2012/05/23
自己満足の仕方
リード、ボルダー。フェイス、クラック。スポーツルート、トラッドルート。岩登りには様々なジャンルがあり、それぞれのジャンルで各人が独自のモラルを元に多種多様にクライミングを楽しんでいる。

”スポーツ”というからにはある程度のルールが存在するはず。少なくともコンペには明確なルールがあるはず。でも自然の岩登りについては、最低限のルール以外は殆どのことが各人の裁量とかローカルな暗黙の了解のもとに成り立っている。
賛否両論あると思うが、自分の考えを整理すべく書き出してみる。
取り敢えずコレは私の意見です。
・プリクリは初登者がそうしたのならアリだろう。
プリクリがどうかもそうだし、ホールドやムーヴの限定があるのなら初登者はそれをはっきりと示すべき。噂レベルでの「本当はソレは無し」みたいのは混乱を招いて非常によくない。
・チョンボ棒を使って(駆使して)ボルトルートを登る行為(笑)
某クライマー(笑)くらいしかやってないと思うけど(笑)。そもそもエイドルートではないし、そのレベルを登れる人にとって必要最低限のボルトは打ってあるはず。なのでそれでフリーで突破出来ないのなら取り付かない方がいい。危険なので怪我をする前にやめたほうがいい。
・何万回もトライすること
私はフリーだけに時間を使うわけにいかない、というのもあるけど、それを抜きにしてもひとつのルートに何シーズンも通いつめてRPするっていうスタイルは余り好きじゃない。1シーズンみっちり通って登れないならまだ力不足ということだと思う。今はジムも豊富な時代だし、トレーニングして強くなってから再トライした方が近道だと思う。トライ回数が多ければ多いほど、強くなったというよりはそのルートにこなれるだけであり、真の意味でのレベルアップが遅くなると思う。他のルートも色々やらないと経験値だって積めない。
・ボルトルートのTRでのリハーサル
大いにアリだと思う。ボルトを追っている時点で岩との対話でも何でもない。そのルートを登る、ということが目的なのであれば、精神的ハードルやクリップ等の無駄な動作を省き、純粋にムーヴのみを練習できるTRはとても有効だと思う。
そういう話をしてしまうと、リードは非純粋、ボルダーは純粋な行為ということになる。私はそうだと思う。ボルダーは何もついてないただの岩を登る行為であり、クリップ等の動作がないため自分の肉体的限界を追及できる。
でもそこはそもそもの楽しみ方の違いなので、比べることは出来ないと思っている。
リードクライミングはクリップ等、ただ登る以外の行為も全部含んでこそのものなので、それはそれとして楽しめばいいのだと思う。
・トラッドルートのTRでのリハーサル
私は反対。トラッドはスポーツ的でありつつもスポーツとはちょっと違う。ボルトルートとは性質が違う。そもそも、そこにあるのは岩だけ、岩が示してくれるラインを自力で克服する、という崇高な目的がトラッドにはあると思う。だから最初の1便目は必ずリードしたい。エイドでも何でもいいから、必ずリードでまず道を切り拓く。そうやって自力で張ったTRなら、その後ムーヴ練習するなりなんなりは大いにアリだと思う。まずいきなりリードは怖い・・・・というトラッドルートにははなから取り付くべきでないと思う。トラッドってそういうもんだと思う。
・・といいつつも、ジムが豊富な現代にあってもクラックが練習できるジムはほぼ皆無だし、外岩でしか練習できないというのが現実。初心者にいきなりリードしろって言っても無理なので、そこは経験者がTRはってあげて練習させるべきだと思う。でも、それも5.10台前半レベルくらいまでで卒業じゃないかな~。ある程度登れるようになったら「TRでのリハーサルは絶対しない!」という意識が大事だと思う。そういう気持ちのない人が5.11台以上のトラッドとかに手を出すのは命を危険にさらす行為だと思う。
トラッドクライミングが危険、スポーツクライミングが安全、と言うつもりはないけれど、技術的な問題があればトラッドでは怪我をする可能性が高い。そのことは肝に銘じて登るべきだと思う。
これはあくまで私の意見です(大事なことなので2回言った)。

さて。
これから秋までは沢屋グレードアップに勤しみます!