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東北の高校生の富士登山2018に参加しました

昨年に引き続き、今年も「東北の高校生の富士登山」に医療班スタッフとして参加してきました。


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参加した高校生たち数年分の寄せ書きが詰まった横断幕!




「東北の高校生の富士登山」は、故・田部井淳子さんの想いから発足した企画で、今年で開催7年目となる一大イベントです。
元々は、東日本大震災で被災された方々を励ますためのハイキングに端を発しているそうで、次世代を担う東北の高校生たちに富士登山に挑戦してもらい、今後の日本、東北を盛り上げていって欲しいという淳子さんの願いのこもった登山企画です。



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初日は六合目まで。雲海荘と宝永山荘にお世話になりますが、女子生徒と医療班は昨年同様雲海荘に宿泊しました。




私自身は、知り合いの山岳医のつてでこの企画の帯同医師のお話をいただき、2017年から関わらせて頂いています。
2016年に他界された田部井淳子さんのことはもちろん存じていたものの面識はなく、私がはじめて参加した昨年にはそのお姿はすでにありませんでした。でも、古参のスタッフの方々が熱く語る目線の先には、プロジェクトの先頭に立って引っ張ってこられた気丈な淳子さんの笑顔がくっきりと浮かぶようで、淳子さんを知る方々の中で今も生き続けるその存在感をひしひしと感じていました。



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はじめての登山、はじめての3000m超の高所に苦戦しながらも、粘り強く頂上を目指していく高校生たち。





未だ男尊女卑の風潮が根強かった1960〜70年代において、粘り強く信念を貫き通し、女性にも困難な冬壁が登れるということを身を以て証明したパイオニアである淳子さんは私の憧れです。そして、やはり先鋭的なクライマーである旦那さんの政伸さんとお二人は、互いの登山を尊重し支え合える素晴らしい山好きご夫婦で、クライマー夫婦である自分にとって理想のご夫婦でもあります。


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高校生96名が無事山頂へ!



高校生たちが無事登頂すると、大人のスタッフの皆さんは天国の淳子さんにご報告されています。
私もこのプロジェクトのお手伝いができて本当に光栄です。



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医療バックには、patagoniaのブラックホールキューブ(誕生日プレゼント!)が便利に使えています。
サイズはミディアムかな?ボスミンなどのちょっとした注射薬に外傷セット、外用薬、吸入薬、聴診器、内服薬(鎮痛剤、抗菌薬、風邪薬、芍薬甘草湯などの漢方、抗アレ薬、ステロイド、胃薬、整腸剤、ダイアモックスなど)、エアシーネ、SpO2モニタなどを入れています。
この他に、今回は輸液500cc×2、経口補水液500cc×1、OS-1パウダー×3を歩荷しましたが、懸念された熱中症は出ませんでした。


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今回は下山時に捻挫があり、スタッフと相談の上9合目からの背負い搬送となりましたが、難しい判断でした。
結果的に大事には至らず、翌日にはその生徒さんの症状も軽快して歩行可能になりましたが、むしろ人を一人運ぶということがいかに大変かを目の当たりにしました。

今まで、搬送は実習のみで実際の山行で行ったことはありません。今回は屈強なスタッフの男性が大勢居ましたし、もろもろの状況を総合的に評価した結果こうした選択となりましたが、それでも思っていた以上に大変な作業でした。

病院など設備の整ったところでならできることが、山の中ではその半分もできないことが多い中、ケースバイケースでいかに最良の選択をするか、それを医学的な側面も含め判断するのが私たち山岳医の役目です。
傷病者だけでなく、搬送にあたるスタッフが怪我をしたり体調不良を生じるリスクについても考えなければなりません。
山岳救助では傷病者の安全より救助者の安全が優先されます。

この他にも、もっとこうした方が良かったのではないか、この判断はどうだったのか?と考えさせられる、勉強になることは数多くあり、実地経験を積むことの重要さを痛感しました。



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下山日。達成感に満ちた高校生たちの後ろにスタッフの山脈がそびえたつ





またこのイベントのもう一つの魅力は、高校生という若いエネルギーの塊と直接触れ合えることです。
普段の生活ではまず関わることのない世代たちとの濃密な三日間には新たな発見が盛り沢山です。



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行き帰りのバス車内や山小屋の夜には、経験豊富で魅力的なスタッフの方々との交流もまた濃密な時間です。



田部井淳子さんが掲げた目標は、登頂高校生1000人達成。今年で575人が登頂し、プロジェクトはまた来年へと続いていきます。
今後もこの素晴らしくも楽しい企画のお役に立てたら嬉しいです。



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名物の富士宮やきそばは鰹でなく"鯖節"がかかるのがポイントだそう



みなさんお世話になりました!
三日間お天気に恵まれて本当によかった!

2018/7/21 北岳バットレス第4尾根〜白峰三山縦走日帰り〜後編

道中のお花たち。キタダケソウはたぶん終わってしまったと思いますがお花畑はまだまだ見事でした!
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(左上から)ハクサンイチゲ、シナノキンバイ/シロバナタカネビランジ/ミヤマハナシノブ/チングルマ/ミヤマダイコンソウ/タカネナデシコ



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かわいいグリーンのお花、ミヤマバイケイソウ



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稜線の登山道と合流後、そのまま間ノ岳方面へ進みたい気持ちをぐっとこらえて、約10mの登り返し。
11時23分、北岳山頂に到着しました。山頂は登山客で賑わっています。
近所にある人気のパン屋さん「まちのパーラー」のブリオッシュをいただきます!



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SpO2モニターを持って来ていたので測ってみる。はじめ80台後半だったので少し呼吸を意識。



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「さ、のんびりしてはいられないよ!」とペコマ。ここからコースタイムにして12時間の長い道のりが待っています。
山頂出発は11時半過ぎ。16時半下山はなかなか厳しそう・・。



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北岳山荘まで約300mの下り。さあ、後半戦のはじまりです!



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力の限り走って、足が上がらなくなったら歩いて、の繰り返し。すぐ後ろにぴったりとくっついてくる(高度障害で頭がガンガンしているはずの)ペコマが檄を飛ばすのでサボれません!(泣)


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でもお花の撮影は怠らず。。


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でもってまた走る!農鳥小屋はあいかわらずトイレの臭いが●×△■@!
ここまで1時間40分。コースタイム3時間35分なので半分をきっています。いいペース。



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少し休憩してまたブリオッシュをむさぼり食ったら、ここからついに最後の登り核心です。
もう駆け上がる元気がない。さすがのペコマも疲労がたまって来た様子です。
13時50分、西農鳥岳にタッチ!



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その20分後、農鳥岳登頂して、無事三山の頂上を踏みました。北岳山頂から2時間40分でした。



もうあとは下るだけ!って思いますが、何気にコースタイムでいうとまだ5時間50分もあります。ロングコースなのね・・。
下りで怪我しないよう、気を引き締めて行きましょう!



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下りは軽快に飛ばして、大門沢下降点には15時前に到着。しかしここで、ペコマ痛恨の忘れ物に気づきます。
前の休憩地点にカメラを置いて来てしまった様子。ペコマはものすごく残念そうにしています。



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そして「残念だぁ〜・・」と言いながら、とぼとぼと元来た道を引き返して行きました。空身で往復30分かかったそうです。
私は遺されたペコマの荷物も担いで先に下降を開始しました。



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林の中の急斜面をゆっくり下り、1時間半ほどかかって小屋手前の水場に到着しました。ここでやっとペコマとも合流。念願の冷たい水を500cc補給して、最後のカロリー補給もして、ついにラストスパートです!



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小屋を通過し、沢沿いの登山道をひたすら下る。普通のランニングシューズのペコマは足が痛くなってきてスピードを上げられません。



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登山道が終了、ここから約4kmのロードです!



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駐車場が見えた!最後の全力疾走!



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ゴーーーール!あ〜〜つかれた!ここを今朝出たのが遠い昔のことに思えます。



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時間は17時22分。全行程10時間59分でした。ペコマは頭痛がひどくロキソニンを服用。私もちょっと膝痛が再発でした。
車にあった水をがぶ飲みして、奈良田温泉へ直行しました。



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奈良田温泉の日帰り入浴施設、「奈良田の里温泉」は550円と格安なのに、清潔でアメニティも揃っていてとても良かったです。
施設は高台に建っており、雰囲気あるヒノキの浴槽からは山の眺めも素晴らしい。表の縁側も夕涼みにもってこいです。
ただひとつの難点は、駐車場が高台の下にあること・・。急斜面と階段の登りが約5分。全てが終わったと思っていただけに、最後の最後で心も折れました(笑)。



こうして長い1日が終わりました。終始お天気に恵まれたいい山行でした!
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6:23広河原〜大樺沢〜8:40北岳バットレス下部岩壁Dガリー大滝〜ヒドンスラブ〜9:50第4尾根11:00〜11:23北岳11:34〜12:44間ノ岳〜14:08農鳥岳〜大門沢下降点14:30〜奈良田温泉第一駐車場17:22

2018/7/21 北岳バットレス第4尾根〜白峰三山縦走日帰り〜前編

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二俣にて



北岳バットレスはご存知の通り、日本第二の高峰北岳東面にそそり立つ、日本国内では有数のすっきりとした岩壁で、とくに第4尾根は非常に快適なクライミングが出来るとして大人気のルートです。



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高度感のあるナイフリッジと化した崩落地をトラバース。その後、新ルートはチムニー状の小ハング超えもあり楽しい



しかし2010年10月に大崩落があり、また崩落する可能性は幾らでもあるとのことで、もう近づかない方がいいだろうと言う意見も多く聞かれます。が、依然多くのクライマーを迎え人気ルートの上位に君臨し続けています。
枯れ木テラスのあたりはその崩落により一部ルートが変わって、以前より少し登りごたえが増しているようです。


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ホソバトリカブトと5尾根支稜、Dガリー



私とペコマは、今からちょうど10年前、2008年の7月19日にはじめてバットレスにトライしました。
結果は悲惨なもので・・・。
登り切って無事下山することはできたものの、ほぼ遭難していたといっても過言ではない状況でした。
アプローチを誤って第3尾根に入り込み、間違いに気づきつつもさらに前進して"落石の巣"第2尾根を登攀するという危険を冒しました。


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10年ぶりの第2尾根。垂直のボロ壁から、最後はハング超え・・。未熟だった自分たちが辿ったラインを感慨深く俯瞰した



そのときの(恥ずかしい)記録がコチラです。クライミングをはじめ、バリエーションに行きはじめてまだ1年にも満たないころで、とくに私は色々とやらかしてます。今もあまり成長出来ていませんが、この頃は本当に恥ずかしい登山ばっかりしてました。戒めも込めて、今回再度読み直してみました。けっこう面白かった(笑)。
»尾根の向こうの記録(ペコマ記)
»ちっぺブログ


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ハング超えのあとはこの長い長いハイマツ帯が待っている。深夜、ここを一心不乱に這い上がったのが懐かしい



その後、バットレスへはなかなか再訪の機会がありませんでした。
冬期にも一度行っていますが、天候敗退で壁には取り付けていません。
ペコマとは、いずれまたちゃんと4尾根を登りに行きたいね、と話していましたが、白峰三山の縦走もセットにして日帰り、さらにタイムアタックにすればもっと充実するかな?ということで今回の山行が決まりました。



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アメリカにトレランシューズを忘れて来たペコマはランニングシューズで挑む!



奈良田第一駐車場に前夜入りし、朝一のバスで広河原入りする計画。これなら帰りのバスの時間を気にすることも無いし、奈良田から更に林道を走って鷲ノ巣山を超えて芦安に戻るという過酷なプランも回避できるというゆるふわ計画です♪
登山道はコースタイムの半分、登攀を3時間として計算し、目標は10時間切り!



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朝4時半には第一駐車場を出て奈良田バス停へ。すでに数パーティが並んでいた



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ギアは8mm40mロープ×1、スポーツQD×4、アルパインQD×5、120cmスリング×3。水分は大門沢小屋まで給水出来ないと考え、ペコマ3L、私が2.5Lを用意。行動食は1000〜1300kcalくらい準備した。クライミングシューズも入れるとトレランザックはぱんぱんになり、ハーネスは装着して走った。ちなみにペコマのシューズはおニューのTCプロ!



バスが広河原に着くと、トイレを済ませて6時半頃出発しました。芦安からのバスが少し遅れて大量の登山者を連れて来ていたので、この渋滞に巻き込まれなくてよかった!と心底思いました。


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ぴーかん!でも今シーズン入ったどの山よりも涼しくて快適



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ここが一番きついところ。ペコマの檄が飛ぶ!(笑)



大樺沢ルートは未整備で通行止めとなっていました。実際、ところどころ足場が崩れていました。そのせいもあって途中から少し登山道を外れて沢登りしつつ、二俣へ。標高はまだ2000mに満たないながら、雪渓があるおかげか沢を吹き下す風は天然のクーラーです。まさに念願の避暑ランニングでした。
大岩が目印のバットレス沢を過ぎ、ほどなくして水流のあるC沢に出合います。そこからD沢を少し詰めてトラバースし、C-D沢間の尾根の踏み跡へ。順調にアプローチし、広河原から2時間で下部岩壁取り付きに到着しました。


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C沢出合にて、こんなにしっかり水流あるならここまで水500ccで良かったなあ、と思っているところ



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Dガリー大滝取り付き。雪渓の崩れる音が空洞に反響していた。鳳凰三山の稜線も美しい


先行が居なさそうならDガリー大滝でアプローチすると決めていました。だーれも居ないのでレッツゴー!
ここでアンザイレンし、8時40分登攀開始です。

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III級程度とのことだったのでトレランシューズでリードしましたが、ここがこの日の登攀中一番悪かった気がします。。



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緊張したよー。快適な4尾根はまだかなー?



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大きなハング下のバンドをトラバースしてCガリーを目指します



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多くのネット上の記録にもあるとおり、Cガリー側まで行くと赤印があってヒドンスラブまで導いてくれます。尾根直登ルートの前を横切るとき、2パーティくらいが登っていましたが、その後の登攀中もルート上で出くわすことはありませんでした。



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ヒドンスラブはペコマがリードして、4尾根取り付きへ。快適なテラス!登攀開始からここまで1時間もかかってしまった。。。



ついに念願の第4尾根登攀開始!じゃんけんで勝ったペコマから登り始めてコンテです
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ひゃっほー!なんだこの快適さは!下部岩壁と大違い!



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1回リード交代し、またコンテ。すぐにマッチ箱に着いたので懸垂してまた交代。快適だけどあまりに短い



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マッチ箱を振り返る。高度感は最高!




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この快適なクライミングがせめとあと2倍くらいあったらもっと楽しいのに。終始岩場貸切りで、11時登攀終了しました



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そしてここから20分の歩きです。お花が綺麗過ぎて、写真を撮りながら山頂を目指します。ペコマは高度障害で頭痛がはじまっているようでした・・




写真が多いので後編へとつづきます!

夏山まっさかり〜塔ノ岳、谷川馬蹄形、黒戸尾根ラン

7月に入り、カレンダーは山関連の予定でいっぱい。


第1週→甲斐駒ケ岳山岳医療パトロール(2年目)のための荷揚げ山行で黒戸尾根
第2週→認定山岳医講習会のスタッフ(4年目くらい)
第4週→東北の高校生の富士登山にて医療班スタッフ(2年目)


そろそろ岩登りばっかりじゃなくて体力も戻していかないとなりません。


かつ、5〜6月は北米で成果を出すクライミングしかしていなかったので、トレーニングはおろそかになっていました。
きっと弱くなってるはず(´・ω・`)
その分この夏はがっつりジムトレして、秋のハイシーズンに備えるぞ!と意気込んでいました。が・・・




7月6日にジムでパキりましたorz
左環指(薬指)の基節部(第二関節より根元側)が『ぱきっ!』といったので、「ああ、これがパキるってやつか!」と妙に納得してしまいました。



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課題そのものは難しくなかったし、力も抜けたいいトライだったのに、なぜかホールドを握り込んでダイナミックムーヴに移る瞬間、『ぱきっ!』って・・・
※シェーマはNeumann DA. Kinesiology of the Musculoskeletal System.St.Louis: Mosby, 2002.から拝借


画像診断はしてもらっていませんが、自己診断では A2 pulleyの単独損傷かな・・(部分損傷か完全断裂かまでは不明)と思ってます。
現在、受傷2週間。
pulleyを補強するテーピングがっちがちで軽いジムクライミングを開始していますが、やはり薬指に力がかかると腱が浮く感じで力が入れにくいのと、少し痛みもあり。無理せず少しずつリハビリかなあ、ということで、今は主に指以外のトレーニングに勤しんでます。



そんなわけで、体力トレのために平日山へ行き始めました。
走ろうかな→暑すぎてムリ→高くて涼しいところに行きたい→山に行きたい→サンデー毎日だからいけるじゃん!!
という発想です。
これ山の近くに住んでたら当たり前だけどね。。



7月10日は丹沢、塔ノ岳へ行きました。電車とバスで行ったので、大倉バス停出走は7時半。
太陽はすでに空高く昇り、まさに酷暑ランでした。



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登山者で賑わう山頂



登りは"バカ尾根"と名高い大倉尾根。
蒸し暑さMAXで、発汗しても調節が追いつかずに体温がどんどん上がっていく怖さを実感しました。
1Lの貴重な水を、飲むよりも頭から浴び続け、なんとか登頂すると同時に水も尽きる。
標高差150m(登山地図によると往復30分)の水場まで往復し、それにより脱水を悪化させながらも1L給水。
その後表尾根を回るコースで三ノ塔を経由し下山しました。
翌日は脱水でダウン。暑さ慣れも大事だということを痛感しました。



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SNSでやけに好評だったヒドイかお写真(笑)



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Geographicaは便利な無料アプリ。BCスキーに引き続きラン記録にも愛用


<日付>2018年7月10日 7:35〜12:21
<コース>大倉バス停〜大倉尾根〜塔ノ岳〜新大日〜三ノ塔〜三ノ塔尾根〜大倉バス停
<タイム記録>※()内はコースタイムとの比率
コースタイム:7:15
自己タイム:大倉尾根1:58(0.56)+山頂休憩&給水0:38+塔ノ岳〜バス停2:10(0.58)=4:46(0.66)



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一ノ倉岳、谷川岳はまだ遥か遠い



1日レストして、翌7月12日は、兼ねてから走ってみたかった谷川連峰の馬蹄形縦走(反時計回り)へ!
午後から天気崩れるかもとの予報だったので、朝2時起床でドライブ、4時半ころ土合橋Pを出発しました。
今回はロングコースなので、水は途中給水前提で合計1.5L(うち1Lはスポドリ系)、ツエルトと防寒具(あと自撮り棒)も持ちました。


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ガスガス


さて。私が一番の核心と思っていた白毛門までの登りは、早朝なのもあって気温もまずまずで、タイムは1:25。登高速度700m/hでした。
トップランナーは1000m/hとか聞きますが強すぎですよね・・。いちおう800m/hを目標にしていたのですが達成ならずでした。


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ニッコウキスゲ満開を独り占め!



その後朝日岳までは涼しくて快適だったのですが、標高1950mから一気に1450mまで下がってしまうため、ヤブも濃くなるし太陽も昇って暑いしで、また水との戦いになりました。


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白崩避難小屋周辺は急にメルヘンな雰囲気に


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1.5Lのうち500ccは真水、500ccはクエン酸ドリンクで残り500ccはコレ。飲みやすくて美味しい!



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ぜえぜえ・・・。なにこの「ざわわ」感・・



下調べが甘かったのですが、途中給水できる場所はどれもコース上から少し離れており、わざわざ行くのはちょっと面倒。
天気が崩れ始める前にオキトマを抜けてしまいたいというのもあって、ずるずると給水せず走り続けてしまいました。


9時頃、蓬ヒュッテにて大休止。順調だしこのまま降りることにします。


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代々木八幡の大人気パン屋さん「365日」のパンで贅沢なひととき♪



茂倉岳まで標高差400m、最後の核心部です。ここへきて太陽がやる気を見せ、激しく脱水に。足が止まります。残りわずかとなった水を少しずつ口に含みながら、なんとか1時間半で登頂しました。


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必殺自撮り棒!


暑さにバテていたけど、カロリーを補給したらまた元気が湧いてきた。標高上がるとやっぱり涼しいし!でも東側の稜線と比べると心なしか湿度が高く、肌にまとわりつく空気が違う気がしました。


残り水はこの時点で500ccをきっていましたが・・結局往復25分の水場へはいかず、「あとは下るだけっしょ!(最悪小屋もあるし!)」とそのまま前進しました。


すると、やはり予報通り、ガスが濃くなっていき、いつしか雨が降り始めました。でも雷が鳴る感じではなかったので、とりあえず急ぎ足で稜線を通過!
雨のせいで滑りやすくスピードは出せなかったものの、涼しくなった分快適でした。



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天神尾根から田尻尾根で下山。泥道と化した田尻尾根で、もうすぐゴール!というほんの少し手前でついに足を滑らせ、尻もちをついて泥まみれにorz でも沢と合流したところで着衣のまま全身沢浴び!どろどろだった靴も綺麗になって、気持ちよくゴールできました。



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Geographica記録


<日付>2018年7月12日 4:17〜13:05
<コース>土合橋P〜白毛門〜朝日岳〜清水峠〜七ツ小屋山〜蓬ヒュッテ〜茂倉岳〜一ノ倉岳〜谷川岳〜天神尾根〜田尻尾根〜谷川岳ベースプラザ
<タイム記録>※()内はコースタイムとの比率
コースタイム:17:15
自己タイム:8:46 (0.51)



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海の日の3連休は毎年、認定山岳医講習のスタッフで立山です。
登山研修所で2泊3日、熱気に満ちた講習生と触れ合い、頼もしく愉快なガイドさんたちと交流し、山岳医・看護師の仲間と激しく肝臓を鍛え合いました。


そうして迎えた今週、肝臓のレストのため1日お休みして、昨日は黒戸尾根に挑戦しました!



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八合目も灼熱!


普通の登山やAフランケへのアプローチなどで何度か訪れていた黒戸尾根ですが、昨年からはじまった「日本登山医学会認定甲斐駒ケ岳山岳医療パトロール」によりさらに馴染み深い場所となりました。
今月の頭にも荷揚げ山行で入っているし、長い道のりの詳細が頭に入りつつあります。
そんな黒戸尾根ですが、本気出して走りきったことはまだありません。今回は力試しということで、ちゃんとトレランとして走ってみることにしました。


また2時起床でドライブし、走り始めは4時半。日の出の少し前でしたがすでに蒸し暑く、途中給水無し設定で水は合計2L持ちました。
ツエルトも自撮り棒も置いていき、とにかく全力で走ってみました!


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自撮りでなく登山者の方に撮ってもらってポーズ!


終始快晴で自身の甲斐駒史上一位(?)のぴーかんでした。山頂からの展望も最高!
平日ながら登山者も多く、途中で「山岳医の方ですよね」と声もかけていただいて嬉しかったです。
バテましたが、自分なりに追い込みました。だからこれが今の実力だと思います。


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中央アルプスの稜線、槍穂の稜線もくっきり


登りが3時間37分、下りが2時間18分。ちなみにペコマの本気走りは、昨シーズン、七丈小屋からの下山が1時間10分だったそうで、それを抜いてやろうとひそかに頑張っていましたが、今回七丈からは1時間43分かかりました。ま、こちらは山頂往復してるしね!(笑)


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目標6時間半でしたが6時間切れたのは嬉しい


<日付>2018年7月18日 4:28〜10:23
<コース>尾白渓谷駐車場〜黒戸尾根〜甲斐駒ケ岳ピストン
<タイム記録>※()内はコースタイムとの比率
コースタイム:14:40
自己タイム:5:55(0.40)


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パンがぱんぱん、なんか久しぶり


暑くて指が痛くても、楽しいことは色々ありますね。
今週末はお天気も良さそうなので旦那さんと白根三山を走ってきます!

2018/6/30 尾白川〜鞍掛沢〜鞍掛山〜日向山

先週末は、梅雨はどこへやらの晴れマークに気温急上昇!
真夏を先取り!!ということで沢に行って来ました。



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明るく美しい花崗岩の沢!



選んだルートは尾白川〜鞍掛沢〜日向山。
日向山は、黒戸尾根から見えて気になる夏でも真っ白な山です。
翌日一緒に登る予定のビビアンは登山道から登り、日向山山頂で合流するプランになりました。



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駐車場で着替え中、足袋靴下が両方とも右なのに気づいてびっくり!
しかし、「そんなことで驚いてるの?ひっくり返せばいいだけじゃん」というペコマの言葉に更にびっくり。
ちなみにペコマは日常茶飯事すぎてもはや左右を気にしたことなんかないんだとか・・・(おそれいりました)。



通行止めがあったので尾白川渓谷駐車場に車をとめ、6時半ころアプローチ開始しました。日向山登山口まで約30分のプラスです。
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先シーズン、すり減ったフェルト足袋を捨てたままだったので、前日の夜に家の近くのモンベルへ行って沢靴を新調しました。
"サワークライマー"という、モンベルオリジナルのラバーソール、リールアジャストが便利な沢靴です。
(箱をとっておけば返品可ということで、まだおうちにタグと箱を保管中)



登山口からは尾白川と並行して走る林道を終点まで。


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途中の崩落地はすでにしっかり踏み跡がついていて問題なし。
アプローチで3パーティくらいとすれ違いました。



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トンネルを3つ過ぎ、林道が行き止まったあたりでFIXの張られた降り口がありました。




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2人でザック1つという超お散歩スタイルで入渓準備という準備もないけれど、私はここで防寒具一切を忘れてきたことに気付くorz
少しカロリー補給などして、レッツ入渓!



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水はさすがに冷たく、シーズン1発目だったり防寒具が無いという不安もあって、ストロングスタイル(=じゃぶじゃぶ浸かるスタイル)でいく勇気がなかなか湧きません。
出だしから小滝も出てきてfinetrackのフローティングロープを出してみたりしたけど、ロープが短すぎて(15m)突破に2Pかかりました。



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渓相は明るく、小滝やナメ、淵もあって楽しい。魚影も濃い!今更ながら、迷った末竿を置いてきたことが悔やまれます。



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滝登りもほどよくアドベンチャラスで、新人勧誘山行にはちょうど良い感じ!
新しい沢靴もいい感じです。フェルトと違ってソールがしっかりしているのでゴーロ歩きも楽だし、沢床の部分的にぬめるところ以外は、苔でも効きがよくストレスふりー。(返品はナシかな!)



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ちょっとわるいマントル!



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10時過ぎ、乗越沢の出合に到着。ここで地形図を見つつ、稜線上の登山道と鞍掛山とのコルへ出る沢を詰めようと決定。
しかし誤って1本手前で右の沢へ入り込んでしまい、詰めに苦労しました。
はじめは倒木や藪の薄い岩岩した詰めで「アザミなくてラッキー☆」とか言っていましたが、登るにつれ傾斜が増し、脆い70度くらいの岩場で行き詰まります。ロープは15mだし、岩はぬめるしボロボロ。。

悪いワンポイントをなんとかぬけて、持ってきたハーケンを2枚、脆い岩にぶちこみ、10分以上かけてグラグラする支点を作り、何とか後続のペコマをビレイ。
その2枚は案の定、回収時にハンマーで叩いたら岩ごと吹っ飛びました。。


もう1ピッチ、ペコマにロープを伸ばしてもらって(たった15mだけどw)もっとも悪い箇所は抜けられました。
このビレイの間に身体が急速に冷えて、ペコマの防寒具を借りました。
お散歩でも山では防寒具を忘れちゃいけません!!(反省)



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途中で現在地を特定し、仕方なく鞍掛山山頂を目指すことにしました。
地形図上も傾斜が緩んできておりなんとか山頂へ抜けることが出来ましたが2時間以上かかってしまいました。


進退窮まることなく抜けられたからよかったですが、もっとちゃんと地図読みしなきゃね、っと反省です。。
でもアドベンチャラスで楽しかったです(笑)。



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詰めようとしていた沢とのコル。傾斜はゆるいけどアザミ漕ぎがすごそう!



鞍掛山山頂で登山者と遭遇。地形図上は道がないものの、鞍掛山から稜線までも普通に登山道があることを知る。(登山地図にはフツーに道が書いてあるそうな)
やった〜、あとはただ走るのみ!
(地形図上は鞍掛山からコルへ降りる斜面も急なところがあるので、ルーファイしながらの下降では更に時間がかかるところでした)





稜線上へ到達したのは13時半ころで、ここでやっとケータイの電波が入ったのでビビアンに連絡。
山頂で13時待ち合わせの予定でしたが、先に降りてもらうよう告げました。
あとは走るのみ!


快適な林の中の登山道を小走りに進んで行くこと30分ほどで、その瞬間は突然おとずれました。



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なんだこの真っ白な空間は!



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背後の鬱蒼と茂った林から飛び出すと突然、ひらけた空間に花崗岩の大ビーチが現れる。これは壮観です!



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なんて気持ちのいいところなんでしょう!来てよかった!


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でもめっっっちゃ暑いからさっさと降りよう!!!




走って降りて、長らく待たせてしまったビビアンと合流。
シューズはラン下山時も快適でした。(返品はナシ!)
温泉に浸かって、ナナーズで買い物したら廻り目平に移動です。
私は帰国後、今シーズン初の焚き火でした!


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1日おくれの29の日活動もやりました!



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翌日曜日は灼熱の「届け手の平」など。久し振りにしびれた〜。梅雨でも意外と登れるんだね!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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