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必殺、ボーナス払い

昨日は世間がBJCで盛り上がってたけど、朝から仕事。
からの、ICIスポーツに行ってペコマと一緒にATスキー一式を揃えた。
それで年に1度放つか放たないかという必殺技を繰り出してしまった。


完全にゼロから山をはじめた時も結構な金額がかかり、これでしばらくは出費もないかと思ったら、
1年もしないうちにシングルロープだのダブルロープ2本だのとまた大きい出費。
そこからまた1年もしないうちに今度は1個1万もするカムを何個も買う羽目になり。(ここら辺までは学生だったのでガチに辛かった)
それでやっと落ち着いたかと思えば、今度はアイス用のダブルアックスにアイス用のアイゼン。岩に当てるとすぐダメになるスクリューも何本も・・。


そしてそこからたった1年で、今回は今まででも1、2を争うド級出費!
ダブルインカムだからいいんだけど、でも2人分の合計金額を支払おうとするとちょっとドキドキ。
必殺技繰り出すしかありませんでした(^-^)


でも、こんな買い物の仕方ができるのも、私達夫婦が全く同じ方向を向いて生きているからこそ。
本当に恵まれた環境に感謝です。


山スキーはあらゆる山の楽しみ方の中で最後の最後まで残っていた、「やってないです」と言わざるを得ないジャンルだった。いつかは必ずやりたいと思いつつも、冬は縦走やらアイスやら冬壁やらで忙しい。
それでも、今ある東北に住んでいるという環境と、最近の山で感じることがあって、ついに始めることにした。


私達は必死で登攀レベルアップに努めてきたが長期の冬期縦走の経験は殆どない。
同じようなレベルで山をやっている人に比べたら山歩き歴は少ない方だろう。
大学山岳部出身者なんかと比べたらその差は歴然だ。
雪上歩行技術に立ち返るのは決して「今更」なんて言えるものじゃないし、雪山で一番重要な要素はクライミング能力以上にそっちだろう。
今までも感じて来たことだが、今シーズンは何かとそこに目が行くようになった。
山に入れば入るほど鍛えられるものだとは思うが、いかんせんそこまでの有り余る時間はない。


そして2月第一週に参加した山岳医の講習で私は強く山スキーの必要性を感じた。
まず、角谷ガイドの雪崩の講義でのコメントが印象的だった。
「雪崩については、内容が深すぎてとても話しきれるものではない。雪を見る目を養ったり、雪崩のことについて深く知るには、山スキーをやるのがいい」と。
確かに、普通の山行では雪崩地形を避けるが、スキーではあえて雪崩地形に突っ込んで行く。
否が応でも雪を見る目がついて雪崩のことについても勉強しようって気になるのだろう。


そして、私の班についてくれたガイドさんが良かった。
八ヶ岳で無雪期は権現小屋と青年小屋のオーナーをしている竹内ガイドだ。
私たちの班はある程度歩ける人で構成されていたので、ガイドは地蔵尾根の稜線すぐ下辺りの急な雪面で
「アイゼン外してグリセードで降りましょう」と言ってくれた。
脇は切れ落ちてるし斜度はかなりあるし、雪面は硬く締まっているのでみんなタジタジ。
それなのにガイドさんは凄いグリセードテクを見せてくれた。
今まで自分がグリセードだと思ってやってたのはタダの「ちょっと滑りながら下ってるだけ」だったのだ。
ガイドさんはスキー場なら上級コースくらいの斜度の雪面を、山靴でターンまでしてる。華麗すぎた。
私に足りない技術は正にコレだ!と思った。


もともと膝が悪いのもあるが、私は急な下りが苦手。
登りならそこら辺の男性にも負けない自信はあるが下りは遅い。
バランス感覚が悪いんだと思う。そういう所にもともとの運動神経の鈍さが出てる。
でも、一番大切なのはやっぱりそういうところだ。
なにが「冬壁」だよ。なにが「Dいくつ」だよ。
真のグリセードというものを見せ付けられて、山で壁登るのがかっこいいって舞い上がってた自分が嫌になった。


馬目さん達が登ったキャシャールサウスピラーの記録にだって、核心部は壁じゃなく、最後のステゴザウルスの背みたいなナイフリッジの「sugar snow」だったって書いてあった。3人の誰がミスってもアウト、しかも歩きはじめたら後戻りは不可能という非常に厳しい状況だ。そういうところを自分が安全確実に歩ける、と言える自信があるか?
全く無い。
私に足りていない部分が明らかになった。


そんな中、東北生活もあと少しというところで、今のこのスキーに恵まれた環境を利用しない手はないと思った。
関東に戻ったらおいそれと数十万円出してスキーはじめる気にもなれないだろう。今がチャンス。


その考えをペコマに話したら、ペコマも賛同してくれた。
そういうわけで山スキーをはじめることになった。


本当はアイスシーズンが終わったら今度こそフリーに専念して岩場に通う時間を設け、5.13を狙いたいと思っていた。でも、ボーナス払いやっちゃったしな。うまいことフリーと両立してこう。フリーの方の目標も諦めた訳じゃない。


GWにはスキー山行したい!でも秋のヨセミテの準備だってしなきゃ!
どーする自分!
毎日が楽しいっ!!*\(^o^)/*

何者になりたいか

先日のWCMで、私の人生で見た事のある中で一番凄い人間を見た。
自然という余りに強大なものを前にして全く物怖じしない、果てしない強さ、オーラ。安っぽい言葉を使えば、地球人最強?今まで見たことのあるどんな人よりも果てしない強さがあった。
私の価値観でいったら、やはり彼らがあらゆるクライマーの頂点だ。
ああ、これだ!これが追い求めていた理想の姿。
私もこうなりたい!
って思っちゃった。
だから頑張ろう。
まだまだ何年も何十年も登れるんだから、やるべきことは山ほどあるけど焦る事はない。
最終的にはああなりたい。絶対なろう。


それと同時に、山岳医としても少しずつ自覚が湧いてきている。
まだ合格認定はされてないけど、認定医自体はとれなくても中の人として活動を始めたいし、これからガンガン精力的に活動したい。
クライマーとしての目標と医者としての目標がどっちも達成されたら、スーパーマウンテンドクターになれるな。
人生の最終目的地がだいぶ明確になってきた。
スーパーマウンテンドクター目指して頑張ろう。


私の専門科は形成外科だが、この分野からどう山岳医療に繋げられるか。
私は外傷を専門にやりたいなと最近思いつつある。
山岳医療の半分以上が病院到着前の医療、救急医療だ。
だから救急にも精通したい。
数年間救急病院で勤務して、山になんて全く行けない期間が出来るかも知れない。けどそうやって経験を身につけられるなら、最終的に山に繋がるという点ですごく価値のある時間だ。そういう時間も持ちたいと思い始めている。
それにプラスして、専門である形成の分野の外傷治療に強くなる。
凍傷治療を発展させると共に、凍傷を予防する新薬の開発とかに携われたら凄く楽しいだろう。


夢は膨らむばかりだけど、膨らんでないと実現しないもんね!


あ〜強くてでっかい人間になりたい。
気持ちばっかり溢れ出てきて空回り中。。
とにもかくにもWCMに出て本当に良かった。
おらっちがんば!

WCMに初参加!

この3連休はWinter Climbers Meetingに初参加。
錚々たるメンツの中で必死に登って明神の冬壁を満喫してきました。
学ぶことが多すぎでした。


冬壁をやるようになってやっとアルパインのスタートラインに立った、という実感が強い。
山に入っていないとやれないのが冬壁だと思う。
すばやく確実なプロテクション技術、現場での瞬時の判断力、寒さや悪天候に対する強さなどなどあらゆる能力が備わっていてはじめてフリー能力が活かせる場、と思う。
更に、ただの雪やらただの草付きやら、凍った草付きやら雪の乗った岩やら氷やら、ありとあらゆるものが出てきてその都度対応していくのでとても創造性の高いクライミングだと思う。
経験こそが強さに繋がる、ただのフリークライマーには太刀打ちできない世界。
すべてのクライミングの集合体、最終形態という感じがする。


つまり何が言いたいかというと、私がやりたかったのはコレだ!という思いがひしひしとしている。
やればやるほどにハマっていくのが判る。
ああ、もっともっと強くなりたいなあ。


2日目はまさかの稜線ビバーク。
強い風雪のなか厳しいクライミングをこなして(私は結局オールフォローだったけど)最終ピッチの核心部で日没に。8時半くらいにやっと稜線に詰め上がるも悪天候で下降点が判らず、午前1時過ぎくらいまで歩き続けたところで道を間違っているかも知れないと判明。更に、3人パーティの1人が低体温症で動けなくなり、少しでも立ち止まるとガタガタ震えがくる寒さの中、稜線の岩の下に足で半雪洞を掘ってツェルト被ってビバークした。
翌日さらに冬型が強まって天候が悪くなるのも知っていたし、8時半くらいには全員の行動食も飲み物も底をついてしまっていたので厳しいビバークだった。
シェルターも不完全なので風雪が舞い込んできて積もってしまう。行動不能に陥った1人は眠りこんでしまっているので払ってあげないと埋まってしまうといった状況だった。
しかし前日の夜から悪天候の中S字ルンゼを猛烈な速さで登ってきてくれたトップクライマー達が翌朝8時半くらい(?)に私たちを見つけ出してくれ、無事降りることができた。
なんとか指も守れた。


沢山の人にご心配とご迷惑をおかけして、本当にすみませんでした。そして深く感謝感謝です。


自分は歩けるかと思っていたけど、いざ歩いてみるとふらふらだったのでタイトロープのお世話になった。帰りの運転も全然ダメで、ペコマと交代しても次のPAまでつなぐのが精一杯というヨレっぷり。
次に参加するWCMまでにもっと強くなって、冬壁に自分のラインをひけるようになろう。
参加して本当に良かった。
一言で言うと、めちゃめちゃ楽しかった!
参加者の皆さん、お世話になりました!


強くなってやるぞ~。おらっちがんば!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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