2023/08/07
「我が子と山登りしてテン泊したい!」

ということで、家族3人での北岳登山を計画しました。
ペコマと話し合った結果、テントの予約が必要ない肩の小屋に1泊するプランに決まりました。
1歳3ヶ月になる我が家のおチビさんが標高3000mを経験するのは、もちろんこれが初めてです。
高所環境が子供に及ぼす影響が大人と比べてどう違うのかについては、十分な見解が得られていません。
一応、以下のようなUIAA MedComから2008年に出された提言集があります。
国際山岳連合医療部会(UIAA MedCom)公認基準
(その9)高所における子供達これによると、高所による影響は、大人と子供とで大きな違いはないだろう、と解釈出来ます。でも、もし高山病になった場合、大人なら不調を自分で気付けるし、対処できるし、他の人にも伝えることが出来ますが、とくに小さい子供ではそこがうまくいかない可能性があり、その場合治療が遅れる危険性があるので注意が必要です。
ちなみに今回、2日間を通して、おチビさんの「発語前の乳幼児対象のレイク・ルイーズ症状スコア」は0点(症状なし)でした。
また、高山病以外では、寒さや紫外線の問題があります。小さい子は大人より全身の体温を奪われやすく、末梢も冷えやすいことを念頭において対処すべきです。また、標高が高いところでは地表へ届く紫外線量が増えるので、帽子などの日除けをしっかり使い、日焼け止めをこまめに塗り直したほうが良いでしょう。
ということで、うきうきワクワクで出発しました!

芦安はうちから40分ほど。始発のバスにどうにか間に合いました。

バスは3台出て、そのうち我々が乗ったバスはラッキーなことに貸切でした。

今回は、ペコマに背負子でおチビさんを背負ってもらい、テント泊装備を詰めこんだザックを私が担ぐことにしました。

知人から譲っていただいたドイターの「キッドコンフォートII」は20Lくらいしか荷物が入らないので、おむつ8枚、おしりふき、着替え、おチビのおやつ、ベビーフード、おチビの防寒具とレインウエア、500ccテルモス、おチビのストローマグ、ペコマの1Lナルゲンでほぼぱんぱんです。その他3人分のテン泊装備は全て残りのザック1つに詰め込み。水は、肩の小屋までの分を想定して1人1.5Lくらい持参しました。
初日のみ、友人の若者Hくんが北岳はじめてとのことで、日帰りで来て一緒に登りました。入りきらなかった水入り1.5Lナルゲンと行動食を少し持ってもらえたので助かりました。

お花の最盛期は過ぎていたけれど、まだまだとっても綺麗でした。さすが花の名山北岳!

左上から、キタダケトリカブト、タカネナデシコ、コバノコゴメグサ、ヤマルリトラノオ、ハクサンフウロ、チシマギキョウ、オンダテ、シロバナタカネビランジ(勉強中)

御池小屋でパトロールを終えた先生方にご挨拶できました。
灼熱ではなかったものの風があまりなく、やはり汗だくになりました。

バットレス第4尾根が見えます。Hくんのお友達が登っていた様子。

肩の小屋までもうちょっと!

11時過ぎ頃肩の小屋に到着!着くや否や、よさげなサイトに荷物を転がしてとりあえずビールで乾杯。日帰りのHくんはノンアルです。
Hくんは帰りのバスもあるので先に登頂して帰って行きました。またね〜!

我々は歩荷してきた黄金の御殿を建て、おチビにお昼をあげてからゆっくり出発しました。

夜叉神からバスに乗り込んできたドイツの方が何故かすももをくれたのでありがたくいただきます。脱水の身体に甘酸っぱい水分が染み渡る!

山頂はかなりガスってたけど、団体さんでいっぱいで賑やかでした。おチビはとりあえず大好きな岩登りをはじめます。

山頂カフェで2回目の乾杯!
コーヒーを飲みながら山頂写真撮影の混雑が緩和するのを待ち、他の登山者にお願いして撮ってもらいました。

すると、通りがかりの10名ほどの団体さんがおチビに大声援!おチビが下を向くと「こっちこっち〜!」とみんなでお手伝いしてくれました。ありがたや。
そう、彼は少し「にこ」っと笑うだけで「えらいわね〜」と褒められ、背負子の上で寝ているだけでも「えらいわね〜」と褒められます。居眠りしていて褒められることなんて、大人になったらまずないことですね・・。
無事記念撮影も終えたところで雨が降ってきたので下山です。さ、降りて宴会の続き!

ちなみに水場はテンバから往復30分で、このときはほぼ枯れてました。気の遠くなるような時間のかかる水汲みでした。でもせっかく行ったから粘って7リットル分汲みました。肩の小屋で買うと1リットル200円なので1400円分です。

ういたお金で生ビール!冷えてて美味い!(雷鳥のイラストつき)

肩の小屋前の広場で小屋泊の方やお隣のテントのおじさんとくつろいでいると、さっきまでガスガスだったのに明るい陽が差してきて、雲がダイナミックに動き始めました。

まず山頂がくっきりと姿を見せました。

鳳凰三山方面も、雲があるおかげで奥行きのあるダイナミックな景観になってます。

そしてついに甲斐駒ヶ岳も姿を現しました!でもこれはほんの一瞬でした。

日が落ちて寒くなるまで、飲んだりおしゃべりしたり写真を撮ったりしながらゆったりと過ごしました。子供と3人で過ごす贅沢な時間。まさに至福のひとときでした。

夕飯を食べて消灯したら、おチビはわりとすぐ寝てくれました。アメリカで40日も生活したテントにはすっかり慣れっこのようです。お気に入りの毛布を持参したら、嬉しそうに戯れてました。

3人用エアライズのDXフライ仕様。前室が大きくて、小さい子連れキャンプには重宝します。重量的にもポール1本と布地が少し増えるだけなのでそれほど負担になりません。

夜中は風雨が激しくなりました。幸い、出発する朝5時頃には、強風は残っていましたが雨は止み、朝焼けが燃えてました。

「風強すぎ!」と怒ってます。
今回はホシガラスにもイワヒバリにもサル(!)にも会えましたが、天気が悪かったのに雷鳥には会えなかったのが少し残念でした。

お父さん、おチビ、楽しい2日間をありがとう!
もっともっと一緒に色んなところへ行きたくなっちゃいますね。