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3年ぶり2度目、待望の"氷の国"再訪〜カナディアンロッキーでアイスクライミング〜

12日間のツアーを終え、カナダから帰国しました!


fc2blog_20200316150042005.jpgただいまー!


カナダは、今までに訪れたなかでも大好きな国のひとつです。

人々がおおらかで、ありとあらゆるフィールドアクティビティが生活のすぐ側にある国だと感じています。
(東の方は全く行ったことないですが・・)


IMG_5062.jpgWeeping Wall Right-handed。黒ッコはペコマから借りて行きました。最終日に白ッコ買いました。安かった。


西海岸沿いのスコーミッシュは花崗岩天国で、これまでに2度登りに行きました。
そこから内陸に約900km、カナディアンロッキーの谷底にあるキャンモアは、今回で3度目の訪問です。
初めて訪れたのは3年前のお正月でした。その時に刻み込まれた"氷の国"の強烈な記憶は、ふたたびこの地を踏みたいという気持ちを日々募らせるものでした。


2度目の訪問は2年前の6月で、青鬼"まっちゃん"の生活拠点をたずねながら気ままにクライミングを楽しみました。
夏のロッキーも素晴らしいです。
そして、アイスクライミングを目的としたツアーとしては今年が2度目となりました。


IMG_5075.jpg初日、Louise Fallsでロケハン。今回ドローンが使えないとのことで、どうしたらいい画が撮れるか試行錯誤でした。


今回の旅はプライベートではありません。
私がサポートを受けているカリマーインターナショナルの製品プロモーションのための撮影のお仕事でした。
私がメインで関わらせて頂いている、ハイエンドモデルを開発する"Ultimate"シリーズの製品撮影と、ハイキング向けモデルである"Explorer"シリーズの製品撮影を全日程で完了します。そして"Explorer"のモデルさんは現地の欧米人男女が必要とのことで、モデルの手配や彼らとのコーディネート役も私が務めさせていただきました。そんな英語出来ないけど・・・^^; でも英語を話すお仕事をもらえるなんて貴重な機会は、こんな特殊な環境でもない限りありえないので、私としてはラッキー!なことでした。


IMG_5074.jpgHaffner Creekでのヒトコマ。手前にボケているのは氷筍。世界初のM10といわれる"ケイブマン"のヌンチャクも写り込んでいますね。構図が美しすぎ!そして私の手足が長く見えるという高度テク(笑)!


結果として、登りたかった氷を登ることができ、モデルさんたちともいい関係を築け、撮影も上手くいって、とてもよい経験をさせてもらえました!


IMG_5066.jpgとっても根気強くコチラの要望に応え続けてくれたCanmore在住Jamesさん。Thank you so much!!


私たちが身を投じて興じている登山やクライミングといった遊びは、完全なる自己満足の世界です。でも今回のような「撮影」というお仕事は、何らかの形で社会に還元される「モノづくり」の一種。


IMG_5065.jpgGrotto Fallsでの撮影のヒトコマ。時にはアックステンションしてカメラマンの"Go"の合図をひたすら待ちます。撮影は撮る側も撮られる側も忍耐が必要です。


IMG_5097_20200316145614f19.jpg巨大な一枚氷"Weeping Wall"と、バンドをはさんで更に上に形成された"Weeping Pillar"。3年前は丸1日かけて、下部Weeping Wallの右側のラインを登り終了しました。今回は上部Pillarにも挑戦します!下部だけで120m、上部だけで120m、あまりにでかい!でかいは、正義!!


IMG_5098_2020031614561607d.jpg今回は、下部Weeping Wallをより簡単な左寄りのライン、"Left-handed"で駆け上がって、午前中のうちにPillarとご対面しました!PillarはWallより雪崩リスク高めとなっていますが、Pillarへのアプローチ途中の雪田がその一因だろうと思われました。人と比べてこの大きさ!120mのPillarを間近にして、その巨大さに改めて心奪われます。


IMG_5104.jpgPillarの核心部となる2ピッチ目を、じゃんけん無しでリードさせてもらえました!感謝!バンドから望遠で撮って頂いた1枚です。すごい迫力ですね。計23本という、いまだかつてない大量のスクリューが腰で踊っていました。6本余ったけど。。



IMG_5068.jpg1ピッチ60mのうち、その2/3ほどがバーチカルなつららの集合体。パンプに耐えながらのクライミングでしたが、とっても充実しました。小雪降るなかのクライミングで、Pillarに陽があたることもなく安心して登れました。


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成田さんとNくんと私と。登攀メンバー3人で、登り終え下降後に氷瀑と記念撮影。行動時間12時間+往復4時間ドライブという長い1日でした。


アイスクライミングは総じて危険性の高い遊びです。
時には、つららの集合体でスカスカいう氷にスクリューを精神安定剤よろしくねじこんで、ランナウトに耐えながら、些細なミスも許されないクライミングを恐る恐るこなすというようなことが要求されます。そうしたリスク、時として命にも関わるようなリスクを許容する行為も、その全てが、「一体何のためにやっているのか理解不能」な自己満足でしかないわけですが、それが「モノづくり」という生産活動の一部分になりうる。何ともシニカルで、しかし面白いことです。私はこの仕事に大きなやりがいを感じました。


IMG_5087.jpg撮影の目処がたって、ツアー終盤に本気トライ。前から憧れていたCurtain Callです!なんて美しい御姿!


IMG_5091.jpg遠くから見るとこんな感じで、雪崩リスクの低い日にトライしたいラインです。


IMG_5089.jpg今回は成田さんと2人での登攀。私はまたしてもじゃんけんすることなく、核心となる2ピッチ目をリードさせてもらえました!ありがたや〜。コチラはその2ピッチ目を拡大した写真。独立氷柱の上1/3ほどのところに亀裂が入っているように見えますね。おそろしや〜。


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氷瀑の間近から見上げた姿。威圧感ハンパない!!


IMG_5071.jpg2ピッチ目出だしはうろこ状を登る。必然的にプロテクションは限られます。氷は硬くて安心感があったけど、壊さないよう慎重に体重移動。途中から氷質をみて左トラバースを開始。頭上には尖ったカーテンが恐ろしげに覆いかぶさっています。しかし足元はみたこともない逆立ったチビウロコ地帯で、スタンスが悪そう。さらにあがっていくと・・・


IMG_5070.jpg息を飲んだ。氷柱はここで上下真っ二つに分離していました。「終わった。。」と頭が真っ白に。Will様の理論書の通りなら、この上下の氷柱は岩との接着もとても弱いと思われます。なぜこうして存在しているのか、神秘でしかない。手前側で約30cmほど、奥のほうでは数メーターにわたって氷が途切れており、完全に向こうの景色がよく見えてしまっていました。降りたほうがいいのではとも頭をよぎったけど、それとてもはや安全策とはいえない。落ち着いてよく考えなおしたら、質量の大きい下部氷柱に乗っているよりは、さっさと質量の小さい上側に乗り移ってしまった方が安全ということに気づいた。上の氷の末端内部で水がぐるぐる回っているのが透けて見える。何もかもが神秘。下部氷柱に乗っかって(ぶった切れているから棚状のガバ足(笑))さらに左へトラバースしたら、突破口がみえた。やった!


IMG_5069_20200316092721529.jpg成田さんの「左へ行けば氷いいはず」というアドバイスも力になって無事完登できました。本当に素晴らしい氷のアドベンチャーでした!!


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それにしてもすごい立ってる。


もちろん、それによって自分のしたいことが妨げられるようなら、私は躊躇なくこうしたお仕事をお断りしたいと思っています。幸いなことにカリマーはクライマーという反社会的(笑)な人種をとても尊重してくれます。だからこそコチラとしても、これまでに培った経験技術を活かして、多少無理のあるようなリクエストにも出来うる限り応えたいと思うし、それだけのキャパシティを身に付けたいとも思います。


IMG_5095.jpgもっともっとレベルアップが必要だな!



マウンテンワークスの皆様と、撮影スタッフの皆様にも大変お世話になり、12日間の共同生活はとても楽しいものでした。本当にありがとうございました!


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私をふくめ今回はスタッフ計5名。それに対し10人分はあるように見える荷物w ギア、撮影機材等々で壮観です。。


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買い出し風景。卵の量!!!


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みなさんのスペックが高過ぎて、炊事は紅一点ながら私の出る幕一切ナシ(笑)。牛やらラムやら、お肉をほぼ毎日食べられてとーっても美味しかったー!


今回、マウンテンワークスさんが撮影した写真のなかから一部を個人的にお裾分けして頂きましたが、その他ほとんどの写真や動画などの素材は、今後様々な形で皆様のもとへお届けされることと思います。


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Moonlightへのアプローチ。3年前に登った氷瀑もいくつも再訪できて楽しかったです!


カリマーの専門店ももうすぐオープン!ということで、これからも開発に撮影にイベントにと、積極的にお仕事させて頂きます!とっても楽しみですね^^


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カナダのお土産といえばメープルシロップですが・・。個人的にオススメなのはコレ。唐辛子と果物のジャムです。数年前にはじめて"チポトレピーチ"というジャムを見つけてハマッて以来、カナダのスーパーで探しては試しています。今回も2種類購入。真ん中はキリマンジャロのお土産インスタントコーヒー☕︎


たくさんの友人がいるキャンモアにはまた必ず行きます!みなさん遊んでくださいね^^


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ラストナイトパーリー!Thank you guys!

2019/4/2 Rive Gauche d'Argentiere / Blade Stadium / "Flame Libra"(80m,M5/M6+/M6+)

4/2はTKくんの提案で、Argentiere氷河にあるミックスのマルチピッチゲレンデ"Rive Gauche d'Argentiere / Blade Stadium"へ行きました。

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Argentiere氷河末端にある80mほどの北東向きの壁で、No bolt/オールナチュプロ。一部ミックスもあるけどほぼ全てが完全なドライルートなので今シーズンのような氷のない年でも遊べます(笑)。

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今回はSくんと3人で行きました。SくんはFIXを張って上から撮影

今回は、この中でも一番易しい、故にもっとも登られていると思われるルート、"Flame Libra"を登りました(2012年初登)。

易しいと言ってもM6+あるので、私にはお腹いっぱいでした。迷わず素手になってクラックにはジャミングし、カチがあればカチ持ちしました。TKくんは全部アックスだったっていうからスゴイ。"Tool"使いは奥が深いです。
ちなみにこのエリアではM9を含むルートも登られています。


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岩場へはArgentiere(Grands Montets)のスキーゲレンデからアプローチします。
Plan Joran ゴンドラからHerseリフトを乗り継いでゲレンデトップまで。ここからほぼハイクアップなしで下降点まで行けます。
帰りもゆるい上り坂ながら、手漕ぎとスケーティングでさほど苦労せずゲレンデに戻れます。
つまりtouring skiの必要はありません。
(※ちなみにスキー場の人に確認したところ、ゴンドラもチェアリフトもツボ足スノーシューNGだそうです。スキーかスノボが必要です)


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スキー場も十分たのしそう

岩場に関する詳しい情報はコチラのサイトに載っています。


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前日に偵察

今回ははじめてだったのもあって、念のためゴンドラ駅の近くにあるショップでATスキーをレンタルしました。
レンタル代は板、ストック、シール、クトー、ブーツセットで1日たったの€40!Chamonixで借りたら€60はするのでかなりの価格差です。

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センター88の板。ビンディングはTLT


お店の営業時間は8:45〜19:00。ゴンドラも8:45から動き始めます。今回は9時半くらいに着いてスキーを借り、10時ゴンドラ乗車。10時20分くらいから滑り始めました。

ちなみにゴンドラ+リフトの片道券代も安くて、€28でした。

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快適なゴンドラ


現在、ドリュやドロワット 、Aiguille Verteなどの登山の拠点となるGrands Montetsのゴンドラ山頂駅は2018年9月に起こった火事で燃えてしまい、運休中です。これを知ったときはなかなかに衝撃的でした。それでもなお多くのスキーヤーが、Herseリフトの山頂駅からハイクアップしてGrands Montetsのコルまで上がり、Rognons氷河〜Argentiere氷河〜ゲレンデという人気ルートを滑降しているようです。

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4/2も平日ながら多くのスキーヤーがハイクアップしてました

きっととても気持ちのいいコースなんでしょうね!


Herseリフトトップから、Refuge de Lognan(山小屋?)の方へ降りて行き、Argentiere氷河の谷底を目指します。

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いくぜ!


下降点まで圧雪バーンが続いており、プレハブ小屋が目印です。ここでクライミング装備以外をデポして下降点に向かいます。

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20mほど断崖絶壁の上をトラバースして、ルート上と思われる立木から懸垂下降。下降開始時刻は12時を回っていました。

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迫り来る大迫力の氷河!

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立木には残置スリング。捨て縄で補強


はじめのM5ピッチから私スタートでつるべさせてもらいましたが、15m、15m、10m、35mくらいの感じで4ピッチで登りました。

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1ピッチ目フォロー中のTKくん

クライミング開始は13時過ぎ。この時点では19時のスキー返却には十分間に合うと思われましたが・・・(主に私の)リードに時間がかかり、結局最終ピッチのフォロー中に19時を過ぎてしまいました。レンタル代が・・

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3ピッチ目フォロー中のTKくん

ギアは、登るルートによりますが、#000-#2まで2セット+#3と#4もあると安心かと思います。ナッツも使えます。

そして今回、あろうことかヘッドライトを忘れてしまった私・・。行きの電車の中で気付いたのですが、「まあ暗くなる前に帰ればいいよね」的な甘い考えは通用しませんでしたorz

ということで、下りはTKくんのヘッドライトの光を頼りになかなかにスリリングな滑降となりました。後ろをぴったりついて滑ったり、傾斜が出て来たら数十メートル先に行ってもらってから振り返って雪面を照らしてもらったり。
はじめの100mほどはかなり深掘れの、部分的に30度くらいあるコブ斜面だったので、10kgほどの荷物を背負い薄暗い中滑るにはなかなかにハードでした。。


「ところで、もうシャモニへ帰る手段がないんじゃ・・」
ということに気づいた私たち。今夜はArgentiereで宿を探すしかないか・・と思っていたら、なんとバスの深夜便があり帰れました。

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ちなみにシャモニ-アルゼンチエール間バスは€2、電車は€2.9


そして22時半、アパートに帰り着くと、留守番のTくんが夕飯を作って待っていてくれました!オムライスもポテサラも美味しかった!
つい食べ過ぎました。

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Thank you so much Tくん!

翌朝、「誠意を見せればなんとかなるかも!」ということで、始発列車でArgentiere駅に向かい、開店前から待ってスキーを返却。するとなんと追加料金なし、何事もなかったかのように1人€40で済みました。良心的でよかった!

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めでたしめでたし!

2018 3/10〜11 東北ツアー 二口渓谷 「風の洞」 , 蔵王仙人沢 大氷柱

この週末は、知り合いTさんの東北ツアーの計画に便乗させてもらい、強強さんたちに混ぜてもらってアイス、ミックスのゲレンデで遊びました。


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行きははやぶさでGO!


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二口渓谷の奥の方のエリア、「風の洞」。


2011年から二年間仙台で暮らしてはいたものの、当時はまだダブルアックスのクライミングをはじめたばかりの超初心者。せっかく二口渓谷とか黒伏山とかに通える環境にあったのに、一度も行かないまま二年が終わってしまいました。
蔵王仙人沢も一度だけ連れていってもらい、大氷柱をTRでお触りしたのみ。


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下までつながるのが稀という氷柱"二刀流"は今期完全氷結し登られたものの、この日はすでに上部が離れて独立したタワーに。恐ろしくも見事な、まさに壮観でした。このハングから絶え間なく注ぐシャワーが風にあおられ、隣のミックスルートを登っているとびしょびしょに!


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はじめに登ったアイスルート、"独眼竜"。



いつか必ず再訪したいなと思っていて、少しずつではありますが自信もついてきた今日この頃、この計画を聞いてとびついたわけです。


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フィジカルブラザーズM7-?


はじめての二口渓谷はとても刺激的でした。
圧倒的などハングにハンガーがたくさん。まさにスポート的ゲレンデです。アイスやミックスのラインは氷が結構溶けてしまっていてシーズン終わりといった感じでしたが、私もTRで1本だけお触りさせてもらって「たのしい!」と興奮しました。


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出だしはガバガバなんだけど、氷に入る手前、最終ピンの周辺が手も足も悪かった。ひさびさどパンプ!


WIも楽しいし、完全なドライも面白いけど、やっぱりミックスが一番達成感があって充実します。色々出てくる感がいいのかな?
岩から氷に乗り移る系ルートは去年のカナダで初体験して以来、明らかに好物だと思います。自然な造形の弱点をついて登る感が冒険ちっくでたまりません!
エリアもいっぱいだし、来季はもっと早い時期から通っちゃいたいです。今から楽しみです。


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大氷柱!


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お天気も最高でした。


二日目の仙人沢も、五年ぶりという感慨がありました。しかも大氷柱は二段目まで氷がつながっているという大変レアな状態で、氷が途切れ完全に雪田となる最上部までつなげて登ることが出来ました。
シーズン終盤ということもあり、本来つるっとした凸面のはずの核心部はかなり掘削作業がすすんでいて、クライミング自体は簡単でした。かつ氷質がよく、スクリューもばちぎき。
氷の難しさからいったら、錫杖2ルンゼの最終ピッチの氷壁が今シーズン最難だった気がします。


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ファンチャイムをトライ中のNさん。氷と岩の境界線を豪快に登るどハングM9!私もこれ絶対登りたい!と思いました。来シーズンの目標!!


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広いし綺麗で安かった!


土曜日の夜は蔵王ライザワールドの素敵なロッジに泊まって7人で大宴会でした。
食当Oさんの手際のよさと料理の旨さに感動!
お酒も強いのばっかり、明らかに飲みきれない量あります(笑)。
コンペでガンガン活躍されている強強さんたちとトレーニング談義で盛り上がり、腕相撲して、夜更かししました。


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宿の手配から食事まで、今回は何から何まで任せっきりでした。ありがとうございます!


私は山歩きからはじめて、バリエーション登山をやりたくなって、そのためにフリークライミングをはじめました。
私の中ではクライマーの頂点はアルパインクライマーです。そして強いアルパインクライマーは例外なくフリーも強い。
高いフリー能力こそが山中での安全なクライミングにもつながるので、フリーをおろそかにしては駄目だというのが持論です。
数年前までTNF Cupに毎年出ていたのも、フリー能力を維持するモチベーション作りの一環でした。


同じアプローチが、きっとアイス、ミックスにも言えるんだろうなとは思います。アイスコンペに出ることにして、そのために人工壁で練習すればきっと山のミックスもより早く、安全に登れるようになると思います。
でも、コンペのために全力を尽くすことって、思っている以上にたくさんの時間とその他諸々が犠牲になります。
それはボルダーコンペに出続けていて年々痛感し、結局二年前の大会を最後にTNF Cupに出るのをやめました。


たぶん、ここ数年で私のやりたいことはほぼはっきりしたので、"アイスコンペ"はとりあえずいいかな、と思っています。
山と外岩で、楽しくこつこつ技術を磨いていきたい。


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最終日の夜も仙台に一泊。利久で晩酌セット。


私はこの3月いっぱいで今の職場を退職します。
卒後九年、大学在学中から数えたら十五年も今の組織にお世話になりました。
その恩は深く感じているし、今後も何らかの形で還元できたらという気持ちはあります。
でもひとまずこれからの二年は、自称"Climbing Bum"として、山中心で生きて行きたいと思ってます。
今までは「休み取れないし」とか「今の自分じゃ実力不足だし」みたいな逃げ腰のところがたくさんありましたが、
これからの二年のモットーは"とりあえず行く!やれるだけやる!"です。
(あ、モチロン"安全第一"です)


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帰りはやまびこでゆっくりと。平泉うにめし!


というわけで、5〜6月は憧れのアラスカに行ってみることにします。


旦那さんは当然、そんな長い休みは取れません。その2ヶ月は別の青鬼メンバーと行動するつもりです。
山をはじめて十年、ペコマとずっと一緒に歩んできました。
経験も実力(?)もほぼ同じ(体力は雲泥の差だけど)。ずっと同じ方向を向いていて、いろんな山に登ってきました。
趣味も価値観も同じでいいね!って、色んなひとに言われてきて、とてもレアなことだし幸せなことだなと、私もそう思っていました。
でもここ最近は、ほんの少しずつ、"山への向き合い方"において二人の間に違いが出始めています。
二人とも山登りがライフワークだし、でっかい壁を登りたいし、冒険がしたいのは同じです。
でも、たぶんですが、ペコマにとって最優先事項は山じゃなくなりつつあります。
仕事だったり、社会的地位だったり、実際の山登り以外の方法で山と深く関わる方面だったり。
十年二十年先を見据えて地にしっかり足をつけて生きてます。


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アンド仙台牛サンド!食べ過ぎでしょ!


それに比べ私は、はっきり言って子供です。
こんな年になっても、私にとって最優先事項は登ることで、それ以外の社会的なことは正直どうでもいいです。今は。
でも、そんな勝手ができるのも、一番身近に最良の理解者がいるからこそです。
社会的なことはどうだっていいですが、家族が最優先事項なのは言うまでもありません。


というわけで、今カナダにいる遠征のパートナーとは別に、日本でさらなるトレーニングを・・と行きたいところなのですが、
初の遠征で色々準備を進めていくうちに、分からないことだらけ、考えなければいけないことだらけだということを自覚しはじめました。
とりあえず、一番大事(?)なところで、履いて行く靴がありません(笑)。
ダブルブーツは私の足じゃサイズがないみたいです。
歩きメインなら大き目でも我慢できるけど、クライミングするのは厳しいので・・・。
検討した結果、今のバツーラにオーバーシューズが最善という結論にいきつきました。
ということで、蔵王から帰ってきて早速ババシカに行き、バツーラをドナドナしてきました(泣)。
オーバーシューズを作ってもらうには靴とアイゼンを預けなければならないそうで、しかも1ヶ月近くかかるらしい・・・



来週からは、スキーとフリーかな!・・計算通り!(嘘)

海谷駒ヶ岳 カネコロン 敗退記2 〜氷は生物〜 本編、エピローグ

2/23(金)
糸魚川シーサイドバレースキー場には朝9時半くらいに着いた。
すでに陽は高く昇り、街全体が神々しいほどの朝日で光り輝いている。車内は暑い。

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逆光で眩しい駒ヶ岳方向を見上げると、真っ黒な壁に青白い氷瀑がくっきりと浮かび上がっていた。
昨日から気温が高いのが気になる。今日も体感で気温はかなり高そうだ。
冬晴れというよりは春の陽気を思わせる。


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林道の除雪終点付近、この日車で入れた最奥地点にて荷物をデポ後、車は糸魚川シーサイドバレースキー場の第四駐車場に停めて歩いた。



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除雪終点からはスキー。なんやかやで11時過ぎ頃アプローチ開始。


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徐々に近づいてくる巨大な氷瀑に気持ちが高まる一方、あまりに暖かな気温と、照り付けられている氷が心配でならない。



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暑い!


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はじめは林道、その後緩やかな尾根なのでアプローチではスキーの機動力が活かされる。


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ここ一週間は降雪がほとんどなく、前日に25cmほどの積雪のみ。雪崩の不安はあまりない。
はじめは西尾根沿いに上がっていき、途中で尾根を少し右に外れて樹林帯を繋ぎ登った。


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標高800mくらいで、斜度が上がりスキー登高がきつくなってきたころ終了。ここでテントを張ることにした。
ここからなら、沢地形の側壁をつめて氷瀑まで直接アプローチできる。

このとき時間は14時過ぎ。ペコマが残って幕営準備。私は氷瀑まで偵察に出かけた。
沢地形に入り込み過ぎないよう、尾根の側壁をトラバース。雪は腐ってまるで春山。
ところどころ岩肌が露出して小さく雪崩れた跡が見られた。

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眼前に迫る大氷瀑。一応、全崩壊することなく、二週間も待っていてくれた。
一目でラインは見出せた。3Pでいけるだろう。だが近づけば近づくほどに、水の流れる音が大きくなり、落雪落氷が気になり始める。


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近付いてみる。1P目の傾斜が変わるところから上は、まあ何とかもちそう。
でも最下部はめっちゃ薄い。しかも中は水が流れてるっぽい。なおも照り付け、まったく隠れようとしない太陽。
右から左まで、均一に薄そう。でも行くとしたら右から・・?
うわ〜・・、と眺めていると、氷片がひゅんひゅん降ってきた。
長居は無用、と退散。今夜再結氷してくれることを願うしかない。


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テン場に戻り、まだ沈もうとしない太陽を恨めしく思いながらペコマと合流。
いつもなら有り難く感じる冬山の太陽が今はただただ恨めしい。
ペコマ「おかえりー!どうだった?」
ちっぺ「うん、でかかったよ。」
ペ「状態は良さそう?」
ち「まー、うん。薄いよ。一番下はかなり薄いかなー・・」


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煮炊きをしながら作戦会議。
明日も気温が高く、よりによって雨予報だ。
この標高なら氷にも雨が降り注ぐ可能性はある。
そうなればもう今シーズンのカネコロンは終了だろう。


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しかも天気予報では明日9時から降り始める。雨の中登攀はいやだし、青年団バンドの下降も怖そう。
そもそもあの溶けかけの氷を日が高い中登るのも嫌なので、夜間登攀にしようということになった。
ペコマは今シーズン初のダブルアックス。
ペ「正直、サクサク登る自信はないよ。バーチカルはアックステンション交じりになると思う」
私の全リードもそれとなく提案してみたがそこは譲らず(笑)。
核心となりそうな2P目のピラーを私が、奇数ピッチをペコマがリードすることにした。


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夕食を終えて8時前には就寝し、0時起床、1時半出発。
夜間の風雪は止んで、快晴無風。気温はやはり高く感じる。
月が沈んだ漆黒の夜空には冬の星座が煌めいていた。


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前日ラッセルしたし、夜には雪が締まってさらに歩きやすくなっているのを期待していたのに、腐ったままの雪がパックされたモナカ状態で時間がかかる。まっ暗闇にやっと薄ぼんやり氷が見えてきた頃には2時半近くなっていた。
やはりどこも薄そうだが、ペコマは左から行くという。グサグサの氷をならしてなんとか3本スクリューを設置しビレイ点とした。
3時登攀開始した。


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順調に登りすすみ、2本スクリューをとる。どちらもスカスカだが少しは効いている様子。
いったん傾斜がかわりマントルをかえすあたりまで来たところで、突如「どーん」という轟音が響いた。
と同時に地面が流れて行く。一瞬で何が起こったかを悟った。
やばい、埋まる!と本能のままに、壁に背を向け泳ぐ。
その間5秒くらいだろうか。流れが止まった。


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横にペコマが落ちている。
ち「大丈夫!?」
ぺ「痛ってぇー!」
生きているし元気そうだ。右腕を強く打ち付けたらしいが頭はうっていない様子。私はといえば、巨大な氷塊に埋まったビレイ点と繋がっており動けない。それと右側頭部がかなり痛い。
だが意識消失は無かった。たぶん問題ないだろう。


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見上げ、何が起こったかを確かめる。
傾斜の変換点からすっぱり氷が切れ落ちていた。下部の左半分が全部落ちたようだ。岩肌が露出し、水が勢いよく滴っている。リードしていたペコマはずり落ちる壁と一緒に落ちながら、「やばい、ちっぺが終わった」と思ったらしい。
この下敷きにならなくてよかった。
とりあえず壊れ方からは、第二波がきそうな雰囲気はなかった。
氷塊を壊してビレイ点を掘り出し、自由になってから、掘削作業を続けてギアやロープを回収し、何とかゴミは残置せずに済んだ。


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ペコマは腕の痛みが激しくなってきたようだった。肩が上がらないという。
テントに戻り、雪で氷嚢を作りアイシングした。痛み止めを飲んでしばらくすると少しマシになったようだった。
お湯を沸かしながら、溶け始めていた昨日の氷瀑と、さっき目の当たりにした破断面とが思い出される。この程度の怪我で済んだ幸運を喜ばなければならないのに、カネコロンを登れなかったという落胆と、そのほか色々な気持ちがないまぜになって私の心境は複雑だった。


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明るくなるのを待ってスキー下山を開始した。
この頃にはペコマの腕の痛みもだいぶ楽になったようで、どうやらただの打撲らしいことが分かった。


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下山後の遠景からも、なくなった部分がはっきりと見えた。


反省点は色々あるけれど、生きて帰れたからこそ貴重な経験になった。
正直悔しくて仕方ないが、全てを総合してこれが実力なんだと思う。
登れば日本海も臨めるというカネコロン。
こんなに素晴らしいロケーションで、こんなに巨大な氷瀑を、また必ずや登りに来たいと思う。


〜終〜


あとがき。

"氷はナマモノ"
要冷凍で、賞味期限は枠外に記載。
色々な氷質があり、地形もあり、薄いからだめとか厚いから安心とか単純にはいかない。
でも少なくとも"要冷凍"ではある。
常温保存したら腐る。
とくに気温の高いアイスクライミングはやはり気をつけなければなと感じました。
次こそは美味しくいただきます。

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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