2017/02/28
2017/2/25 日光月山 雄滝 登攀
2年前に青鬼として発表し、新版アイスクライミングにも載った日光月山西面にあるツインの大氷瀑。2年前は1、3Pをリードさせてもらったもののどちらもテンションが入り、傾斜の強い2P目は「こんなところをリードするなんて信じられない!」と思いながらフォローで登った思い出深い雄滝。
今回はどんな表情を見せてくれるのか、自分がどれくらい太刀打ちできるのか、ワクワクさんです!

2年前にこのエリアを訪れている青鬼メンバー5名と、日光月山は今回がはじめての強強ワールドカップアイスクライマーI原さんも加わり総勢6名によるわいわい合宿です!青鬼まっちゃんの声かけで計画が進んで行きました。
除雪が入らないと雪に閉じ込められる可能性もある場所なので、フォレスターとエクストレイルの2台に乗り合わせて突撃です。
しかし2月上旬の冷え込みを最後にぽかぽか陽気が続く関東平野。この週末も日光有料道は雪一つなくお日様キラキラ。
アイスピックとアイゼンの前爪をビンビンに尖らせて来たことを早くも後悔し始めます・・!

ダムへ向かう林道は除雪ばっちり。ところどころ凍結も。途中、目指す夫婦滝が見えました!
いた。いたにはいた!でも何だか黒っぽく透けてて薄そう〜・・!?とりあえず行くだけ行ってみよう・・。
車内では転戦先候補が続々挙っていくのでした(笑)
ダムに先客はナシ。さっそくエクストレイルが深雪にハマって牽引などのドタバタがありつつも、パッキングをしてアプローチすることにしました。

雄滝に到着。うーん、なんか細い!これは〜どうなの?みんな若干ひきぎみです^^;

確かに2年前の立派な氷結をみているだけに今日のは何とも心細いお姿。「あらら〜・・」「これは〜・・ヤバいですね〜〜(苦笑)」としばし雄滝を見上げ口数が減る一同。私も「かなり際どいクライミングになるのかな」と不安になりつつ登りたい気持ちは抑えられません(笑)。

近くで見れば意外と良いってこともまあまああるので、接近してよくよく見てみる。1P目はラインを選べばなんとかなりそうです。2P目は・・カーテンの厚みは何とか。左側を水がじゃーじゃー流れてるのは2年前と同じ。氷質は・・ここからだとよくわかりませんがつららの結合が甘そうには見えます。
とりあえず1P目終了点からはバンドを降りられるので、1P目の中程で進退窮まらない限り敗退は可能です。
「2P目はやめたほうがいいと思う。少なくとも僕はリードしないよ!」と引き気味のペコマ。
まっちゃんI原さんペアも「今日はひとまず雌滝でいいから、どうぞ」と譲ってくれました。
・・マジで?^^;ならば行くしかあるまい!!

家で話し合っていたときは、じゃんけんで勝った方が2P目、負けた方が1、3P目ということで合意していました。しかしこのときのムードは8割方1P目で終了し降りてくるという感じになっていました。じゃんけんしたらペコマが勝って、1P目をリードすると言います。リードじゃんけんで負けたのは久しぶりですが、2P目をリード出来る好機ともとれます。とりあえず行ってみますかね!(ワクワク)

ペコマがリードを開始!時間は10時半。午後になると陽が当たり始めるので早めに抜けたい所です。右寄りのラインどりですすみます。

水流が透けて見える薄い氷を壊さぬよう、そっとカリフラワーに立ちこんで丁寧に高度を稼ぎます。でもアックスの刺さる音は安心感があり、氷は比較的しっかりしていることが伺えました。

ビレイ中、様々な角度から見れば見る程に、2P目ぜんぜん登れそうという確信が強まり、不安は消えて行きました。同時に闘志メラメラです。よっしゃ、やったるぞ。ペコマがんば!

フォローしてみると氷は予想よりも厚く硬かったです。アックスも気持ちよくきまり、1P目終了点へ。ついに目前に迫った2P目はやはり「いけそう」に見えました。さあ、どこから登りましょうか!

2年前はおむすび型の巨大カリフラワーのてっぺんまで左へトラバースしハングを越えて行った我らが王子(もとい某A澤氏)。今回はペコマの助言もありアンカーから直上のハングが比較的弱点に見えて来ました。かっこよさ無視のワイド登り駆使で節約ぎみにハング越え!

最近教則本とかで得た知識で氷のことがほんの少しだけ分かって来ました。この2P目は本当に面白い形に凍っているのですが、つららが結合してカーテンを形成するのに加えて左側をジャージャー流れる水しぶきによってスプレーアイスが形成されているのじゃないかと思いました。氷質はバッチリ!カナダで肝を冷やしたweeping wallのもろいつらら地帯に比べれば安心感抜群でした。2度ハングを越えると最後は素直なバーチカル。凹角状をいけば楽でした。
最後までバージンアイスを堪能。やったー完登だ!

そして迎えた最終ピッチ。2年前に感じた威圧感はもうありません。それは人が登れる事が既に証明されてしまっているからっていうのもあるだろうし、自分自身の成長もあると思いたいところです。
正面は水が流れているので側壁の凹角を攻めました。ペコマリードで完登!

マルチはこの高度感がたまりません!

2年前はリードでテンテンになってしまったこのPをフォローで進んで行きます。そして終了点が見えました。
前回はもっと氷は厚くて雪も多く、最後は雪庇を切り崩して這い上がりました。
はじめに思ったのは、「ああ・・・・懐かしい!」
また来ました、この場所に。2年前に一緒に登った2人の笑顔が浮かびました。
クライミングって楽しいな〜!

登攀終了は15時前。登攀時間5時間ほどでした。懸垂は60m2回で地上まで。隣の雌滝を下降中の4人が見えました。

無事地上に到着。お疲れ様でした〜!さ、宴会宴会!♪