FC2ブログ

2018/6/24 雑穀谷 クライミング ジョーズ スーパークラック

雑穀谷はまだ国際認定山岳医の受講生だったころ、富山の登山研修所で行われた講習に参加した時に一度訪れています。
その時の記憶は朧げながら(記憶力がわるい)、どうもスーパークラックを触ったようでした。
今回は再訪ということになりますが、道路工事の影響で岩場は少し様変わりしていました。



IMG_0670.jpg
桂台のゲートが開くまで待ってるところ。調べたところ6月は7時〜18時まででした。ハイシーズンは朝6時から開くみたいです。



IMG_0682.jpg
以前はオラッチャロックの目の前に車を停めて登っていましたが、30mほど下に立派な駐車場ができていて、ここから歩く感じ。
それでもアプローチ1分以内です。




IMG_0674.jpg
道路工事中。岩場が潰されなくてよかったです。



IMG_0684.jpg
A〜Cフェースもクライマーで賑わっていました。



IMG_0675.jpg
今回もオラッチャロックで遊びました。4つ星ルートの1つ、「ジョーズ」。その名の通り真っ白な背びれが見事なクラック。OSでした。内容も面白かったです。トポではテラスにたったあと、さらに右奥から岩のてっぺんまで抜けるようでしたが、ロープの流れが気になったし綺麗な終了点があったのでテラスまでとしました。地元の方にも聞いてみましたが、そこで終わりにする場合が多いみたいです。



IMG_0692.jpg
もう1つの4つ星ルート、「スーパークラック」。はじめワイド登りで2便出して解決できず、3便目でレイバックムーヴにしたもののバランス悪く大フォールorz ドはまりして4便もかかって何とか登れました。こんなに綺麗に割れているクラックも日本では珍しい!



前日の明星とうってかわって灼熱の1日でしたが、コンパクトな中に内容の詰まったエリアでとても楽しめました。
地元クライマーの方々にもとても親切にして頂きました。
楽しい北日本クライミング旅行でした!


2018/6/23 明星山 JADE 9P 5.11a チームOS

カラッカラに乾燥した北米から日本へ帰国したのが6/15。
もわっとした梅雨空の下、2ヶ月分のjet lagをなんとなーく1週間半くらい引きずりながら、晴れ間を逃さず登りに行って、
帰国後も放浪ライフを満喫していました。

もう数週間も前のことになってしまいましたが、帰国後すぐの週末はペコマと谷川お散歩へ。じっとり濡れたつるつるの烏帽子南陵でさっそくコテコテのジャパニーズクライミングをエンジョイしたりしてました。


P6170114.jpg
おおー、日本だー!って思いながら泥んこクライミングを満喫し、笹薮漕ぎののち国境稜線へジャーンプ!
記録はコチラ


今後の予定もどんどん埋まっていってます。


近々では、
7月〜8月にノルウェー!(1週間)
10月〜11月にヨセミテ!(1ヶ月)


そして先週末はヨセミテのパートナーSさん(ジムスタッフ時代の先輩)と晴れ予報を追いかけて北日本へ行きました!


P6230064.jpg
国内最大規模の石灰岩壁。


土曜日は明星山へ。「JADE」は2010年の10月、クライミングはじめて3年目位の頃にも一度訪れており、3P目の1ピン目まで到達できずに敗退して実に8年間、そのままになっていました。でもこの8年ずっと、心のどこかに「また行きたいな」という気持ちがあり、今回満を辞して(?)再訪できてとても嬉しかった。


P6230004.jpg
夜明け。


梅雨の晴れ間、しかも予報では気温25度を超えており、6月に登られている記録も少ないので岩の状態は期待していませんでした。
しかし行ってみると岩は予想外にぱりぱり!気温も低く、風が吹き抜けて少し肌寒いくらいで、結果的にはマルチ日和、大正解でした。


※OS狙いの方はとばしてね★※


P6230007.jpg

朝一のちょっとした(?)トラブルを乗り越え、渡渉も水量問題なく飛び石で、無事取付きへ。


7時半頃、登攀開始です。
1P目、私からリードスタートしたものの、ラインを間違えて少し右上してしまう。
2P目の出だしが明らかに悪いホールドの乏しいハング越えで、たぶん悪食外道とか、JADEの右のルートに入り込んでいるだろうと判断。SさんがそのままJADEの1P目終了点までトラバースしてくれて、正規ラインにのれました。


2P目、また私のリードからつるべで仕切り直し。
2P目は5.11aの三段ハング越えで、8年前にはペコマがリードしたところです。快適にOS(FL?)。


P6230011.jpg
2P目のフォロー中。


P6230016.jpg
3P目もハング越え。はじめラインが分かりにくく、スタートから左寄りのラインをとりました。ビレイ点から直上にもボルトはあるものの、逆層でホールド乏しくおよそ5.10bとは思えない様子でした。8年前はもしかしたら悪い直上ラインにトライしようとして敗退したのかな?


4P目は2つめの核心ピッチですが、ここが相当シビれました。一瞬「ラインを誤ったか?」と思ってしまうほどのランナウトと(Smithで鍛えられていたので助かった)、登られてるんだか登られてないんだか分からない、フリクションもホールドもほとんどないつるつるのどスラブ・・。


石灰岩のスラブって、思えばはじめてだったかも。
少しでもくぼんだところに意を決して乗り込んだら最後、もう降りることはできないので、ひたすら登り続けるのみ。ということでなんとかOS。でもこの長いトライで、少しきつめのシューズの中でつま先がかなりやられ、残りの5ピッチは足の痛みとの戦いでした・・・(サイズ選びまちがえたorz)。


P6230027.jpg
5P目。岩は結構浮いていてもろい。


P6230034.jpg
快適なビレイ&ラペルステーション。


P6230032.jpg
上越の山々が見えている。すっきりと晴れてはいないがクライミングにはちょうどよい気候。時たま太陽が出ると暑かった。


P6230038.jpg
主人の帰りを待つエクストレイル。この日、休日にも関わらず他にクライマーはおらず、観光客もまばらだった。


マニフェストに合流してからの8P目も自然にかえりつつある脆いフェイスで緊張しました。


P6230043.jpg
8P目終了点は鷹ノ巣ハングのなか。


P6230044.jpg
いよいよ最終ピッチ!


登攀終了は15時。懸垂下降は60m4回で地上まで。ラペルステーションは60mぴったり設計でした。
下降中、16時くらいになったら予報通り雨が降ってきたけど、ほぼ1日問題なく登れて満足満足。


P6230059.jpg
帰りはこのミニチロリアンを使ってみました。ロープはぼろぼろだったけど、1歩またぐ時の手がかりにするだけなので問題なかったです。


翌日は雑穀谷に転戦することに決まり、8号線を日本海沿いのドライブ。
たら汁街道で、お鍋で出てくるたら汁をいただきました!


IMG_0640.jpg
栄食堂


tarajiru.jpg
たら丸ごと一尾入った豪快なたら汁。優しいお味!ホルモン焼きも美味しかった〜。ごちそうさまでした!


次は雑穀谷のレポートです!


2018/6/8〜13 アメリカ-カナダ国境超え 〜 Canadian Rocky クライミング

rockytitle.jpg
Canmoreの岩場にて。Fuel (5.12c) とCoolなHa Ling Peak。


<陸路でカナディアンロッキーへ>


Smith Rockに3週間滞在の後は、陸路でカナディアンロッキーへ向かいました。


転戦先としてSquamishも検討していましたが、6月に入ってからの天気予報は絶望的。
ほかにSkahaの岩場(片麻岩のゲレンデ)に寄るという選択肢もありましたが、「ショートルートよりアルパインがしたい!」という私のわがままを聞いてもらい、残り日数も少なくなってきたので直接Canmoreへ向かうことになりました。


私もこれまで二度Squamishに行っていて、一度は日程のほとんどが雨という悲惨さでした。Skahaの天候は比較的安定しているっぽいので転戦(Squamishから車で約5時間半)先として定番みたいです。


map.jpg



さて、走行距離1200kmの長いドライブのはじまりです!


<無理せず1泊、念願の焚き火>

Hwyをひた走って約7時間。得意のFree Wifiで検索したところ、カナダとの国境近くに焚き火のできるサイトを見つけました。
近くのWalmartで薪とソーセージとスモアセット、酒を買い込んで向かいます。


アメリカのキャンプ場はどこも設備が充実していて安い。
長期滞在者にはありがたい限りですね。
ここ、Springy Pointのキャンプサイトは1サイト1泊$20でCampfire OK、トイレとお湯の出る炊事シンクありで、綺麗なシャワー(有料)もありました。


springypoint.jpg


久しぶりの焚き火はやっぱり最高!3時半くらいまで飲んで語って、翌朝はひどい二日酔いから残り6時間のドライブ再開となりました・・

キャンプ場の詳しい情報はコチラ


<ついに国境超え!>
Hwy95の北上を続けると、国境はおもむろに現れました。
四方を海に囲まれた日本に住んでいると陸続きで外国があるというのが新鮮ですが、待望の国境はなんともあっさりしています。


border.jpg



ゲートでパスポートを渡し、お姉さんと数分間の会話を楽しんだらアメリカに入国できました。
それ以外何も起こりません。パスポートにスタンプすら押してくれません。
非常にあっけない国境超えでした。蚊に刺されただけ(いまだにかゆい)。



<Canmoreでの1週間>
アルパインをやりに来たけれど、6月のカナディアンロッキーの天候は不安定。
暖かい日もあれば、気温10度前後で風が強く、体感温度はもっと下がるようなさむ〜い日も少なくありません。
街から車で10分ほどのゲレンデで吹雪いた日もありました。
天気予報と相談し、アルパインを1本と、ショートルートのゲレンデでのクライミングを数日、雨の日は街の観光などもしました。


halingpeak.jpg
Canmoreの街から間近にそびえ立つHa Ling Peak。21P, 5.10dのスポートルートがあるが、北面なので真夏でも涼しいらしい。
今回は天候の関係で断念。


swichinggear.jpg
Switching Gearは中古品も取り扱うギアショップ。この時はMSRの新品スノーシューが30%offになってた。



<トポについて>
ショートルートのトポや、山のトレッキング、アルパインのトポまで、なんと図書館にあり、無料で閲覧できます!


library.jpg
棚に無くリストに載っている本は受付で出してもらえる。


私たちはCanmoreの街にある総合施設Elevation Placeの図書館で必要な情報を調べて行きました。
ネットの情報も利用しました。



<天気予報について>
Spot Wx
北米の山の天気予報はこの無料サイトがオススメ。気温や雲、風速などの詳しい予報を地点ピンポイントで出している見やすいサイトです。



Mt. Yamnuska - Dreambed 8P 5.11b


yam1.jpg


現地ガイドの方々にも相談し、アルパインはこのルートを選びました。
Kananaskisにある標高2000mほどの岩山で、地上から約300mの垂直の石灰岩壁がどーんとそそり立っています。


yam2.jpg
上:1P目、下:2P目。取り付きが分かりにくく、間違えそうになった。


カナディアンロッキー(とくにアルパインルート)の石灰岩の特徴は、「ガビガビ」、「脆い」。
これはDreambedも例外ではなかったですが、tradとboltのMIXで多彩な内容の楽しいルートでした。


yam3.jpg
上:ルート終了点。行動食を狙うリス。下左:6P目。下右:3P目。


60mシングルに、いちおうbail用のロープも持参して登りました。寒さにビビって防寒具も多めだったのでフォローは荷物重かった。
登攀時間5時間、チームOS(私は1、3、5、6、8Pリード)でした。
じゃんけんでつるべで行くパーティは気をつけてください。奇数Pと偶数Pで余りに内容に差があるので・・(笑)。


yam4.jpg
ルート終了点から東のピークへ。2人(?)で記念撮影!



<石灰岩のゲレンデ、Grassi Lake


grassi1.jpg
岩場に大量の石を落としてくるヤギがいるのでメット推奨


Canmore市街から車で約15分という素晴らしい立地に、初心者向け垂壁〜かぶった5.12後半まで90ものルートを擁する石灰岩の一大ゲレンデがあります。ローカルクライマーは仕事終わりにジム感覚で通っちゃうという、なんとも贅沢な環境。
広さは目測、二子山弓状の倍近くはありそうです。
今回の滞在ではここで触り始めたルートをやりに三度訪れました。



grassi2.jpg
でかい!広い!のに近い!



<グルメレポ>
2017年のお正月にアイスクライミングで訪れた際も美味しいお店の紹介をしましたが、今回新しく行ったお店を追加でご紹介します★


1.Bella Crusta
bellacrusta.jpg
おいしいフォカッチャのお店。好きな具材を5つ選べてCA$6〜10くらい。


2.Crazyweed
crazyweed.jpg
ちょっといい感じのカジュアルレストラン。地元の人もよく訪れる人気店だそう。前菜もお肉もお酒もピザも全てが美味しかった!イチオシ!


3.Spice Hut
2年前のお正月にも訪れているカレー屋さんを再訪。安くて美味しいです。
spicehut.jpg


4.Gaucho
こちらも2年前に二度訪問しており、今回三度目(笑)。サラダ、シチューなど種類豊富なバイキングがついたシュラスコのお店。安定の美味さでした!
gaucho.jpg



5.RAMEN ARASHI(Banff)
ramenarashi.jpg
パートナーの知り合いの日本人の方々に連れて行ってもらったバンフのらーめん屋さん。大人気店ですごい混みようだった。美味しい坦々麺でした★


<Wifi SPOT>
バム生活なのでやはりWifiは大事です。
1.Elevation Place
クライミングジム、プール、シャワー、カフェ、図書館と快適な電源スペースを有する総合施設。
ここで朝ごはんを食べたりトポ閲覧したりWifiしたりしてました。
2.Visitor Information Center
案内所の建物は22時には閉まってしまいますが、外にピクニックテーブルと水場があるので炊事は可能です。
日中は屋外でもWifiサクサクですが、22時を過ぎると利用できなくなるみたいでした。


<宿泊>
Wapiti Campground


wapiti.jpg
焚き火!


Canmoreの街ではキャンプするならここ1択です。
でも1サイト1泊CA$27もする上、サイトもあまり居心地はよくなくて、炊事は上記のVisitor Centerでやったりしてました。
シャワーも微妙だったので利用しませんでした。
アメリカのキャンプ場と比べるとクオリティは、、、、という感じです。でも焚き火はできました。
Banffのほうには安いキャンプ場も沢山あるみたいです。



<今回の旅のパートナー>
eiji.jpg
青鬼「まっちゃん」ことSt.Eiji。空港まで送ってもらいました。


今回、1ヶ月生活を共にしたSt.Eijiくんは現在Canmoreでワーホリ中。とくにCanmoreへ移動してからは、彼にとっては完全に日常に戻ってしまったわけですが、アラスカに行けなくなったにも関わらずとってもよくしてくれお世話になりました。
おかげで楽しい1ヶ月でした。いいカメラで素敵な写真もいっぱい撮ってくれました。



さて。不思議な不思議な2ヶ月の旅はこれにていったん終了。



今後も楽しみな計画が次々と決まりつつある今日この頃ですが、引き続き放浪生活を満喫します!

2018/5/17〜6/6 Smith Rock クライミング レポ その2〜岩場各論

それでは岩場のまとめです!


photo by St.Eiji
Smith Rockの日没にBlack Butteのシルエットが美しい。日本人なら気になるこの姿、Oregon州の人々にも愛されていた。




<Smith Rockのクライミング>

IMG_9629.jpg
Hwy97からSmith Rock Wayへ。



今回は5/17に到着し3週間滞在しました。
日中は日差しが強く、日向に小一時間も居れば熱中症になれるレベルですが、日陰を追いかけて行けば一日中登れます。


photo by St.Eiji
岩場入り口側からの全景。



岩は川沿いにひとつながりになっていて、ぐるり360度ほぼ全面が登られています。

P5240472.jpg
ハイカー、ランナーが多数訪れる。



岩の全周をまわるトレイルもあるし、途中コルっぽくなっている"Asterisk Pass"というところを乗り越えて向こう側へ行くこともできます。



photo by St.Eiji
Asterisk Passを通れば、Christian Brothersエリアの南東面から北西面へショートカットできる。


P5300504.jpg
III〜IV級程度ののぼりおり。


photo by St.Eiji
岩の"向こう側"にはSmith Rockのシンボル的存在、Monkey Face!本当にサルの顔してる。


photo by St.Eiji
Misery Ridge Trail を登れば、3360 feetの気持ちのいいピークまで徒歩で行ける。


photo by St.Eiji
右はMt. Jefferson、左はおなじみBlack Butte。


<おすすめルート>
基本的にはトポで★3つ以上(最高4つ)のルートに絞って、時間帯によって選んで登ってました。
Smithには手軽に取り付ける簡単なルートが少な目なので、そういうルートはたいてい占領されてました。

1.5.8〜5.10
【Morning Glory Area】
・5 Gallon Buckets (5.8) - Smithでは珍しくほんとにガバのみ。快適で楽しいルートだが、カチもポッケも無いからか、トポの★グレードはかなり低め。
・The Outsiders (5.9) - Smithでは珍しくガバが多いルート。アップに最適で個人的には4つ星をつけたいが、やはりトポでのおすすめ度は低め。どうもSmithではカチとポッケが無いと★がつかないらしい。
・Light on the Path (5.10a) - はじめてトライした日はまだプリクリ棒を持ってなかったので大変怖い思いをした。the Smithなルート。つまりカチとポッケ天国でhard!
・Lion Zion (5.10c) - 4つ★ルート。55m。長くて楽しい。

【The Dihedrals-Left Center】
・Moonshine Dihedral (5.9) - Tradルート。4つ★。大人気ルートです。Must Tryです。
・Wedding Day (5.10b) - はじめからボルダリーでアップには向かない。

【The Christian Brothers-East Wall-The Testament Slab】
・Revelations (5.9) - グレードの割にカチとポッケ天国でビビる。TRで占領されていることが多い。
・New Testament (5.10a) - Tradルート。遠くからも目を引く綺麗なクラック。内容も素直でオススメ。
・Irreverence (5.10a) - グレードの割に(以下略)。Smithっぽい。これもTR占領ルート。
・Barbecue the Pope (5.10b) - Smithっぽい。たぶん人気ルート。

【Mesa Verde Wall-Left Side】
西向きで少し標高が上がるので午前中は涼しく快適!
・Trezlar (5.10a) - Tradルート。2Pのルートで、1P目はちょっとボロいアプローチ。2P目は美しいクラック。
・Cosmos (5.10a) - ごく普通の5.10aなのでアップによい。
・Screaming Yellow Zonkers (5.10b) - 4つ★。ルート名は酷いけど見た目も内容もNice。
・Moons of Pluto (5.10d) - どう見ても4つ★。一目見て登りたいと思う美しいカンテ。


P6010533.jpg
Moons of Pluto (5.10d)



2.5.11〜5.12
【The Dihedrals】
・Middle Aged Vandal (5.11c) - 内容が詰まっていてなかなかに面白いルート。
・Heinous Cling Start (5.12a) - トポに"Smithで一番登りやすい5.12"とあった。最後のランナウトはSmith滞在初期の私たちにとって最初の試練となった。(Rついてないけどね)
・Latest Rage (5.12b) - 4つ★垂壁カンテルート。ムーヴは出来たがRPならず。カチとポッケ天国の極み。
・Chain Reaction (5.12c) - もうどう見ても4つ★。今回のSmithツアーにおける目標ルートでもあった。みじかしい。


photo by St.Eiji
Heinous Cling Start (5.12a)は壁の途中まで。最上部まで行くと5.12cとなる。



P6060616.jpg
Latest Rage (5.12b)もつい足が止まる綺麗なルート。



photo by St.Eiji
Chain Reaction (5.12c)は無敵のフォトジェニック!



【The Christian Brothers-East Wall-The Prophet Wall】
・Heresy (5.11c) - Smithらしからぬ、かぶったガバの短いルート!だから楽しいけどトポ的★グレードは低い。が、実際は超人気ルートでいつも誰かがトライしてました。


【The Christian Brothers-East Wall-The Testament slab】
・Wartley's Revenge (5.11a) - Tradルート。4つ★。エリアは分けてしまったが、上のHeresyのすぐ左。とても楽しいルートだが、最後にSmithが待っているとは・・!
・Blasphemy (5.11a) - ボルダリー&立体的で面白かった。オススメ。


3.マルチピッチ
【Smith Rock Group-NE Face Right Side】
・White Lycra (5.10b) - 2PのMIXルート。1P目はアプローチ、2P目はbolted faceからのTradで、長くて楽しい。オススメに入れてしまったけれど、下降は岩の反対側に降りて歩いて帰るしか無く面倒臭い(笑)。

【Monkey Face-South Face】
・Pioneer Route (5.7 A1) - 大ヤスリ岩のハイピークルートみたいな位置付け。A1ピッチはアブミ必要なし。お手軽にMonkeyの頂上に立てる気持ちのいいルート。


Monkeyにはもっとユグドラシルみたいな難しいのもいろいろありますが、とにかくSmithにきたらこのてっぺんに行かない手はないでしょう。

P5180377.jpg
ぐるりと一周、様々なルートがある。これは5.11〜5.12のエイド混じりのハードルート。




P5300516.jpg
Monkeyの歯みたいなのは口の中にいるクライマー。Misery Ridge Trail上のハイカーと空間を隔て至近距離で会話ができる。



P5180356.jpg
口の中から空間に飛び出して行く、最後の爽快なピッチ!



P5180375.jpg
70mダブル1回で地上へ。ハングがすごくて空中懸垂ドキドキでした。



P5180372.jpg
人生最長?空中懸垂中。ここにあるには5.13やら5.14やらのやばいやつ。



岩場ははじめの1週間こそ賑わっていたものの、やはり暑いからか徐々にクライマーは少なくなっていきました。
6月に入ると、日没ころになっても気温が下がらず、汁手の私には少々つらいコンディションに。
ここに紹介したほかにも素晴らしいルートが盛りだくさん。スポートの聖地ですが、トラッドもすごいのが色々ありました。



<おまけ>
日中の暇つぶしでトレッキングもいくつか行きました。


photo by St.Eiji
Black Butteものぼりましたよー。簡単なトレイルで頂上に立てます。






↓Chain Reaction 完登動画↓

 


Special Thanks:一部写真提供 St.Eji

2018/5/17〜6/6 Smith Rock クライミング レポ その1〜生活と岩場総論

<スミスロック州立公園>
5/17〜6/6の3週間、アメリカ Oregon州にあるSmith Rock州立公園でクライミングをしてました!


photo by St.Eiji
日本出身のOregonロックデュオ、"Black Buttes"(ブラックビューツ)。
バンド名は2人が愛する"Oregon富士"(勝手に命名)こと"Black Butte"(写真中央)の名にちなんでつけられた。



3週間も居た割には、登ったルート(登っていた時間)は少ないです。
日中は暑過ぎて登れず、夜明け(5時)から早朝までの数時間か、日暮れ前から日没(21時)までの数時間しかまともに登れませんでした。
でも3週間で雨に降られたのはたったの半日!
砂漠的荒野ですが、朝晩の寒暖差はそこまで激しくなく、夜に厳しく冷え込む日もありましたがほんの数日でした。


photo by St.Eiji
Chain Reaction 5.12c。RPした日に記念撮影。



<宿泊>

photo by St.Eiji
キャンプ場で焼いたSafewayの2ポンドTボーンステーキ!



宿泊は、岩場から一番近いところにある"Bivy Area"でキャンプ。3週間ものキャンプ生活ははじめてでしたが、宿泊者無料シャワーあり、炊事用シンクあり、トイレもキレイで紙や石鹸もちゃんと替えてくれるし、とても快適な3週間でした。何ヶ月でも住めるかも。


IMG_9721.jpg
テントサイトと炊事エリアは分かれているけど、炊事エリアに駐車スペースがあるので車横付けできて不便ナシ。



支払いは自動支払い機あり簡単(カード可)。1人1泊$8です。
キャンプ場入り口にはゲートは無く出入りは自由。自動支払い機から出てきた札を車のフロントに提示しておけばOKというスタイルで楽チンです。毎朝決まった時間にパークレンジャーが見回りに来て、札をチェックしてました。(ちなみに未払いだと"ご協力よろしく!"っていうメモがおかれる)



上記のキャンプサイトは焚き火不可ですが、岩場から12kmほど離れた場所には焚き火OKなワイルドなサイトもあります。
アメニティはピットトイレがあるのみで水場なし、各サイトにピクニックテーブルとfire circleがあるだけのサイトで、私たちは焚き火フリークながら、結局利用しませんでした。(遠いし)


<岩場のようす>

P5300503.jpg
出勤風景。奥に見えているのがキャンプ場の自動支払機。



岩場はBivyキャンプサイトから歩いて10分くらいです。
平日もハイカーやランナー、クライマー(その多くが犬同伴)、自転車の人などで賑わい、休日は更にキャンパーも大挙襲来する人気の公園です。


photo by St.Eiji
川沿いにトレイルもあってとても綺麗なところ。グースの親子がガーガー言ってる。



Smith Rockはアメリカのスポーツクライミング発祥の地といわれており、スポートとして開拓された岩場としてはアメリカで一番古いんだとか。傾斜は垂壁から薄かぶりの火山岩で、カチとつぶカチとポッケ天国(もとい地獄)です。
5.9クラスからカチとポッケ(しかも2本指までの)オンリー、ムーヴもハイステップ立ち込みと引き付けオンリー!だったりするので、アップするのも一苦労です。


photo by St.Eiji
人生初プリクリ棒でStick ClipにTryしているところ。私たちが買ったStickは3mだったが、ギリギリだった。細いとしなるし大変。5mあると安心。



また、総じて1ピン目が遠く、3〜5mくらい。しかも下部が簡単という訳ではないのでほとんどのクライマーがプリクリ棒を持ってました。私たちもRedmondのREIで買いました。($70くらい)


P6040581.jpg
プリクリ棒はホントに便利!


また、全体的にランナウトが激しくてメンタルも鍛えられる良い岩場でした。
(Rついてるルートなんて恐くて触れなかった。。)


<スミスでのキャンプ生活>
ここで私たちの日常(一例)をご紹介します。



P5180309.jpg
おなかすいたねー。そだねー。



9:00 起床

9:00〜10:00 キャンプ場(炊事エリア)で朝ごはん(パンかオートミール、ゆでブロッコリー、ヨーグルト、バナナ)


IMG_9742.jpg


10:00〜12:00
Redpoint(ギアショップ)の駐車場に移動し、車内でWifi
or
Redmondの図書館でWifi


IMG_0097.jpg
wifiサクサクだねー。そだねー。



12:00〜13:30 スーパーへ買い出しにGO
(RedmondのSefewayかWalmartの2択)
(滞在初期はスーパーの駐車場で私のMT車教習もしてた)

たまにRedmondのコインランドリーに行って洗濯&Wifi

14:00〜15:00 キャンプ場に戻っておひるごはん(マヨ冷やしセロリ、パン、レタスハムチーズ、アボカドなど)

15:00〜17:00 だらだら(私はKindle読んだりストレッチしたり、シャワー浴びたり、パートナーはギター弾いたり)

17:00〜21:00 クライミング

21:00〜22:30 キャンプ場に戻ってよるごはん(マヨセロリつまみながら炊事。主食はコメかパスタ、主菜1品、スープ1品)

22:30〜23:00 洗い物、歯磨きなど

23:00 就寝


パターン化してからは、ほぼ毎日この繰り返しでした。


photo by St.Eiji
幾筋も伸びる飛行機雲に航路が見てとれる。


時の流れに身を任せ、日々の生活と岩とじっくりと向き合い、"これぞスローライフ"と言えるものを体感できた貴重な時間でした。


IMG_9847.jpg
マヨセロリ。やめられないとまらない。



寝て起きてごはんを食べて、岩登りをしてまた寝る


P6020560.jpg
たまにこんなロケーションでもランチ。



ただそれだけの営みを、来る日も来る日もひたすら繰り返す。
ものすごくシンプルで、スロー。
なんだか、生きるということの本質的な幸せとか、些細なことに感動する気持ちとか、そういうものに気付かされた。
大袈裟だけど、そんな3週間でした。


というわけで、帰国後これからの生活における1つの目標は、この骨身に染み込ませた"スローライフ"を、忙しい国ニッポンでも妥協することなく貫き通すことです(笑)。


<交通>
車がないとまず無理(?)。私はPortland空港でパートナーと合流して車で向かいました(約3時間)。
岩場最寄りの街は5km離れたTerrebonneという小さな田舎町。Highway97を15km南下したところにRedmondという大きめの街があって、ここのモーテルに停泊するクライマーも多いみたいです。


<お世話になった施設たちまとめ>

1.Wifi SPOT
IMG_9837.jpg
クライマー必見の日本昔ばなし、「吉作落とし」。



Redpoint駐車場(キャンプ場最寄りの Wifi SPOTはコチラ)
Redmond Library(キャンプ場から15km。電源、椅子とテーブル、清潔な施設、wifiサクサク、言うことなし!)
RedmondのEco Laundromat(電源付きのテーブルあり!洗濯待ちながら快適wifi)



2.ギアショップ
IMG_9627.jpg
Redpoint店内風景。黄色い棒は太くて丈夫、5mのプリクリ棒!


Redpoint(キャンプ場から5km。小さいが品揃え豊富。トポ、Y&Yのビレーグラス、ジャミンググローブなど購入。コーヒーやビールも売ってる)
BendのREI(キャンプ場から南へ43km。2階建ででかい)



3.アイスクリーム
IMG_9981.jpg
たまにしかあいてない!



Rockhard(Juniper Junction)(キャンプ場入り口にあるギアショップだがギアショップとしては機能してなかった。ハックルベリーのアイスが絶品!)



4.お洗濯
P6060590.jpg
これぞバム生活!



RedmondのEco Laundromat(カード使える)



5.スーパー
IMG_9861.jpg
肉が安くて美味いのだ!



RedmondのSafeway(キャンプ場から16km。無料のSafewayカードを作ると会員価格でお得。肉や魚が美味しくて安い。卵も12個で$1と安かった)
RedmondのWalmart(安定の安さ。日用品買うならこっちかな)
※Terrebonne(岩場から一番近い街)にもスーパーはある(Terrebonne Thrift Wayなど)。小さいしあまり安くないので私たちは利用しなかったが、短期滞在なら十分なクオリティだと思う。


6.外食
4F5A28CF-ED21-48BF-B589-37B4625D10AA.jpg
美味しかったねー。そだねー!



Terrebonne Depot(キャンプ場から5km。オープンテラスもある素敵なレストラン。ランチからディナーまでやってる。美味しかった!)



7.癒し
Crescent Moon Ranch
(97号沿い、Terrebonneの街にある謎のアルパカ牧場。寄ることはなかったが、スーパーの帰りに通るたびいつも癒されてた)



さて、次の記事は岩場の各論です!



Special Thanks:一部写真提供 St.Eji

Bum生活満喫中です

20180607064817d8d.jpeg
ワイキキビーチのサンセット、カフェカイラのパンケーキ、青い海、白い砂浜



前回のブログ後、ワイハやColoradoのボルダーの街をエンジョイした後、ペコマと別れ一路Alaska州へと飛んだ私。


20180607064810be7.jpeg
自然に包まれたボルダーの美しい街並、洗練された美味しいレストランの数々、犬と遊ぶペコマさん



2018060706481438c.jpeg
街から見えているフラットアイアン、岩場は何処もすぐ近く



Alaskaの大きな雪と氷の山を登りたかったけれど、なんとEMS(国際スピード郵便)で日本から送っていた荷物が1つ完全ロストし、冬装備一式を一挙に失ってしまいました。


20180607070006386.jpeg
AnchorageのTed Stevens International Airport。まさかたった一週間後ここにトンボ帰りする事になろうとは、この時まだ知る由も無い。


愛するノミック、バツーラ、スティンガー、買ったばかりのBDのVision(クリッパー4つとPAS付)、エスパースマキシムナノ2〜3テン、更には借り物のスノーシュー、、、ああ、もうこれ以上悲しくて書けません。
兎に角冬山に登る手段を見当もつかない何処かへ奪い去られてしまいました。


カナダで待機していてくれたパートナーにも申し訳ない限りです。Alaska州の玄関口であるAnchorageの街に独りぼっちで1週間滞在し、前半はウォルマートやREIで大量の食料や行動食を買い出し。後半はその全てをせっせと返品しに行きました。みんな同情してくれ、大量の返品も嫌な顔ひとつせず対応してくれました。


Anchorageは山や自然の気配の薄い寂しい田舎町。精神を何とか正常に保っていられたのは、宿から0.7mileのところにあるクライミングジムに三日連続行ったところ、親切なスタッフのにいちゃんが「月パスにした方が得だよ」と気を利かせてくれ、マシンも快適なwifi環境も整ったジムに毎日毎日入り浸ることが出来たからに他なりません。


20180607064831fed.jpeg
唯一の心の拠り所だったAlaska Rock Gym。ただ登り、マシンで汗を流せば無心になれた。夕飯は隣接する人気店に通い詰めた。



カナダのキャンモア在住のパートナーと周りの人々のrecommendにより、目的地をOregon州のSmith Rockに定めました。5月14日、プランBが始動しました。
くよくよして立ち止まっている時間はなるべく少ない方が得なので、私も一旦氷雪をまとった山のことは忘れ、フリークライミングモードに切り替えることにしました。


20180607064833fa4.jpeg
Smith Rock bivouac area(キャンプ場)。居付き過ぎて最古参。


現在、Smith Rockに滞在してそろそろ3週間です。
パートナーのお陰でとても楽しいCamp生活を満喫しています。

今年2月に入ってからはフリーモードから一転し、下半身強化、心肺機能うp、体脂肪増の生活をしていたので、親の仇みたいにカチとポッケばかりのSmith Rockで重い身体に堪え兼ね、中指がまた暴動を起こしてしまいセーブしまくりながら登っていました。


20180607064732a6b.jpeg
Chain Reaction



でも最終的には、エリアの看板ルートも登れ、バム生活も充実し、生きるという営みの基本的な幸せを実感しています。
これぞ、スローライフ!


Smith Rockはアメリカのスポートクライミングエリアとしては最も古い歴史ある岩場だそうですが、日本での知名度は低そうです。クライマーなら誰もが一度は憧れる"バム生活"(の体験に過ぎませんが、、)も含めて、後日あらためてレポートします。


201806070647479e0.jpeg



あ、でもAlaskaは諦めてません。来年リベンジします。
パートナー募集中(笑)。

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

月別アーカイブ

ブログ内検索

カウンター