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2023/10/18〜11/5 ファミリーYosemite遠征の記録その2〜全般まとめ

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ちょっと無理しての、1歳半の子連れヨセミテ旅。今年春のジョシュアツリー遠征の時より半年分成長したので、楽になった部分と大変になった部分とがありました。総じて沢山の人に助けてもらえたので、とても楽しく豊かな19日間になりました!


【事前の諸手続き】
・パスポート取得(息子の分も今年春に済)、国際運転免許証取得(今年春に済み、1年有効)、ESTA申請(今年春に済み、2年有効)
・海外旅行保険:アメリカは医療費が莫大なので必須です。カスタマイズできてリーズナブルに組んでくれる担当さんを知人から紹介してもらい今回も申し込みしました。治療救援者費用3000万円、損害賠償1億円など(私はゴールドカードに付帯の保険もあるのでそれと合わせてカスタマイズ)。クライミングする人はもちろん登攀活動OKの特約も。


【成田までの移動】
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北杜市の家から成田までは車移動で、成田に車を停めて出国します。今回も今年の春同様、スーパーパーキングを予約しました。出発ロビーの乗降場まで人が来てくれて車を持って行ってくれ、帰りは持ってきてくれます。とっても便利なうえ、長期で停めるなら安いです。今回は19日間で7,800円なり。

↓スーパーパーキング↓
https://super-parking.net/


【飛行機】
今回もZIPAIRで行きました。U-6という6歳以下の子供用のリーズナブルな料金設定があり、デフォルトでチャイルドシート付きの1席を用意してくれるZIPAIRは、LCCながら子連れ向きです。しかも、LCCなので預け荷物はもちろん有料なのですが、ベビーカーなどの子供を運ぶためのもの1点とチャイルドシート1点は無料で預かってくれるんです。今回はチャイルドシートが今年春の時よりも大型になり持っていくのがかなり大変そうだったので、レンタカーのほうでチャイルドシートをレンタルしてうちのは置いていきました。なので、ドイターのKid Confort II(背負子)のみ無料で預かってもらいました。


今回はサンフランシスコ国際空港にしました。ヨセミテから一番近い空港はフレズノ・ヨセミテ空港で、ヨセミテまで車で2時間半ほど、一方サンフランシスコからは最短4時間かかるうえ道がかなり混むので、フレズノ空港のほうが運転は断然ラクです。でも、成田からの直行便がないので、今回はやめました。


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成田空港第一ターミナル5Fにキッズスペースがあります。ここでアメリカ人のお兄ちゃんたちに遊んでもらった後から息子が「イエーイ!」と言うようになりました。


行きの飛行機は成田21時半発という遅い便だったのですが・・・。


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ゲート内のお店はなんとほとんどが17時半には閉まっていて、中で夕飯食べようと思ってたから焦りました。マックとスタバと一風堂のみかろうじてあいていたので、(ペコマは喜んでたけど)1歳の息子にも一風堂の白丸を食べてもらうことになりました(息子も喜んで食べてました・・)。


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ZIPAIR機内、行きはハロウィン仕様になってました!


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機内に飲食物持ち込みは可能なのですが、酒類はダメなんだって!知らずに買っちゃった。そして、笑っていられるのはここまでだった・・・(笑)

この日息子は成田へ向かう車内でもお昼寝ほぼ無し、からの、おんぶしても抱っこしてもいつも寝ている20時を過ぎても寝ず、そして飛行機に乗ったあとは何故か大暴れで泣き続け、9時間におよぶ格闘技耐久戦となりました。興奮とか、眠すぎて疲れすぎて眠れなくなっちゃったとか、色々あったのだと思いますが驚きました。今年春のジョシュアツリーのときはそれほど大変ではなかったのですが・・。


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最後の最後でやっと数時間だけ寝てくれたものの、サンフランシスコに到着する頃には両眼の下にがっつりクマを作って疲労の色濃い1歳児でした。よく頑張ったね・・・(泣)!


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帰りの機内はすでにクリスマス仕様でした!そして息子はちゃんと寝てくれました!格闘技はありませんでした!やった〜!


【レンタカー】
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春のジョシュアツリー遠征でロサンゼルス入りした時は、一番安いレンタカーにしたらとても嫌な思い&損をしたので、今回は1番安いのはやめました。最終的に、ちっぺこ、りょうくん、息子(チャイルドシート)、私の父で5人になるし、荷物もあるので大きめの車を借りました。


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サンフランシスコ国際空港は空港内の電車でカウンターまで行けて、手続きもスムーズ。やはりレンタル時にEVを勧められたのと(もちろんお断りしました)、カリフォルニア州の法律でフルカバーの保険に入る必要があるとのことでカウンターで追加料金の支払いがありました。借りた車はとっても快適でした。けっこう大きい車ですが、道幅が広いので運転も問題ナシ。


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サンフランシスコからヨセミテへほぼ真東に向かうルートではサンマテオ橋を渡るのですが、行きは無料で帰りは7ドルかかるっぽいです。後日レンタカー会社経由で請求がくるかな。


【前泊】

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私たちは空港16時着、りょうくんは17時着の便で、サンフランシスコからヨセミテは片道4時間かかるので、今回は途中の街で1泊することにしました。オークデールという、道のりのほぼ真ん中ら辺にある街で、以前も利用したことのあるMotel 6に宿泊。1部屋1泊約150ドルでした。時差ボケと行きの飛行機での息子との死闘による寝不足とで体調最悪なので(笑)、さっそくビールで乾杯したあとすぐ寝ました。


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息子は日本時間でいつも寝ている20時(サンフランシスコの朝5時)くらいになったらやっとスッと眠りにつきました。時差ボケまっしぐらです。


【ヨセミテCamp4滞在】

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2023年10月時点では、受付はすでに無人となっており、First come first servedで、自分であいてるクマボックスを見つけてサイトを確保したらオンラインで受付支払いするシステムになってました。1人1泊10ドルです。週末は満杯になるのですが、幸い私たちは平日入りだったので苦労せずトイレの横のサイトをとれました。1回の受付で連続7日予約でき、7日経ったらまた更新します。


Camp4は、東側に敷地が拡張され、新しくシャワートイレ棟(トイレの中があったかい!)も建ち快適さが格段にアップしていました。

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シャワーは3ブースほどありますが、部屋によって当たり外れ(?)があるので注意です。お湯はしっかり熱めのが出ました。

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11月になると西側(旧サイト)が閉鎖された(去年もそうだったみたい)ので、東側のサイトにお引越ししました(ヨセミテ入りした10/19時点では東側は人気らしくいっぱいでとれませんでした)。

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旧サイトの方はシャワー無いし、クマボックスも錆びついてて開け閉めが大変でしたが、新サイトのクマボックスはとても楽に開け閉めできて、それだけで感動しました。

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というわけで、息子はジョシュアツリーのときよりは多めにシャワーも浴びられました。朝晩は冷え込むので、あたたかい日中に浴びました。


【買い出しと自炊】

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スーパーはヨセミテ内にも2箇所あり、その他売店もありますが、やはりWalmartなどと比べると割高です。ヨセミテ入りする前に街のWalmartで買い出しして、たまに肉などの生鮮食品とかビールを切らして買い足したりする時だけヨセミテ内のスーパー(Village Storeが最大)を利用してました。

2_IMG_9043.jpg「酒が足りん!」


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10月中旬から11月頭の滞在では、Camp4は朝方に最も冷え込み、一番寒い日は-3℃ほどまで下がることもありました。しかし日中陽が入ると途端に真夏のように暑くなります。それでも、レタスやトマト、チーズ、ベーコンなどの生鮮食品は悪くならず1、2週間もちました。


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肉!!(リブアイ)は2回ほど焼きました。やっぱり柔らかくて美味しい。

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日本から持参したもので活躍したのは、カレールー、鍋キューブ、出汁パック、醤油などでした。塩コショウなども、現地スーパーだと大きすぎるサイズしか手に入らなかったりするので、荷物に余裕あれば持参するのが吉です。ちなみに、飲み水はサイト内で汲み放題です。


【子供用品】
ジョシュアツリーのときは40日間だったこともあるし、子供がまだ10ヶ月くらいだったのもあって、ミルクとパウチの離乳食に大量のおむつ、おしり拭きが恐ろしく嵩張っていましたが、今回はかなり少なくてすみました。
Lサイズのおむつ1袋(64枚)、お尻拭き5パック、ミルクはもう飲まないので無し、ベビーフードも、ほぼ大人と同じものを食べられるのでレスキュー用に少しだけ持参しました。というわけで、子供用品のかさはだいぶ減りました。

前回ロサンゼルス空港では税関での荷物チェックがなく完全スルーだったのですが、今回サンフランシスコでは荷物チェックに見事当選し、係の人に「肉製品は入ってないか?」と聞かれました。念の為持参するベビーフード全て肉類の入っていないもののみ(魚介系のみ)にしておいて良かったです。一見肉が入っていなさそうなメニューでも、風味付けのためにチキンエキスが入っていることが多いので注意です。ちなみに粉ミルクには豚由来タンパク質とかが入ってますが、未開封ならOKのようです。(ベビーフードは未開封でも肉類NG)


【電源】
今回私は10000mAhと5000mAhのモバイルバッテリーを持っていき、ソーラーランタンとソーラーパネルを持参しました。
でも、テントサイトのトイレなどにけっこう電源があるのと、車もUSBスロットが沢山ついていたので充電にはあまり困りませんでした。ソーラーパネルはジョシュアツリーでは重宝しましたが、ヨセミテは谷底で日のあたる角度も刻々と変わるので、ソーラーパネルは使いずらい印象でした。

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そして、置いておくと嬉々として持っていってしまういたずらっ子が居るのでした・・・


【焚き火】

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焚き火はほぼ毎晩楽しみました。時にお隣のロシア人と、スコットランド人と、火をシェアして盛り上がりました。
父はプロの演奏家なのですが、今回はベビーシッターで退屈しないよう、ギターを持参して弾いてもらいました。
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音楽があると人との距離がより縮まる気がします。

【気候、その他】
私たちが滞在した10/19〜11/4は1日だけ夕方から夜にかけてにわか雨があったのみで、それ以外の全日が晴れでした。非常に乾燥していて喉も痛くなるし、焚き火は面白いほど燃えまくってました。リップクリームは必須、花崗岩が眩しいのでサングラスもあった方がいいと思います。

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朝は7時半くらいまでかなり寒いので、レスト日などは、陽が入って暖かくなるまで、Camp4の道向かいにあるYosemite Valley Lodgeのフードコート(Base Camp Eatry。朝6時半からやってるらしい。何も頼まなくても大丈夫。トイレの洗面所でお湯が出て顔洗ったら最高に気持ちよかった)のテーブルを陣取ってくつろいでいました。


【観光など】

今回、我々は街の観光は一切しませんでした(笑)。まあ、何度も来ているし、今回は日数も限られているので余裕がありませんでした。息子とトレッキングも行きたかったけど、レスト日はレスト日で何かと忙しく、結局行けないまま終了・・・(1日は発熱で死んでたしorz)。

0_IMG_4753.jpg父と息子は、メラメラガールズ女史たちが連れ出してくれたので街観光できたみたいでよかったです(^^;) ありがたや〜!


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レスト日には無料のシャトルでValley内を散策。


6_IMG_5889.jpgギアショップも冷やかし。

ずっと自炊でしたが、最終日のみ、Yosemite Valley Lodgeにあるレストラン(The Mountain Room)で食事しました!

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Camp4の道向かいなので歩いて行けるからお酒も飲めます。やはりTapは美味しかった!


というわけで、貴重な19日間の遠征はこれにて終了!残りの岩シーズンも大好きな北杜市でめいっぱい満喫したいと思います!

2023/10/18〜11/5 ファミリーYosemite遠征の記録その1〜クライミングまとめ

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ヨセミテで登りまくってきました〜!
プライベートツアーとしては、2018年秋以来5年ぶりのヨセミテでした!
大学生のとき、クライマーになる前に観光で訪れたのが最初で、クライマーになってからは、2012年、2013年、2016年、2018年と4回登りに来ています2019年にはカリマーの撮影ツアーでも来ました。
というわけで、今回で通算7回目となる、とっても思い出深い場所です。



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タイやジョシュアツリーにも一緒に行っているYoutuber山岳医りょうくんと合流し、今回も1歳半になる息子を連れての家族遠征です。日数は全部で19日と短めでしたが、その半分も登れない覚悟をして行ったのに、りょうくん、途中合流した父をはじめ、Camp4にいたたくさんの友人たちに手厚く支えてもらい、お陰様で10.5日ほども登らせてもらえました。

9_IMG_9027.jpg今回の遠征メンバー。私の父(じいじ)は後半戦から合流。

9_IMG_5742.jpg思いがけず沢山いた、第二、第三、第四のパパたち!


0_IMG_6361.jpg今回Freeriderに挑戦した屈強メラメラガールズ!彼女たちが父と息子を連れ出してくれたお陰で普通の観光もさせてもらえました!ありがたや!(このとき私とペコマはEl Capで登ってました(笑))


しかもそのうち4日は夫婦で登りに行けたし、1日はりょうくんとちっぺこ3人でのマルチも行けました。この場を借りて改めて、本当にありがとうございました!!


しかし、今回は序盤で体調を崩してしまったのが少し残念でした。ヨセミテ入りした日の夜から急に下痢と激しい嘔気からの嘔吐、翌日は発熱して1日中ダウンしてました。初日の夜は時差ぼけで泣き続ける息子が隣に居ても身動きできないくらい辛かった・・😅解熱したあとも食欲が戻るまでさらに数日かかり、全身持久力が必要なヨセミテのクライミングに耐えうる身体に戻るのには5日ほどかかってしまいました・・無念。


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病み上がりでりょうくんとFreeblastへ行くも、荷物を背負ってフォローしたら気持ち悪くなってしまい、この日はマルチを諦めてエルキャプベースで登りました。


7_IMG_5944.jpgHeart Ledgesへと続く永遠のFix Rope。良い季節なのでBig Wallクライマー沢山いました。


3_IMG_5703.jpg私以外の大人たちも順番に体調を崩していくなか、唯一元気でい続けた我が息子。Midnight Lightningの落書きはちゃんと描き直されました。


【ショートルートのクライミング】

ショートルートでは、FishcrackとThe enemaの完登が今ツアーのハイライトとなりました。

6_IMG_5763.jpgフィンガージャム、レイバックのバランス能力とフィジカルを試されるルートでした。


Fishcrackのほうは、初日はりょうくんと登りに行ってリード1便、TR 1便。登れそうな感触があったので日が影ってから最終トライをしたところ、あと2手でビクトリーホールド!という最終局面で、足ジャムの大切な#0.3サイズのクラックにきめたカムが邪魔になって蹴ってしまいスリップ、その衝撃でカムも外れ、ひっくり返って頭をうつ大フォールをしてしまいました。その二日後にペコマと行き、1トライ目で、かなりギリギリのRPでした。出し切ったトライが出来て喜びもひとしお!


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Fishcrackは、2018年にこれまた超出し切りトライで辛くも2撃したCrimson Cringeのお隣さんです。Fishcrack完登で、産後最高グレードも更新されました(Joshua TreeのSpider line 5.11dから1つ上がりました!)。ヨセミテ初の5.12という歴史あるルートで産後初の5.12を飾れたのは嬉しい!


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The EnemaはCookie cliffにある2Pのルートで、5.9のワイド、5.11bの前傾壁ハンド、どちらのピッチも楽しいオススメルートです。初日はペコマのフォローで2P目を登り、スゴく面白かったので翌日もりょうくんを誘って行きました。2P目をリードし、これもかなりの出し切りトライで完登!最後の最後まで気の抜けないクライミングが続きましたが、粘りきれました。りょうくんもそのあとにリードして、これまた粘りのクライミングで見事1撃!二人して出し切ったトライに健闘をたたえあいました。


【マルチピッチのクライミング】

ヨセミテはどのルートも長くて素晴らしい内容なのですが、ここでしか出来ないクライミングといえば、1日で完登できるか危うい長くて厳しいマルチピッチや、壁の中で泊まりながら登るBig Wallです。
さすがに息子が大きくなるまでBig Wallは難しいかなと思うものの、やっぱりロングなルートに行きたいし、将来の目標に繋がるクライミングがしたい!
ペコマも私もマルチが大好きなので、二人で登れる日はなるべくマルチを追求しました。

9_IMG_5647.jpg夫婦でのんびりNutcrackerで肩慣らし。やはり名ルートだった!

1_7EA1AFFC-C838-4001-A6B2-E76A6BDCEB7E.jpg2012年以来、11年ぶりに2人で再登しました。感慨深い・・!


Y田パパとY川パパに息子を預けて3人でマルチ!

2_IMG_5720.jpgPat and Jack Pinnacleの看板ルートKnob Job5.10bから始まるマルチルート、The Super Slacker Highway (5.10 b/c,8P)へ。じゃんけんに勝って私からリード!


1_IMG_5725.jpgフォロー中のりょうくんとペコマ。


0_IMG_5727.jpg子供をみてもらうだけでなく、何とハーネスを持ってくるのを忘れたペコマはハーネスまで借りて登らせてもらいました。


0_IMG_6349.jpg3人はビレイ点でも会話がありワイワイ楽しい。



私と夫は"El Capitanをフリーで登る=Freeriderを登る"という目標を、2016年のThe Nose完登以来温め続けています。今回は、その下部8pほどのみを登って"Mammoth Terrace"に至るマルチピッチルートである"Freeblast"に行くことが目標のひとつでした。

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りょうくんとちっぺこ3人で子守を交代して登っていたので、残りの日程でペコマと登りに行ける日を、1日はEast Buttress、1日はFreeblastにあてることにしました。


East ButtressはEl Capitanの東の端の最も低くなっているところを登ってトップアウトする合計11Pのルートで、私は2018年に他の友人と登っていますがペコマは初です。2018年の時は、前衛壁であるSchultz's RidgeのThe Moratoriumという4Pのルートから繋げて登る形で行ったので、今回も同じく、合計15PでEl Capitanの頂上を目指すロングなプランで行くことにしました。


5_IMG_5907.jpgThe Moratoriumは美しいコーナークラック。


7時登攀開始予定で、前日に確認しておいたケルンから前進するも、誤った右上へ導かれる踏み跡を辿ってしまい大幅にタイムロス。結果、登攀開始は1時間半も出遅れてしまい、時間に追われるハードスタートとなりました。

4_IMG_9050.jpg今回は奇数ピッチをリード。

The Moratoriumは、5.10d、5.10d、5.11b、5.9の4Pのルートです。私は前回、1&2P目をOSしていて、今回は前回フォローだった核心の3P目をリードさせてもらいました。しかし残念なことに、レイバックに使う大事なコーナークラックから激しく染み出しており、意を決して離陸してみましたが、ズルズルとフォールしてしまいました。時間もないのでそのままエイドアップ。2018年の時もやや濡れてた記憶があり、このルートは状態核心なところがあるのかも知れないです。次回リベンジしたいと思います。


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The Moratoriumのトップアウトは12時20分。子供を見てもらっているし、なるべく遅くなるのを避けるため、タイムリミットを12時に設定していました。でも、い、行きたい・・・。ペコマには「降りよう」と言われたのですが、結局押し切って行くことに。しかし、5.10のマルチとはいえ、決して簡単ではなく、各ピッチの長さも常に日本の倍以上なのがここヨセミテのクライミング。

2_IMG_5918.jpg遠目には傾斜がゆるく見えるEast Buttressですが、実はかなり立っていて露出感も満点です。


1_IMG_5920.jpgルートは立体的で合理的、最後まで登りごたえも抜群です。この5.9の7P目は5.10あってもおかしくないと前回も思ったのを思い出した。


0_IMG_5922.jpgそしてやっぱり日が暮れた。


日本で登り込みもできていない弱々の私たちに、タイムロスを挽回できるほどスピーディに登れるはずもなく、あと2Pほどを残して真っ暗に。最後はヘッデンクライミングでトップアウトしました。そして、El Capitanの核心は、クライミングよりも下降なのです。道を間違えば、ゾッとするような巨大ツルツルスラブの餌食に・・。5年ぶりで記憶もあやふやななか、真っ暗で分かりにくい下降路を何度も行ったり来たりし、どうにか無事帰れましたが、日付が変わりそうな時間になってしまいました。

9_IMG_5925.jpgここから何回もFixを懸垂。このポイントに辿り着くまでが本当に難しい!


それなのに、りょうくんはご飯作って焚き火して待っててくれた!朝から晩まで父と一緒に息子をみてくれ(朝はおしっこうんちまみれ息子のオムツ替えからはじまったそうな・・)、あったかい和風パスタまで・・・。感謝感激!りょうくんに子供ができたら恩返ししようそうしよう。


8_IMG_6013.jpg日に日に巨大化するファイヤー。この夜はりょうくんが待ちすぎて相当酔っ払っててやばかった。


そして、その二日後、ヨセミテ最終日が、ちっぺこFreeblastの日でした。前回の残業の反省を胸に、最終日で外食しようという計画もあるし、明るいうちに降りるため「何があっても15時下降開始」と決めました。登攀開始は7時。結局明るくなるの待ちとか準備とかで7時20分頃登り始めました。

私からスタートのつるべで登ります。

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1P目、5.10c,60m強。かなーり面白くて登りごたえも抜群なピッチです。ミスって4番と5番をおいていったら最後ランナウトして怖くて時間かかってしまった。


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2P目&3P目、5.11b→5.7→5.10c、60m弱。出だしの5.11bのトラバースはかな〜り悪いと思います。私はフォローでエイド突破。


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4P目、5.11b/c、Freeblastの核心ピッチとなるスラブ。ものすごい露出感で美しすぎるスラブ。しかしそこへ至るまでの5.10dのピトンスカー地獄もかなりキビシイ。今回はマスターカムのオフセットカムは1セット弱、トーテムの黒、青、黄色も1セットだったのですが、ピトンスカーしかないので2セット欲しかった。。スラブは1箇所、出来そうで出来ないところがあり、ワークは1回のみで抜けました。


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露出感満載なのでランナウトが怖くて心が折れそうになりながらのトップアウト。でも、RPは出来そうな気がする。絶対またやりたい!と思うピッチでした。

3_IMG_6038.jpg途中敗退可能なようにバックロープを持参。こういうビレイ点の整理整頓、久しぶり。感覚が戻ってくる。


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5P目、5.11a、ふたつめの核心ピッチ。時間が迫っていたのでフォローの私はユマールで抜けましたが、1箇所悪そうなところがあり、ペコマもそこで苦労していました。こちらもとっても面白そうなので次回やりたい!


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6P目、5.9、フィンガーからステミングやレイバックなどの立体的で面白いピッチ。セカンドが到着してちょうど15時になるところだったので、あと2Pで終了ですが、決め事を守り下降開始することにしました。
とりあえず、明るいうちに抜けることは普通に可能そう、ということが分かりました。セカンドははじめフォローしていて、途中からユマールに切り替えたのですが、割り切ってはじめからユマールしていればもうちょっとスピードアップ出来たかも知れません。


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しかし、ここからもすんなりとは帰れませんでした。4P目と5P目を繋げて70m強おりたら、ロープが重すぎてひけず、二人分の体重をかけて大苦戦。どうにか結びコブが手元にきて、ロープもだいぶ軽くなってホッとしたのも束の間・・・ずっと強風にあおられキンクも激しかったロープは程なくしてびくともしなくなってしまいました。泣く泣く、ジョシュアから大活躍してくれていた我らがハミングバードプロドライ70mとお別れし、そこからは80mロープ1本で下降しました。

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1P目を2回に分けて降りたけど、さいご微妙に地面に届かず少しだけクライムダウンしました。最後から2回目の懸垂ではひいたロープがクラックの奥深くでスタックして登り返し、というおまけつきでした。


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ヨセミテに来ると、毎回自分の弱さ、ちっぽけさを痛感させられます。2012年にはじめて来た時は、ただただ恐ろしく、何も出来ず、悔しさと惨めさで美しい景色を前に泣きました。「この場所で楽しく登れるようになりたい!」それがモチベーションとなって、ここまで来たように思います。そして、ヨセミテは「クライマーの聖地」と言われるだけあって、訪れ、クライミングするだけで心が浄化されていき、日常のしがらみから解き放たれて、全身がただのクライミング馬鹿になります。今回もそのヨセミテの魔法でただのクライミング馬鹿に戻れた私は、やっと心身ともに出産前の自分を取り戻せたような気がしました。


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そして、同時に、出産後から今までの自分は、あまりに豹変して違う人間になっていたと気づきました。毎日子供のことばかりで頭がいっぱいで、脳みそがとろけ、子供の世話を焼く自分にしか価値を見出せず、ペコマのこともだいぶ蔑ろにしてしまっていたと思います。出産前は「子供中心の生活なんてあり得ない、私とペコマの生活あってこそ」と思っていたのに、こんなにも人は変わるのか、というほどに価値観が激変していました。ちょっと健全じゃなかったかも知れない。

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でも、このヨセミテでそれも良い方向に変わっていきそうです。私はもっと進化できるし、もっと幸せになれる、ペコマと子供と一緒に。そういう自信が湧いてきました。ああ、ヨセミテ、来てよかった。また行きたい。お金ためよう(笑)。


4_IMG_5961.jpgクライミング馬鹿すぎる仲間たちと!


かな〜り長くなってしまったので、一旦終わります。
次回は移動やキャンプのことなど、ヨセミテライフについてまだまだお伝えします!

2019 autumn 中華 黎明 Rock climbing in China Liming 中国 リーミン クライミング

「人にはナイショにしておきたい」

そう言って、敢えてリア充アピールはせず黙っておく人がいます。黙っておきたくなるモノがあります。

そういうのは自分とは無縁だと思っていました。基本的に、いい情報はなるべく多くの人と共有したいものです。


登山はじめたての頃からホームページを開設し、最近は本体がブログとなりつつあるものの、すっかり「配信する人」になってしまった私。「ブロガー」に転職しようかなどという考えもふと浮かぶほど、しかし筆不精とキャパシティの低さからそれも叶わないので、ただのフリーターとして細々書くのみに留まってはいます。

そんな私ですが、今回ばかりは魔が差しました。
「あんまりおススメしないでおこうかな・・・」と・・・・。


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というわけで、今回は中国黎明(リーミン)の岩場の魅力をほんの少しだけ(笑)、ご紹介しましょう!


8月にペルーを旅行中、友人からメッセージが入りました。

「11月に中国行かない?」

そのときはまさに、クレジットカードの不正使用が明らかとなったのに日本の担当デスクと電話が繋がらず、心拍数が上がり、てんやわんやしている時でした。てんやわんやしながらだったので、余り考えずに即返信しました。

「はい、行きます!」

あとで聞いたところ、本来行くはずだった某Kさんが行けなくなったため私にお鉢が回ってきたそうです。
Kさんにはもう、感謝しかありません(笑)。


私はアンテナの受信感度が低いので、ヤンショウやら巨大ケイブやらと中国のすごい噂はいろいろ聞くものの、今回行くリーミンについてはほぼ何も知りませんでした。瑞牆バムをしていた時、一緒に行く友人宅でトポを読み込み、テンションを高めていきました。


人生初の中国大陸上陸、そして人生初の砂岩クライミングです!


11月11日、他のメンバーに遅れること1日、ポッキーの日に成田から飛びました。目指すリーミンははるか西、雲南省にあって、最寄りの麗江の空港までの直行便はありません。四川省の成都で1回乗り継ぎです。それでも搭乗時間は5時間+1時間。時差も1時間なので、ダメージはほとんどありません。


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成都で乗り継ぎ20時間。宿をとって1泊し、フライト前にちょっとだけ町歩きも。


この1年、ヨーロッパや南米にアラスカと、北米さえ楽に思えるような長時間移動ばかりだっただけに、今回の移動の負荷はほぼゼロといってもいいくらいでした。このメリットは心身ともにとても大きいです。


今回は全部で2週間、クライミングできる日数だけで言ったら約1週間の短い旅行です。退職からわずか2年ですでに、これが「短すぎる」と感じてしまうのだから、慣れというのは恐ろしいものです。


麗江の空港には深夜に到着しました。迎えに来てくれた宿の主人の車で西に100km、約3時間。すでに数週間前から来て暮らしている先発隊の友人の部屋をシェアさせてもらうことになっており、深夜に潜り込みました。


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お世話になったお宿、千里ノ外(Faraway)Hotel。オーナーのラバンさんは優しくて穏やかな人。


翌朝は、もうすっかりリーミンに馴染んでいるその同室と、私より1.5日早く黎明に着いていた2名と合流し、ただ後ろをついて行って、隣のお店で朝食をとりました。この後数日、同じ店で朝食をいただきましたが、毎回出てくるのは同じ麺、そして量は日に日に増えていきました。


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左上:朝ごはんの麺。辛いのは入れ過ぎ注意。右上:お湯とクルミとヒマワリの種はセルフサービス。左下:とある日の朝ごはん。ほっかほかバオとあったかい豆乳をテイクアウト。豆乳には砂糖をたっぷり入れてもらう。右下:夜には美味しい肉野菜炒めなどなど。



リーミンは老君山国家公園という国立公園内にあり、渓谷沿いに巨岩が林立する広大なクライミングスポットです。欧米人に人気が高く、世界各国からクライマーが集います。そしてたいてい同じ宿(2択くらい)に泊まるので、お互いの距離が近くすぐ親密になれます。一人で行ってもすぐにパートナーが見つかるというわけです。


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個包装のドリップコーヒーが、ほかの国にはないものらしく大盛り上がり。


クライミングのあとは、みんなで連れ立って3つくらいある主要なレストランのどこかに食べに行きました。わたしたち日本人4人は中国語がほぼ使えなかったので、ジェスチャーと翻訳アプリでどうにか注文をとっていました。中国語の話せる人がメンバーの中に加わると、オーダーを全てお任せして円卓にただ座っていれば、多種多様な中華料理をたくさん食べられました。


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毎晩大挙して押し寄せた(笑)。


ルートは、ボルトルートもあれどほとんどがトラッドです。30m級の美しいショートルートがわんさかあり、砂岩ならではともいえる「ずっと同じサイズが続く」クラックもあります。それぞれが4番までを2セットずつ持って行って、必要な時には4人全員のギアをかき集めてトライしました。#.5が7個とか、#.75が8個とかね・・・(笑)。

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岩だらけ。


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とにかく壁だらけ。

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Faraway cornerという名の美しいコーナークラック。レイバックとワイドが多いところは世界標準。


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30mの膝がめっちゃ痛いワイド、Clamdigger。友人にならって、服がズレないよう膝テーピング。FLトライでは、簡単なところでスリップしてしまい無念の1テン!2便目は後日、道端の売店で買った750円のデニムを履いて完登。


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かわって、#.2サイズが肝となるAkhum-Rah.フットホールドが皆無なら・・もう、アレしかない!!


マルチピッチも沢山。逆に、というか、簡単なマルチは少なく、どちらかというと5.12や5.13を含むハードなマルチに★付きが多いです。
今回行けたマルチは、Liming Select(リーミンセレクト、LS、★5つ)の1本で5.10に収まっているSoul's Awakeningというルートのみでした。


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Soul's Awakeningは気持ちのいいマルチ。


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40mのピッチをランナウトしながら登りきり、ふっと一息。リーミンの谷を見下ろす。


とにかく1週間では短過ぎて、LSをちょい齧りするくらいしか出来ませんでした。


岩の質はもちろんなのですが、ここの魅力は他にも沢山あります。たとえば、Faraway Hotelの看板犬であるDing Dong(ディンドン)。彼の名前がついた美しいクラックもあります。


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ディンドンクラックを登る友人と、眠りこけるディンドン。


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上の写真の友人は後日見事RP!私はまだまだ力及ばず。宿題になってしまった。


彼は非常に頭が良く、人間の言葉をほぼ理解しているようでした。
そして推定8歳?なのに活発で、痛めているらしい右後ろ足をかばいながら岩場へ一緒に出勤します。道をよく知っているし、誰よりも早く登っていきます。


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「The Caveのアプローチはコッチだよ」と先導するディンドン。


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たまにディンドンの友達も登場。


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水をもらうディンドン。朝晩は冷え込むけれど、日中はかなり暑くなる日も。


岩場につくと、私たちが登っている間は昼寝したりして適当に過ごし、夕方また一緒に宿へと帰ります。
朝晩は寒いらしく、激しくシバリングしながら身を寄せてきます。


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クライマーにとってSFT(Super Friction Time)が訪れる夕方には「もう寒いから帰ろうよー」となきはじめる。


そして夕飯にもついてきて、股の間に割り込んできてじっと見つめてくるのです(鶏の骨とかが欲しい)。

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ディンドンの写真ばっかり撮っている気が・・。


彼を連れていけないエリアに行く日の朝はちょっと可哀想でした。しつこくしがみついてくるディンドンを無理やり宿に押し込んで扉を閉めると、必死に扉をガリガリしながら吠え立てていました。その日宿に帰ると、ディンドンは激しく怒っていました(笑)。ごめんねディンドン。


宿には生まれたばかりのピータンもいるけど、彼はいたずら真っ盛りだし少し臭うし、ある日はう○ちをぶら下げながら駆けずり回ったりしていたので、クライマーたちからの扱いもディンドンへのそれとはちょっと違っていました(笑)。


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宿の2階の屋上ですやすや眠るピータン。寝ているときはかわいい(笑)。


ごはんの話に戻りますが、ご飯は美味しくてとても安いです。ボリュームはたっぷりなので、いろんな種類を食べたければやはり大人数で行ったほうがいいです。夜にかなり豪遊したとしても、1人50元(750円)はかからない、といった感じでした。


行動食はクッキーとか果物とか。いろんなお菓子も売店で買えます。また、1のつく日にマーケットがあって、食料をいろいろ安く手に入れられるようです。残念ながら私は12日に黎明入りして20日に去ったので、マーケットを楽しむことは出来ませんでした。次はマーケットのことも考えてスケジューリングします。


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ある日の行動食。クッキーはディンドンも大好き。


#4サイズのワイド、#.5サイズのフィンガー、#6まで連れていかなければならない40mクラスのルート、などなど・・・。短い間ではあったけれど、いいトレーニングになりました。


安い、近い、でかい、が三拍子揃っている此処は、何度でも訪れたくなる素晴らしい場所です。


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みんなで!


決して一大観光地ではなく、こじんまりした、とても静かで、のんびりと時間の流れる場所です。
それゆえキャパシティはそれほどありません。

この環境が保たれているのは、それほど多くない観光客と、まだそれほど多くないクライマーたちがこの土地を愛し、モラルある行動を心がけているからだと感じます。


皆さんにはとくにオススメはしないですが(笑)、私は近いうちにまた、ディンドンと、再開を約束した友人たちに会いにこの地へ戻るのではないかと思っています。

2019/08/25-28 リマ観光レポその2〜リマ雑感 & 私のスペイン語体験 〜2019 ペルー旅行記その16完結編〜

ペルーの首都であるリマは、地震以外の災害がほとんどなく、年間を通して過ごしやすい街だそうです。

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人口は世界第29位で1095万人。南米第2位の大都市です。

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City Hall!


乾季でなくとも雨はわずかで、もちろん雪は降りません。
現在ペルーは冬ですが、最高気温は18度、最低気温は14度と寒暖差もほとんどないです。


そして海辺にあり国内外を問わず流通の中心地となっています。


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猫がいっぱい!Kennedy Park。


そんなリマにおいて、私が最後の数日滞在したのはMiraflores(ミラフローレス)地区です。海辺の高級住宅街があるエリアで"新市街"と呼ばれており、リマの中でもとくに治安がいいエリアとのことでココを選びました。


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海沿いにはいくつも気持ちのいい公園があり、ランニングコースも整備されています。ランナーも沢山いるし、ポリスもいるので安心して走れました。

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Parque del Amor、愛の公園。


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海辺のショッピングモールLarcomar。


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Larcomarから海沿いに片道4kmのコースがあり、ここを往復してました。


観光としては、旧市街(セントロ)に行こうと思っていました。旧市街はミラフローレスから北に10kmほど離れています。世界遺産にも登録されている旧市街には、大統領宮殿や、ペルーで最も古い大聖堂などがあります。おなじみ”プラサデアルマス”があるのも旧市街です。

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大統領がいるところ。


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ペルー最古のカテドラルとプラサデアルマス。


でも、リマの公共交通機関はなんだか難しそうだし、それこそスリも沢山居そうだし、市街地を10kmも一人で歩いて犯罪に合わないかも不安だし、行くならタクシーかなーと思っていました。それも面倒だから行かなくていっかな、とまで思い始めていました。ミラフローレスでのんびりすればいっかー、と。燃え尽き症候群にもなりかけていました(笑)。


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すると、泊まっているドミトリーのイベントでまさに明日、その旧市街へ行くウォーキングツアーがあるようです。ラッキー!これに参加しよう!


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ちなみに、泊まっていたのはミラフローレス中心地にあるドミトリーPariwana。


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施設は綺麗だし、安いし、朝ごはんビュッフェは豪華だし、オススメです。


ツアーには多くの人が集まりました。スペイン語と英語両方のガイドがついて、色々な話を聞きながら旧市街へと連れて行ってもらえます。


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このツアーでは地球の歩き方にも載っていた「メトロポリターノ」というバスを利用しました。「メトロポリターノ」は専用レーンを走るバスなので渋滞に巻き込まれることもありません。s/2.5均一で、カードにお金をチャージして乗るのだそうです。ツアーではガイドの持っている魔法のカードで乗れました。

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サント・ドミンゴ教会。とても綺麗でした。祀られているのはペルーの守り神、サンタ・ローサ。アメリカ大陸初の聖人だそうです。


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ペルー料理博物館は今週メンテナンスで閉まっていました。残念!


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ミラフローレスとは違うかんじの街並み。


ツアーは10時からはじまり、13時半くらいには終了。私はこの日レストランを予約していたので途中で離脱しました。


そして今回、もうひとつ気になっていたのが”噴水公園”です。

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噴水のトンネル!

”噴水公園”というのは通称で、レセルバ公園という噴水の沢山ある公園があります。ミラフローレス地区から北へ6km。「公共の公園内にある世界最大の複合噴水施設」としてギネス登録されています。夜になるとショーもあるということなので、コレもその時間に合わせてタクシーで行ってみようかと考えていたところでした。


旧市街からならそれほど離れてはいないので、とりあえず噴水公園まで歩いてみることにしました。

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途中のショッピングモールでwifiしたりしながら、16時半くらいに噴水公園に到着しました。今から夜まで粘るのは流石に大変なので、夜のショーは諦めてとりあえず入ってみよう。


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噴水は全部で13も!


と思っていたのに、予想以上に面白くて居心地がよかったので、気づいたときには18時近くなっていました。

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噴水のトンネルー!

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自撮り!

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あと1時間15分後にはショーがはじまります。ここまできて今帰っちゃうのは勿体ないよね・・!

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一気にロマンチックになってきた!


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恋人たちの時間!


あたりが暗くなると噴水が次々ライトアップされていき、それと同時に入場者数も増えてきました。
1時間の待ち時間はあっという間でした。


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ばっちりショーも見て、s/4の入場料には十分すぎるくらいもとをとりましたね。


公園を出て、さっそくUberでタクシーを探します。しかし、混み合っているのかなかなか確定しない。ふと顔をあげるとメトロポリターノの駅が目の前でした。


・・・乗ってみるか!


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と、改札口に突撃!人々が列を作って、お金をチャージする機械に並んでいました。私も並んでみると、横からおじさんがやってきて私にコインを見せながら(スペイン語で)なんか言ってます。でも半分も理解できません(笑)。その人は諦めて、私の前に並んでいたお姉さんに声をかけます。するとお姉さんはコインを受け取りました。

あ、もしやこれは・・!

ツアーの最中、ガイドが話していたのを思い出しました。メトロポリターノはカードを買って、それにs/2.5をチャージして乗る仕組みです。でもカードを持っていないor忘れてきちゃった人は、カードを持っている人に自分のs/2.5分を現金で渡して、まとめてチャージしてもらって改札を通る、というのがごく日常的に行われているそうなのです。


私の番がきてしまい、機械の前に立つも意味不明。すると後ろに並んでいた人が「カードないんでしょ?チャージしようか?」と言ってきてくれました。これもガイドが言っていたのですが、リマの7割の人は観光客フレンドリーだそうです。


こうしてめでたくメトロポリターノに乗り込めました。その駅は北行きか南行きかしかないので単純です。南行き方面のバスに乗ります。通勤時間帯の山手線くらいの満員具合でしたが、無事ミラフローレスに戻ってこられました。


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最終日に見つけたおおきな民芸品市場。


日々が冒険旅行で楽しいね!


1ヶ月のペルーひとり旅は刺激的な経験に満ち溢れていました。誰も助けてくれる人がいないからこそ、毎日ワクワクするような体験が出来ました。


そんな中で、スペイン語の勉強も並行してやっていました。kindle版の文法書と日々の生活で触れる生のスペイン語を教科書に、無料の単語帳アプリも駆使して語彙を増やせるよう努力していました。
そうすると、今まで聞こえてこなかった単語が急に聞こえてくるようになる瞬間があります。すごく嬉しい瞬間です。

街中にあふれている単語を見て、動詞の活用形を予測してみたら、あとで本を読んでその予測が当たっていた時なども嬉しかったです。

正直、入門書1冊だけで現地に飛び込むのが語学上達につながるかどうかは半信半疑でした。スペイン語はヨーロッパ系言語の中で最も難しい言語と言われており、1つの動詞の活用が126個もあります(笑)。つまり、それだけ細かいニュアンスを表現できる繊細な言語とも言えます。実際、日本語でも翻訳しきれない時制があったりします。


でも、1ヶ月を終えてみて思うのは、スペイン語習得という点からも今回の旅は成功でした。
やっぱり現地に飛び込んでみてよかったです。
私はこれから、スペイン語学習者になります!スペイン語のおかげで新たな言語を学ぶ喜びを思い出すことができました。それにより、最近落ちまくっていた英語学習に対するモチベーションも上がってきました。
たぶん一生かかってもスペイン語を使いこなせるようにはならないと思いますが、生涯学習を続けていこうと思っています。


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ジムも行きました。


1ヶ月もひとり旅したけれど、ホームシックになるどころか帰国するのが寂しかったです。
ペルーはわたしの好きな国になりました。
また登山しにこようと思います!


〜ペルー旅行記完結〜 ここまで読んでくれたみなさま、ありがとうございました!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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