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パキってから3ヶ月、いざヨセミテへ

今年7月6日、ジムで左手薬指をパキった。
「ぱきん!」という音がして強い衝撃を感じた。
その瞬間痛みは無かったものの、驚きでホールドを手離し、飛び降りた。


「今のなに?!」って指を見つめながら、

「これってもしや・・」「パキったのかも」「しばらく登れなくなるのかも・・」と瞬時によぎった嫌な予感。

「いや、(そうなる前に)コレは終わらせておきたい!」

本能に駆り立てられるかのように急いでテーピング後、同じ課題をすぐトライ。
やはり同じホールドの握り込みで痛みが走る。けど無視してムーブを続け完登した。
ふぅよかった。さて・・。

降りて気持ちが収まったところで、現実逃避をやめ、冷静に局所の観察をはじめた。


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左環指(薬指)基節部に圧痛+。
まだ受傷直後で腫れや痛みは殆ど無い。
急いで帰宅して20分の氷水アイシング後、テーピング固定してNSAIDs(ロキソニン)を飲んだ。


あーあ・・。調子良かったのになぁ・・。
と残念な気持ちでいっぱいになる。


パキった日は、疲れが溜まっていた感じもなく、その2級の課題トライの時も力の抜けたいいトライだった。
パキリといえばclosed crimp(どカチ持ち)が最多受傷機転の気がするものの、私の場合はサイドピンチだった。
左手サイドピンチを握り込んで、遠く右上にあるフラットなガバへのデッド。右手がガバを捉えた瞬間に、引きつけていた左手から大きな"POP"音がしたのだった。


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こんな感じの課題。


いつだって怪我らしい怪我をするのはジムだ。
この日は時間がなくて、年パスだし1時間でもいいから登りに行こうと思った結果がこうなった。
アップが足りなかったのだろうか・・。
毎度のことながら、予防法が見えてこない。
しかし運動を続けている以上完璧な予防法などなく、肝心なのはいつだって、怪我をした後にどう行動するかなのだ。


とりあえず、クライマーのパキりについてマトモに調べてる文献とか無いのかな、と探してみた。

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圧痛点と、屈曲伸展が問題ないこと、パキった時と同じ動作で力を入れると不安定感とともに腱の浮いてくる感じがすることから、「pulleyの損傷かな」と思い、"pulley injury climbing"とかで検索してみたら、freeで見られる記事や文献がいくつかあった。


https://www.wemjournal.org/article/S1080-6032(03)70539-0/pdf

https://medium.com/@jamesleedpt/a2-pulley-injuries-in-rock-climbing-9cb00fa6f3bf

https://theclimbingdoctor.com/pulley-injuries-explained-part-2/

とか。



結局のところ、Schöfflら(2006)の報告がもとになり、下表のガイドラインが広く認められているようだと分かった。


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病院やめちゃってて手元にエコーも無いし、MRIもお金かかるし、とりあえず自己診察だけしてみてgrade4ではないだろうと診断。つまり保存的に治るだろう。
クライミング能力はオペ無しでちゃんと戻ると書いてある。しかし怪我前くらいに戻るのには1年を要する、とある。

1年〜くぅ〜!1年は長いよー!

とりあえず見なかったことにする。


grade2と仮定して、固定は10日、リハビリ開始が2-4週、簡単なクライミングは4週以降から、テーピングは最低3ヶ月!
よし、コレで行こう。
ガッチガチに固定すればクライミングするのも"リハビリ"の範疇と考えて、クライミング開始は2週後からかな!


そうすることにした。



そんなわけで、4日間くらいは完全固定。
ロキソニンを飲んでなるべく炎症も抑える。
大人は2週間程度ですぐ関節拘縮を来すので、5日目くらいからは固定を外して日常生活動作のみOKとした。
そして迎えた2週後・・。
ガッチガチにテーピングして登ってみた。
痛かったorz


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その後もテーピング固定でだましだましジムへ。
でも思うように登れないし、ストレス溜まるし、そのうち痛めていないハズの薬指の付け根(A1 pulleyのあたり)の方が痛むようになってきた。A2が機能せず腱が浮くためにモロにA1に負担がいって腱鞘炎をきたしているのだろう。
放置して登り続けたらバネ指にもなりかねない。

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怪我して初めて気づいたのだが、薬指はけっこう活躍している。
上記の記事でも「パキリが一番多いのは薬指のA2 pulley」と言っている。
オープンのカチは持てるがピンチが持てない。テーピングのせいかラップも全然効かない。
とがったガバはもろに圧迫されて痛い。アンダーが無理。スローパーも抑え込むと痛い、などなど・・・

やっぱり無理したらダメか・・と諦め、7月はひたすら山を走ってた。


7月終わりのノルウェーはエンクラモードだったので、テーピング固定してれば何とかなった。
でもカムの回収のとき、薬指でトリガーを引けない。
フォローで上がる頃にはカムが少し歩いてクラックの奥に入ってることがあるので、人差し指と薬指でトリガーを引く場面が多々ある。
ここでも薬指の大切さを感じるのだった。。


8月9月と過ぎて、やっとジムで3〜4級が登れるくらいになる。
いいテーピングの仕方もわかってきた。
そして今月に入り、しっかりテーピングさえしていればほぼ違和感ない位にまで回復してきた。
カムのトリガーも引けるようになった。


ついに明日、ヨセミテへ向けて出国。
パートナーが神過ぎてお荷物になる気しかしないけれど、調整万全!ともいかなかったけれど、全身全霊で聖地クライミングを満喫してきます。
今夜は旦那さんとプチfarewell partyだよ!

2018/10/4 甲斐駒ケ岳 Aフランケ スーパー赤蜘蛛 ワンデイトライ

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昨日はスーパー赤蜘蛛に行ってきました!



パートナーは最近知り合ったツヨツヨ女子クライマー"ASAKOMAN"!
八丈島で辺境クライミングしてたらメッセージがきて、
「10/4天気予報よさそうやし、行かへん?ワンデイで!」
と誘ってもらったのがきっかけでした。
こういうとき二つ返事でおっけーできるのが、、無職って最高!(笑)


スーパー赤蜘蛛は今回で3度目です。
1度目は2013年。Yosemite Noseの練習のためにホールバッグを持って行って大テラスビバークというスタイルでした。
2度目は2015年。この時は普通に岩小屋泊まりの2泊3日でした。


今回はワンデイでのトライです。テンション鰻!
私はまだどのピッチもRPできていないので、今回はチームRPが目標です。



天気予報が次第にあやしくなるというお決まりパターンのなか、
「天気予報が、、あれやな」
「でも予報通り15時降り始めなら逃げ切れるんちゃう?」
「せやな!」
って感じで前日の夜を迎えました。
(本場の関西人の前でエセ関西弁を使って叱られたいタイプ)



ASAKOMANは2度トライしているものの、1度目は昨年アプローチ敗退で、2度目の今年も雨に降られて3ピッチ目までで敗退しているとのこと。スーパー赤蜘蛛への思いは強いものがあるようです。
「雨だとしても、ギア担いで取り付きまでどのくらいかかるか歩いてみたいから、行くわ」
とASAKOMAN。
「じゃーダイエットになるし私もいくわ!」(注:登山は大概ダイエットにはならない)
って感じで雨天決行になりました(笑)。



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話し合いの結果、ギアは60mダブルロープ×2、カム#.3〜#.5×2セット+#.75〜#2×3セット+#3×1、ナッツ1セット(使わず)、120cmスリング×4、60cmAQD×8、オズQD×4。水は七丈小屋補給で、登攀中は2人で1L。防寒具はレインウエアと化繊ジャケットを各自1。私は行動食はバー系を中心に1500kcal程度。
切り詰めすぎない程度に切り詰めて軽量化をはかりました。



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前夜23時に歩き始め、七丈小屋着2時20分、八合目岩小屋には3時過ぎころ到着しました。
ASAKOMANは健脚です!
本当は、白み始めるころ岩小屋に着いて、ある程度明るくなってからアプローチ開始のつもりだったのですが、幸い最近一度アプローチをしているASAKOMANが一緒なので、2年ぶりの私も安心。
岩小屋で装備を一つにまとめ、いらないものをデポしてそのまま取り付きを目指すことにしました。


アプローチはある程度踏まれているしピンクテープもあるものの、明瞭というほどではなく、暗いので慎重に降りて行きます。
最後のほうで、FIXロープが巨大な落石の下敷きになっている(2年前はなかった)ので、そこだけロープを出して20mくらいの懸垂。
ケータイの電波が入ったので予報を確認してみたところ、いろいろ総合的に楽観的に判断して、降り始めは15時!
とりあえず登ろうということに決定しました。
そしてアプローチ開始から2時間弱くらいで、Aフランケ取り付きに到着しました。


時間は5時過ぎ。
まだまだ暗いのでゆっくり支度しながら明るくなるのを待ちます。
オーダーはふたりとも特に希望なく、じゃんけんで勝った方が奇数ピッチ、ということにしました。
結果、私が奇数ピッチ、ASAKOMANが偶数ピッチ担当に。
明るくなってくると、赤石沢対岸の紅葉がやばいことになっててテンション鰻です!
目標のチームRP目指して、クライミングスタートです!


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2回きていて2回とも結構ひどい状態だった1ピッチ目。
1ピン目にクリップすべく、おそるおそるホールドを触ると・・なんと、なんと!ぱりっっっぱり!!
ピッチを通して終始ぱりっぱりで超快適。
ああ、触っているだけで幸せを感じます。これだからやめられないよね、クライミング。
1ピッチ目は無事RP出来ました。


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八丈島でTG-5が壊れたので、新しい"コンデジ"としてついにGoProを買いました!
あえてGoProにした理由は、軽さコンパクトさと、八丈島でけんじりが撮ってくれた写真の綺麗さ&広角のすごさです。
今年9/27発売の最新モデル!
ということで撮りまくってみました♪


本当に広角度合いが半端ないですねー。マルチピッチでは重宝します。
風景写真としてはイマイチなのかもしれないけど、ブログにアップするような登攀の記録的な写真だったら十分な画質です。



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2ピッチ目、凹角はASAKOMAN。つづいて3P目、険悪な印象しかない5.10前半がついたスラブです!
しかし・・・えっ、こんなに簡単だったっけ?と思ってしまうほどのパリパリさ加減。
こちらも呆気なくRP出来ました。ここまでだけでももう来て良かった!と思っちゃうほどの状態のよさ、適度な気温と湿度。快適すぎる!



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続く4ピッチ目、ASAKOMANは前回3ピッチ目敗退なので、彼女にとってはOSトライです。
ここ、5.7とか言ってるけどハングの傾斜だけですでに5.9以上はあっておかしくない。しかも"隠しホールド"の存在に気づけなければ全く登れません(笑)。でもつよつよASAKOMANは難なくOSでした。Excellent!


ASAKOMANがそのまま大テラスまで伸ばしてくれて、フォローを開始したところ、なんか冷たいものを感じました。
気のせいかなー?と思って空をみやると、何やらしとしと降っているような。
あれー、まだ9時だからやっぱり気のせいかな?


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大テラスで休憩しつつ、またスマホをひらきます。
雨雲レーダーを見ると10時半くらいには雨雲に呑まれそう。
雨はまだやまないけど時間はまだ9時半です!


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「どーするー?」
「どーすっかねー」
「でも、この予報のかんじだと、降ってもぱらぱら程度でざーっとくることはなさそう」
「てか実質あと3ピッチやし。行けるっしょ!」
「この程度の雨ならクラックの中までは濡れへんやろ!」
「せやな!」
「せやせや!」
って感じで雨天決行になりました(笑)。


5ピッチ目、大テラスから凹角を抜けてみると、その先のスラブはぬめぬめ。
カイコマの花崗岩は濡れると本当によく滑りますね。
ああ・・束の間のぱりっぱりでした。でもあれに触れただけでもう来た甲斐あったから問題なし!



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赤石沢に立ち込めるガス


雨はいったんおさまったようで、また空が明るくなったりしていました。
ついにやってきたスーパークラックは濃いガスに包まれて見えなくなったり、かと思えばぱあっと晴れて一番上まで見渡せ、ダイナミックな景観がひろがったりと幻想的。やっぱり山っていいね。



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6ピッチ目、核心の5.11cのクラックです。ASAKOMANクライミングすたーと!
でもやっぱり、悪いよねー。テンションが入ってからは一歩一歩、進んで行きました。
「あー!」「くー!」という呻きがモチベーションの高さを物語っています。
雨の心配とかなければ小一時間ここに留まって、私も一便出したいなとも思っていたけど、本格的な雨になったら最終ピッチのスラブも怖いし、今回は6ピッチ目RPはお預けで前進することにしました。



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7ピッチ目、2年前は出だしに苦しめられRPならずでした。
今回も悪かったです。
でも2年前のびちょびちょに比べれば状態もよかったし、気合いでなんとかハンドセクションまで行きました。
そうしたら、最初のレイバックで力を使いすぎたか、残りのハンドがやたら疲れました。「ガバなのになんで?」って思うほどヨレヨレになってました。
はじめ「軽量化のためにカムは2セットでランナウトに耐えればいっか、ハンドだし」とか思ってたけど、やっぱり#2が3個あってよかった。本当によかった。3個でも心折れそうになったよ。やっぱり40mは長いです。長いは正義です。



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スーパークラック上部からの写真。

上からみると・・このスーパークラックの凄さが身に沁みます。
レッジトゥレッジ・・・私なんかにできるのか?
って思っちゃうけど、次また来るときは70mロープ持参です。誓います。
それに見合うだけ強くなって再訪だな!
それにしてもこれをフリーソロ・・・・ああ、改めて目眩がしますね。



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14時、スーパークラック終了点にて紅葉と自撮り!
超広角だから自撮り棒いらず、リーチのない私でも簡単に自撮りが楽しめます♪
サイドポケットに入れたままクライミングしても全くストレスを感じない大きさ、重さ(116g)です。
買ってよかったかも!



時間はそろそろ15時にせまる。
雨もスーパークラックを登っているときからまたぱらぱら来ていたのが、ここへきて本降りっぽくなってきました。
8ピッチ目はスラブ。ASAKOMANがOSトライです。
つよつよASAKOMANはここも見事!OSでした。NICE!



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終了点にて「オツカレー!」
ここでいったんロープを解いてスクランブリングしましたが、途中でまたロープを出して岩小屋まで。
Aフランケ頭着は16時。八合目岩小屋着は16:20でした。
「行動食尽きた・・」「やばい腹減った・・・」とうめきながらパッキング。レインウエアを着込んで雨下山開始です。


17時頃、静まり返った七丈小屋の前を通ったら・・・主人の花谷さんに声をかけてもらい元気出ました。あにき・・☺️



登りながらも、女子ふたりの関心ごとといえば美味しいお店の話です。そしてASAKOMANがよく行くという"Dill"というお店の話題に。
七丈小屋のメニューに"Dill自家製ジンジャーシロップを使ったホットジンジャー"というのがあり、私も頂いたことがあって、レストランだとは知らなかったけれど"Dill"の名前だけは知っていました。ASAKOMANの話を聞けば聞くほどに行きたくなってくる。



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もしラストオーダーに間に合いそうなら行きたいねー!と話していたところ、「もしかして急げば間に合うかも?」と気付いてしまう。
少し急ぎ足に降りて、駐車場着は19時22分でした。



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登山はダイエットにならないのです!

美味しいごはんまでたらふく頂いて、大満足の1日でしたー!
レッジトゥレッジRP目指して頑張ります。
ASAKOMANさんくす!!

プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属。国際認定山岳医。
好きな食べ物:肉。
カリマージャパンアンバサダー。

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