。


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小屋からはラン。15時くらいには戻ってこられました。振り返ると誇り高きBen Nevisが黒い雲を集めています。その雲がものすごい速さで流れています。すでに山頂は見えなくなっている。天気がいいうちに登れてラッキー!
("ベンネビス"はスコットランド・ゲール語で"有毒な山""頂に雲がかかった山"という意味だそうです)



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めっちゃ眠かったけど、やっぱり行ってよかったよね!(行きの運転中縁石に乗り上げそうになったのは内緒です)
下山してふもとの街Fort Williamに到着。ここは村ではなく街です。栄えてます。



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通りすがりにいい感じの宿を見つけチェックイン。さっそく繰り出しました。ウイスキー専門店やスコットランド名産品のお店などがありました。コチラのレストランで、ハギス(羊の内臓の腸詰)などのスコットランド料理を頂きました。


世界には楽しくて美しいところがたくさんあります。イギリスは日本から遠いし、近くに巨大なヨーロッパアルプスがあるしで、あまり訪れる機会がありません。私たちは人生の限られた時間とお金を費やし、そうした世界各地を取捨選択して巡るわけですが、ペコマが留学しなければ、イギリスをこんなに色々とまわることもなかったでしょう。でも、唯一ナポレオンに屈しなかった国としても誇り高く、かつ4つに分かれていてそれぞれに旗があるという、日本人には理解しがたい民族意識?みたいなものもあったり、そして山は低いけれど独特のクライミング倫理観があってその伝統(Traditional)が大切に受け継がれている、日本人クライマーも見習いたい文化があります。
イギリスは面白い国です。The UK is an interesting country!
実は、また9月にもNI(北アイルランド)を再訪してクライミングをする予定です。
この際どっぷりとイギリスを満喫しようと思います!

プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属。国際認定山岳医。
好きな食べ物:肉。
カリマージャパンアンバサダー。

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