2007/08/29
婦人科やばいよー。
今日起きたの12時。
そろそろお昼ご飯だなっと起きてまずしたことが昼食。
そんなステキな生活が送れる婦人科ですが、昨日はがんばっちゃいました。
子宮脱のオペがあり、婦人科にしては長い予定6時間というオペでした。木曜日には子宮筋腫のオペが2件あるのですがどちらも予定2時間。その子宮脱のオペに学生4人、筋腫のオペに一人ずつ入らなければならず、当然ジャンケンということになるわけですな。
結果、6時間オペの餌食になったのは(そういうジャンケンでは勝つ気がしない)私、Pigeon(マイミク)、pecoma(マイミク)、そしてhage(そのままローマ字読みしてはいけない。eの法則で"ヘイジ"と読む)。
ジャンケンの際もちょっと揉め事を起こしそうになったほど、hageはこのオペが嫌だったらしい。
兎にも角にも、我々4人はこのオペに入った。麻酔時間も入れると8時半にオペ室入室で帰れるのは4時近くなることが予想された。そこで我々の着眼点は、”昼食を食べに帰れるのかどうか?”ということだった。
長くなるオペでは科によっては先生が「学生、お昼食べて来い」と帰してくれる。食堂で食事を採ることが義務付けられている変わった大学に居るせいで、先生方も一応「お昼には食堂の時間に間に合うよう学生を帰すように」と言われてはいる。
そうはいってももちろんオペに入ったら医者は休憩できないわけだし、学生が帰らせてもらえなくても仕方ないわけである。そういう微妙な位置づけにある、「お昼ごはん」。貴重な休憩時間ともなるお昼ごはんに行けるのかどうか?オペ室に入室した誰もが同じ不安ともつかない疑問を胸に抱いていた。
9時半ころ、全ての準備が整い、オペがはじまる。
執刀医が「じゃ、おねがいしまーす」と言って患者の腹部にメスをいれる。初めは台など持ってきて一生懸命見学する学生だが、そのうちに何をやっているのか判らなくなってきて、術野もよく見えなくなってくると充分予想された事態が起こる。
・・・( ゚д゚)アキタヨ・・・
学生は台を降り、術野からはなれてうろうろしだしたり、シャーカステンにかけてあるCT画像を見るフリをして寝だしたり、痛くなってきた腰や足の関節を回し始めたりする。
そしてこれも休憩とばかりにトイレに行きだす。それもちょっと長めのトイレに。
オペ室に入る人間は必ず更衣室で着ていたものを全て脱ぎ、オペ室用の術衣に着替える。しかしトイレは術衣のままで行ける場所にあるため、トイレ自体にはさほど時間はかからないのだ。だが大抵トイレに行く学生は20分くらいの時間をかけて”用を足す”。
そんなかんじで、Pigeonもわたしも途中トイレに出た。時間かせぎをしようとしても、辺りは忙しく動き回るナースや先生方がいるため居場所がない。結局トイレを出たあとは、ゆっくりゆっくり歩いて大人しくオペ室に戻るしかない。
さて。子宮脱のオペは順調に進んでいた。先生方はそんな学生の様子には目もくれず一生懸命に手を動かしている。そろそろ食堂の時間が近づいてきたが、誰もそんなことに気付く気配はない。同じ手術室の中を流れる全く異なるふたつの思惑・・。
だが学生達はあるひとつのことにかけていた。そう。
12:00になると、オペ室にもチャイムが鳴るのだ。それを聞いて先生が気付いてくれれば・・!誰もがそう願っていたに違いない。そんな中、果たしてその12:00の鐘は鳴り響いた。
先生「もう12じかぁ~」
・・・・。
何も起こらないッ!?
落胆する学生。ああ・・。あと3時間か4時間もこのまま耐えるのか・・。その間も刻一刻と時計の針は進み、とうとう食堂の時間をすぎてしまった。学生はもう諦めていた。仕方ないか。最後までがんばろう・・。
そんな中、hageがオペ室を出た。彼も耐えかねてトイレの名の下に休憩に行ったのだろう。
そのくらいに思っていた。
しかし、彼は何十分経っても帰ってこなかった。
明らかに長すぎる。
私は思った。
クソか・・?
クソじゃなければメシだ。絶対帰ってメシ食いにいきやがった!絶対メシ食ってるあのhage!(ローマ字読み)
そう思って、Pigeonにもその考えを伝えた。そんな我々の気持ちをよそに、結局1時間近くたってやっと帰ってきたhage。広すぎるおでこがいつになく光っている。
絶対メシ行ったよな・・・。
そう思いながらも、いつしか彼のことは思考から消え、頑張って眠気と戦って打ち勝ち、また別の考え事をはじめた正にそのときだった。Pigeonが私に近づき、耳打ちした。
「hage絶対メシ行った。絶対メシ行った!www」
そう言い切るPigeonの耳元に「なんで?え、なんで??」と必死で聞き返す。すると彼女は言った。
「ガウン、着替えてるwwww」
・・・・・・
確かに!!!!!!
実は、男は青の術衣、女はピンクの術衣を着るのだが、私、Pigeon、pecomaの三人が三人とも、恐らく自分でも気付かないほどの無意識下に、最初にオペ室に入ってきたときのhageの術衣姿を記憶していたのだ。そう、そのときの彼の術衣は、同じ青でも洗濯による色落ちからか上下が色違いになっていた。一瞬「ぷ」と思いそのまま思考の外へと追いやられていたその事実。しかしPigeonに言われて彼のガウンを見てみると、なんと今の彼の術衣は上下の色が同じになっているではないか!!!!
それに気付いたときの衝撃といったら・・!そしてその激しい衝撃と同時にこらえようのない可笑しさが腹のそこからこみあげてきた。Pigeonに「笑いすぎだよ」とたしなめられる程笑っても止まらなかった。幸い、オペ室では大きなマスクと帽子で顔の90%ほどが隠れているため、声を殺せばそう目立つことはなかった。
その後その衝撃の事実をpecomaにも伝えると、私に起こったのと同じ現象が彼にも起こった。
そんなことも知らず手を組んで上下同じ色の術衣でオペを見学するhage。
最近で一番おもしろかった出来事かも知れない。
そんな、様々な人間ドラマが、今日もオペ室の内側で繰り広げられている・・。