2016/03/03
2015-2016冬がおわり、暦上も気候的にも春がやってきた。
そんなわけで、The North Face Cap本戦まであと1週間となった。
この国内最大規模の草コンペに私はここ数年毎年参加している。
フリー能力の向上とモチベーション維持のためというのが自分なりの理由付けだったが、ついに女性の一番上のクラスとなり、考えることも色々あって、そんなのは戯言だということにここ最近気付いた。
私はこの秋冬で自分のやりたいことを再確認した。
その上で、これ以上ボルダーコンペに出続ける意味は無いと、やっと思うことが出来た。
まず一つに、「アルパインクライマー」「オールラウンダー」そんな細かい表現はどうでもいいということ。
「全然山に入ってなくてこれじゃただのフリークライマーだ」
そんなこと、言う必要すら無いということ。
自分が何者になるのかを目指すところにすると、何かと理由付けや言い訳が多くなるように感じる。
やっぱり「自分がしたいことは何か」「どんなことをやることで一番達成感を得られるのか」
その価値観に基づいて生きればいいだけなのだ。
私が今やっていることはすべて何か一つのことに繋がっている、などという裏付けを欲しがるのもそもそも馬鹿馬鹿しい。
全部好きでやっているだけに過ぎないのだから。
私はスポートもトラッドもアルパインも、コンペも岩も雪も氷も、ただ好きだからやっている。
そして一番達成感が得られるのはどんな時かと言えば、山にかっこいいラインをひけたとき。
それでいいじゃないか。
そう考えたら、ボルダーコンペは自ずとこれから先の自分の人生の限られた時間から削除された。
別にコンペに出なければフリー能力が落ちるわけじゃない。
そんなことは重要じゃなかったんだ。
ボルダーは純粋に好きなのだから、これからだって向上したいと思い続けて登り続けるはずだ。
現に、ここ最近はひとつの壁をなんとなく破れた気がする。
今まで出来なかった、苦手だったムーブの克服。
それはパワー系やバランス系のムーブではなく、より運動神経を必要とするような瞬発系のムーブ。
そのひとつのきっかけとして、先シーズンから本格的にはじめたスキーの影響があったように思う。
クライミングには無いスピード感の中で様々な身体の使い方をするスキーを学び、クロストレーニング的にいい効果をもたらしている実感がある。
すごくいいことだと思う。
ボルダーコンペに出ることから、これまで沢山の学びを得られた。それは充分身になっていると思うし、経験できてよかったと思っている。
今後はその経験も活かしつつ、引き続きフリーも頑張り、コンペに出ないことによって得られる時間や労力その他をもっと他の何かに費やそうと思う。
この秋冬はそうした気付きもあり、クラック、特に花崗岩への自信という収穫と、自分のスキー能力も飛躍的にアップした実感という収穫もあって実り多いシーズンだった。山での登攀はほとんど出来ていないけれど、必ず来期に繋げられると思う。
だからTNFCapは今回で最後にする。
あと1週間はマジメに調整して、最後のお祭りを精一杯楽しみたい。