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涼と自由を求めて。〜2020/6/27-28 湯檜曽川本谷遡行〜

梅雨入りし、暑くなってきた先々週は西丹沢の小川谷廊下で沢初め。
そして先週末は天気がどうにか二日間持ちそうだったので、泊まりの沢旅を計画しました。


IMG_7015.jpg赤いカエル。


今回のプランは、湯檜曽川本谷を遡行して東の稜線へ抜け、ナルミズ沢〜東黒沢下降というものでした。まだ6月下旬ということもあり、雪渓の処理が核心になるだろうと思われたので、軽アイゼンとゴルジュハンマーを持って行きました。
(あと竿も)


朝7時頃、白毛門登山口Pを出発。駐車場は満車と大盛況でした。晴れの週末に近くて良い山を楽しもうとみんなテンション上がってますね!

IMG_7012.jpg音声認証で「GoPro 撮影!」と叫ぶとなんとなく微妙な表情の写真になる(笑)。


橋を渡り、湯檜曽川沿いの新道からアプローチ開始です。沢靴なので気にせず歩けましたが、渡渉や沼地の通過などけっこうワイルドな道でした。

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新道と武能沢がぶつかるところから沢に降りて湯檜曽川床へ。アプローチ開始から1時間半ほどで出合に着きました。


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河原でウエットスーツを着込んでいよいよ遡行開始です。しょっぱなからゴルジュチックで水に浸かりながら登ります。魚止めの滝は水流脇を直登できますが、さらにゴルジュ再奥には取り付くのもキツそうな急流中の滝が見えており、こちらは直登チャレンジせずに手前から右岸を巻きました。


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出だしの暗いゴルジュを抜けると渓相が一気に明るくなりました。梅雨の中休みサイコー!


先へ進んでいくと、河原が広くなってテントが見えました。焚き火の匂いもします。
大きなエメラルドグリーンの釜が現れ、前方には釣り人の姿が・・!
沢屋が敬意を払い、仲良くしなければならない相手、"釣り人"です。


IMG_7017.jpgこの美しい大釜を泳げなかったのはちょっと残念。


追い抜けずに様子を伺っていると、向こうから「高巻きしてくれ」とリクエストが。デスヨネー。
決して池ぽちゃしてはいけない緊張のへつりでした。カチを激カチして決死のクライムダウンをしました。
身体の硬いペコマは荷物を先に下ろして空身での本気トライでした。


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緊張から解放され、巨大な雪渓を横目に明るい河原を進みます。この先も、通過を要するものもそうでないものも含めて多数雪渓が現れ、巨大な奇岩の見物ツアーのようでした。その自然の造形美には圧倒されっぱなしでした。


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テンション"ウナギの寝床"。ペコマはプカリでスイスイ。
泳ぎの苦手な私はテンションヤツメウナギで突破。

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気持ちよくてテンションウナギ!水温はウエットスーツを来ていればちょうどいい感じです。


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沢が大きく左に屈曲するところで最初の雪渓通過となりました。ここが一番緊張しました。


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雪渓の下をくぐり、4m滝の流心へ。ペコマが空身で先に登って、二人分のザックを荷揚げしました。

冷たい氷雪の塊である雪渓の近くは気温差から風が生まれ、冷気が染みてくるし、水温も一気に下がります。ウエットスーツを着ていても、ここの待ちだけは少し冷えました。クライミングそのものはそれほど難しくなく、水流を少し浴びながら左壁を登りました。

ちなみに行程中荷揚げはココだけ。ほか登攀にロープを要する箇所もありませんでした。


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ナメ滝を越え、明るい河原歩きと小滝登攀の連続が快適です。

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今回、遡行中の撮影はGoPro(Hero7)で行いました。(μtoughなどの防水カメラは沢で壊れて以来使っていません)今回は遡行前に設定を確認しなかったのもあり、撮影に時間がかかったりしてちょっと効率が悪かったです。でも防水ハウジングなしでガンガン泳げたし、画質もそれほど悪く無いうえ、超広角というのはやはり山カメラとして高評価です。


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十字峡の先では渓相がまたもゴルジュチックに。しかし陽の光の届く明るいゴルジュです。


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はるか下の急流を見下ろすと迫力あります。


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小休止中に、iPhoneで撮影。やっぱりGoProより綺麗に撮れます。


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この後も随所に雪渓が出てきて、上を歩いたり下をくぐったりしました。概して下を潜るほうがよい場面が多かったですが、ときには匍匐前進になるような天井の低いところもありました。


2段の"抱き返り滝"は超ヌメヌメで、"釣り師のへつり"並みの本気クライミングでした("ローションクライミング"と命名します)。
その後、本流が増水してはじめて水流が現れるという水門岩やツチノコの形をしたポットホールなどの撮影名所を通過しましたが、どれもGoProの"設定問題"で撮影を省略してしまいました^^;
下山後、キチンと設定を見直して実戦仕様にしたので、次からはもっと沢山写真を撮りたいですね。


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赤茶けた壁の滝(やはり写真ナシ)は直登もできそうでしたが、またローションクライミングの予感がぷんぷんしたので巻きました。巻きはうっすらと踏み跡もあり、残置スリングがあって木から懸垂でした。持参したフローティングロープは15mでしたが、7.5mぴったりで川床でした。


最後の2段40m大滝を登ってしばらく進むと、送電線をくぐったころから河原が広くなり、今日の遡行が終わりを告げていることを感じられました。


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14時頃二俣の快適なテン場に到着。小一時間竿を出したけど魚影もなくボウズでした。


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濡れた装備を全部脱いで乾かしながら、幸せに浸ります。最近の沢でのウエアリングはこの通り、冬用ドライレイヤーをベースに、finetrackのラッシュガード上下を着て、状況に応じてその上にウエットスーツを着るといった感じです。


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ビールは直ぐに冷え、乾杯の時間。


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ブヨにまぶたをさされ、湿った焚き木の煙に燻されて涙が止まらなくても、幸せなんです。


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ここがこの河原で一番快適なサイトだと思われますが、4テン2張り程度でいっぱいになりそうな広さでした。2パーティいたら焚き火は共有かもしれません。ほかにも数箇所張れそうな場所はありました。


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枝を削って串をつくり、イワナのかわりにソーセージを焼きます。


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湿っているせいで弱々しかった火も、夜が更けるころには安定してきました。こうなると大量に集めた焚き木もあっという間です。


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翌朝は長い行程に備えて3時に起床しましたが、ほどなくしてかなり強い雨足で降り始めました。


とりあえずお湯を沸かし、コーヒーを飲みながらくつろいでいると、なんと野生のウサギが現れました。こんな山奥でウサギに出会えるとは思っていなかったので衝撃でした。ウサギは浅瀬を余裕で渡渉していてたくましかったです。


食事を終え、明るくなり、全ての撤収を終えても雨は弱まる気配がありません。本日遡行を続けての沢下降はあまりよろしくない雰囲気が漂ってきました。おまけに雷鳴まで聞こえてきたので、朝日岳から稜線を下るのも何となく嫌な感じです。

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残念ですが、本日は最短コースでエスケープすることに決めました。

二俣から本谷を少し下流へと戻り、池ノ窪沢から清水峠を目指します。そこから国道291とついた廃道をひたすら歩いて降りることにしました。


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地形図上は立派な道が示されていますが、実際はかなりワイルドです。崖っぷちのトラバース道は崩れていたりするし、たびたび出てくる大きい沢の渡渉が、雪渓通過などもあったりしてタイヘンでした。最後の最後で白樺沢を通過するときが一番緊張しました。雪渓の下は大穴で急流が轟々と音を立てています。ここで持参した軽アイゼンが活躍しました。


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白樺沢避難小屋から先はまた新道に戻り、行きのアプローチに合流しました。こうして歩いた距離と遡行距離を比べると沢部分がかなり短いのが残念ですね・・。


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7月の4連休や夏休みも長い沢を考えています。沢登りは自由で大好きです。次こそは釣りたい!

今シーズン初アルパイン。

寡雪ニモマケズ、暖冬ニモマケズ、スキーとか、雪山とか、黄蓮谷や大同心大滝などへ行かれている方々の、SNS等の投稿を横目に、ひたすら南国のボルトルートに取り組んできた年末年始・・。


そろそろ白い(といいなっていう)山に行きたくなってきたので、8月のアルパマヨぶりに山のクライミングを計画しました。


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Sくん今回も綺麗な写真をありがとう!


今回のパートナーSくんと話して、最終的に決まった行き先は安定の錫杖。


氷がないとか、雪崩がこわいとか、条件に合わせて潰しがきく錫杖前衛壁へ、岩ルートでもアイスルートでも対応出来るよう様々なギアを持って入山しました。


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Karrimorの2019年の新作冬用クライミングザック、"Ultimate35"。アックスホルダーや肩・腰のギアラックあり、冬のクライミングで使いやすいようこだわって作られています。雨蓋なしの容量が35Lなので、実際はかなりの容量があります。雨蓋は取り外すことも可能。ラミネートファブリックは丈夫で、雨蓋込み1240gと超軽量ザックとはいえませんが、パッキングのしやすさや耐久性と軽量性を兼ね備えたバランスのいいザックです。


前夜泊日帰り。ギア整理をして、駐車場発6時。
予報は高曇りの穏やかな一日でした。


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前日に降ったのか、締まりのない重パウのラッセルで、深いところは胸まで。登山道は一部なんとなく先シーズンと違う感じがして、10月の台風のせいかしら?と思いました。気のせいかな?


壁が見えてくると、思っていたよりは白い感じがします。

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1ルンゼは繋がっているようにも見えるけど目の錯覚でしょう(笑)


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某まっちゃんが去年のアラスカで作ってくれた"リードがビレイジャケット持って行く用腰巻パック"。リードでもセカンドビレイ中は冷えるし、かつビレイジャケットはかさばってラッキングだと邪魔になるのでこういうのあると便利です。



当初の目的だった1ルンゼ取り付きまで行って様子を伺う。氷結は見るからに貧弱ですが、天気は問題なさそうということで、登ってみることにしました。


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数年前にペコマと来たとき、フォローで登っている1ピッチ目。「わるい」印象がありましたが、やっぱり悪かったです。
雪で隠されたルンゼの奥以外には基本クラックもなく、側壁も磨かれていて、フッキングもスメアも不安定。
ココはわりと純粋なアイスルートなんだなあと感じました。氷が貧弱なときは素直に左からがよさそうですね。


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今乗ってるやつ全部剥がれそうって事実と直面しつつ必死に岩の割れ目を探してるところ。


ランナウトとスカ氷にビビりまくって2時間くらいかけてリードしてなんとか終了点へ。


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トライカムが知恵の輪状態になって回収に苦労してるところ。


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焼岳がキレイです。が、時間かかりすぎです。。


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V字状岩壁基部へ。


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1ルン本流4ピッチ目の氷柱部分はこんな。今回はもとからこっちへは行かない予定でしたが、氷結のいい時にまた登りに来たいですね。


2ピッチ目をSくん、3ピッチ目の途中までを私がリードしてロープを伸ばします。


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ここも岩と薄氷のミックス。はじめてのところを登るのってやっぱ楽しい!


途中から本流をそれて岩へ取り付く予定だったのですが、Sくんリードで3ピッチ目2段目の氷瀑を登り左に大きくトラバったところで時間切れとなってしまいました。


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2段目に立派な氷瀑が出てきてスクリュー残弾がなかったため、リード交代。


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3ピッチ目2段目の氷瀑。これまでで一番厚さはあったものの、やはり発達悪く、上部は岩から浮いてるところもありました。かつ完全なバーティカルで固い氷。フォローではありましたが"アルパインアイス"を楽しめました!Sくんはシブいライン取りでほんとにナイストライでした。



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案の定、残業に・・。ホントはこっからが本番だったんだけど・・スピード感が遅すぎました。。


スクリューは気兼ねなく岩にねじ込めるよう、全てBDエクスプレス。でも結局ほとんどが効いてなかったから意味ないな・・。


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これからリムアイスの刑に処します。


岩小舎でお茶して、「下山めんどいなー」ってぼやきながら下り駐車場着は21時。久しぶりに15時間行動して心地よい疲労感です。
アイサイトの自動運転でもさすがに眠くなり、中央道の八ヶ岳PAで快適車中泊をきめこんで帰宅しました。

こうなるともう「前夜泊日帰り」ですらないわけですが・・・。


城ヶ崎、とりわけシーサイドのクライミングと比べるとロケーションもさることながら、クライミングの質も(当然ですが)全然違います。昨日は終始デリケートな登攀でスタティックムーヴの連続(ビビって耐えてた時間含め)だったし、一日中アイソメトリックトレーニングをしていたようなものだな、と今更なことを思いました。そのダメージが今腕にも足にもきていて、今日ジムでボルダームーヴできるかどうか不安です(笑)。


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2019FW新作のKarrimorのヤッケ(alpiniste jkt/pants)は今回フィールドで初使用!足上げ、肩の動きなどもストレスなく調子良かったです。悪天候に耐えうるかはまた次回テストします(笑)。


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コチラも新作、化繊ビレイジャケット(epic insulation parka)。やはりフィールド初使用でした。560g。夕方以降は冷え込みましたが、予想以上に暖かかったです。ジッパーや胸ポケットも使いやすく、フードも安心感ありました。


でもやっぱり山は楽しい!
今冬は城ヶ崎通いメインですが、欲張って山にもまた行きたいですね。

フィールドアクティビティにおける女子トイレ事情 〜クライマー的、医学的観点から〜

2019092006300944f.jpeg2019年 ヨセミテにて。


生物学上れっきとした女子である筆者は、大学4年の終わりに登山に目覚めてからというもの、これまでずっと山に関わる様々なフィールドアクティビティに興じてきました。


2019092006301363e.jpeg2019年 シャモニにて。


無雪期や残雪期の山歩き、百名山ハントにはじまり、ロッククライミング、無雪期のバリエーション登山、沢登り。少しずつフィールドを広げて行き、ビッグウォール、アイスクライミングや冬季登攀、バックカントリースキーもかじり出し、ごく最近ではトレイルランニングにも興味を示して収拾がつかなくなっています。身体が最低でも2つはほしい(笑)。


IMG_8342.jpg2016年 El Capitan "The Nose"にて。


そんななか、フィールドでのトイレ問題というのは常につきまとってきました。男性ならそれほど問題にならない場面でも女性にとっては時に致命的にもなり得ます。


maekawaootaki.jpg2012年 前川大滝沢滑川大滝にて。


この記事では、私自身の経験と独断およびこのテーマに関してよく纏まっていたREIの記事(最下部に記載)に基づいて、そんな女子のトイレ事情について思うことを書きたいと思います。
そして、私は(一応)医師でもありますので、医学的な視点も附記出来ればと思います。


コンプライアンス遵守の精神に則り(笑)、舞台は"どこか海の向こうの国でのアルパインクライミング"としましょう。
もちろん"海の向こう"であっても、トイレがあるところではトイレでする(努力をする)し、止むを得ず"そこらへん"でする際には環境に配慮することが大前提です!


IMG_8335.jpg2018年 タイプラナンビーチにて。


さて。前置きが長くなってしまいましたが、ひとことでいうと排泄の面で女性は男性と比べ圧倒的に不利です。

第一の理由はもちろん、泌尿器系の形の違いです。リーチや体格差についてなら、必ずしも女性のほうが不利とは言い切れませんが、この点に関してだけは女性が絶対的に不利と言えるでしょう。

それにもちろん、社会的な問題、羞恥心なども付け加えて然るべきでしょう。コアな女性クライマーの方々はそこらへんはあらかた解決済みかと思いますが、常識的な羞恥心は無視できない問題です(笑)。

形の違いで女性が不利になるのは主に2点。1点は、排尿のしにくさという利便性の面。そしてもう1点はもっと重要、衛生面です。

女性は男性ほど排尿が容易でないし、尿路感染症にもかかり易い。これが野外女子トイレ事情の悩みのタネです。


では、みなさんどのようにしてこの"不便"を克服し、大好きなクライミングを楽しく続けているのでしょう?
以下、場面ごとに考えてみましょう。


201909200630163b8.jpeg先週の肉。あ、今更ですが写真は記事の内容とあまり関係ありません。


1."pee-bottle" 通称"ションポリ"のおはなし。

悪天候時の冬山や高所登山など、テント内で用を足さざるを得ない時があります。そんなとき男性は"それ"をひょいと取り出して、尿器、俗称"ションポリ"なるものに突っ込んでしまえばハイ、終わり。失敗することはまず無いんじゃないでしょうか(予想ですが)?


IMG_1564.jpg2019年 デナリBCにて。


しかし女性の場合そうはいきません。解剖学的に外尿道口がかなり奥の方に引っ込んでいて、かつ小陰唇と呼ばれるヒダの中に隠れています。生々しい話になってしまいますが、これは悲しくも無視できない現実です。
狭いテント内で小さな的めがけて排尿するのは生易しいことではなく、練習と慣れが必要になります。

そんな女性の尿路の構造を理解すると、テント内での排尿は、ひざまづいて、"ションポリ"を適切にあてがって、行う必要があります。

そこでまず、用意すべきマイ"ションポリ"の口は直径7cmくらいのものを推奨します。
これは私が勝手に推奨しているだけですが、外性器全体を覆えてかつ肛門は外せるくらいの大きさとなるとこのくらいです。
外性器が複雑な形状なので、これより小さいとどこかしら漏れる可能性があり、これより大きいと肛門にかかって不潔になります。

REIの記事では👉コチラを推奨していますが、私もこのナルゲン容器はおすすめします。
ただ、2.8Lは大き過ぎると思います。これの1Lタイプが日本国内でも売っていますのでそちらを推奨します。


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NALGENE:フォールディングカンティーン1L。写真は"sumally"から転載



一般的な成人の1回尿量は200cc〜400cc、1日に1500cc程度ですが、高所や寒冷地では高度順化、低体温症・凍傷予防などの観点から積極的に飲水すべきで、その場合は尿量がこれより多いかもしれませんし、ダイアモックスを内服しているとさらに多いでしょう。
ションポリの容量が500ccだと下手したら1回で捨てに行く(テントの外に出る)必要が生じます。でも2Lは多すぎ。そんなに溜め込んでいたら雑菌も繁殖しやすくなります。

それに、1L以上尿が入った重たい容器をあてがって、うまくいかないなってやっていて、もしひっくり返したら・・・。考えたくもありません(笑)。

1Lくらいが妥当なのではないかと思います。


ちなみにこのナルゲン容器のように柔らかい素材でない(ボトルタイプなど)ものを使うときは、ひざまずいてあてがう便宜上500cc程度が限界かと思います。(移し替える別容器があれば外へ捨てに行く手間も省けます)


どちらにせよ、練習なしぶっつけ本番だとテント内で悲しい思いをするので、お風呂場などで練習してから使いましょう。


IMG_0699.jpg2019年 デナリ国立公園にて。


老婆心ながら、冬に多量のアンダーウエアなどを着込んだ状態で、狭いテント内でやろうとすると意外と難しいです。なかなかうまくいかない人は、恥ずかしいでしょうが一度鏡で自分の"解剖学的構造"をよく観察して理解し、再トライすることをおすすめします。

それとREIの記事にも書いてありますが、"ションポリ"には消えないペンなどで派手に印をつけておいて、決して普通の水容器と間違えることのないようにしましょう(笑)。


20190920063016c56.jpeg今週の肉。


2. "funnel" "じょうご"のおはなし。

大便なら男女に差はないものの、女性は"大"より回数の多い"小"でさえ、下半身を露わにしなければなりません。それが吹雪の中であっても、断崖絶壁でも。とくに冬は衣類が濡れたら大問題です。背に腹はかえられないから、勇猛果敢に下半身を露出するしかありません。また、同じ理由から、通常は"羞恥心"というか男性メンバーへの"心遣い"から、女性は他のメンバーから見えにくいところまでわざわざ移動して排尿しがちです。それが安全上の問題を生ずる可能性もあります。


20190920063016847.jpeg2019年 シャモニにて。


この問題を解消すべく、じょうご型の女性用尿器がいくつか販売されています。使っている方も周りに何人かいらっしゃいます。これを"適切に"あてがって、チューブの先端を服の外へ出すことにより、男性と似た形で、ズボンをおろさず用を足せるというものです。


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REIが紹介する女性用尿器の一例※この他にも多くの類似製品が(欧米では店頭で普通に)売られていますが、国内ではみたことがありません。通販で買えます。


しかしこれもかなりの練習が必要です。また、用を足した後はこの尿器を拭くか何かして清潔に保つ必要があるでしょう。
実は私も数回これを試したのですが、あまり好きになれず使うのをやめてしまいました。理由は以下の通りです。

・思った以上に難しい。時間がかかる。
・これを使い始めるより前に、サッとズボンをおろして素早く用をすませる術を身につけてしまったため、あまり必要性を感じなかった。
・野外で使用後、尿で濡れたコレの処理も面倒。(拭くための紙とか、これを入れる袋を用意したりとか)


201909200630160c2.jpegこの間。Fairheadにて。


ちなみに、私は普通のロッククライミング(マルチピッチなど)のときはハーネスを履いたまま小用を足せます(=ハーネスを履いたままズボンを下ろすことができます)。また、小用のあとの"拭き取り"はおりものシートで代用しています。そして、この手の複雑な作業は冬季登攀中はほぼ不可能と感じます。(かつ、羞恥心はもちろん克服済みです(笑))そのため、このじょうごを自分のクライミングに取り入れるメリットはほとんどありませんでした。


ちなみに、この"じょうご"と"ションポリ"を組み合わせて使うことも可能です。
(REIの記事には、それによりシュラフ内でも出来るようになると書いてありますが、ものすごい上級者とお見受けします(笑))


20190920063012213.jpegおうち肉。


3. 冬のクライミングのおはなし。

上にも書きましたが、マルチピッチであっても、無雪期であれば、ハーネスを履いたままズボンを下ろすことは難しくありません。まだやったことない!という方は是非練習してみてください。すぐできるようになると思います。
ですが、冬季は今のところ、同じ手法で出来たためしがありません。冬のクライミング中の排尿は未だに私の悩みのタネです。
というのも、私は女性であるだけでなく、人一倍頻尿なのです・・・。そのため、壁のなかで突如として我慢の限界を超えることもしばしばです。


2019092006301692e.jpeg2019年 シャモニにて。


私は以前、2月の北アルプス明神の壁のなかで、不安定で"プア"な支点に3人サクランボ状態となったことがありました。そしてその最中にずっと我慢してきた尿意が限界を迎えました。そのとき、私はこの挑戦的なクライミングを前に、普段よりも下準備をしていて、"おむつ"を履いていました。このときはそのおむつに助けられました。というのも、その夜はサイトに帰ることができず、一晩おすわりビバークをすることになったからです。忘れもしない、谷口けいさんと登ったウィンタークライマーズミーティングでの出来事ですが・・・。
このときおむつがなかったら、私は下半身ずぶ濡れ状態で寒い一夜を明かす必要があり、足指の凍傷などは免れなかったでしょう。
いざという時はこうしたツールも役に立つと思います。


2019092006301569a.jpegおとといの岩。


これはイレギュラーな例ですが、普段のウィンタークライミングでは、私は次のような方法で小用に対応しています。

・120cmスリングでチェストハーネスをつくってそちらに荷重をうつし、ハーネスをぬいでヤッケを脱いで露わになってする。
・これらの作業は手袋をしているとかなり時間がかかる。素手になってサッと済ませてしまう方がいい場面もあるので、そこら辺は臨機応変にやる。
・少しでも尿意を感じたら我慢せず早めにするようにする。

でもシビアな登攀では、寒い環境に長時間さらされながらもなかなか排尿のチャンスが訪れないことだってザラです。
冬の登攀時のトイレはいまだに大きな大きな悩みです。はあ・・。(何かオススメな方法がある方は教えてください!)


医療従事者どうしの会話だとここで、「バルーン(尿道留置カテーテル)入れて登りたいよねー」ってところに行き着きます(笑)。


20190920063016ea9.jpeg一昨日の海岸!


4. 野外でもケアを忘れずに!尿路感染症を予防するために。

女性の尿路は常に感染の危機にさらされています。尿道が短い=膀胱までの距離が短いとか、外尿道口と肛門が近いなどの形態上の理由などがあります。男性のように尿のキレもよくないので、排尿後は拭き取る必要があります。そのままにしておくと皮膚粘膜トラブルや尿路感染症の原因となりますし、現に下着が濡れちゃうからみなさん何かしらで拭いてらっしゃるかとは思います。


IMG_8345.jpg2015年 日光月山雄滝にて。


私は1日はおりものシート1枚で乗り切り、1日の終わりにウエットシートなどで清潔にして、新しいおりものシートに取り替えています。排尿ごとに紙を使うのは資源とかゴミの問題もありますが、手が汚れたままだとそれがリスクになります。おりものシートなら、服を身につけたあとでちょちょっと吸収させればいいので、クライミングなどで手が汚れたままでも簡単安心です。


その他、陰部を清潔に保つ工夫として、長期間お風呂に入れない環境ではあらかじめ隠毛をきれいさっぱり剃ってしまうというのも有効です。最近では、主に介護が必要となったときに備えて医療用レーザーでVIO脱毛するという人が日本でも増えてきました。無駄な毛(いわゆるムダ毛(笑))がないほうが隠部は清潔に保てます。


また、何をするにもまず、手指の清潔がとても重要です。隠部を拭く時だって、手が汚れていては意味がありません。
手指を清潔にする方法として、医療関連施設でも推奨されているのがアルコールによる手指消毒です。そこで、野外の簡易トイレや山小屋などにアルコール消毒剤が設置されている場合は是非使うようにしてください。以下に正しい手指消毒方法について分かりやすく書いてあるサイトをリンクしておきましたので、時間のある人は見てみてください。完璧にやる必要はないですが、知っていて損はないと思います。


IMG_8343.jpg2016年 黒部上ノ廊下にて。


ちなみに、流水による手洗いのときもこれと同じ方法で行います。でも10秒程度の手洗いでは雑菌の除去効果は低く、アルコール消毒に軍配があがるようです。


手洗いについて詳しく書くにはもうスペースが足りないし、テーマが変わるので今回は割愛します。


少しは参考になりましたでしょうか?参照記事1は読みやすい英語なので、英語が苦手でない方は是非一度読んでみてください。
私も野外トイレ最高グレードを更新して、より快適なクライミングライフを送りたいと思います!


20190920063016d17.jpeg先週の乾杯!


参照記事1<GIRL TALK: HOW TO PEE IN THE BACKCOUNTRY>
https://www.rei.com/blog/hike/girl-talk-peeing-in-the-backcountry


参照記事2<手指消毒手順>
https://med.saraya.com/who/tejun.html

遠い飲み屋から池袋の飲み屋まで。ガンバでベンガでバモスな話。

8月の終わりに帰国してから、早くも10日ほどが過ぎました。


あと24時間もすると、私はまた空の上です。
pecomaの待つイギリスへと向かうエミレーツの機内でビール片手に映画でも観ていることでしょう。


前回のイギリス訪問後(7月頭)にこの日程を組んだとき、ペルーとイギリスとの間の短い1週間は努めてノンビリ過ごすつもりでした。


しかし異国の地で放浪している1ヶ月の間も世界は常に回っています。そしてそれは私の人生にも少なからぬ影響を及ぼします。
気づけば、この10日間もほぼ毎日何らかの予定で埋まってしまっていました。
移動は主にチャリかランのため、移動時間も嵩んで、結局あまりノンビリはできなかったような気がします。

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スカイツリー!!



まず帰国の翌日(笑)に、"遠い飲み屋"へ行きました。

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7月にも一度お邪魔しました。

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7月のときは梅雨まっさかりでしたが今回は晴天!


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権現で自撮り!ここはいつも風がつよいね。


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トンボがたくさん飛んでいました!


現在、日本登山医学会で行なっている「甲斐駒ケ岳山岳医療パトロール」ですが、来年度から新たに南八ヶ岳でもその活動がはじまります!趣旨に賛同して下さった青年小屋さんの後援をいただき、編笠山〜権現岳エリアで活動予定です。

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その調整のため、ちょうど"夏の終わりのコンサート"を開催予定の8月最後の週末に私ひとりでお邪魔してきました。

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夕飯は絶品アジフライ!

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この日は美味しい葡萄も!


青年小屋はチェンバロのある山小屋。そして"のんべえ"山屋がひしめく山小屋でもあります(笑)。バロック音楽とフォークソングに酔いしれ、日本酒に酔いしれて久々に日付がかわるまで飲みました。

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きっと明日もいい天気!


飛行機遅延しないか、ロスバゲしないか、時差ボケで運転して事故らないか、色々と心配事はありましたが、万事問題なく楽しい二日間でした。涼しいペルーから帰ってすぐに蒸し暑い東京を離れ、八ヶ岳で避暑できたのもある意味よかったですね。


父とのダブル誕生会もやりました。池袋にあるお気に入りのジビエ居酒屋が先月移転したとのことで、リニューアル後初来店でした。


インスタグラムなどでも度々紹介しているスパークリング日本酒と創作ジビエ料理のお店です。

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8月の終わりと9月の初めに互いの誕生日があるので、この時期にW誕生会と称して父と飲み会をするのも毎年恒例になってきました。


最近は音楽(父はミュージシャン)そっちのけでボルダリングにはまっているいつまでも若々しい父ですが、すでに還暦を超え1年。白人からは"ハタチ"と馬鹿にされる私ももうすぐ30台折り返し。

っていうシミジミした気分にはいつまでたってもならないですねw


私から父へのプレゼントは鉄板の馨和(和の馨るエール)!そして父からは思いがけない贈り物・・・なんとハンドマッサージャー!


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ツチノコになってしまった私の右手中指PIP(第二)関節を会うたびに気にしてくれていた父。優しさとクライマー目線が染みますね。



この日は、わけあって10年ほど住民票をおきっぱなしにしていた大田区から転出して名実ともに北区民になったり。

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LINEでペコマと会話中、大田区役所までの25km「暑いし足疲れてるしチャリで行こうかな」と言ったら、『疲れは溜めてなんぼ!』『走れないやつほど何かと理由をつけて走らない』って怒られたー!ひえー!


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ということでLSD・・。北区民になるのは予想以上にタイヘンだった。。


飲み会のときに父から渡された(実家に届いてた)郵便物の中に重要書類をいくつか見つけてまた用事が増えたりorz

そして最後の週末は、現在受講2年目のスポーツドクターの講習会でした。

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ちなみに、「頑張れ!」を短縮した「ガンバ」は日本特有ですよね。クライミング以外では(最近じゃ)あんまり言わない気もしますが・・。
この「ガンバ!」にあたるのが、英語ではCome on!、でフランス語ではAllez! アレ!スペイン語では¡Venga!ベンガ!というのが知られています。フランス語のAllezは英語で言うとGo aheadだそうです。逆にスペイン後のVengaはvenir(=come)の活用形。

しかし、ペルーのクライミングジムで聞いた「ガンバ!」はベンガではなく「バモス!」でした。Vamosはir(=go)の活用形です。
同じスペイン語でも、スペインとラテンアメリカでは使う単語や用法が違うことがあるらしいです。
かたやcomeでかたやgoなんて面白いですね。

でも日本のガンバはcomeでもgoでもないわけです。隣国の韓国や、クライミング強豪のスロベニアではなんていうのか、ご存知の方は教えてください(笑)。


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講習会場のすぐそばにある人気カフェ"麹町カフェ"にも行きました。清里に自社農園があるそうです。メニューに"セビーチェ"の文字を見つけて思わずオーダーしちゃいました🎶


と、話は逸れましたが・・・

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そんな10日間を、十条銀座のお惣菜(主に肉)とペルーで仕入れたスーパーフードで乗り越えて、もうすぐやっと待ちに待ったイギリス旅行が始まります!


イギリス3週間は、いわば「生活」そして「合宿」です。


「一緒に来て欲しい。」


そんな留学生pecomaの切実な願いを顧みず(笑)、好き勝手に世界を旅してきたこの1年。まだ旅の途中ではありますが、これから3週間はイギリスで「普通の夫婦の暮らし」ってやつをやります。これ、すごく大切なやつです。


それともうひとつは「合宿」!(地獄の)「英語合宿」そして(恐怖の)「ラン合宿」です。英語とランのモチベーションがうなぎ登りのpecomaのもと、私もイギリスで英語をやり、9/22のハーフマラソンへ向け走ります。


というのも・・・。


ここ最近、ペコマと二人でやる"山"のひとつのスタイルとして、"クライム&ラン"というのが見えてきています。

山を走って、岩を登る。

昨年夏に日帰りで行った北岳バットレス〜白峰三山縦走のあとから、こうした登山が魅力的で"ふたりらしい"と思い始めました。
走るためにクライミングギアなどの装備を極限まできりつめて、軽快な装備でクライミングをしながら峰々を超える。
今年の夏にスコットランドでCuillin Hills traverseをやったことでまたインスパイアされました。

そうしてふたりで熱く語り合っているうちに、「夫婦でTJAR完走」という夢をみはじめました。
Trans Japan Alps Raceは日本で最も過酷なウルトラ系レースの一つです。
この夢の実現のためにはまず「夫婦でTJAR出場」という高いハードルがあり、その遠く高いハードルを超えるための私にとっての第一歩が、9/22、Belfast Cityマラソンでの初ハーフマラソン出場です。


すでにランニングマニアになりはじめているペコマはハーフもフルも経験済みだし、私も遅れをとらぬよう頑張ります。バモス!


そして、私にとってはコレが一番楽しみ?もちろん忘れちゃいけないのがクライミング!
週末はフェアヘッドとか行って、今度こそUKトラッドを堪能してきます!


今年の3月からはほぼずっと冬山でなんちゃらしていて、単発で岩に行ってもほとんどマトモにはクライミングしませんでした。でもこの秋からはしばらくフリーモードにチェンジです。やっと山ボケ(白い山を想ってボーッとしちゃう感じ)が抜けてきて、岩を登りたい気持ちが湧き上がってきました!


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映画館でフリーソロも見たし!PUSHも読み始めたし!

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テンションうなぎです!


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約2年前くらいから定期的に行っている、池袋"カラダステーション"の体組成計で帰国後測定。体幹・上肢の筋肉がごっそり落ちていてビックリでした。高所登山の影響ですかね。


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久しぶりのジムは案の定登れなかったけど・・・これからこれから!バモスバモス!


帰国したら10月は瑞牆らへんに住み着く予定なのでみなさん遊んでください!


それではいってきまーす!(^^)

山行記録まとめ

山行記録

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2019年9月更新

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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