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2018/3/18 巻機山 米子沢 バックカントリースキー

週末は巻機山米子沢に行って来ました〜!



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広大な米子沢上部



2015年のほぼ同時期にペコマは滑りに来ている巻幡。(記録はコチラ
でもその時は井戸尾根を登って、下りも井戸尾根を落としました。米子沢に行きたかったけど経験実力不足で不安を感じやめたそうです。


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地平線まで続く雄大な谷川連峰をバックに、スキーをかついで高度を稼ぐ



今回は米子沢に挑戦!
これまでスキーでも尾根ルートがほとんどで、本当にスキーヤーしか入らないような地形に入り込むことはほぼありませんでした。
スキー山行を計画しても、本気山行の合間の余暇というか、いわゆる"fun"みたいな位置付けだった気がします。
でも、滑りに自信もついてきて、そろそろスキー山行そのものもレベルアップしていきたい!という気持ちが湧いて来ました。
ということで、今回はちょっと挑戦です。


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抜けるような春の青空!



2月の連休にもスキーガイドさん(ガッツリ知り合いの知り合いというお決まりのオチw)に言われました。スキーとクライミングは性質が違う気がすると主張する私たちに、「上手くなりたければ、方法はスキーもクライミングも同じ。どれだけ岩に触ったか、どれだけ滑ったか、それだけです。たくさん滑れば色んな雪質や色んな地形を経験して、必ず慣れるし上手くなる」と。
というわけで、これからは山でも攻めた滑りをしていきたい。もちろん安全第一でね!


とはいえ、やはり経験が浅いので"GO!"を決断する判断材料に乏しい。
事前のネットサーフィンでは、数日前に米子沢に入った記録があり、クラックが散見されたとのことです。
登りながら状態を見て、無理をせずまた井戸尾根もありか・・。
などと悩みながら就寝。


3時半に家を出発して6時頃には入山点に到着。すでに5台くらい車が停まっており、準備中のスキーヤーも居ました。
やっぱり大人気!
準備をして6時半歩き始めました。



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井戸ノ壁までは静かな疎林をシール登行。米子沢橋を渡ったら井戸尾根に上がりますが、はじめはだだっ広い斜面に小さな地形があるのでルーファイが少し複雑。ペコマは前回と比較し「雪少な!」と驚いてました。



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井戸ノ壁は斜度があるので、途中からスキーを担いでつぼ足。雪が少なく、深いツリースポットだらけで地面見えてます。担いだスキーが潅木に引っかかりまくります。もうちょっと北側の夏道よりの斜面ならまだマシっぽかったけど、もし滑ることになるとしたらあまり楽しくなさそうなのは想像に難くありません。。


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井戸ノ壁を上がりきると一気に視界がひらけます。背後には上越のマッターホルンが!


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そしてここまで来ると、ついに見えました!深く切れ込んだ米子沢の下部が見えます。さて、状態はどうかなー?



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やはり雪は少ない。随所に広範なデブリ、ところどころ露出した地面、そして極め付けは、1箇所滝が見えています。
勢いある水流とつるっとした岩肌。側壁のトラバースで回避は不可能ではなさそう。
でも果たしてこれは行っていいものなのか?どうなのか?普通はどうするのか?全然わかんない。
どうしよっかーと言いながら、とりあえず登り続けます。


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ニセ巻幡手前の斜面は急なので、右の緩斜面を大きく回りこむか、ツボで直登します。左側の大斜面には全層で雪崩れた跡が。


天気がよくて、とにかく景観が壮絶!


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正面の急斜面をつぼで直登しました


ニセ巻幡ではシール貼ったまま、ヒールだけ固定しコルへ滑降。ふたたび広大な雪面を登ります。


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空に向かって昇る



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山頂はもうすぐ!


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山頂には11時頃到着!4時間半くらいでした。風も少なく、暖かな山頂でしばし休憩しながら米子沢を落とすかどうか作戦会議。



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この時、ほぼ同時に登頂したソロのスキーヤーと話をすると、米子沢に行くと言います。「前回も米子沢を諦めて尾根ルートだったし、今回は沢に行ってみたい!」とペコマ。よし、行ってみよう!



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スキーをはいて準備していると、登って来た二人連れのスキーヤーが
「沢行かれます?米子沢」と話しかけて来た。
「はい・・私たちも迷ったんですが、ソロの人も行かれるって言うので、行っちゃおうかなっ(笑)と・・」
すると「そうしましょそうしょましょ!私たちも行きます、あとから!(笑)」
そうか、みんなあの滝を見て迷ってたのね・・と思うと、自分たちの判断はあながち間違ってなかったようで何だか嬉しい。

さあ、ついにお待ちかね。広大な沢へドロップです!!





お昼前で適度に緩んだ雪面、これぞ春スキー!!


滑降2
滑降3

ひゃっほ〜〜〜!!


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山頂から南に伸びる広大な尾根をまっすぐ落とし、米子沢へドロップイン!地形を見ながら気持ちよさそうなラインをせめていく。



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天然のハーフパイプ!楽しすぎてアドレナリン全開!


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沢が狭まって来る。両岸、とくに右岸の側壁はおそろしげな雪庇やデブリが随所に。日も当たって暖かい。
さっさと降りたほうがよさそうだ。


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ソロの人も追いついて来て、気持ちよさそうに滑り抜けていく。帽子が素敵。


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あ〜〜楽しいね〜!スキーを履いているからこそのライン取り、快感。アドベンチャラスで、初心者の私たちにはほどよくスパイシー!


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デブリを避けて・・


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あの出ちゃってた滝はもうそろそろかな


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結局ここはスキーを外して右岸をつぼで降りられました。側壁トラバースだとけっこうな高巻きになりそうで、また沢に降りられるかわからなかったので歩けてよかった。



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12時40分、戻って来ました。
やっぱり下りはあっという間だな〜。
車の台数が2倍くらいに増えてました。



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今回はジオグラフィカでトラックを記録してみました。山頂から標高差1500mを滑降できる、最高に爽快な沢ルートでした。
スキーはじめてよかった!少し自信もついたし、今後のステップアップに繋がるスキー山行になりました。(&100名山もゲット!)
今シーズンはプチ"Climb & Ride"にも挑戦します!

2018 3/10〜11 東北ツアー 二口渓谷 「風の洞」 , 蔵王仙人沢 大氷柱

この週末は、知り合いTさんの東北ツアーの計画に便乗させてもらい、強強さんたちに混ぜてもらってアイス、ミックスのゲレンデで遊びました。


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行きははやぶさでGO!


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二口渓谷の奥の方のエリア、「風の洞」。


2011年から二年間仙台で暮らしてはいたものの、当時はまだダブルアックスのクライミングをはじめたばかりの超初心者。せっかく二口渓谷とか黒伏山とかに通える環境にあったのに、一度も行かないまま二年が終わってしまいました。
蔵王仙人沢も一度だけ連れていってもらい、大氷柱をTRでお触りしたのみ。


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下までつながるのが稀という氷柱"二刀流"は今期完全氷結し登られたものの、この日はすでに上部が離れて独立したタワーに。恐ろしくも見事な、まさに壮観でした。このハングから絶え間なく注ぐシャワーが風にあおられ、隣のミックスルートを登っているとびしょびしょに!


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はじめに登ったアイスルート、"独眼竜"。



いつか必ず再訪したいなと思っていて、少しずつではありますが自信もついてきた今日この頃、この計画を聞いてとびついたわけです。


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フィジカルブラザーズM7-?


はじめての二口渓谷はとても刺激的でした。
圧倒的などハングにハンガーがたくさん。まさにスポート的ゲレンデです。アイスやミックスのラインは氷が結構溶けてしまっていてシーズン終わりといった感じでしたが、私もTRで1本だけお触りさせてもらって「たのしい!」と興奮しました。


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出だしはガバガバなんだけど、氷に入る手前、最終ピンの周辺が手も足も悪かった。ひさびさどパンプ!


WIも楽しいし、完全なドライも面白いけど、やっぱりミックスが一番達成感があって充実します。色々出てくる感がいいのかな?
岩から氷に乗り移る系ルートは去年のカナダで初体験して以来、明らかに好物だと思います。自然な造形の弱点をついて登る感が冒険ちっくでたまりません!
エリアもいっぱいだし、来季はもっと早い時期から通っちゃいたいです。今から楽しみです。


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大氷柱!


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お天気も最高でした。


二日目の仙人沢も、五年ぶりという感慨がありました。しかも大氷柱は二段目まで氷がつながっているという大変レアな状態で、氷が途切れ完全に雪田となる最上部までつなげて登ることが出来ました。
シーズン終盤ということもあり、本来つるっとした凸面のはずの核心部はかなり掘削作業がすすんでいて、クライミング自体は簡単でした。かつ氷質がよく、スクリューもばちぎき。
氷の難しさからいったら、錫杖2ルンゼの最終ピッチの氷壁が今シーズン最難だった気がします。


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ファンチャイムをトライ中のNさん。氷と岩の境界線を豪快に登るどハングM9!私もこれ絶対登りたい!と思いました。来シーズンの目標!!


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広いし綺麗で安かった!


土曜日の夜は蔵王ライザワールドの素敵なロッジに泊まって7人で大宴会でした。
食当Oさんの手際のよさと料理の旨さに感動!
お酒も強いのばっかり、明らかに飲みきれない量あります(笑)。
コンペでガンガン活躍されている強強さんたちとトレーニング談義で盛り上がり、腕相撲して、夜更かししました。


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宿の手配から食事まで、今回は何から何まで任せっきりでした。ありがとうございます!


私は山歩きからはじめて、バリエーション登山をやりたくなって、そのためにフリークライミングをはじめました。
私の中ではクライマーの頂点はアルパインクライマーです。そして強いアルパインクライマーは例外なくフリーも強い。
高いフリー能力こそが山中での安全なクライミングにもつながるので、フリーをおろそかにしては駄目だというのが持論です。
数年前までTNF Cupに毎年出ていたのも、フリー能力を維持するモチベーション作りの一環でした。


同じアプローチが、きっとアイス、ミックスにも言えるんだろうなとは思います。アイスコンペに出ることにして、そのために人工壁で練習すればきっと山のミックスもより早く、安全に登れるようになると思います。
でも、コンペのために全力を尽くすことって、思っている以上にたくさんの時間とその他諸々が犠牲になります。
それはボルダーコンペに出続けていて年々痛感し、結局二年前の大会を最後にTNF Cupに出るのをやめました。


たぶん、ここ数年で私のやりたいことはほぼはっきりしたので、"アイスコンペ"はとりあえずいいかな、と思っています。
山と外岩で、楽しくこつこつ技術を磨いていきたい。


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最終日の夜も仙台に一泊。利久で晩酌セット。


私はこの3月いっぱいで今の職場を退職します。
卒後九年、大学在学中から数えたら十五年も今の組織にお世話になりました。
その恩は深く感じているし、今後も何らかの形で還元できたらという気持ちはあります。
でもひとまずこれからの二年は、自称"Climbing Bum"として、山中心で生きて行きたいと思ってます。
今までは「休み取れないし」とか「今の自分じゃ実力不足だし」みたいな逃げ腰のところがたくさんありましたが、
これからの二年のモットーは"とりあえず行く!やれるだけやる!"です。
(あ、モチロン"安全第一"です)


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帰りはやまびこでゆっくりと。平泉うにめし!


というわけで、5〜6月は憧れのアラスカに行ってみることにします。


旦那さんは当然、そんな長い休みは取れません。その2ヶ月は別の青鬼メンバーと行動するつもりです。
山をはじめて十年、ペコマとずっと一緒に歩んできました。
経験も実力(?)もほぼ同じ(体力は雲泥の差だけど)。ずっと同じ方向を向いていて、いろんな山に登ってきました。
趣味も価値観も同じでいいね!って、色んなひとに言われてきて、とてもレアなことだし幸せなことだなと、私もそう思っていました。
でもここ最近は、ほんの少しずつ、"山への向き合い方"において二人の間に違いが出始めています。
二人とも山登りがライフワークだし、でっかい壁を登りたいし、冒険がしたいのは同じです。
でも、たぶんですが、ペコマにとって最優先事項は山じゃなくなりつつあります。
仕事だったり、社会的地位だったり、実際の山登り以外の方法で山と深く関わる方面だったり。
十年二十年先を見据えて地にしっかり足をつけて生きてます。


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アンド仙台牛サンド!食べ過ぎでしょ!


それに比べ私は、はっきり言って子供です。
こんな年になっても、私にとって最優先事項は登ることで、それ以外の社会的なことは正直どうでもいいです。今は。
でも、そんな勝手ができるのも、一番身近に最良の理解者がいるからこそです。
社会的なことはどうだっていいですが、家族が最優先事項なのは言うまでもありません。


というわけで、今カナダにいる遠征のパートナーとは別に、日本でさらなるトレーニングを・・と行きたいところなのですが、
初の遠征で色々準備を進めていくうちに、分からないことだらけ、考えなければいけないことだらけだということを自覚しはじめました。
とりあえず、一番大事(?)なところで、履いて行く靴がありません(笑)。
ダブルブーツは私の足じゃサイズがないみたいです。
歩きメインなら大き目でも我慢できるけど、クライミングするのは厳しいので・・・。
検討した結果、今のバツーラにオーバーシューズが最善という結論にいきつきました。
ということで、蔵王から帰ってきて早速ババシカに行き、バツーラをドナドナしてきました(泣)。
オーバーシューズを作ってもらうには靴とアイゼンを預けなければならないそうで、しかも1ヶ月近くかかるらしい・・・



来週からは、スキーとフリーかな!・・計算通り!(嘘)

2018/3/3 乗鞍岳 バックカントリー スキー

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気温急上昇の今週末、ペコマと何をしようか直前まで悩んでいた。
4月に白馬岳主稜の"プチ"Climb & Rideを計画しているので、その練習になるようなルートへ行きたい。
でも手頃なクライミングとスキーを楽しめる山は限られており、気温急上昇の日には入りたくない沢地形のコースが多かった。
結局Climb & Rideには拘らず、楽しく滑ろうということに。
未踏の3000m峰として残っている乗鞍岳に行ってみることにした。


予報ではお昼頃から気温が上がるので、午後には標高3000mのバーンも緩んでくるだろう。


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スキーヤー、スノーボーダー、わかんやスノーシューの登山者で賑わう。


朝9時頃スキー場に到着。練習なので、スキーザックにワンデイ装備を詰め込んで、重さを稼ぐ。
リフトを3本乗り継いでゲレンデトップへ。10時前くらいからハイクアップ開始した。


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快晴!暑いね!


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吹きさらしのオープンバーン。風速15m/sほどの息をしない強風が、久しぶりに高山の雰囲気を盛り上げる。気温が高いから寒さはない。


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北方向には見事な槍穂高連峰!


高天ヶ原と剣ヶ峰の鞍部を目指して沢を詰めるのが最短コースだが、今回は沢地形を避けて肩ノ小屋から稜線をトラバース、ほぼ夏道沿いにアプローチした。

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朝日岳北面のオープンバーンは強風地帯。見事なシュカブラ。体感風速20m/sくらい。
縦走用の分厚い手袋を切らしていて、ここ最近の冬壁と同じ装備で行ったら途中指が凍りかけた。
3000mをなめちゃいけませんね。。
斜面が硬く、斜度も出てきたのでここら辺からスキーを担いだ。


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山頂30mほど手前の小ピークで荷物をデポ。


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山頂はもうすぐそこ!


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13時すぎころ、登頂!乗鞍山頂は初です!
日本の3000m峰21座中、これで私はあと御嶽山と聖岳、ペコマは御嶽山1座を残すのみ!(笑)
(百名山ハンターなのに百名山はまだ半分以上?残ってる)


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360度の大パノラマ!北には槍穂、南には御嶽山が間近に見える。
そして3000m峰乗鞍岳、流石のエビノシッポ!



さぁ!お待ちかねドロップの時間です♪

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ドロップラインはこう。はじめは30度くらい、途中から25度くらい。シュカブラを避ければ雪面は適度な硬さで雪もサラサラでした!


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気持ちよくスピードにのれます。ひゃっほー!


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さっきまで一緒にハイクアップしてたスキーヤー達はどこへ行ったのか。たぶん手前のピークからドロップしている様子。貸切のオープンバーンを谷まで落として爽快な一瞬が終了しました。


最後はハイクアップしてきたラインを滑って14時半にはゲレンデトップに到着。
お手軽爽快バックカントリーでした!
スキー楽し。もう、歩いて登頂して、下山まで歩いてたあの頃には戻れません!

2018 2月27日〜28日 錫杖岳 前衛壁 2ルンゼ 登攀 2日目、エピローグ

<1日目の夜>

楽しい楽しい夜のはじまり♪

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手前側の部屋は2畳ほどの縦長。


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洞窟内には氷柱が発達しており、ラッキングにはアイスフックが大活躍(笑)でした!
氷も雪も取り放題(あんまり綺麗じゃないけど)。テントじゃないからお湯こぼしても問題無し!


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はまり込んで天井を見つめてると、ここが垂直な壁の中だということを忘れて不思議な気持ちになる。
というかこれハーネスつけてる必要全くないし!ということで、このあとハーネスも脱いで完全リラックスムードになりました。


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消耗品の買い足しで最近週1くらいで行ってるカモババで見たことのないアルファ米を見つけたので、今回試食。
キムチビビンバも海鮮ビビンバも美味でした。
今まで食べたことあるアルファ米の中で一番美味しかった。具沢山だし。
韓国の商品みたいで、注水線(だよね?たぶん)がハングル。お値段490円とちょっと高級ですがグルメさんにはオススメですよー。


山の話に花咲かせ、食事も終わったところで最後のお湯作り。
静かに燃えるジェットボイルを見つめながら、FIXしに行った時見た壁の様子を思い返しつつ脳内オブザベーションする。
なんか登れそうな気がして来たな・・。楽しみ。早く登りたい!


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ちなみに左奥の部屋はこんな感じで3畳くらいある。こちらを寝室にしました。天井も高くて普通に立てる。広い分温まらず、夜はちょっと寒くて何度か起きた。


<2日目>
※ネタバレ注意。オンサイトが気になる方はお気をつけください※


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本日も快晴!


明るくなると同時にユマール開始しようということで、5時起床目標に。
結局寒くてそれより少し早く起きて煮炊きを開始した。
6時半ころ、Sくんのユマールから本日の登攀開始となった。


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あのベルグラに日が当たるとちょっとやだな・・と焦りながらフォロー。

フォローしながら6P目を見上げると、あれ、昨日見たときより威圧感が減っている。壁も寝てみえるし、フットホールドも見て取れた。
クラックはやはり所々ジャミングも使えそう。核心はベルグラへの乗り移りか・・?


S「いけそうですよ、これ、岩の部分は寝てるし、スタンスもありそうだし。なんとかなりますよ!」
ち「確かにね!おっしゃー楽しみになってきたー!」


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ギアを選定。スクリューは全部で12本あるけど、間引いて6本に。岩用ギアは全て持った。
よっしゃ、いくぜ!ミックスなんてまともにやったことないけど、これまでやって来たことがどれほど通用するか楽しみだ!

そしてさようなら・・・・ギンギンのピュアアイス!


ここは荷揚げすることとして、空身でクライミングスタートした。


出だしはクラックとフェイスにフッキング。フットホールドはフェイスに、研いだ前爪の先をひっかけ立ち込む。
このクラック、トライカムEVOがバチ極き。
適度にランナウトするものの、プアプロじゃないのでつっこめる。
凍土のつまったクラックにガンガン打ち込みかなとか思ってたけど、丁寧にホールドを削り出してフッキングのほうが効率がいい。
ハングにつっかえながら、ワイド登りも駆使してずりずり。
ときにはハング下の薄い氷に「たのむよ!」と声かけしながら全体重をかけ乗り込み。
高い足へのハイステップの繰り返しとなった。


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少し行くと、さいご1cmくらいが入りきってないハンガーボルトが見えた。

ボルトあるんだ!!(このピッチは記録あんまり読んでない)

もちろんボルトにもクリップし、更にカムも極めて、足が悪くなるセクションへ。もう、しびれてたまらない。
でも技術もメンタルも上手くコントロールできている。
細かすぎる足を選ぶと崩壊する。前爪ピンポイントのスメアも使い、2本目のボルトへ。ついにベルグラが目前となった!


ちょっとよれてくる。ここでクラックにハンドジャム。ばちぎき!ふー、休める。
悪い体制で上を見上げると、ハングから恐ろしげな氷の槍がいくつも飛び出していた。
体勢をあげるまえに、枝払い。だいぶ綺麗になりスペースを確保できたところで、つららの根元まで乗り上がった。


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ここからベルグラへの乗り移りが一番緊張した。
ついに凹角をはなれ、垂直の空間へ飛び出していかなければならない。
出だしのベルグラは3mくらい。つららの根元に短いスクリューを2本固めどりしたら、氷が厚くなる数メートル先まではプロテクションはとれない。かつ、絶対落ちられない。緊張した。

背後のつららは、ちょっとくらい体重を預けても大丈夫そう。
背中を使って体勢を安定させながら、クラックにフッキングした右アックスをきかせつつありったけ左アックスをのばし、やさしく「カツカツ」とベルグラを削ってホールドを作った。そこにフッキングしテスティングする。氷は薄いけど、強度は十分ありそう。
ゆっくりと、重心を左手の方へ移動させて行く。少しずつバランスが悪くなり、体幹に力がはいる。振られたら落ちるので背中も使ってゆっくり動く。
重心が完全に左に移った!そこからはもう、一気にいくしかなかった。

安定できるところまで、氷に余計な負担をかけないようやさしく打ち込みながら駆け上がった。
数メートルで氷は安心できる厚さに。やった!
傾斜は寝た。もう、慎重に登れば落ちることはないはず。でもまだしばらく氷は続いているようだ。

しかし、次のピッチはスクリュービレイだ。
残弾が少ない。スクリュー2本を残そうとしたら、最後のマントルはランナウトしてしまった。
しかもなぜか、落ち口で氷が消え、スカスカの雪面になってしまう。
緊張しながら、しっかりアイゼンの前爪を打ち込んでマントル。締まりの悪い雪面に這い上がった。

やった!


最終ピッチの氷壁が目前となった。なるべくフォールラインをさけて右のほうでビレイ点を設置。
解除コールをした。
やったー!嬉しい!
こんなに素晴らしいピッチを登れたぞ!ひゃっほー!


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槍穂連峰と自撮りを試みたけどちゃんと入りきってない。


去年までは怖さのほうが勝っていたドライ。今年はまだ山も数回目だけど、全てをコントロールできている中でクライミング出来た。
フッキングもなんとなく、きいてそうなのときいてなさそうなのがわかるようになってきた。
パンプもあまりしないし、してきても回復できる。
これはこの冬シーズン、フリーをある程度頑張ったからだ。持久力はかなりついたし、ロングルートのなかで回復する術も身につけた。アイゼンでは足置きがフラットソールと全然違うけど、股関節を上手く使えば傾斜は殺せる。
ワイド登りも、ジャミングも、今までやってきたフリークライミングが色々と活かせた。
やっぱりクライミングは最高に楽しい。
終了点ではアドレナリンが垂れ流し状態だった。


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フォローのSくんもサクサクと上がって来た。荷物担いでるのに流石です。こうしてみると立ってるなあ。谷底まで見通せてしまう高度感が素晴らしい。


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ついにあと1Pとなった!目の前の氷壁はかなり幅があるが、左半分は見事なベルグラだし、登れるラインは限られている。Sくんがリード開始。しかしルーファイに難儀している。私はといえば、ビレイを開始すると猛烈な眠気が襲って来て身体を起こしているのも辛い感じになった。なんだこれ・・。落氷を避ける姿勢をとっているふりをしつつ、ザックに突っ伏して半分寝る。
氷壁を10mくらい登ったところで、「上まで抜けられないかも」とSくん。
途中でピッチを切ることになった。



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いきなりチャンスが回って来た、"8P目"。フォローしてみると、なかなかにこの氷、立っている。
下から見て思っていた感じよりもだいぶ立っている。完全にバーチカル。な上にラインも複雑で、弱点らしい弱点もない。
まだ1Pしかまともに登って居ないというのに、全身がだるく、荷物が重く感じた。

見上げてラインを確認。左はぶったちベルグラ。右も複雑な形状をしている。いくとすれば完全に垂直な、直上ライン。小さく凹状になっているので足を広げれば少しは傾斜を殺せるか・・。

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リード開始すると、やはり荷物が重く、後ろにひかれる感じがした。思った以上によれているようだ。アドレナリン出すぎて反動がきているか。腕がパンプする。アックステンションが何度もよぎった。でも、まだいける。このパンプはコントロールできる。
お正月のタイでも、ガバのどっかぶりは鍛えたし、こういう時は過呼吸気味にして血中酸素濃度をあげれば回復してくることは経験済みだ。この冬はフリーを頑張った。それが去年の冬シーズンとは明らかに違う点だった。
せっかく6P目をオンサイトできたのに、ここでアックステンションしたら悲しい。
ランナウトした状態でどうにもならなくなっちゃうようなことにはたぶんならない。
核心を超えてからも、入念にレストしながら、氷への打ち込みもブレブレになりつつ何とかトップアウトした。
やっぱりマントルはすかすかの雪面。
最後は締まらない雪をラッセルして太い灌木に達した。

はあーーー疲れた!


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12:51、登攀終了。2人ともピークに達したときには13時半近くなっていた。
継続なんて言ってたけど、たった3Pにだいぶ時間がかかったなあ。もう、2ルンゼでお腹いっぱいだよ。
じゃ、だめだね。
まだまだ修行が必要。次はもっと登攀スピードを上げられるようにしないとね。
さて、暗くなるまであと数時間。最後までがんばろう!


しばし話し合い。明日には天候が荒れるし、今日中の下山は変化なし。とすると、これからまた何かを登る時間はないだろう。でも、2ルンゼの懸垂も7ピッチもあるならそれなりに時間がかかる。6P目ビレイ点みたいなおそろしげな灌木で懸垂するのも嫌だし、北東壁右ルンゼも見に行きたい。方角を確認し、とりあえず北東壁のほうへ行ってみようということになった。
もしラッセルに時間がかかるようなら、15時半までには2ルンゼの懸垂を開始できるよう戻って来ることにすればいい。


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雪は思いの外腐っていなかった。順調にSくんがすすみ、あとに続く。北東壁上部と思われるオープンバーンに出た。geographicaで位置を確認しつつ、たぶんここからまっすぐ懸垂すればグラスホッパーかなとあたりをつけた。

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掘り出したハイマツの根元で懸垂。木はたくさんはえてる。


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向かって右手にみえているのがP4かな。


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予想は的中。グラスホッパーの終了点の残置スリングに、60mいっぱいで辿り着いた。ぎりぎりぴったり!計算通りだね!(嘘)
ここからたった3ピッチで地上だ。気が楽になる。
けど気を緩めず、行動食とお湯をとって体力回復につとめる。


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グラスホッパーは見事に結氷していた。左ルンゼも立派だった。
しばらく人が入っていない雰囲気があったけど、残置アバラコフはちゃんとあった。
こうして考えると、2ルンゼと比べて、3ルンゼってものすごく短いんだなあ。
そして2ルンゼの下降は、恐ろしげな残置で7ピッチもかけておりるより、北東壁から降りるのが正解ムーブじゃない?(笑)


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右ルンゼも見事だったけど、2P目の出だしがどうかな?といった感じだった。初登、第二登の年(2007年)と比べても形が違う。
毎年微妙に形が違うらしい。こちらもいつか登りたいな。


<エピローグ>

今冬4回目の山行にして、やっと「完登」できました(敗退つづきだったもので)。
とても充実した山行となりました。
反省点は、
・登攀スピードの遅さ
・雪の処理が苦手
・フォロー力の低さ(馬力がたりない)
・山慣れが足りない(経験値!)

一緒に登ってくれたパートナーに感謝!そして留守担当の人生のパートナーにも感謝です。
まだまだがんばります(^ω^)ノ♪

2018 2月27日〜28日 錫杖岳 前衛壁 2ルンゼ 登攀 プロローグ、1日目

<プロローグ>

「壁の中でビバークしましょ♡」(by Sくん)


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2月中旬から、クライマーなら誰もが憧れる"Climbing Bum"(まだあと1ヶ月は"見習い")生活を満喫している。
5〜6月にはアラスカ遠征を控えているし、調子にのって平日も山、休日も山って予定を詰め込んだら、家にいる日は洗濯と次の山行のパッキングに終始し、がんばって時間作ってジム1、2時間、で、また長距離ドライブに出発!
みたいな息つく暇もない感じになってしまった。。(見習い期間中にしっかりスケジューリングも学ばないとね)


2月最終週も平日パートナーSくんと三日間くらいでどこかに行こうと計画していた。
だが、直前になって、最終日3月1日は天気が荒れることがわかり、二日の日程で錫杖にしようということになった。


先々週にハイパーな方と入山したとき、1ルンゼも2ルンゼもとても状態が良さそうに見えたので、もしかして北東壁右ルンゼもいい感じなんじゃ・・と淡い期待がありつつ、Sくんは「2ルンゼに行きたい!」と言う。
そこへきて、上記発言。
しかも「2ルンゼって、ビバーク前提で登られてるみたいじゃないですか」なんてシレっとのたまう。

え?そうだったっけ?

そんなのよく知ってる青鬼の変態二人と、あともう一人くらいしか聞いたことないけど・・って思ったら、出て来た記録はやっぱりその人たちくらいなものだった。
でも確かに某変態さんたち(参考記事)いうところの"ホテル錫杖"には泊まってみたい気がする。
それに先々週、ハイパープロフェッショナルな方も何やらおっしゃってたな・・

「ハンターいくなら継続の練習しといたほうがいいっすよちっぺさん!」 (by hyper TK)

右ルンゼがダメでも、北東壁のどれかに継続するってプランは面白そうだし、ビバーク装備を担いで登る練習はしたい。

ということで、2日の行程で"2ルンゼ〜北東壁(右ルンゼ)"って計画をいちおう組んだ。


だが、平日パートナーのSくんも私とほぼ同じような生活をしているみたいで、25日の日曜日もかなり遅くに下山したようだ。
それでまた翌日夜発では辛かろうと、27日朝に東京を出発することにした。

プランはこう。

27日:東京発→入山→2ルンゼ登攀→ホテル2ルンゼ(仮名)チェックイン→5P目FIX→泊
28日:2ルンゼ後半部登攀→北東壁へ→右ルンゼもしくは左ルンゼもしくはグラスホッパー→下山→東京

的な。


うん、なんだかワクワクしてきたぞ!


久しぶりに本気軽量化を考える、この楽しい時間。


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ビバーク装備は、共同装備として
1〜2人用ツエルト×1、小さいジェットボイル×1、ガス缶小×2、ライター1。
ほかに各自、
マットとシュラフ。私はサーマレストのウレタンマット(ほぼ新品)を背面長に切って持参し、シュラカバとドイターの夏用シュラフ。(+ビレイジャケット、ミトン)
Sくんはパタのエンカプシルダウン!+半シュラ!というセレブリティな組み合わせにエアマット。

食事は、
アルファ米に粉スープとブレンディ。+行動食多め(アーモンドとカキピーとレーズンのMIXに、えいようかん3本、バーなど)。

湿雪のラッセルも考慮して、グローブは本気登攀用とオーバー手、替えのクライミング用グローブの3つを持参した。


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登攀具は、
約60mダブルロープ×2、アルパインヌンチャク×10、キャメロットC4を#4まで1セット(2〜4はUL)、DMMナッツ1セット、大きいトライカム適当に間引いていくつか、EVO 1セット(核心Pで大活躍)、ハーケン3枚(使わず)、イボイボ2本(使わず)、ミニアイスフック×1(ホテル2ルンゼで大活躍)、スクリュー12本(LSL17cm×4、LSL13cm×4、LS10cm×2、BD17cm×2)、捨て縄3m×1、長スリ各自、ビレイ具等各自、いちおうアバラコフフック(兼スクリュー通し)と小さなヤスリ(右ルンゼを見据え)・・。


そして、そして、カネコロンのためにギンギンに研いだままのノミックとスティンガー・・!(右ルンゼに着く頃にはきっとまんまる☆)


これまで2年弱くらい使って来て常々「小さいな」と思っていたascendionist 35Lでしたが、ハーネスはけば冬の1ビバークくらいは十分パッキングできることが今回判明しました。なにごともやってみないとわからないね。


ぎりぎりになっちゃったけど、ホテル2ルンゼは無事予約とれました!(?)
2月27日、始発で八王子駅まで来てくれたSくんをpick upして、いざ錫杖へ!


<1日目>

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なんかめっちゃいい天気!すぎ!


駐車場には9時半ころ到着。予定より早く出発できそうだ。
ストックわかんで行きましょうと話していたが、Sくんわかん忘れ。
でも駐車場でちょうど下山して来た知り合いのクライマーに遭遇し、トレースはバッチリという情報を得る。やったね!


10時歩き始め。
アプローチはこの時間ですでに腐り雪。2ルンゼは若干北東向きだから大丈夫かな・・

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ちょこんとした槍が萌きゅん。


トレースばっちりにつき、11時頃にはクリヤの岩屋でいらない装備をデポ、11時半ころ取り付きに到着し、12時には登攀準備完了できた。


「攀船記でゆずっていただいたので・・」



と、奥ゆかしいSくんは、核心の6P目のリードを譲ってくれるという。
遠慮なく登らせてもらうことにし、奇数ピッチ担当となったSくんリードで登攀開始した。


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1P目

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1P目抜け口

1P目は左の凹角にラインをとって氷を登る。氷の発達もたぶん良さそうだし草付きも凍ってる。雪田にあがったところの潅木でビレイ。
そのまま2P目の雪田をあるいて3P目と思しき氷化した凹角の直下に至る。
フォールラインに入りたくないけど、プロテクションをとれるところが見当たらない。
仕方なく、懸垂用なのかな?と思われる汚いスリングをちょっとどけて、ピナクルとスクリューでビレイ点とし、Sくんを迎えた。


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2P目雪田。あまり日が当たらないのでそこまで腐ってはいない。


つづく3P目、順調に氷瀑を登っていくSくん。姿が見えなくなってからもしばらくロープが伸びて行き、ほどなくして3m分くらい短い青ロープのほうがいっぱいとなった。


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ビレイ解除し、「いっぱーい」(フォー!コールは使用せず)と言いながら数メートル登るとロープの動きが止まった。
すぐに「どうぞー」のコール。
フォローを開始した。

快適に氷を登っていると、10mくらい登ったところで右壁に割と立派なラペルステーションをみつける。
あまり気にせずフォローをつづけ、ふっと「見覚えのある」ような景色の脇を通過した。

数メートル登ったところで、「ん?」と思い見下ろすと、あれ。右下方に見たことのある洞窟状がある。
誰かさん(参考記事)がベルグラへの乗り移りに苦労してプアプロガチフォールしてたあの場面にものすごく似てる・・・

気がするけど、きのせいだよね!
(4P目は偶数ピッチ担当者にとっては初日一番の核心部かなと思って楽しみにしてたし!)


きのせいだよね!
(だってもしそうなら3P目が短すぎるし!)


って思いながら登り続けたら、こんもりと積もった雪塊の向こうで隠れるようにビレイしてるSくんの姿が見えて来た。


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ちっぺ「Sくん、もしかして・・・・・もしかした?」

S「・・・・・・はい、もしかしました・・・すいません・・・」

ち「あ、いや、全然いいんだけど・・。あれ、やっぱり?(笑)」


なんと楽しげに思われた4P目というものがなくなってしまっていた!氷はりすぎ?
狐につままれた気分で、16時頃には無事ホテルにチェックインとなった。


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ホテルの部屋を見て開口一番、

ち「うわっ!なにこれスゴイ!✨」

思わず歓喜の声をあげた。きっとこれを見たら誰もがそうするだろう。


2畳くらいの部屋が二部屋もあり、ゆうゆう立って過ごせるほど天井も高い。
なんなんだこの空間は!!
これは泊まらなきゃ損!ていうか、むしろ1泊じゃもったいない!!

感動さめやらぬ中、荷物を預けて、

ち「えーっと、じゃあ、FIX行っちゃっていい?」
S「もちろんです!」

と、オーダーが逆転したけど私が5P目を行くことになった。
明日のオブザベもできるしちょうどいいか。

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空身で快適なIV級くらいの氷を登って行き、最後は岩が露出したいやらしい腐り雪地帯を草つきも使って登って終了。
はじめ、6P目のラインがわからなくてどっちに行こうか?と迷ったほど、6P目は岩岩していた。
思っていたのと全然ちがう・・

すでに枯れている、前腕の半分くらいの太さしかない灌木の根元に汚いスリングが巻かれている。

なにこれ。これで懸垂とかしたわけ?(笑)

クラックに#4と#.75を極め、その"(笑)"な木も使ってビレイ点とした。

ふたたびよくよく見上げると、やっとラインが見えて来た。


なるほど・・・
クラックを使って登って行って、最後はあの恐ろしげなつららの下から恐ろしげなベルグラに乗り移って、そしてハング越えするのね・・・!


なにこれやばい!登れんの?すげーすげー!


興奮しながらFIXロープを設置し、ホテルに戻った。


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部屋につくと、Sくんによって荷物が整理され、壁ビバークおきまりのFIXも張り巡らされ、非常に快適な空間が作り上げられていた!

うわー泊まれるの楽しみだー!

テンション高め、かつ万事予定通りに初日を終了した。

2日目の記録につづく!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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