2017/10/29
雨ばっかりだけれど、クライミングは楽しいですね。
9月あたまにイタリアから帰ってきてから、まともに登れた週末は数少ない。外に行けないとメンタルポイントがどんどん減っていく。
乾いた岩を触る、あの至福の瞬間が恋しい。I miss you...

でも、今季はフリーにまた力を入れようと心に決めたので、ジムのモチベーションも高く保って、なるべく心乱されないように努めてきた。そもそも自然現象に一喜一憂するなんて馬鹿げてる。とにかく今できることを精一杯やって、来たるべき日に備えよう。
弱い心がちょっと萎えるたび、そんな風に言い聞かせながら。
やっとぶっちゃけられる精神状態になったのだけど、かれこれ1年くらい前から、私は長らくスランプに陥っていた。
Div1で準決勝まで行ったTNFCupが終わり、Yosemite Noseを終えて、実りある日々を過ごしていたのだが、昨年9月に某所で手首を痛めてからというもの、まずメンタルのスランプに陥り、そこからフィジカルもダメになる悪循環にはまっていって、更に悪いことに、今年6月にはクライミング10年目にしてはじめて指を故障した。

8月、9月と海外クライミングを控えていたから、その気合いづけにと8月頭にはベースキャンプのリードコンペに出てみたりもした。だけどその時もまだ心のスランプから抜け出せておらず、コンペは惨敗。つづく海外クライミングも結局大した成果のないままに終わってしまった。
フリークライミングに集中する期間だけをカウントしても、丸1年間くらい停滞してしまったし、ここ最近は後退すら感じていた。
もう前のバリバリ登っていた自分には戻れないのかも・・と自信を完全に失っていた時もあった。
そんな中、やっと心のエンジンがかかったのは今年9月のイタリア遠征。

二人の強いクライマーの登りを目の当たりにした。
一人はSくん。1年半前、何度か一緒に登ったりした強強さんだが、急な病でしばらく休養を余儀なくされていたのだ。
このイタリア遠征で久しぶりに一緒に登った彼は完全復活していた。それを見て「私は1年間なにをしていたんだ」と目が覚めた。
それからもう一人は、いつも一緒にいるPくん。Pくんは強いけど、外岩、とくにクラックに関しては、ここ最近は私より行けてない。でも普段ジムでは精力的に登ってメキメキ強くなって、「ジムの初段全部おとす」とか言ってる。
そんな彼は外でも強かった。スコーミッシュに行った私と比べたらはるかに久しぶりなはずのクラックにも見事に対応して、素晴らしいフィジカルの強さでワイドの5.11とかまで2撃してた。それを見て、「ジムで一所懸命トレーニングしたことは外でも通用するんだ」って、そんな当たり前のことを見せつけられた。
この二人が、私の「やる気スイッチ」を見つけてくれた。
帰国後、まず身体を作り直すところからはじめた。どうあがいても1年間できなかったことだが、スイッチが入った後は予想以上の急ピッチで身体ができてきた。そして懸案事項の指についても、「痛い痛い」って言ってるだけじゃなく、せっかく医学知識はあるんだから、ちゃんとよく考えてみることにして、力の入れかたとかもろもろ、工夫していった。そうしたら中指くん、少しは機嫌を直してくれて、10月に入ってからはかなり登れるようになってきた。週2以下に減らしていたジムトレも、今は4連登くらいしてもなんとかなる程度にまで回復してきた。
とまあ、やっとマトモに登れるようになってきたというのに、やはり週末は雨が降る。
でも先日は久しぶりに静かな瑞牆の森でゆったりとクライミングを楽しめた。
たった1日でメンタルポイントはMAXまで回復。
その代わり登りすぎてしまったようで翌日は中指が終了してたけど。
というわけで今季は引き続きフリーを頑張りたい。
冬にはアイスやスキーもしたいけど、フリーに一番ウエイトを置こうと思っている。

やっぱりクライミングは楽しいな。
もっと強くなって、もっと楽しめるように、中指もいたわってあげなきゃ。
日本各地にいる片思いの彼に思いを馳せながら・・・・・雨だからジムいくか(´-`)