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1129の日に本気出して肉を焼いた。

年に一度の11月29日は、日本語を母国語とする人ならだれもが「いいにく」を食べたくなっちゃう日です。

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なんでだろう。不思議だね!

今回はお店研修ではなく、これまで学んだことを踏まえ、おうちで実習スタイルの部活を敢行することにしました!


いいお肉はちゃんと調理してこそ本来の味が引き出せるもの。
だから素人がむやみやたらに手を出すのはお肉がもったいない。そう思ってました。
でも部活だから、レベルアップしていかなければ意味がない。
失敗をおそれていたらいつまでも次の段階へはすすめません。
ということで今回は、果敢にも憧れの「中勢以」のお肉をお取り寄せしちゃいました!


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熟成肉の老舗「中勢以」。
しかも、今回はカットされている無難なお肉ではなく、部活らしく300gの塊肉をチョイスです。
イチボとシンシンの塊。予算的にこれが限界でした。


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残念な誤字あり・・・

今回はビビアンをご招待して試食してもらいましたが、本気のいい肉なので会費制にしてもらいました。
メニューは全部でこんなかんじ。
SATOブリアン本店のコースを食べに行って、ワインも二本くらい楽しめる程度の会費を頂きました。


イチボの塊は半分をローストビーフにして冷やしておきたかったので、会が始まる前にカットして調理しました。
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ということで切る前に写真撮影。
イチボはモモの中でも赤みとサシの割合が絶妙な人気部位。人でいうお尻のえくぼのあたりだそうです。


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お肉は繊維と直交するよう切るのが正解ムーブ。食べる時感じる柔らかさが段違いだそうです。
こんな高級肉の肉切り作業からやったのは今回が初めてで緊張しました。
この牛刀は非常に切れ味がよく、お肉もとても柔らかいので切る時の感触といったらもう、悶絶ものです。
ニトリはたまにお値段以上!


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みんなまぁ堅気の人じゃないので、1129を求めて早めに仕事を切り上げ集合してくれました。
部員の鑑ですね!


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ビビアンチョイスのニヴォラ ランブルスコは微発泡の赤。泡までミステリアスな赤紫色です。飲みやすいのにいろんな味がして濃厚クリーミー。すっかりテンションうなぎです!(肉か!)


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中勢以のお肉だけじゃボリュームが足りないので、これまたお取り寄せ、熊本県産馬刺しです。
ヒレ、コウネ、上霜降りそれぞれ250g。馬は肉肉しいのにあっさりだからいくらでも食べられます。脂の塊のはずのコウネもぱくぱくいけちゃう。


お次に、青鬼のGTが北海道の地で撃ち取ったエゾジカさんのシカク(モモの部分)、さいごの150gが残っていたのでローストにしました!
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無煙ロースターで表面をさっと焼いてレアなままやすませる。火入れ加減は、いただいた1.3kgの鹿肉を少しずつ試行錯誤で調理して、ここへ落ち着きました。


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うまとしかの競演!これがほんとうの馬k(ry


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さて。宴もたけなわですがここで真打、中勢以のお肉お披露目です!鼻紋がかわいすぎ♡


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まずはさきほどカットしたイチボの焼肉!


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いいお肉はやっぱりシンプルに塩で味わいたい!ということでシンプルと言いつつ色々用意してみました。


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続いて、50度で1時間半調理したイチボロービーです!


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カットしてみたら、思ったより熱が通っている。でも食べてみると丁度いい火入れでした。熟成香薫るローストビーフ!噛み続けるほどに旨味が広がる、奥深い味。ああ、悶絶。
中勢以イチオシの「みそたまり」というたまり醤油も最高に合いました。


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おつぎはシンシン〜!こちらは手付かずだったので塊を披露できました。写真がないけど。。


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この半分を2cm厚ステーキに、半分をすき焼き風で頂きます。牛刀を縦にいれるとさっくり、ふわぁ〜〜〜♡♡
なにこの感触!脳内御花畑!
ミートスライサーも憧れるけど、私はこの「肉を切る感触」が大好きだということをこの日知りました。
いいお肉って、キレ具合も最高なのね〜〜〜(。>ω<。)


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で、半分をさっそく無煙ロースター"ラニーくん"にオン!


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さっと表面を炙る程度に焼いて、あとは休ませておくだけでこうです。きゃ〜〜!!熟成香でお部屋がタイヘン★


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残りの2cm厚のお肉をすき焼き用肉にスライスするのが結構核心でした。でもものすごく楽しい時間でした(笑)。
よく熟成され繊維がほどけるような柔らかさのお肉とお値段以上のニトリのおかげで、不格好ながらなんとか形になりました。
精進せねば!


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ビビアン部員のいい顔!いただきました!美味しい美味しいって食べてくれて嬉しいなあ。冥利に尽きます。


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お肉とともに、美味しいワインもガンガンすすんでます。こちらもビビアンチョイスのマンモス ジンファンデル。
いつもお肉にはニュートンナパバレーのようながつんとくる濃いやつを合わせていますが、今回のワインはどちらもパンチ弱めながら、色んな味と香りで非常に複雑な味がするのです。危険なほど美味しいのです。小悪魔ってかんじ。


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ひとしきりお肉を満喫したあとは、三宿ランマスの美味しいチーズとワインで楽しいおしゃべりに花咲かせ。クライミング談義にはじまり、話題は二転三転、尽きることがありません。時間はあっという間にすぎていきます。


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シメはルタオのケーキ盛りあわせとビビアンの台湾みやげ、パイナップルケーキでした!
ごちそうさまでしたー!


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すでに確信していますが、「美味しいものを食べる」ということはとりもなおさず「楽しい時間をすごす」ということです。
「食事」とはただ栄養やカロリーを生きるために摂取する行為ではなく、「楽しい時間をすごす」ということなんだと思います。


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これからも楽しくて豊かな時間を大好きなひとたちと共有していけたら嬉しいです。
これにて1129完結!
部活動は続く!


瑞牆 現人神をピンクポイント。

イタリアから帰国後、身体づくりをしつつ、憧れのルートに通っていました。
瑞牆「現人神」です。

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昨年の7月にはじめて見学に行き、巨大なルーフのかっこよさに一目惚れ。
これを登りたい!と心の底から湧き上がってくる衝動がありました。
そんなルートとの出会いってとっても貴重だと思います。ま、私は惚れっぽい方ですが(笑)。

その年の秋に一度行ったのがいつだったか覚えていませんが、岩が濡れていて敗退でした。

それから一年、満を辞して今年の10月1日、ついにトライを開始しました。


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下部スラブはアプローチながら、なにげに5.10aくらいはあるように感じる。かつロープの流れの関係で15mほどにボルト2つのみ。毎回こわいのです。。


はじめの日はボルダーの翌日で身体ばきばきだったのもあり、強風で寒すぎて心も萎えてました。
テンテンでルーフ部分をトライしていたとき、ペコマと同じムーヴができず試行錯誤していたところ、
「あれ、もしかしてコレ、右クラック限定で登れるかも・・?」
と可能性を感じつつ終了。
このルートは現在は限定をせず5.12bとして登るのが一般的なようですが(その場合ムーヴはクラックというよりフェイス的になる)、初登者の南裏保恵さんは右クラックのみで登っており、5.12dとグレーディングされています。
クラックは手のサイズとか色々あるので数字は目安程度ですが、初登者と同じスタイルで登れるならこんなに嬉しいことはありません。

そうして心沸き立ちはじまった10月は呪いに呪われており、現人神に行きたくて仕方ない私をあざ笑うかのように、雨雨雨の連続で過ぎて行きました。


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下部をこなしてルーフの真下に入るとその立体感に圧倒される。


そんなわけだから11月に入る頃になるともう、現人神への想いははちきれんばかりになっていました。天気予報とパートナー探し、会いに行ける日を心待ちにしながら、しかしあまりの遠距離(近くて遠い?)に気持ちも萎えかけてました。
そう、遠距離恋愛苦手なんです・・・・

そんななか、11月第2週にやっと二度目の再訪が叶いました。この頃には肉体改造もかなりいい感じで、相変わらず休日に雨のよくふる外岩での成果はそれほどなかったものの、ジムではかなり調子が出てきていました。ボルダーではBC東京で二級までならだいたい一撃、1級や初段もいくつか登れたりするくらい。BC入間にも最低週1は行くようにして、リード力も戻りつつありました。


さっそく右クラック限定でムーヴを試してみると、テン山ではあったもののムーヴが繋がりました!


その後リードでもう1便出して、さっきよりいい感じにムーヴを微調整。最後にギア回収便でTRトライにて、ワンテン!
これはもう今すぐにでも登れる!そう思いました。でも北東向きの岩場は、この時期になると午前10時から遅くとも14時半くらいまでが限界。尾根の上から風が吹き込む場所でもあり、厳冬期用の装備で居ても寒いくらいです。
来週登る!と確信を胸に帰路につきました。


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ルーフシンハンドをこなしたあとはマントルを返してからのワイド。すこーしかぶってるので体幹の力を抜いたら落ちられるワイドです(笑)。

しかし、それからの1週間がまた長く苦しい1週間でした。
先週の感じだと、あまりに寒くてそろそろ来週くらいが限界そう。ここは現人神しかないからパートナー探しも一苦労だし、それなのにまたしても週末は雨マーク!

でも、やっぱり自然現象に一喜一憂するのは賢くありません。
現人神を登れる実力はありそうだということは分かった。実際登れるかどうかは別としても、そのうち登れるのは確実なのだ。
だから結果ばかりを追い求めて大切なことを見失ってはいけない。
とにかく今できることを精一杯やるのみだ!と言い聞かせ、平日はいつも通りジムトレに勤しみました。
心を落ち着け、心を落ち着け、やっと迎えた週末!

雨あがりだったけど岩は大丈夫!
あとはもう、やれることをやるのみだ。
そわそわする気持ちを抑えて3トライ、出しました。
1便目はやっぱり身体が動かない。下部のランナウトスラブも力が入る。ルーフ部分でワンテン入ってしまいました。でもまあ、アップね。
2便目、ペコマが私のセットしたギアでピンクトライしたあとだったので、私もひとまずそのままピンクトライすることにしました。
そうしたら1便目とくらべしっかり身体が動き、よれるルーフ部分のレイバック、からのシンハンド3発、そしてハンドをねじこんで、ガバへデッド!さいごはワイドをずりずり上がって終了点へ。ピンクポイントできました!
その後、その回収便(ルーフがルーフすぎてフォロー回収が必須)をペコマが出してくれたのですが、ルーフ出だしの緑エイリアンがスタックして、薄着でいったペコマは体の芯まで冷え切って虫の息で帰ってきました。
結構時間がかかってしまい、もう岩場は日陰の世界です。


でもどうしてもRPしたくて、駄目押しの3便目を出しました。
ですがクラックにジャミングしたとたん、クラックの中が氷のように冷たくて、みるみる手足の感覚が麻痺していきます。
レイバック体制に入った時、手に全く力が入らずテンション。
こうして今シーズンの私と現人神の物語は幕を閉じました。



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冬休みはジョシュアって話もあったりで紆余曲折をへて、なんとタイのプラナンへ行くことが決まりました!
今、めちゃめちゃ寒さに強くなってると思いますが、これからは耐暑訓練と石灰岩の訓練をしないとね・・


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もっともっと強くなるぞー!

WALS講習を受けてきた

Wilderness Medical Associates Japanが主宰するWilderness Advanced Life Support(WALS)講習を受けてきました。
http://www.wildmed.jp/wilderness.html

名称未設定


昨年に引き続き2度目、リフレッシュでの参加です。


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フィールドワークにて。傷病者評価中。


このコースはワールドスタンダードになっている野外災害救急法の医師向けコースです。
基礎的な医学知識や患者初期評価、ALSなどは学んでいることを前提として、更にその先にある野外救急ならではの難しさだったり工夫、頭の使い方などをディスカッションするというのが主な内容です。
山の中だけでなく、街中や病院での医療が通用しないありとあらゆる場所で、医療者として何ができるかを、WMA PresidentのDavid Johnson(DJ)に指南してもらいながら、皆んなで一緒に考える場。
ものすごく頭を使うし、朝は8時半から、夜も夕食をはさんで22時くらいまで、座学とシミュレーションをみっちり行います。


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今そこにあるもので最前を尽くすという考え方を学ぶ。


この5日間の時の流れは本当に濃密。全行程が終了した帰路では「しっかりとトレーニングを受けた」という充実感と疲労感がすごいです。2日経った今もまだ、その余韻に浸っているような感じです。
そして、前回開催からたった1年しか経っていないのに、内容はほとんど全てのカテゴリでアップデートされているという素晴らしいスピード感!DJに「毎年アップデートできるよう心がけているけど、今年も受けてよかったと思う?」と聞かれ、「本当によかったと思います!」と力強く答えました(笑)。


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尊敬するDJと!


そしてこのコースのもう一つ素晴らしいところは、山や自然、アウトドアアクティビティを愛する日本全国の医療従事者とお知り合いになれること。そして、DMATや救急医療の現場で日々Emergency Medicineに携わっている医師や看護師、救命士の方々と交流できることです。

DJ自身が38年にわたって北米でばりばり救急医をやってきた実力者。かつ、アウトドアアクティビティも幅広く嗜んでおられます。
こんなに天気の良い秋の3連休に岩登りができないなんて、普段の私ならフラストレーションが溜まりに溜まってしまうところですが、講習が楽しすぎて、ここにいるスタッフ、講習生、全ての人たちが素敵すぎて、全くと言ったら嘘ですが(笑)、岩のこともすっかり忘れてしまうほど没頭できます。


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朝は飯盛山まで走ったり!


私が認定山岳医講習を受け始めた6年前は、どちらかというと仕事よりも自分のクライミングがしたくて、大手を振って山に行けるようになりたいからとりあえず受けてみよう、くらいの気持ちしかありませんでした。
それが6年たった今では、日本の山岳医療の発展について本気で考えはじめています。その年月のなかで熱い想いを抱く沢山の同志と出会い、漠然としていたその理想がいまや実現可能なものに思えています。
そんな「変革」のほんの一端でも自分が担えるのなら、こんなにワクワクすることはありません。


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トレイルランナーの先生方にひっぱってもらえてこの美しい景色が見れました。みんなすごくいい顔!


相乗効果で、普段の診療のモチベーションも上がっています。数年前はいやいやだった病院の全科当直も、救急医療を学べる貴重な機会と思えばとても楽しいです。


ところで、講習が終わって久しぶりに出勤したら、今年の7月に参加させて頂いた「東北の高校生の富士登山2017」の報告書が届いていました。

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この富士山での3日間も、山を愛する人たちと未来に不安と希望を抱く若々しい高校生たちと交流できた、とても素敵な時間でした。活動報告や感想文などを読んでいるとその時のことが蘇ってきて、自然と笑みが溢れました。


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ディスカッション中。


改めて、私は山が大好きで、山が大好きな人たちが大好きで、そんな中で一生を過ごしていきたいと心から思いました。
「山を仕事にする=プロクライマーになる」ことは、実力的にも無理だし、そうしたいとも思いません。医師というプロフェッショナルとして山と深く関わっていくという生き方が私の道だと、今はそう信じています。
救急隊とともに現場に行ける山の医者。
何年何十年かかるか分かりませんが、必ずその未来を実現したいと思います。
今回またモチベーションUPさせてくれたWALS講習に感謝。お世話になった皆さん、本当にありがとうございました!


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講習の山場となる大規模災害のナイトシミュレーション、出陣前の集合写真!


・・・さて。とはいっても、まだまだ自分のクライミングがしたい気持ちも強いお年頃・・・ということで^^;
今週末こそは、登るぞー!!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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