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2019年1月3日 大雪山・旭岳 登頂 & BC スキー

黒岳登山の翌1/3は1/2よりも冬型が緩み天気が良くなる予報でした。
この日を逃すといい条件の日はもうなさそうなので決行です。

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昨日の夜はしっかり降った様子。ゴンドラは満員御礼でした。

旭岳ロープウェー始発でゲレンデトップへ。そこには広大な雪原が広がっており、ガスが濃くて視界はよくありません。
この日は山頂方向へ上がるのは私たちが最初でした。適当に東へ向かって歩きます。


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旭川秀岳荘で明るめレンズのゴーグルを購入。これまで全然雪面が見えていなかった曇りの日も滑りやすい。基本的に天気の悪い旭川では大活躍でした。


広大な雪原だけど起伏があって、姿見の池から尾根へと上がるポイントは部分的に傾斜の強い雪壁だったりする。まずは旭岳石室を目指して登りやすそうなところを進みます。

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火山ガスがごうごうと噴出する横を通過する


尾根にあがると流石の強風でした。シール歩行を続けられなくもない傾斜ですが、ウインドクラストと体を持っていかれる強風に安全策をとり、標高2000mを超えたあたりでちょうどあった大岩の陰にスキーをデポ。アイゼン装着。「荷物もなんもいらないよね」ってことで空身で山頂へ。このとき、登山者が後ろから追いついてきました。彼らも強風から身を守るように前傾姿勢で進んでいきます。


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あれ、抜けてる?


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雲海も北海道クオリティ


歩き始めてから約2時間で山頂直下に到達。
なんとそこは雲を抜け、ぼんやり輝く太陽と真っ青な空、そしてどこまでも続く雲海の幻想的な世界でした!

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す、すごい!



雲海で地球が丸く感じたのははじめてです。絶景をひとしきり堪能して、さっきの登山者に写真を撮ってもらったら下山です。
デポ地へ戻ってスキーを装着しました。

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でっかいどー!


まずは尾根の南側斜面を落とす。稜線上は岩が出ていて滑れないし、南へ行きすぎてもだめなので、滑りやすそうなところを選びながらコンパスをたよりに西へと進みます。


でも、あたりはすぐに濃い霧に覆われ、天地すら分からないホワイトアウトに。雪面も基本的に何もないので方向感覚が狂います。少し先のちょっと出てる岩とか、目標物を見定めてとにかく西のほうへ落とす。雪も硬く、ここは楽しく滑るというよりこなす、といった感じで切り抜けました。


どうにか姿見の池あたりまで落としてきたけれど、未だ石室も見えないし相変わらず上下左右も分からない。ここでGPSを確認しました。すると、ここからスキーヤーズライトへかなりトラバースしなければならないことが分かります。目隠し状態で闇雲に進んでいたら、気づくと雪庇のキワに乗っかっていてビビりました。一瞬霧が晴れた時、真下が絶壁でした。いやーアブなかった。


なにやら人工物が見えたのでそっちへ移動。でもラッセルは腰以上で雪も重く、スキーはいてるのにハマりまくりです。なんじゃこりゃ。
やっと夏道に合流すると他のスキーヤーのトレースがありました。ここまでくるとガスもだいぶ抜けてきました。

崖に入り込まないよう気をつけながら、トレースを辿ってずーーっと南にトラバースします。
そうして第二天女ヶ原の美味しそうな斜面に到着。多くの人はもっと手前で大きなバーンを落としていたようです。そこかしこから「ひゃっほー」という声が聞こえていました。私たちはラッセルにあえぎながらなんとかたどり着いた細い沢地形を落とすことにします。

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傾斜は40度ほど。こんなに重い深雪で大丈夫か!?という不安は、思い切って板を真下に落とすとすぐに消え、次の瞬間には「ひょー!!」と叫んでいました。





これがオーバーヘッドの深雪かー。傾斜のないところのラッセルは大変だったのに、この傾斜になると綿のような雪に包み込まれ、体が自然と浮いてきます。

沢を落としきると、旭岳常連さんたちがひゃっほーしている大きなバーンが見えました。ほかにも楽しそうなところ満載。
もう登頂は果たしたし、山頂付近のバーンは硬くてあまり面白くないから、次からは途中までハイクアップして1日何本も落としたいな。


谷底まで滑降を楽しんだ後はゲレンデへ戻るべく右へ右へとトラバース。傾斜がないし、というかほとんど登りなのでシールつけてる人も多かった。ハの字登りやカニ登りを駆使してなんとかそのままゲレンデへ滑り込み、一気に駐車場まで。車についたときには15時半を少しすぎるくらいになっていました。


結構疲れたね、と、夕飯は人気回転寿司トリトン。早めの時間だったので45分待ちで入れました。

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回転寿司とは思えないクオリティと人気のお店。帰るころには2時間待ちになってた(笑)


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美味しかったー!


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深雪スキー、これは病みつきになりますね〜。北海道クオリティ万歳!!

2019年1月2日 大雪山・黒岳 登頂 & BC スキー

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旭川グルメ散策

今回の北海道旅行十日間はやりたいこと全部やろう!プラン。
スキーウエア、スキーとスキーブーツ、ヤッケ、シングルブーツ、アイスアックスにスノーシュー1人分、アイススクリュー10本と岩用ギア、ダブルロープ。そして寿司屋へいくための小綺麗な服装・・・などなど、全部詰め込んで持参です。


AirDoの無料預かりはひとり20kgまでと到底ムリなので、超過料金を支払って乗りました。それでも郵送より全然安かった。
唯一、スキーヘルメットだけがかさばって持っていけなかったのでクライミング用ヘルメットで代用しました。

足りないギアは青鬼旭川支部長のげんきたんから借りました。さんくすべりまっちょ!

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同人青鬼旭川支部はすでに本部より大所帯


天気予報は強い冬型と寒気の流入で十日間を通してあんまりよくない。
天気によって臨機応変にそのときやれることをやろうスタイル。
優先順位としては、旭岳と黒岳登頂&滑降、カミホロ正面壁登攀、層雲峡アイス、その他もろもろ、の順。
一番天気のいい日に旭岳と黒岳を狙うことにしました。

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肉の星のアイス王子、Charさんと層雲峡


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カムイ岩ミックス


結果として、1/2に黒岳、1/3に旭岳登頂できました。12/31にカミホロへ行きましたが天候不良で化物岩に転戦、その後好天には恵まれず、カミホロリベンジは叶いませんでした。他、12/28には層雲峡雲井の滝(最終ピッチが氷なく敗退)、12/29はカムイ岩でミックス、それ以外の日はゲレンデスキーをEnjoyしました。


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旭川OMO7のお正月サービス、朝9時まで蛇口からお屠蘇が出る!でもこれから運転だから記念撮影だけね


徐々に年明けの天気予報が好転してる♪と期待高まるなか、黒岳トライは前日1/1の昼頃に決定しました。
結局1日ガスガスで展望はナシでしたが、風があまり強くなかったので登頂できました。
途中からスキーを担いで、ちょっとクラストしてましたがアイゼンは装着せず。山頂から北東のバーンを落としました。


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ゲレンデトップからハイクアーップ!誰もいない大きなバーンに早くも期待高まる


思い切ってスキー道具一式を揃えたのが仙台に居た2013年。それからバックカントリーにはちょいちょい行っていたものの年1か2で、どれも春山で簡単な山ばかりでした。ペコマはまあまあポテンシャルがあって普通くらいには滑れていたけど、私はまるっきしダメで、運動神経がないからいつまでたっても上達せず。さらにクライミングはじめたての時と同じで、恐怖心が邪魔して"解放"できないから成功体験も積めません。本気でうまくなりたい、と思うようになり、金で解決しようと決意しました。所沢にいた2015年くらいからプライベートレッスンを受け始め、2シーズンくらい同じ人に習いました。


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山頂の寒さでGoproが言うこと聞いてくれなかったから登頂写真撮れなかった。ちなみにちっぺこは黒岳の標高と同じ、1984年うまれ



そうして頭で理解してやっと滑り方がわかり、非圧雪バーンで基本的な滑りができるようになり、考えて滑っているので恐怖心もコントロールできるようになりました。さらに非圧雪バーンもある程度こなせるようになってきて、先シーズンは春山に6回、ちょっと背伸びもしつつ滑りに行きました。


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何にもみえません


その間、1回コブレッスンを受講したり、パウダーガイドツアーで教えてもらったりして、徐々に不整地もこなせるように。
そうしてこの山行ではじめて、厳冬期の山に入ることができました。
ただ入っただけでなく、ちゃんと滑降を楽しめたので達成感があった。山だと地形や思いもしない雪質にやられることがあって恐怖心が先に立ち、あまり攻められないことが多かったのですが、今回は心を解放して滑ることができました。膝くらいだったけど、憧れだった「ぱうぱうひゃっほー」に一歩近づけた気がしました。やっと「スキーはじめてよかった!」と心から思える山行が出来ました。


昨年買ったGoproも、今回はじめてヘルメットマウントで使用。なんだかもっと仲良くなる必要があるなと思いましたが、コレもはまると面白そうだなって感じました。



滑降開始後「Gopro電源オン!」って叫び続けていたんだけど、帰ってきたら撮れていたのは終了間際の動画だけでした(泣)

山って、本当に数え切れないほどの楽しみ方を提供してくれる懐深いフィールドです!


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下山後の1杯@あさひかわラーメン村「山頭火」

一年の計

「一年の計は元旦にあり」

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とは言いますが、おかげさまでそんなことに思いを馳せる余裕もないほど充実した年末年始を過ごしておりました。


12月第2週はメラメラした女子たちが集まる"メラメラキャンプ"で名張へ行ったり、
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その直後に急遽Nさん城ヶ崎合宿へ飛び入り参加させてもらったり。
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そうして色んな方々に遊んでもらいつつ、

12月9日にはpecomaと八ヶ岳裏童心+小同心クラックで冬山シーズンイン!
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翌週は雪なし完全氷の回廊、な黄蓮右俣へ。
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さらにはゲレンデスキーも行って、年末年始の旭川旅行へと飛び立ちました。

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旭川では、山にスキーに氷にミックスに、寿司にカレーにらーめんに焼き鳥、そしてジンギスカン、蟹、スイーツ、動物園まで!!
10日間フルに旭川ステイを満喫してワンダホーなWinter Vacationでした。
アクティビティして食べて飲んで撃沈というパターンを毎日繰り返していまして、大晦日の日には「笑ってはいけない」をつけっぱなしにしたまま19時半くらいにはダウンしていたと思います。

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さて。2019年はどんな1年になるのでしょうか。
2018年3月に退職し、フルタイムクライマーとして生活していくなかで、有難いことにこれまでたくさんの出会いあり、それに伴い世界がどんどん拡がっているのを実感しています。新たな人との出会い、関わりが今はとても楽しい。
それと同時に、やりたいことは何なのか、ってことも、だいぶ自分の中ではっきりとしてきました。


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旦那さんともいろいろ話し合いました。
見た目はむちむちフィジカルモンスターながら、あれで中身はかよわいウサギさんで、やっぱり私が守ってあげないと彼はダメみたいです。
でも彼は彼で、留学で丸1年イギリスへ行きます。出国までもう1週間を切りました。
一方で私は、日本を含むいろんな国でいきたいところ、やりたいことがメジロ押し。フルタイムクライマーとして正にこれから、って感じです。
だから、ちょっとさびしいけど、「お互い爆発しよう!」ってことでなにやら落ち着きました。
きっと2020年、入籍10周年を迎える年に再会したら、ふたりのタッグはより強固無敵なものとなるでしょう。うん。なるといいな。


そうそう。10年乗った相棒とも、年末クリスマスにお別れしましたよ!
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この1年ざっくりとですが、上半期はウィンタークライミング、下半期はフリークライミングって感じになりそうです。
上半期の予定はあらかた決まっていますが、まだ迷っているのが7〜8月に南米ワスカランに行くかどうか。パートナー次第で調整中です。
9月くらいからは北米でバム生活になりそう。でも、今年は日本でやりたいたまってることもろもろを全部やりたいな、と思っているので秋の岩が一番いいシーズンは国内で迎えたいなとも考えています。


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クライミング以外のことでは、認定山岳医や山岳医療パトロールの今後のこと。メラメラしてるなかまたちと共に、私も5年先10年先を見据えて頑張るぞ!と燃えてます🔥

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2019年は新しい景色や新しい出会いがもっとたくさん待っている気がします。
それは、最近になってやっと、自由な世界の「歩き方」が分かってきたからだと思います。
人生の半分以上、いや下手したら生まれてこのかたずっと、強固なレールに乗って進んできました。それゆえ、普通に歩くことすら知らなかったんだということに気づかされる毎日です。
レールが良い悪いという問題ではなく、人生35年にして新しい世界に生まれ出で、初々しい気持ちで第二の人生をスタート出来るというのはとても嬉しいことです。ただ世間知らずなだけですが^^;


あと、プライベートなことだけど大きな目標としては、「小説を完成させる」ということがあります。この小説は書き始めたのが2012年で、本当は2013年中に書き上げるつもりだったのが今なお未完というものです。
一応形にはなっていて、関わりの深い一部の人には読んでもらいましたが、「ぜひ世に出すべきだ」という言葉をもらいました。自分にとっても、世に出すことでより大きな意味が得られる気がしているので、2019年今年中には何としても仕上げたいと思っています。


最後に、私が遅筆ながらこのブログを続けていられるのは、ひとつには"書く"のが好きだということ、そして、山や岩場で「ブログ見てます」と声をかけてもらえるのが励みになっているからです。SNSなどでも知り合いでないそうした方々との繋がりがこのブログなのだと思うと、人の世って不思議で面白くて、ありがたいなと思いながら、今日もパソコンの前に座る自分がいます。

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きっと今年も楽しい1年。
みなさまにとってもよい1年となりますように!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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