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邪まな風

今週末のコンペはダメダメでした~(×Д×;)
でも強い人の登りが見られて楽しかった!!
そして自分がいかに中途半端かがよ~く分かりました。
山をオールラウンドに楽しんできて色々なことを限られた時間でやってきた。
だから自分ではすごく頑張ってるかのような錯覚に陥っていたけど、
実はどれも中途半端だった。
アルパインも冬山も経験不足だし、そのくせフリーも大したことない。
このままでは何者にもなれません。。
冬はそういったことの反省を踏まえて計画を立てたいです。


そして次の日は瑞牆山に行ってきました!ロープ回収です。
大急ぎで3週にわたった瑞牆山ベルジュエールとの奮闘記をUPしますがとりあえず報告まで。
ロープ回収は結果から言うとスムーズに行きました。
アプローチを開始したのが8時半すぎ、歩いて白くまのコルについたのが9時半。
アプローチの段階で、岩に垂れ下がるロープが見えていました。あちゃー。
そして白くままでたどり着くと、ロープは風に流されてかなり右のほうへ。あちゃー。
これは5,6ピッチは登るしかないね。。
5,6ピッチは普通に登って、そうしたらロープに手が届いたのでそこからはユマール(ロープを伝って登る)。
無事回収して14時半には降りて来られました。
それからふもとにあるボルダーでちょっとだけ遊んで終了!
いろいろ不安があったので、スムーズにことが運んで良かったです。
というか太陽が照ってるのにめちゃめちゃ寒くて、風も強くて、
これ以上先になったらもう無理だなーと、本格的な冬の到来を感じました。ロープ回収できてホントに良かったです!


そして風邪のほうですが・・
ひきはじめの「喉の痛み、重苦しい感じ」がなくなって「せき、くしゃみ、鼻水」に変わりました。
鼻水が多くてうざい・・。
で、今朝普通の便意では起こらないような腹痛を感じトイレへ。
もしかして急性ウイルス性腸炎・・!?((´Д`;)))
急性ウイルス性上気道炎がいわゆる風邪ですが、喉にとどまってたウイルスが鼻水や痰を飲むなどして腸に移行し、そこで活性化しちゃうと腸炎になります。
ヤバいなあ・・。2年生の時一回やりましたが、地獄の苦しみでした。鼻水ちゃんとかも。

クライミングの日々と猫

最近連日登ってる気がするのは何故でしょう・・・。
今までと比べ週末岩場でフリーをやる機会が多かったからでしょうか。
それでベルジュエールのためにクラックの練習もして
思いがけず瑞牆山には3度も行って、
そして今週末にはコンペも控えている。
なんだか、コンペが終わったらひと段落つきそうです。。


ベルジュエールは疲れました。
なぜ疲れたかというと、ハッピーエンドに終わらなかったからです。
登攀自体は何の問題もなくスムーズに行きました。
でも登攀が終わっていざ帰るぞ!と
懸垂下降をした。
懸垂下降とは木の根元とかもともと設置してある支点とかにロープを二つ折にしてかけ、
それをつたって降りるという行為のことですが、
懸垂下降をして降りてきて
いざ、ロープを回収!と
一方の端をひっぱったところが・・・・

動かない。

pecomaと私の二人分の体重をかけ全身全霊の力をこめてひっぱってもびくともしませんでした。


状況を説明するのはいろいろ難しいと思うのでやめますが、
こういうことは多々あることです。
どこかにロープがひっかかっているのでは恐らくありません。
ロープをひっぱる角度とか、ロープをかけてる支点のところでおきてるもろもろのこととか
原因はさまざま。
大体見当はついていますが、原因はどうあれ、ロープを回収することができませんでした。
でも幸い私たちが降り立ったところからはふもとまで歩いて降りられたので、
回収できなかったロープはそのままに、
とりあえず無事降りて来られました。


翌日また朝早く起きてロープの回収に向かいましたが、
雨が激しく降り出したので断念。
無理して事故起こしても仕方がないのであきらめました。


そして今週末、
コンペが終わった翌日かその翌日にまた
ロープ回収のため瑞牆山へ行く予定です・・・。


ブラウザのお気に入りに「北杜市の天気-yahoo!天気情報」が入れてあるのですが、
これを毎日チェックすることももう無いと思ってました。
ですがまだベルジュエールにお別れを告げることは出来ないようです。
そして今日チェックしてびっくり。
明日の明け方「湿雪」が降るそうですね!
ヤバイヤバイ。
雪山になったらいくらなんでもうちらの実力じゃ登れません(×Д×)


そんなこんなでベルジュエールは疲れました。
その疲れをコンペまでためてはいけないので今週は体調管理、調整が主です。
でもそう言ってる側から風邪の気配が・・・。
今日は大人しくして明日には治します(´-`)


ところで。
実家からでぶピュアとばかノア(どちらもうちのネコ)の写真が送られてきました。
寒くなってきたのでホットカーペットの電源が入ったようです。
ずいぶん気持ちよさそうだなあオイ。
悩みなんてないんだろうなあ。。


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恐らく浪人中の弟の勉強道具の上でくつろぎはじめるピュア。


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のんきなもんだなおい。


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それにしてもひどいかっこだな。


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てゆうかでぶだな。。


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ノアものびてる。奥で寝てるのがピュア。


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ぬくいのね。



時代の遺物(?)から思い出を吸い出せ!~MD編~

先週末はいろいろあったものの、無事ベルジュエールリベンジして成功しました!
全11ピッチで登攀時間は9時間。まずまずのタイムなのではないかと思います。
詳しいことはこれから尾根の向こうにUPするので是非見にきてくださいネ!^^


ところで。
私は最近、SUUNTOの心拍計付きウォッチ(t3 all black)とiPod nano 8GBというふたつの神器を使って快適にランニングを楽しんでいます。以前とくらべモチベーションは大幅UPなので、ちょっと時間が作りずらい時でも、少しでも走る時間を持とうと思えます。継続することにこそ意味があるのでモチベーションが上がるというのは大きなメリットです。心拍数や走った時間をモニターしながら、その日したいトレーニングに合わせた負荷を設定し、トレーニング後には記録もつけたりすると楽しさ倍増です。


そしてiPod nano 8GB ですが、以前持っていたiPod shuffle 1GBと違って音楽ライブラリのすべてを充分持ち歩くことができる大容量だし(入れ替えが不要)、iPod classic 80GBのようなずっしりとした重さが無い(shuffle:15.6g、nano:36.8g、classic:140g)のでランニングQOLは大幅UPしてます。


そんな中、それでも最近同じ曲ばっかり聴いてるなあと思い始めました。なんか昔よく聴いてたアレとかアレとか、そういえばアレもどこ行ったんだろ?


そうか、ほとんどみんなMDなんだ!!


その昔、VHSの時代にSONYからベータという動画記憶媒体が登場したそうですね。VHSよりちょっと小型で、画質も良いとかいう売りだったみたいです。でも世の中にはあまり浸透せず、あっという間にベータは時代の遺物となった。その時うちの家族もベータを使用した時期があったそうなのですが、すぐに廃れてしまい再生機など互換性のあるものが売られなくなってしまったので、今でもいくつか、見たいのに見られないベータのビデオがあるらしいです。


MDもそこまでとは言わないまでも、正にそんな感じの「どうしようもない存在」となりつつあるのではないでしょうか。


MDの場合は逆に一時期かなり浸透したため、よく聴いていた曲がかなりの割合でMDの中、という人は多いのではないかと思います。しかし今はMP3全盛期。音楽は全部データとしてPCの中で管理し、持ち歩く際にわざわざCDなどのメディアを必要としなくなりました。そしてPCにはだいたい標準装備でCD/DVDドライブが付いているのでCDに入った音楽データは十分取り込めますが、MDドライブは普通ついてません。MDコンポかMDウォークマンが無いと聴けないという状態です。


私もそんなに多くはないですがMDに封印された久しぶりに聞きたい音楽があり、せっかくnanoも買ったことだし何とかしたいなあ、と思っていました。これはそんな私のMD救出大作戦(?)の記録です。同じようにMDの中の音楽データを何とかしたいと思っている人のために、一部始終をまとめてみました。


まず番にすることはMDの中の音楽データ→PCへの取り込みです。
これは無料の方法も探せばあるのかもしれませんが、なるべく安く一番てっとり早く出来る方法を自分なりに探した結果がMZ-RH1でした。
MZ-RH1とはSONYが出してる録再MDウォークマンなのですが、PCにつなぐだけでSonicStageをとおしてMD内の音楽データを簡単にPCに取り込むことができます。


ですがこのMDウォークマンは買うと3万4万する代物です。何枚かのMDを取り込んでしまえば用済みなのに、これだけのお金を出す価値ははっきり言ってありません。だから例によってヤフオクで安いの無いかな~と探してみました。すると、私のニーズにぴったりな出品情報を見つけました。


レンタルです。


ヤフオクしか見ていませんが、MZ-RH1のレンタルでの出品というのが何件も出てきました。私は自分の条件に合った一番安いものを探し、3泊4日で2700円にてレンタルすることができました(3泊4日のレンタル料2200円+片道送料無料+EXPACK500での返送料500円)。


MZ-RH1による作業はとても簡単でした。
まずSonicStageをインストールするのですが、OSがVistaの人は付属CDでのインストールではデータ取り込みが出来ません。最新Ver.のSonicStageをサイトからダウンロードして下さい。


Sonic StageがインストールできたらウォークマンにMDを入れ、ウォークマンに付属しているUSBケーブルでPCとつなぐだけ。すぐにSonic StageがMDを認識するので取り込むボタンをクリックするだけ。どんどんSonic Stageのライブラリに取り込まれて行きます。自動で音楽データの情報取得をしておくといいと思います。


次にとして、iPodを使っている人のために、取り込んだデータをiTunesに移行する作業について説明します。


多くの人がご存じの通り、SonicStageのOpenMG AudioファイルとiTunesとは全く互換性がありません。これをiTunesで聴ける形式に変換するのに、私はHI-MD Rendererというソフトを使いました。


本体DL:http://www.marcnetsystem.co.uk/himdrenderer054.zip


Input Fileという所に変換したい.omaファイルを入れ(Browseで検索)、Output Fileというところに変換後のデータの行先を入れる。んで「GO RENDER!」を押すだけです。あとは変換後のファイルをiTunesで検索してライブラリに取り込めばOK。Batch Modeというのを使えば大量のデータを一気に変換が可能です。私は恐る恐る250ファイルくらいまで一気に試してみましたが、フリーズすることなく順調に変換されました。


ここで、変換する形式なのですが、いろいろ意見はあるみたいだけど「.wav」がいいんじゃないかと思います。データはSonicStageに取り込む際一度圧縮されているはずなので、それをさらにmp3にすると2度圧縮することになるからです。音質に関してはよくわかりません。ただ、このHI-MD RendererというソフトはSonicStageでopenMGファイルを再生した結果をファイルとして保存するだけのソフトらしいので、音質の劣化なしにWAVに変換されるのかどうかは分かりません。私の耳で聴いた感じでは音質に大きな変化はないように思いますが。


ということで、たぶんかなり大量のデータでも一気に変換できそうなので、思い切って変換する全データをぶちこんでGO RENDERを押し、終わったら変換ファイルが保存されているフォルダを選択してライブラリに入れてしまえば一番効率的だと思います。私は試し試しだったので少しずつやりましたが。


尚、SonicStageからiTunesに取り込まれたデータはアルバム、アーティストなどの情報がちゃんと移行されないことがあるので、後でファイル整理をするのがちょっと面倒くさいです。まあ、がんばってやるしかないです。。


そんなわけで久しぶりに聴きたい音楽が聴けてランニングも快適!
今週末のコンペに向けて調整もしっかりやっていきます!(勉強も・・・ね^^;)

挑戦と敗北~甦ったマッターホルン

スポーツにおいても人生においても、
重要なのはメンタルだ。
私はメンタルが弱くて、そのせいでいつもここぞという時自分を甘やかしてしまう。
常々そんな自分が嫌だった。


先週末、日記に書いたとおりダメもとでベルジュエールに行った。
気温は思ったほど低くなくて奇跡的に岩も乾いていた。
つまりコンディションはとても良かった。
それなのにベルジュエールを落とすことは出来なかった。

1ピッチ目、pecomaがリードで登り始めた時から雪がちらついていた。
pecomaは前の週の小川山で「ジャックと豆の木」という5.10b/cのクラックルートをやり、2回フォールした経験からかクライミングに対し相当恐怖感を植え付けられてしまったようだった。
まるでちょっと前までの私のように、ボルトより先へ行くことを恐れる。
1ピッチ目はクリップしてはテンションの繰り返しで1時間半ほどかかった。
その後私がフォローで登るも、雪が本格的に降り始める。

これはさすがに・・
おりたほうがいいか。
錫状岳の「注文の多い料理店」をやったときを思わせるような(このときは雨に降られた)
修行的ピッチとなった。

とりあえず登り始めたので1ピッチ目終了点まで行き、pecomaと合流。
「これでは仕方ないね」と懸垂の準備をはじめた。
だが、準備をはじめるとすぐ、雪の勢いは弱まり始めた。

上を見上げると2,3ピッチ目の向こう側にモアイフェイスが見えた。空は明るくなりはじめ、雪はどんどん弱まっていく。気温は先週「調和の幻想」をトライしたときほど低くなく、手の感覚もある。そして岩を触ってみた。案の定、風にとばされる軽い粉雪は岩を濡らしてはいなかった。
岩は乾いている。空は晴れている。気温もそれほど低くない。

これは、コンディション良い、って言うんじゃないか?

pecomaの方を見た。
そんな周りの変化など目にも入らぬ様子で懸垂の準備をしている。
私はこの空気に呑まれたくなかった。
いつもならpecomaのほうが、「やっぱり大丈夫そうだから行こう」って言うだろう。
でも今日のpecomaは絶対言わないだろう。
私が言わなければ2人はこのまま山を降りることになるだろう。
私が言わなければ。


マッターホルンのときだってそうだ。
前日の嵐は確かに酷かったけど、それで二人とも心が折れていて
旅行のメインイベントであるというのに、ビバークは考慮せず
安全だけを優先した。
結果、何をしにいったのか分からないという空虚感が残ってしまった。
私が言わなければ。

pecomaは懸垂のセットを間違えてもう一度つけなおしている。
岩とpecomaを何度も見比べながら、言おう言おうと言い聞かせた。
そしてpecomaがじゃあ降りるね、と降りかけた時、私は言った。

「登ろうか」

この時間からでは上まで行けないことは明らかだけど、
そして今のpecomaの状態じゃ頂上までたどり着けなさそうなのは想像できるけど
こんなにコンディションが良いのにこのまま降りるのは間違ってる。


ていうかそれじゃただのヘタレじゃないか!!


結果的に、私は「登ろう」って言って良かったと思った。
5ピッチ目までしか行けなかったけど、
1ピッチ1ピッチの面白さ、岩の形状、ダイナミックさ、景色、どれをとっても素晴らしいルートだった。
とても楽しいクライミングが出来た。


来週は天気が良いみたいなのでリベンジするかも知れません。
誰になんと言われようと、私は純粋に、クライミングが好きです。
クライミングと山を、ただ純粋に楽しみたい。

立冬寒波!

ってお天気の森田さんが楽しげに叫んでおられます。

今週末、立冬寒波が来ると・・・。


実は、今週末土曜日は今までの集大成的なあるビッグイベントに挑戦しようと思っていました。
それはクライミングやってない人にはなんのこっちゃ?って思われるでしょうが、
瑞牆山の十一面岩(といちめんいわ)正面壁というところにある「ベルジュエール」というルートです。
全11ピッチ(1ピッチ20~30m)。フェイスやクラックの織り交ざった総合的な力が試されるルート。
文章で書いてもよくわからないだろうから、写真を載せてみます↓

十一面岩

おおざっぱに線を引きましたが、この赤いラインを登ります。
写真だと大きさがよく分からないと思いますが、この赤い線を11分割しても1ピッチは20~30mあります。つまりこの大岩はいっこの山程度の大きさです。
そして↓がそのルート図(トポといいます)です。

ベルジュトポ

ルート図の「①、②」という番号が何ピッチ目かという数字。その横に書いてあるのが何mロープが必要かという表示で、さらにその横にあるのがそのピッチの難しさ(グレード)です。
写真とトポ図がよく対応するかと思いますが、なんとなく分かっていただけたでしょうか?

つまり、私たちにとって大挑戦なんです!

11ピッチものロングルートははじめてだし、1ピッチ目は5.11b/cだし、クラックでは5.10bも出てくるし!


ですが瑞牆山がある山梨県北杜市のピンポイント天気を見てみると・・・



今日9時まで弱い雨。
明日15時~18時弱い雨




なんなんだこの微妙さは!!!

通常クライミングは雨が降ったらやりません。コンディションが極端に悪くなるからです。岩登りやったことない人でも、濡れてつるつるした岩を登りたくない気持ちはわかりますよね。。前日が雨でも、そのあと太陽が出てくれないと濡れた岩は乾かないから基本的にムリです。

それが、「弱い雨」

そのあと曇り(しかも大寒波)

そして正に登ってる最中であると思われる土曜日の午後にもまた弱い雨が降るなんて・・・!!


一体どうしろと言うんだーー!!orz


いっそのこと大雨なら、「絶対無理。延期」って言えるんです。しょうがない。
でもこう微妙な天気予報だと、潔く延期にも出来ない。
季節的にもう、ベルジュエールに挑戦するのは来週末あたりまでが限界なんです。それ以上あとだと雪山になってしまう可能性があるから。つまりチャンスは今週末か来週末しかないんです。でも来週に延期にしたところで来週末が晴れるという保証もない。


そして天気予報は大寒波と弱い雨・・。


ベルジュエールを目標に、クラックの練習もしてきました。
先週末は瑞牆山の別のルート(十一面岩末端壁「調和の幻想」)を下見といった感じでやりました。
そしてこの瑞牆山のすぐ近くにある小川山という岩場では、天気予報が雨だったのに結局雨が降らないで問題なくクライミングできたことが3回もあります・・・。


非常に苦渋の決断です。


ということで、たぶん明日は行くと思います。ダメもとで。
ダメもとで山梨県まで行くという気合もベルジュエールが相手なら必要かと。。
濡れちゃって全然ダメそうなら潔く帰ってきてのんびりしようかな~・・。


楽しみだけど憂鬱。
憂鬱だけど楽しみ。
これを成功させられたときの喜びはひとしおでしょう。
あーどうなることやら。。

大切な人

私の大切な人は、そう多くない。
少人数に限られている。
私が大切に思う人は、大抵がまた私のことを大切に思ってくれている人だ。
何人かしか居ないけど、私にはそれだけで充分過ぎる。
そのたった何人かが、私のすべてだ。


私が中学生のとき、私を大切に思ってくれていた人がひとり亡くなった。
私はその人が大好きだった。
紫の自転車でよく家に遊びに来る人で、
美人で粋で優しい人だった。
私のおばあちゃん。


でもその人の闘病生活が長くなると、
病院通いで私も私の家族も疲れ果てた。
大好きな人だったはずなのに、
ふと気が付くと病院に行くことに疲れを感じている自分が居た。
一方でそんな自分がいることが恐ろしくてたまらなかった。
その罪悪感は今でも私の中にこびりついて消えない。
私が大切に思う数少ない人で、
私のことを本当に大切に思ってかわいがってくれた人に私がしたこと。
私の中にある冷たい部分の存在は、
私を恐怖で凍りつかせる。私は冷たい。そして弱い。


今またひとり、私を本当に大切に思ってくれていた人が
体の自由がきかなくなり、苦しい生活を強いられている。
この間病院に行った時は、私が呼んでも私のことは分からないようだった。
知的で私にはとても優しい人だったのに
今その面影は全く無い。
苦言しか吐かない困った人になってしまった。
その人に会いに行くと、誰もがストレスというお土産を持たされる。
そして私の中にまた、あの時と同じ感情が芽生え始めている。


本当にすごくお世話になった。
色々なことをしてもらったし、色々な話をした。
今のその人からは、そんな昔の出来事がもうずいぶん連想しにくい。
お世話になったから、と意識して思い出そうとする。
あるいは、思い出せていない。無理やり思い描いている。
そしてその義務感から顔を出しに行っている。
あんなにかわいがってもらったのに。
あの頃はこんな風になるなんて予想もしていなかった。


私が今大切に思っている数少ない人たち。
その人たちに対しても
いつか私は同じような感情を抱く時が来るのだろうか。
そして逆に大切な人から同じような感情を抱かれる時が
心無い私にもいつか訪れるのだろう。
人と人とのつながりなんて
その程度のものなのだろうか。
所詮弱く儚い心しか持っていないから。


もっと強い心がないと
何も守り抜くことが出来ない。
それも仕方のないことと、
諦めきれるのだろうか。

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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