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2020/10/15 谷川岳一ノ倉沢本谷〜4ルンゼ

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去年の寡雪の影響か、今年行った沢は軒並み雪渓少なめ!
一ノ倉沢本谷も今年は雪渓が消えるだろうと確信し、9月末ころから行くタイミングを見計らっていました。
すると、ここ最近レギュラーメンバーとなりつつあるWくんから「来週行きませんか?」の連絡が。
3人で予定を合わせて日程を先にFIXしたら、気温は下がるし雨も降るというあいにくの天気にあたってしまい・・・・。








14日夕方、集まって前夜発。ヤマテンさんの予報では「日中雨と霧、稜線では雪の可能性も」と。
寒さとの戦いに備え、3人ともウェットスーツやネオプレン上下といったがっつり「泳ぎ沢」装備で行くことにしました。更にレインウエアも持参して防寒対策万全です。


9月9日の豪雨で崩落した西黒沢橋は復旧しており、谷川岳ベースプラザ駐車場にも入ることは可能でしたが、ロープウェーは今も運休中です。でも通れなくなっていた田尻尾根・天神尾根は10/13の時点で利用可能となっていたようでした。しかしそれを知らなかった我々は西黒尾根下山をすることに。沢靴で降りるにはなかなか険しく長いので、下山シューズも持参することにしました。

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核心となるであろう"幻の大滝"は前夜にリードじゃんけん!私が見事勝利し(笑)、持って行くギアを選別しました。ハーケンは軟鉄ウェーブ、ナイフブレード長短など各種取り揃えて5枚。ナチュプロは#.2〜#.75サイズくらいまでのカムとトライカムを持参。タクティクスは、セカンドがFIXロープをユマールし、サードはビレイされて登る。リードが空身で登るなら、セカンドかサードがまとめて担いで荷揚げ無し。ロープはユマール時の利便性を考えて40mシングルを持って行くことにしました。フラットソールも持ちました。


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前泊し、朝4時半歩き始めで一ノ倉沢出合へ!


出合で準備しながら明るくなるのを待って入渓です。

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ヤバい!防寒に重要な沢グローブが両手とも右手だ!これは・・新手のスタンド攻撃か!?


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紅葉がはじまってるー!綺麗だー!太陽光がないのが残念すぎる!


10月も半ばとあってやはり今シーズン一の寒さ。しかも昨日より3度くらい気温が低く、予報通り霧雨が降っています。なるべく濡れないように進んで行きますが・・・


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えー!入渓してすぐ、まさかのシャワー!何ぃー!


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ひょんぐってるやつも、ひょんぐりの下を通過!何ぃー!


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この滝は釜を泳げば簡単に登れるけど、胸まで浸かっちゃう!ひえ〜。なんか左側壁にFIXが!って感じで、出だしはFIXをやたらと利用させてもらいます。


いや〜、すでに濡れすぎ!って、沢登りだから当たり前だけど。でもこれは後々冷えるぞ〜。


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ってFIXを使いまくってたら、テールリッジのほうへ続くFIXへと導かれてしまったので、ココで沢床へクライムダウン。本谷復帰です。


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ちょい悪なところでロープを出し、進んで行くと・・・その先にはものすごい光景が!!


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「なんじゃこのスラブは!」って騒ぎながらガシガシ進む。


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すると見えてきました!アレですね!


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通常は一年中雪の下に埋まっている幻の大滝!って、なんか他の記録写真と比べてかなり水流れてませんか?


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なんだか雨が強くなってきて、すでに震えがはじまりかけているのでレインウエアを着用。更に、セブンイレブンの「あんこの入った揚げ食パン」を頂く!118gで443kcalと優秀な行動食。下界では怖くて食べられない!これで震え熱生産の準備も万端です♪


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で、昨夜じゃんけんに勝ったので早速リードさせてもらう。すでに手がかじかんでいてガバがうまく持てず、足ブラハイステップになったりするのが若干怖かったです。ワイド登りも出てきたりしてバランシーでなかなかに面白いクライミングでした。


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大滝上から登りやすそうな左側を上がっていって、広大すぎるスラブの大海原をルーファイ。このまま右岸をいけばスラブの罠にハマりそう。流心を横切って左岸へ行けば快適そうです。しかし・・渡渉こわっ!(笑)ハーケンとカムでアンカーを作ってロープ出して渡りました。


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こっからスラブをひたすら登る!


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しっかりルーファイしていけばそれほど怖いところはナシ。とにかく登る!


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滝沢を左手に見ながら、登る登る!しっかし雨やまないなあ・・向こうの空は明るいのに!


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本谷バンドに到着し、4ルンゼに入っていきます。


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最初の滝は途中からロープを出してトラバース。思えば今回はよくロープを出した。なんか寒さで震え過ぎてか身体がうまく動かないんだよね。手もかじかんで持てないし。。


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どんどん雨が強くなり、霧も濃くなってきて風も出てくる。すると、「ぶおーん」というジェット機が近づいてくるような音。「飛行機かな?」って思った次の瞬間、聞いたこともないような轟音が!谷底でどんどん大きくなりながら反響し、かなり長いこととどろいていました。「何!?」「どゆこと!?」と一同に動揺が走ります(笑)。こんな季節にあれほどの大崩落が起きるというの?もし今もっと下流にいたら確実に巻き込まれていた気がする・・・・・怖っ!怖過ぎ!!!


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気を取り直して先を急ぎます。滝を巻いて泥ルンゼを登ってみたり、


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しなる残置ハーケン1本で懸垂してみたり。


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いちばん軽い人はバックアップを回収して最後に下降・・・キンチョーするわぁ。


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このあとも水浴びや水線突破系がつづいて


寒さによりごぷろ(Gopro)も昇天。急にうんともすんともいわなくなること、よくあるんです。弱いなあごぷろ。


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いつしか雨は止んだものの、気温は下がり、風も出て常時震え熱生産。ホールドは持てないし、ロボットみたいなカクカクした動きしか出来ない。pecomaはこの滝で流心を突破しようとしてあと一歩のところまでいったけど、低体温症の危険を感じて断念。ショルダーで左壁を上がってどうにか巻きました。


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で、そろそろ滝おなかいっぱいだよー。源頭の雰囲気になってくれていいよー、って思い始めたところでツメっぽくなりました。ツメははじめ岩登りで、そのうち笹登りからのネマガリタケ登り。怖い泥壁とかネギ登りとか無いし藪漕ぎも谷川にしてはかなり短かったですが、ネマガリタケがキンキンに冷え過ぎで手の感覚が完全になくなりました。今シーズン初"Barfies"きそうでした。


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そんなこんなでやたらとロープを出したのもあり、稜線に抜けるころには17時を過ぎてました。でも雪にならなくて良かったね!おつかれちゃ〜ん!


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この時間になってやっと晴れてきたみたいでした。おそいよー!


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どぴーかんで満点の星空のもと西黒尾根を下山。水上の夜景もやばかったです。駐車場着は20時半で、何気に16時間行動・・。楽しみにしていた湯テルメは当然閉まっちゃいましたが、乾いた服に着替えられただけでもすごい幸福感でした。セブンのホットラテが美味しかったー!


思いの外充実した一ノ倉沢本谷。全体を通してそれほど難しいところはなかったものの、寒さによって全ての難易度が上がった感じでした。悪さからいえば井戸小屋沢左俣のほうが断然悪かった(笑)。


これにて今シーズンの沢納めとなりそうです。来週からは残り少ない秋、乾いた岩を満喫ですね!







★遡行タイム★
4:30ベースプラザー5:30一ノ倉沢出合ー7:30幻の滝ー10:30本谷バンドー17:00稜線ー西黒尾根ー20:30ベースプラザ

2020/09/21~22 広谷川御神楽沢~奥壁本谷ルンゼ 

沢登りと岩登りのハイブリッド!スーパークラシックな会越国境の名渓に行ってきました!
0_IMG_1041.jpg圧巻の奥壁!



秋雨前線の影響か不安定な天候のまま迎えたシルバーウィーク4連休は、当初長めの沢とか色々な計画はあったものの全てリスケに。結局、前半2日は甲斐駒ヶ岳山岳医療パトロールの一環で、登山口での声かけ活動に参加しつつ北杜市周辺に滞在。後半の2日で、きのぽんさんに誘ってもらい、御神楽沢へ行くことにしました。


天気予報が好転した後半の2日でしたが、入山直後からしっかりとした雨に。それでも騙し騙しアプローチを続けると、入渓点を過ぎたころには雨も止み、遡行中に雲もどんどん晴れてきて最終的には気持ちの良い秋晴れとなりました。


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蝉ヶ平登山口を出発!


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入渓してすぐ水に浸かります。水温はぬるめで、震えることなく遡行できました。


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透明度の高い水と粘土質の青白い岩が綺麗です。


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ショルダーも積極的に活用!


今回のメンバーは、きのぽんさん、HGさん、ちっぺこの4人です。登攀具としては、パーティで50mロープを2本、#.75以下のカム1セットとハーケン5枚程度を持参しました。はじめて一緒に登るので、入渓前にタクティクスを確認。ゴルジュ地帯では、基本1番手が空身でリードしてロープfix、後続はユマール(出来ればザックを3つにまとめて荷揚げ省略)。また奥壁の登攀は2パーティに分かれて付かず離れず登る、ということにしました。


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入渓から約1時間半でム沢の大滝が見えてきました。


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ここから右の御神楽沢へ!淵は歩いて突破。


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御神楽滝30mはなかなかかっこいい大滝!左壁が登れるみたいだけどヌメヌメそうで悪そう。。


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一応ロープを出して右から巻きます。泥壁でちょっと悪いトラバースがありました。最後は灌木の残置スリングを利用し、10mほどの懸垂で滝上へ。少し手前から降りれば懸垂なしで降りることも可能です。


4連休前半の2日で(増水した)マンダノ沢へ行かれていたきのぽんさんとHGさんは、ヨレヨレ寝不足のままの出発でした(笑)が、流石は百戦錬磨の山屋さん。4人で連携して滝やゴルジュ地帯の突破もスムーズにいき、沢水が平水より少なめだったのもあって、比較的早いペースで進んでいきました。


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時にエイドやお助けも交えながら、4人でテンポよく前進。


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10m滝はシャワークライム。


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渓相は一時ゴルジュチックに。木登りありーの、


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トイ状つっぱりありーの!


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ゴルジュを抜けると急に沢が開け、大岩壁がどーん!迫力満点の岩風景!


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中ノ大滝はルーファイしたのち、水線の左から取り付き、途中でロープを出しました。


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ここから、核心となる上部ゴルジュ帯。この2段滝は、私がリードでトライ。抜け口で一箇所カムをとってビレイしてもらいました。1段目の落ち口は広いスペースで、肩がらみ固定したロープを2番手ペコマがゴボウで上がる。ペコマが荷揚げと後続の引き上げをしている間に、私が左壁から2段目を突破。荷揚げしやすそうな左壁に支点を作って荷揚げする間に、2名が右壁からショルダーで突破し、最後の1名は左壁のfixをユマールしました。連携プレーが楽しい!


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次の10m滝は出だしの草付き地帯がヌメって悪そう。ペコマがリードし、fixロープをユマール。2番手が2本目のロープを持ってあがり、後続が登る間に先行してロープを伸ばす、といった形で時間短縮をはかりました。


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といった具合にテンポよく進んでいって・・・



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入渓から4時間半かからずテンバに到着!
眼前に300m級の大岩壁が拡がる絶景のテンバです!



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ソーセージ祭り、ポテチカルパスバウムクーヘン"なんでも炙り"祭りを繰り広げ、飲み過ぎ食べ過ぎた私は例によってすぐ撃沈しましたが、時々広がる星空のもと、23時くらいまで楽しい夜を満喫しました。


「早く下山して美味しいもの食べようよ」ということで、翌朝は4時起床して準備し、出発。登山体系のルート図を読み解きながら、登りやすそうなところを選んで登って行きます。


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遠望すると絶壁1枚岩に見えた岩壁も、近づくほどに傾斜もゆるく見えてきて顕著なルンゼ状に導かれます。


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なるべく水線をたどり、登りやすそうなところを上がって行きます。概ねフリクションは良くて快適な岩登り。


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私たちは結局持参したクライミングシューズには履き替えずそのまま登りました。


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ぐんぐん広がる景色!高度感抜群です。



ロープを出すか出さないか、ギリギリのところでだましだまし進み、結局ロープは出さずに終わりましたが、落ちたら300m止まらないような場面も多々ありました。


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最後は右俣に入り込んだものの、左上しながら沢状を辿って行って、ほぼ藪漕ぎなしで登山道へ!


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まだ8時過ぎとかなり早い時間だったので、さすがに山頂往復しようということになりました。


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御神楽岳登頂〜!


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下山路は噂通りの悪路で、「落ちたら即終了」な箇所が次から次へと連続する、気の抜けない激下り道でした。


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道すがら、奥壁全景を見渡します。


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湯沢の大スラブと山伏尾根。ここら辺も岩岩していて面白そうです。


稜線上こそ涼しかったものの、標高が下がるにつれかなり暑くなってきて、汲んだ1Lの水も尽き掛けます。湯沢出合についたら冷たい水に飛び込みました。


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下山後は温泉でさっぱりしたあと、HGさんが見つけた西会津の美味しい食堂で打ち上げでした。ココはオススメです!



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誘ってもらっておふたりと一緒に登り、沢屋さんの効率的な登り方や芸術的なタープの張り方に至るまで、色々と勉強させてもらえた二日間。とっても楽しかったです。ありがとうございました!^^


さて。そろそろ岩の良い季節になりますね。身体作りも本腰入れて行くぞー!鰻登りで!










コースタイム
初日
8:16蝉ヶ平登山口-9:22入渓-10:40御神楽沢出合-11:50御神楽滝上-12:53中ノ大滝-13:30上部ゴルジュ帯-15:00奥壁基部

二日目
5:46遡行開始-8:11登山道-8:40御神楽岳山頂-12:20湯沢出合-13:40登山口

2020/8/29〜31 黒部川水系 黒薙川北又谷 遡行〜濃密爽快な3日間の冒険〜

7月の4連休に悪天候で中止した憧れの"五級"沢、北又谷(きたまただん)。
次なる遡行チャンスを待つこと1ヶ月、同人青鬼のWくんも誘って、このたび天気も水量も良好な条件での挑戦がかないました。

しかしコンディションがよくても決して容易ではなく、これまでに得た経験技術に加え、気力、体力を存分に問われるがっつり濃厚な3日間となりました。


IMG_0002.jpgメインディッシュの滝の突破はどれも一筋縄では行かない。


IMG_10000.jpgちょっとした小滝も淵も難易度高めがずっと続く。


入渓前からチェックしていた黒薙川の水位記録、我々が遡行した期間は平均73cm程度で、少なめでした。
過去の記録を見るとだいたい水位80cm程度までなら2泊ですんなり遡行出来ており、逆に1mを超えてくるとかなり困難な遡行もしくは敗退を強いられるようです。


IMG_9963.jpg藪漕ぎも小粒ながら骨太でした!


今回、行きの車の中で、「事前にどのくらい情報収集をするか」ということがちょっと話題にあがりました。
pecomaとWくんは「もう、調べ過ぎちゃってさ(笑)」というくらい、Web上の記録を研究してきたようです。

対して私は家にあるガイドブック2冊(どちらも豊野さんの記録)と、ほかにブログを3つくらい斜め読みしたのみ。
もちろん、初心者を連れていくとか、ライト&ファストで攻めるとか、計画や戦略によってその程度は変化します。
今回は頼れる仲間が居るというのもありましたが、憧れの沢への挑戦にあたり、情報収集をし過ぎない方が面白いかなという思いがありました。

オンサイトの部分を残しておいて、帰ってきてから答え合わせをするという楽しみ方も、とりわけ自由に遊ばせてもらえる"沢登り"には合っている気がします。難点は、ブログをアップするのにやたらと時間がかかることでしょうか(笑)。


IMG_9965.jpgビバーク地はブヨの猛攻に目を瞑ればどこも快適。


さて、遡行は問題なくこなせたものの、残念だったのは釣りです(笑)。「釣れまくる」はずの北又谷で、今回釣果はまさかのゼロ!!^0^;
サルガ滝の釜での追い込み漁により、なんとか3匹のイワナちゃんにはありつけましたが、竿が折れる(経年劣化っぽい)というアクシデントを抜きにしてもさっぱりの内容でした。。タモ持参してホントよかった!(笑)


IMG_9995.jpg8寸弱の岩魚様を3匹げと。尺近そうな子を取り押さえるも、あと一歩のところで逃しました。


ちなみに、「上流ほど魚影が濃い」という噂は本当で、三日目、宗八郎滝から二俣までの間が、遡行中でもっとも魚影が濃く感じられました(小さかったけど)。


IMG_9967.jpg三段の滝で慣れないネイリング


登攀用具としては、50mダブルロープ1本&6mm60m細引き(懸垂ロープ引き抜き用)、15mフローティングロープ(荷揚げなど用)、カム(#0.2〜#0.75各1)、ハーケン4(ナイフブレード長短3枚+アングル1枚)を携行しました。
ロープ&細引きにしたのは、巻きで60m程度の懸垂下降をしている記録もあった(かつ軽量化したかった)ためです。
結果、フラットソール(私は刀レース)を持って行った甲斐もあってほとんどの滝を直登できたので、細引きの出番はありませんでした。
唯一懸垂下降したのはサルガ滝の巻きで、約20mだったのでロープ1本で済みました。
ハーケンは三段の滝のネイリングで全て使用しましたが、カムは魚止滝上のアンカー作成以外使いませんでした。
というわけで、ギアはもっと減らせたと思います。


IMG_9971.jpg急流の淵をクロールで突破しようと試みる泳力自慢のpecoma。このあとたまらず側壁をつかんでヤツメに移行(笑)


★遡行タイム★
8/29 5:00坂田峠-(タクシー16000円)-越道峠6:15
6:30越道峠-7:00標高1030のコル-8:00入渓-10:00大釜淵-12:45急流の長淵-14:30ミズカミ谷手前の河原
8/30
6:30遡行開始-8:30三段の滝-11:30三段の滝上-12:45黒岩谷出合上-13:00サルガ滝-14:30吹沢谷出合
8/31
5:20遡行開始-5:40宗八郎滝-7:00二俣-10:15稜線上-10:30犬ヶ岳山頂-15:30坂田峠








それでは楽しい冒険の様子を、濃密すぎて長くなりそうなところをグッと堪え、できるだけ簡潔に(笑)。


8/29朝5時。坂田峠に車をデポし、事前に予約していたタクシーで越道峠(こえどとうげ)へ向かいます。
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越道峠からは登山道並みに良い道を辿って標高1030のコルまで。


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コルから沢を下りて、45分ほどで谷底へ。青白く美しい渓相に心踊らせながら遡行開始!と同時に、河原に比較的新しい足跡を発見。どうやらそう遠くない距離に先行パーティがいるようです!


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歩き始めてすぐに美しい魚止滝!さっそくフラットソールに履き替え、まずWくんが空身で登って荷揚げします。


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ここではランナーはとらず、上からのビレイは基本、落ちられない最終セクションのみ。落ち口のトラバースは5.7くらいで、沢靴だったら緊張しそう。


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今回ライフジャケットはパーティで1つのみでした。こうした大釜で水流に呑まれたとき一番リスクがあるのはラストなので、基本的にライジャケは3番手が着用して登りました。


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しかし魚止滝、これで終わりではなく、高台になった落ち口から上流の沢床までがブランクセクションで、ジャンプして滝へ注ぎ込む急流を飛び越えるしかありません。このたった1mほどの絶対失敗出来ないミニジャンプが、なにげに全行程中で一番緊張しました(ロープ確保の上、ザックおろして空身で飛びました)。


続く大釜淵はさすがの大迫力。溺死事故も起こっている難所です。

IMG_9983.jpg滝が小さく見えるのは、滝の規模に比して釜が大きすぎるから。時計回りの急流が大釜いっぱいに渦巻いています。水量少なめでコレだもの、増水してたら一溜まりもないですね。


大釜淵1番手は私。泳ぎ系の沢ではいつも着ているライジャケなしでやや緊張ぎみ。
水流をよくみてオブザベするも、なかなか弱点が見えてきません。

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渦流を逃れ、滝左奥の凹角に入ることが出来れば、そこから右のリッジに這い上がって突破できます。しかし凹角手前で必死に掻いても、呆気なく渦流に引き込まれてしまうのです。ライジャケがないせいで頭が沈み、水をたくさん飲みながら、合図して岸でロープを握るWくんに引き上げてもらうこと2回・・。

無念にもpecomaに選手交代すると、器用に凹角へ泳ぎこみ、右のリッジへ取り付いて1発成功でした。
ちなみにリッジの上からロープを出せば、比較的安全に後続を引っ張ることも可能な形状です。リッジ自体はホールド豊富で、取り付けさえすれば登るのは容易でした(この水量なら)。
結局私は3度目も失敗して、お助けロープのお世話になりました。残念無念!


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そして本日3つめの核心となる、又右衛門滝。コチラもフラットソールに履き替えて直登。巻くと3時間くらいかかるそうです。ボルダー5級くらい?バランシーで面白い垂壁です。ちなみに、落ちても問題ないけど、上からのお助けはやりにくい形状なので、パーティ全員が自力で抜けられなければ、直登は難しいかも知れません。


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がっつりの滝突破を立て続けに3つこなして、まだお昼前。ここからWくんと2人で竿を出しつつ登りましたが、アタリはおろか魚影さえないのでした・・。


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急流の長淵から先も、まだまだ深い淵の泳ぎやへつりががっつりと続き、「もしかしてもう白金沢あたりまで来ちゃってる?」と勘違いを始めたころ、やっとミズカミ谷出合手前の河原に到着しました。


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新しい焚き火跡を見つけ、1日差くらいで入渓した先行パーティがいるのではとの思いが濃厚になってきます。14時半といい時間だったので遡行終了。ダクトテープで穂先の補修をし、上流へ釣りに行きましたがボウズでした。仕込んできたローストポークやジョンソンヴィルのソーセージなどで29の日パーティをして初日の夜は終了しました。



8/30、遡行二日目。夜中にまとまった雨がありましたが心配された増水はなく、ちょっと寝坊して6時半ころ遡行開始しました。


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この日もゴルジュ帯の通過からはじまり、朝一からがんがん泳いで登ります。


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白金滝はどれだか分からないうちに通過しており、遡行開始から2時間で本日のメインディッシュとなる三段の滝に到着しました。


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ここも巻かれることが多いようですが、エイドで突破もされています。あわよくばフリーで・・と思っていましたが、潔くネイリングを開始できるほどに可能性を感じませんでした(ダブルアックスならいけるかも?)。しかし水から這い上がっての1本目のハーケンがなかなかきまらず苦労し、pecomaに途中交代しながら少しずつ前進します。


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ハーケン全弾打ち込んで落ち口と同じくらいの高さまで這い上がるも、最後の最後がちょっとしたブランクセクションに。釜ぽちゃしても怪我はしなさそうなので、両足分のガバスタンスから2mくらい先のちょい斜めった落ち口まで、ジャンプしちゃおうか迷うけど勇気が出ません。ひとしきり可能性を探り、短い足を遠くのガバへ伸ばしたら、なんとか届いてムーヴがつながりジャンプを回避できました(笑)。全員が通過するのになんだかんだで3時間くらいかかったみたいだけど、面白かったから良しとします!


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その先の3m滝もちょっとしたボルダーで、空身で登って荷揚げ。行程中、空身で登って荷揚げを要する箇所は他にもたくさんありました。


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2泊目の候補地でもあった黒岩谷出合上の河原には12時半すぎに着いてしまったので、流石に早すぎるということで前進。ほどなくしてサルガ滝に到着しましたが、流石にこれは登れる余地を感じません。


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と、釜の手前の河原に小さな中洲状の流れ込みがあり、なんとそこに岩魚がウヨウヨ!!毛鉤をうちこんでも見向きもせず悠々と泳ぎ回っています。釣りはさっさと諦めて、岩とザックで袋小路の出口を塞ぎ、追い込み漁作戦に移行しました。pecomaが1匹タモで見事にすくいあげると、逃げた岩魚が5匹くらい、岩の防波堤の中へ・・。岩の間をまさぐると、尻尾だけ出して息を潜める岩魚ちゃんたちのヌメヌメの魚体が触れます(笑)。手掴みとタモを活用して、更になんとか2匹捕獲しました。
最後に釜でも竿を振ってみましたが、毛鉤は食ってくれず、岩陰からぴゅーんと逃げていく大きめな背中を見送りました。

その後サルガ滝は左岸を巻いて、懸垂20mで降りました。


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吹沢谷出合付近の河原にいい物件を見つけ、この日も14時半に遡行終了としました。上流へ釣りに行ったけどまたもボウズ。サルガ滝の岩魚ちゃんをさばいて、塩焼きとお刺身に。内臓はアヒージョに。頭と骨はおせんべいに。どれも最高に美味しいのですが、とりわけ胃の旨さが尋常じゃないです。豚や牛のギアラよりも旨味が強くて歯ごたえ抜群。これは極上の珍味ですね。


IMG_0023.jpgボウズのお詫びにウワバミソウも採ってきて、お浸しで頂きました。1泊目より快適な河原でした。



8/31。この日は4時前に一雨あって、タープも張っていなかったのでそのまま強制起床。ヘッドライトをしまって5時半前には歩き始めました。

IMG_0022.jpg宗八郎滝は薄暗い中通過。


もともと3泊で計画はしていましたが、どうやっても今日のうちに下山できるだろうということで、昨夜すべての酒とつまみを放出してしまいました。つまり今日は何が何でも降りるしかありません(笑)。


IMG_0025_20200902093537e10.jpg二俣の手前で急に両岸が開ける。この先にまたゴルジュがあるなんて思えないのどかな風景ですが・・


IMG_0027.jpgこんなにも狭いゴルジュに!景観の変化もダイナミックで感動的です。


前半は河原歩き主体でサクサク進みましたが、カナホリ谷に入ってからはお風呂と小滝の怒涛の連続でした。

IMG_0030.jpg入浴とクライミングの連続で飽きません。


遡行図には記載が無いですが、ゴルジュ内で終盤、1:1程度の二俣があります。これを左に入ったところから最後の核心部がはじまります。


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決して簡単ではない10m級の滝がいくつか連続し、落ちられないクライミングが続きます。どんどん傾斜が増していき、なおもワンポイント、エイドを要する悪いヌメり小滝や、小さいのに巻かざるを得ない垂直滝などが出現しました。最後の最後まで気の抜けない遡行が続きました。


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ラストの詰め藪は標高差にしてほんの数十メートルです。しかし、登山道直前の5mくらいが、ハイマツやシャクナゲとの格闘で、まさにラスボスといった感じ。フルパワーでした。登山道に出る瞬間まで、気力体力を全力投球でした。


IMG_0036.jpg稜線に抜けてから約15分で、本山行の最高地点である犬ヶ岳山頂に到着!楽しかったね〜!さ、下山下山!


今回の遡行は、条件が良かったといえど、これまでに経験した中でも特に登りごたえ抜群でした。
それもその筈、これまで盛夏の時期を中心に沢登りをやってきたとはいえ、その回数はせいぜい年間10を超えず、5級クラスに至っては、赤石沢くらいしか経験がありません。
先々週の利根本谷も5級に数えられるとはいえ、今年は最大の核心ともいえる雪渓の処理がほぼ無かったので、実際は極端に簡単になっていたと思われます。

沢登りの難しさは、遡行距離、水量、滝やゴルジュ、高巻きの難易度、傾斜、エスケープの困難度、雪渓通過などの不確定要素やアプローチと下降の長さ悪さなどなど・・・とにかくありとあらゆる要素の総合で決まるものです。
ピンポイントで大滝登攀が難しくても、それはいわゆる"遡行グレード"のほんの一要素でしかありません。
そして当然、上述の様々な要素は不変ではなく、年によっても日によっても変わってきます。


今シーズンはコロナの影響もあって国内に目が向いたことから、増水した沢含め、短期間に集中して様々なタイプの沢に行くことができました。
おかげで、これまで泳力や体格の小ささといった点で少なからぬ苦手意識があった沢登りに対して、だいぶ自分なりの答えが得られてきて、それが今回の余裕を生んでくれたのではないかとも感じています。
そして今回の遡行で更にいい経験を積むことができました。


IMG_0038.jpg大汗をかきながら下山し、15時半に坂田峠着。温泉でリフレッシュしたあと親不知見学に行きましたが、肝心の断崖絶壁は見えませんでした。


それにしても、条件が良くてこれですから、北又谷はすごいところです。
そろそろ台風や秋雨の季節がやってきますが、もう少し憧れの沢詣でを続けたいですね!


って、簡潔にとかいいつつ結局長くなった・・・^^;

以下、同行メンバーの(簡潔かつ秀逸)記事も是非ごらんください★
pecomaの唄「北又谷、水線突破で美渓を堪能」
のぼる・すべる「8/29~31 黒薙川北又谷」

2020/8/14〜16 利根川本谷 〜青鬼トネホンぶらり遡行記後編〜

8/15、遡行二日目。時間は朝9時前。なんとか釣果をあげたものの、パーティ5名分には少し足りません。
魚止滝まで、残されたわずかなチャンスをものにすべく、引き続き竿を振ります。

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すると、GTがWくんに竿を渡し、指南を始めました。
私も自分の釣りに集中しつつ聞き耳を立てます。


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紺碧の釜とボルダー滝の登攀。


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初日は河原歩きが多くて最後少しダレたけど、二日目はずっと楽しさが続く感じです。ちなみに河原歩きでは、底石のヌメりが激しくてずっこけまくりでした。膝もスネも何度打ち付けたか分かりません。フェルトソールの人もラバーの人もいたけど、みんな平等にやられてました。


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そしてあっという間に魚止滝15m。ダム湖で丸々育ったイワナちゃんと遊べるのもここが最後です。


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「ヌシ、カモン!」と竿を振り続けましたが、とうとう主は現れませんでした。きっと主も夏休みなんですね。釣りはこれにて終了です。


竿も仕舞ったし、あとは遡行を楽しみながら宴会適地へ急ぐのみです!
魚止滝は左壁を登った後、更に茂みに入って巻きました。灌木豊富で、滝頭には簡単なクライムダウンで降りられました。

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当たり前のことですが、沢では何度もマントルします。インカットしたホールドを見つけたら嬉々として激カチするし、ときにはスローパーを押さえ込んだりもしますが、圧倒的に多いムーヴはプッシュです。マントルはもう何十回とやります。マントルパラダイスです。


今回、登攀用具としては60mダブルロープ1本、30mスタティックロープ1本、ハーケン4枚とスリング類を持参しました。
ここまで、落ちて深刻な場面は殆どなかったし、初沢のつかさたん含め危なっかしい人は居なかったのもあって、おのおの好きなラインで比較的自由に遡行してきました。

しかしそうはいっても、私たちやGTは経験の浅いメンバーをフォローすべき責任ある立場。
普段自分たちだけだとほとんどロープを出さない上に、後輩を山に連れていったこともあまりないので判断に迷います。
というわけで今回、基本中の基本ともいえる安全管理について、改めて勉強する場面が多々ありました。


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順調に遡行を続けて13時過ぎには大利根滝20mに到着。右壁にラインが見えますが、ボロそうだし落ちたらダメな場面なので、ここではロープを出すことにしました。(某●ンタイは気づいたら上にいたけど。)


ここを超えると直ぐ1つ目のビバーク適地"ハト平"です。もうちょっと足を伸ばせば東小沢上の河原もありますが、明日の行程は短いし、もう飲みたいし、イワナちゃんもあるし、全会一致で遡行終了〜!

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おそらく先行パーティ整地済みと思われる快適なポイントを使わせてもらいました!


IMG_9288.jpgビールを冷やしたら早速、イワナちゃんを頂く下準備⭐︎実は、イワナちゃんを自らさばくのは4年前の赤石沢以来で、かつ魚をおろすの自体ものすごく久しぶりです(普段肉しか食べないから)。GTパイセンの指南を受けながら、パイセン自慢のナイフでお刺身を作らせてもらいました。(皮はヌルついて保持しずらいから咥えて引っ張るのがいいんだって!)


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若手メンバーの力で一晩分の薪も集まり、火も安定したところでカンパーイ!


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タタキみたいになってしまったけど・・気にしない⭐︎精進あるのみ!なんと子持ちで、イクラちゃんも頂きました。甘かった!


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キモも捨てず、道中GTが採ってくれたミズの葉っぱと共にアヒージョ風炒め!胃がこりっこりで美味しかったー!ミズはこれまで茎しか頂いたことがなかったですが、余さず頂けることを今回知りました。
ほかにGTがウルイもとってくれたので、シメにミズとあわせて酢味噌和えで頂きました。
極め付けは燻煙で干したイワナの骨酒!旨味たっぷり!!
GTのおかげで充実の宴です。

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1尾はお刺身でしたが、もう1尾は塩焼きに。肉厚ほっくほく!ありがたや〜。ちなみに私が釣ったほうは「尺あるよ!」とパイセンのお墨付きをいただき、嬉しさ倍増なのです。


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ペコマは先日ゲットした新しいおもちゃ"尺八"(もとい火吹き竹400円)を駆使して火加減を操りドヤ顔!


この晩も夜が更けたあとは温冷交代浴数クールで整い、ブヨの痒みに悶えながら就寝しました。夕方と夜中に何回かまとまった雨がありましたが、それほどたくさんは降りませんでした。


8/16、遡行三日目。この日は7時頃行動開始しました。本日の行程はかなり短そうです。竿も振らず遡行のみに集中できるので、本当にすぐ終わってしまうかも知れません。


IMG_9293.jpg歩き始めてすぐ、左に深沢を分けて、まるで洞穴に潜り込んでいくようなゴルジュ地形がはじまります。


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ゴルジュの中の2段滝6m。ヤマケイの本では左岸を巻いて6m懸垂となっています。ですが遠目には難しそうなこの滝、近づいて見ると流心の左側がホールド豊富で簡単に登れました。


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左にとりつくペコマ、Wくん、右壁の悪そうなラインをへつり上がるGT、ルーファイ中のつかさたん。思い思いのラインで自由に突破します。遡行スタイルもラインどりもキャンプも、全てが自由なのが沢登りの魅力です。


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そして三日目の遡行内容は、全日程で一番滝登りが多いです。小さいのも含め、次から次へと釜をもった滝が現れて飽きません。


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東小沢出合を過ぎ、次のゴルジュ帯に入る手前で、また崩壊した雪渓がありました。沢床にブロックが折り重なっていて少し緊張する通過でした。


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連続する小滝を三者三様に越えていき、あっという間に最終局面へ!ここからは15m級の大滝が4つ連続します。鰻です。


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ついに出ました!1つめの大滝である人参滝2段15mです!通常右のリッジから巻くそうで、私が見た記録の中でも直登している人はいないようでした。しかしもっさりとした灌木帯の藪漕ぎは全然そそられません。ここは当然ロープ出すでしょ、と迷わず準備をしていたら、例によってヘンタ●GTが左壁のフリーソロをはじめました。しかし左壁はヌメヌメかつ脆いらしく、でかい石を落としながらクライムダウンしてきました。


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遠目に見ていてもラインが見えてこないので、とりあえず行ってみようとロープを結び登り始めました。途中までホールドに導かれながらヌメる左壁を登っていくと、1.5mくらいのブランクセクションにぶちあたります。そこで申し訳程度のハーケンを1本打って水流中を見上げると、すぐに登れそうなラインが見えてきました。


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沢では乾いた壁よりも水流中のほうが岩は安定しているしフリクションも良いということがよくあります。水流に向かって1段あがり、水流中を探ると、ヌメっていないしホールド豊富でした。下から見上げたときは流心を登れるとは思わなかったので、この理想的なラインに内心ガッツポーズです。


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後続をビレイ。こんなだからいつまでたっても巻きがうまくならないんですね(笑)。


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お次は深山滝2段20m。右壁がよく登られていそうで岩も安定していました。


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3つ目の赤滝3段15mはつっぱりでグイグイ登ります。初日よりも二日目よりも動きが良くなっていく若手たち。


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そしてあっという間に最後の大滝、水上滝2段15mです。一番見栄えはしないけど、地味に悪い右壁を登ります。ロープ出しても良かった気がするけど雰囲気で全員フリーソロでした。


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大滝祭りが終わった時点でまだ10時半。遡行図上はゴルジュ地形が終わりということで、地形図と照らし合わせてみても、詰めは超短いことが予想されました。避難小屋着が昼とかだったら流石に泊まらず下山しようと話していましたが、一応水流が途切れそうになったところでありったけ水を汲み、詰め上がりました。すると、最後の最後まで水流は途切れず、三角雪田があらわれました。


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ペコマ以外はバイルを持っていたので、雪田の左側の泥壁を登った後、少し急な草付きを左上して尾根状に抜けました。ワンポイント、バイルなしスパイクなしでは怖いトラバースがあります。ペコマはGTがたらしたロープをゴボウで登りました。


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ほんの数十メートル藪の腰上ラッセルをしたらすぐ快適な登山道です。これが天国の詰めってやつですね!視界ゼロだけど!


IMG_9328.jpg風吹きすさぶ稜線上の道のど真ん中にクワガタのメスがいました。寒そうでした。


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利根川水源の碑には11時過ぎに着き、丹後山避難小屋にも昼前到着でした。コーヒーを飲んだりくつろいでいたら、丹後山に詳しい親切な男性がデポ荷物を取りに来て、色々と教えてくれました。


12時半ころ下山開始し、温泉の歌を歌いながら降りていくと、晴れてきて暑くなってきました。道の両脇の茂みには何やらたくさん蛇がいます。ペコマに教えたら捕まえようとして尻尾を掴んでいましたが、皮がむけて逃げられていました。「噛まれないの?」ときくと「そうそう噛んでこないでしょ」とか言ってます。


IMG_9329.jpgさらに降りていくと、クマスズの音が近づき、先行していたさきほどの男性に追いつきました。すると捕まえたマムシを見せてくれました。とても好戦的な性格だそうで、尻尾をガラガラ鳴らして怒っています。ペコマ危なかったね。


その男性が言うには、「林道へ出ると大休憩できる河原がある」と・・!その一言に5人とも顔色が変わります。みな「休憩してる場合じゃない!」と飛ぶように下山し、2時間かからず林道に出ました。そこにはなんと、ジャグジーが!!


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熱中症寸前だったところから、ジャグジーへダーイブ!「生き返る」とは正にこのこと!身体の芯まで冷え切りました!


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ひとしきり整ったところでまた下山開始。林道歩き30分ほどで十字峡でした。デポしたフォレスターくんがお出迎えしてくれました。
青鬼トネホンぶらり旅、これにて完結!!⭐︎

2020/8/14〜16 利根川本谷 〜青鬼トネホンぶらり遡行記前編〜

今年の夏休みは以前から興味のあった利根川源流の沢旅!
同人青鬼のメンツを誘ってみたところ愉快な仲間たち数名が手を挙げてくれ、総勢5名の賑やかな旅となりました。

IMG_9202.jpgトネホン名物ひとまたぎ!



ここのところ天候が不安定だったので、日程を本決めしたのも直前でした。入渓4日前くらいに「民宿やぐら」さんに電話し、無事に渡船予約を完了。


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今回のメンバーは同人青鬼随一のヘン●イ"GT"と、GTの後輩"つかさたん"、それに我らちっぺこ&先週一緒に丹波川を遡行したW.Ikedaくんです。入渓前日の夕方、下山予定地の三国ダム十字峡に集合して車1台をデポし、道の駅みなかみ水紀行館へ移動して入山前祝い!

今回が沢登り初のつかさたんとは初対面かと思っていたけど、実は数年前に関西で彼がジムスタッフだったころ、そこへ登りに行った時に会話したことがあったという、”この世界結局ものすごく狭い説”オチでした。

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入渓日の8/14は、朝3時半に起きてゴソゴソ準備。民宿やぐらさんとの約束の時間は5時です。


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民宿やぐらは矢木沢ダムのすぐ側にある温泉宿です。玄関に51cmのイワナの剥製が飾ってありました。5時半くらいに民宿を出てゲートへ。ボート代はひとり5000円でした。矢木沢ダムゲート前にはボートを牽引する釣り人の車が長い列を作っていました。


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6時にゲートがあいて、いよいよダムへ!


IMG_9197.jpg美しく広大な矢木沢ダム。総貯水容量ランキングでは本邦第20位、黒部ダムより大きいダム湖です。

登山届を出し、受付完了。いざ乗船です!


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湖畔を歩いたらバックウォーターまで2日ほどもかかるんだとか。今回は文明の力により20分くらいで到着しました。


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流木が堆積していた手前で下船。水長沢出合の数100メートル下流と思われます。ダムの水量が多かったおかげで比較的奥まで入れました。ここから右岸の踏み跡を辿り、河原歩き少しですぐ水長沢に出合いました。


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1時間かからず水位計も通過し、ぴちゃぴちゃ河原歩き。明らかに水量が少ない様子で、しょっぱなからゆるふわの気配が漂います。


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この日最初のお楽しみポイント、"シッケイガマワシ"!カモシカも巻いて通るゴルジュとのことですが難なく通過です。ゆるふわの気配がぷんぷんします。


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トネホンといえば、そう、釣りです!私は今シーズンまだ釣れていないし(涙)、渓流釣りやテンカラの本を読み直し気合い入れて来ました。魚いない説のある先週の笛吹川東沢にも竿を持って行ってキャスティング練しました。今回はテンカラ大先輩GTも居るので2人で竿を出しながら進みます。しかしアタリなし!どこに行ったイワナちゃん!


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積極的に水に入り、へつりも多用して水流沿いを楽しく進みます。


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お昼ころには、本日2つめのお楽しみポイントであるヒトマタギに到着!日本三大河川の一つとして数えられるあの利根川をまたいじゃったぜ!足長でしょ!ってドヤ顔するための名所です。


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みな思い思いにヒトマタギを楽しみます。


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ゆるふわとはいえ、ここまで泳ぎへつりヤツメボルダーなど沢登りの要素満載で進んできていますが、つかさたんは少し遅れながらも危なげなく突破出来ています。さすがヘ●タイの後輩です。そして楽しくてテンションうなぎ登りなご様子で、ヒトマタギでジョジョ立ちまでしちゃいます。


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快晴に光る清流。水と戯れる鬼たち。楽しすぎて鰻!


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でも、釣れない。。私が釣れないのはまあ分かるとしても、テンカラパイセンGTも釣れない!いかにもいそうな場所にも活性なし!orz
魚影もGT曰くハヤばっかりだそう。利根川のイワナ絶滅説まで流れる。我々の2日前、8/12にも1パーティ入渓したそうですが、それも関係あるのでしょーか・・・。


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そして一匹も釣れないまま14時ころ、予定していた滝ヶ倉沢出合上のビバークポイントに到着。なんだこの最高な河原は!


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釣れてないけど、ビバーク地に着いたらまずはビールを冷蔵庫で冷やす!今回は3泊予定でビール5本と梅酒500cを歩荷しました。


ビールを冷やしたあと、上流へ釣りに行きましたが、結局この日はボウズに終わってしまいました。明日の核心となるオイックイ入り口のスノーブリッジが恐ろしげに溶け出しているのを見たところで竿を仕舞いました。さあ、宴会開始です!

IMG_9233.jpg青鬼でカンパーイ⭐︎


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食当GTが持参した玉ねぎでサッと2品。美味い!天才か!


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焚き火缶で炊いたゴハンも美味でした!天才認定⭐︎イワナちゃん祭りは諸事情により延期となったので、今夜のタンパク源は高野豆腐です。抜かりナシ!


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そして今日はペコマの誕生日!4年前の上ノ廊下ではイワナ寿司ケーキでしたが、今回は持参したロウソクをスパムの塊に刺してお祝いしました。


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入渓初日の夜はまだまだ続きます。テンバ目の前のジャグジーと焚き火による温冷交代浴で次第に整っていく面々。


8/15、入渓二日目です。朝6時すぎに行動開始し、ついに本遡行の核心となるであろうオイックイに突入しました。

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はじめのスノーブリッジは下をササっと通過。例年の9月くらいの痩せ具合でしょうか。やはり昨年の寡雪が効いているのだと思われます。


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まずひとつ無事通過してホッとしていたら、ゴルジュの側壁に"小便小僧"風の噴水口がありました。水は鉄の味がしました(笑)。


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どんどんゴルジュ感が高まり、足のつかないトロ場を泳ぎとヤツメで進んで行きます。すると心なしか水が冷たくなってきて、明らかに濁ってきました。んー?なんかあったかな?


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さらに濁りを増す沢水。雪渓が崩壊したかな?と警戒していると、雪渓のかけらも少しずつ流れてきました。やっぱりそうかー。


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とりあえず落ち着いてゴルジュを進みます。すると2つめのスノーブリッジが見えてきました。


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ここも通れそうだったので下を通過。


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手前のスノーブリッジを通過すると、その先で雪渓が崩れているのが見えました。


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さきほどの濁りはここの小さな崩壊が原因だったようです。足早に通過すると、この上で水流は透明になりました。ホッと一息です。しかしあと1時間?30分?出発が早かったらちょうど通過中に崩れていたかも知れないと思うとゾッとしますね。


ゴルジュ帯を抜け、定吉沢を通過。釣りのチャンスは魚止滝までなので、ここからはじっくりと釣り上がることにしました。


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すると途中の瀬でまずGTがゲット!型の良い尺近いイワナちゃんです!やったー!


これを見て、私も続けとばかりに少し上流へ先行し、瀬の縁あたりにキャスト。毛鉤は少し沈めていました。すると、あれ?ヒット!?はじめアタリに気付かず、気付いた時にはもうイワナちゃんが暴れ始めていました。必死に抜こうとするけど上手く抜けず、なんとか浅瀬に誘導して引き揚げました。タモ持ってたのにザックの中だったし・・


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キラキラと輝くイワナちゃん・・なんて美しい✨なんてかわいい・・・!萌えの塊とはこのことです!


しかしよく見ると毛鉤がお腹に刺さっているのです(・・;)。アタリがわかりずらかったのはそのせいか・・?咥え損ねてなぜかお腹に刺さったのか、格闘中に口から外れて運良くお腹に引っかかったか、よくわからないけど結果オーライ!!


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お山の恵みに感謝しつつの歓喜の1枚!


トネホンぶらり旅はまだまだ続きます。続きは後編で!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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