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石灰岩クライミングはじめました。

東京は昨日桜の開花が発表され、肌に感じる空気もどことなく春めいてきた今日この頃。


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そしてこれまで私には無縁と信じきっていた、「むずむず」して「くしゅんくしゅん」する季節とやらが、ついにはじまりを告げたような予感を禁じ得ない今日この頃です・・。


IMG_5252_202003231817497fe.jpgHey! Hay Fever!♪


で、私がアフリカとカナダに行っている間、せっせと二子山に通って成果を出し続けていたペコマに合流し、私も先週末から二子通いをはじめました。そして憧れの「任侠道」のトライを開始しました!


IMG_5253.jpg「即身仏」トライ中のペコマ。


しかし丸1ヶ月のブランクはやはり大きく、二子山の傾斜に対応する以前の問題でした(笑)。まず指皮作りからはじめ、ダイナミックなムーヴの感覚を取り戻すところからスタートのようです。


この3連休のうち2日、計4トライしましたが、核心の右手がとまったのはたった2回だし、例によってクリップできなくてヌンチャク掴んでるし(笑)、上部も、ペコマがいうところの「実質終了」のムーヴまで出来たのに(リーチ問題?)その次のホールドに手が届かず、ムーヴ再考の必要ありで、まだまだ先は長そうです。ま、当たり前か(笑)。


IMG_5250.jpg2日目はスーパータジヤンというゲキワル5.10dから続けて、何年ぶりかの中央稜マルチも行きました!


先週には、丸2年ぶりに御前岩にも行きました!久しぶりに見て改めてすごい岩場だと思いました。今年はかっこいい北面デビューや、ロングルートのOSトライにも挑戦したいなーと思いました。


IMG_5249_202003231817468b0.jpg二子山弓状エリアはでかくてかっこよくて質の高いルートがひしめいていて、ハマり出したら抜け出せなくなりそうですね。


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ペコマお気に入りのゲストハウス"おがゲス"。


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看板娘のあんこは2歳。


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登って食べて、寝る!!という正しい週末。


花崗岩シーズンはもうすぐそこまできていますが、もうしばらく石灰岩に取り組み、あわよくば憧れの任侠道を完登したい!などと思っている今日この頃です。男性も女性も、ありえないほど強いクライマーしか居ないというこの"異国"の空気に揉まれて、私も少しは成長してきたいと思います!


IMG_5255.jpgしかし一番大切なのは、指皮(笑)。カッチカチだったのがこの1ヶ月でペラペラに・・⤵︎メモA手袋がっつりケアで、来週には二子山仕様になる予定デス✨

3年ぶり2度目、待望の"氷の国"再訪〜カナディアンロッキーでアイスクライミング〜

12日間のツアーを終え、カナダから帰国しました!


fc2blog_20200316150042005.jpgただいまー!


カナダは、今までに訪れたなかでも大好きな国のひとつです。

人々がおおらかで、ありとあらゆるフィールドアクティビティが生活のすぐ側にある国だと感じています。
(東の方は全く行ったことないですが・・)


IMG_5062.jpgWeeping Wall Right-handed。黒ッコはペコマから借りて行きました。最終日に白ッコ買いました。安かった。


西海岸沿いのスコーミッシュは花崗岩天国で、これまでに2度登りに行きました。
そこから内陸に約900km、カナディアンロッキーの谷底にあるキャンモアは、今回で3度目の訪問です。
初めて訪れたのは3年前のお正月でした。その時に刻み込まれた"氷の国"の強烈な記憶は、ふたたびこの地を踏みたいという気持ちを日々募らせるものでした。


2度目の訪問は2年前の6月で、青鬼"まっちゃん"の生活拠点をたずねながら気ままにクライミングを楽しみました。
夏のロッキーも素晴らしいです。
そして、アイスクライミングを目的としたツアーとしては今年が2度目となりました。


IMG_5075.jpg初日、Louise Fallsでロケハン。今回ドローンが使えないとのことで、どうしたらいい画が撮れるか試行錯誤でした。


今回の旅はプライベートではありません。
私がサポートを受けているカリマーインターナショナルの製品プロモーションのための撮影のお仕事でした。
私がメインで関わらせて頂いている、ハイエンドモデルを開発する"Ultimate"シリーズの製品撮影と、ハイキング向けモデルである"Explorer"シリーズの製品撮影を全日程で完了します。そして"Explorer"のモデルさんは現地の欧米人男女が必要とのことで、モデルの手配や彼らとのコーディネート役も私が務めさせていただきました。そんな英語出来ないけど・・・^^; でも英語を話すお仕事をもらえるなんて貴重な機会は、こんな特殊な環境でもない限りありえないので、私としてはラッキー!なことでした。


IMG_5074.jpgHaffner Creekでのヒトコマ。手前にボケているのは氷筍。世界初のM10といわれる"ケイブマン"のヌンチャクも写り込んでいますね。構図が美しすぎ!そして私の手足が長く見えるという高度テク(笑)!


結果として、登りたかった氷を登ることができ、モデルさんたちともいい関係を築け、撮影も上手くいって、とてもよい経験をさせてもらえました!


IMG_5066.jpgとっても根気強くコチラの要望に応え続けてくれたCanmore在住Jamesさん。Thank you so much!!


私たちが身を投じて興じている登山やクライミングといった遊びは、完全なる自己満足の世界です。でも今回のような「撮影」というお仕事は、何らかの形で社会に還元される「モノづくり」の一種。


IMG_5065.jpgGrotto Fallsでの撮影のヒトコマ。時にはアックステンションしてカメラマンの"Go"の合図をひたすら待ちます。撮影は撮る側も撮られる側も忍耐が必要です。


IMG_5097_20200316145614f19.jpg巨大な一枚氷"Weeping Wall"と、バンドをはさんで更に上に形成された"Weeping Pillar"。3年前は丸1日かけて、下部Weeping Wallの右側のラインを登り終了しました。今回は上部Pillarにも挑戦します!下部だけで120m、上部だけで120m、あまりにでかい!でかいは、正義!!


IMG_5098_2020031614561607d.jpg今回は、下部Weeping Wallをより簡単な左寄りのライン、"Left-handed"で駆け上がって、午前中のうちにPillarとご対面しました!PillarはWallより雪崩リスク高めとなっていますが、Pillarへのアプローチ途中の雪田がその一因だろうと思われました。人と比べてこの大きさ!120mのPillarを間近にして、その巨大さに改めて心奪われます。


IMG_5104.jpgPillarの核心部となる2ピッチ目を、じゃんけん無しでリードさせてもらえました!感謝!バンドから望遠で撮って頂いた1枚です。すごい迫力ですね。計23本という、いまだかつてない大量のスクリューが腰で踊っていました。6本余ったけど。。



IMG_5068.jpg1ピッチ60mのうち、その2/3ほどがバーチカルなつららの集合体。パンプに耐えながらのクライミングでしたが、とっても充実しました。小雪降るなかのクライミングで、Pillarに陽があたることもなく安心して登れました。


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成田さんとNくんと私と。登攀メンバー3人で、登り終え下降後に氷瀑と記念撮影。行動時間12時間+往復4時間ドライブという長い1日でした。


アイスクライミングは総じて危険性の高い遊びです。
時には、つららの集合体でスカスカいう氷にスクリューを精神安定剤よろしくねじこんで、ランナウトに耐えながら、些細なミスも許されないクライミングを恐る恐るこなすというようなことが要求されます。そうしたリスク、時として命にも関わるようなリスクを許容する行為も、その全てが、「一体何のためにやっているのか理解不能」な自己満足でしかないわけですが、それが「モノづくり」という生産活動の一部分になりうる。何ともシニカルで、しかし面白いことです。私はこの仕事に大きなやりがいを感じました。


IMG_5087.jpg撮影の目処がたって、ツアー終盤に本気トライ。前から憧れていたCurtain Callです!なんて美しい御姿!


IMG_5091.jpg遠くから見るとこんな感じで、雪崩リスクの低い日にトライしたいラインです。


IMG_5089.jpg今回は成田さんと2人での登攀。私はまたしてもじゃんけんすることなく、核心となる2ピッチ目をリードさせてもらえました!ありがたや〜。コチラはその2ピッチ目を拡大した写真。独立氷柱の上1/3ほどのところに亀裂が入っているように見えますね。おそろしや〜。


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氷瀑の間近から見上げた姿。威圧感ハンパない!!


IMG_5071.jpg2ピッチ目出だしはうろこ状を登る。必然的にプロテクションは限られます。氷は硬くて安心感があったけど、壊さないよう慎重に体重移動。途中から氷質をみて左トラバースを開始。頭上には尖ったカーテンが恐ろしげに覆いかぶさっています。しかし足元はみたこともない逆立ったチビウロコ地帯で、スタンスが悪そう。さらにあがっていくと・・・


IMG_5070.jpg息を飲んだ。氷柱はここで上下真っ二つに分離していました。「終わった。。」と頭が真っ白に。Will様の理論書の通りなら、この上下の氷柱は岩との接着もとても弱いと思われます。なぜこうして存在しているのか、神秘でしかない。手前側で約30cmほど、奥のほうでは数メーターにわたって氷が途切れており、完全に向こうの景色がよく見えてしまっていました。降りたほうがいいのではとも頭をよぎったけど、それとてもはや安全策とはいえない。落ち着いてよく考えなおしたら、質量の大きい下部氷柱に乗っているよりは、さっさと質量の小さい上側に乗り移ってしまった方が安全ということに気づいた。上の氷の末端内部で水がぐるぐる回っているのが透けて見える。何もかもが神秘。下部氷柱に乗っかって(ぶった切れているから棚状のガバ足(笑))さらに左へトラバースしたら、突破口がみえた。やった!


IMG_5069_20200316092721529.jpg成田さんの「左へ行けば氷いいはず」というアドバイスも力になって無事完登できました。本当に素晴らしい氷のアドベンチャーでした!!


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それにしてもすごい立ってる。


もちろん、それによって自分のしたいことが妨げられるようなら、私は躊躇なくこうしたお仕事をお断りしたいと思っています。幸いなことにカリマーはクライマーという反社会的(笑)な人種をとても尊重してくれます。だからこそコチラとしても、これまでに培った経験技術を活かして、多少無理のあるようなリクエストにも出来うる限り応えたいと思うし、それだけのキャパシティを身に付けたいとも思います。


IMG_5095.jpgもっともっとレベルアップが必要だな!



マウンテンワークスの皆様と、撮影スタッフの皆様にも大変お世話になり、12日間の共同生活はとても楽しいものでした。本当にありがとうございました!


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私をふくめ今回はスタッフ計5名。それに対し10人分はあるように見える荷物w ギア、撮影機材等々で壮観です。。


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買い出し風景。卵の量!!!


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みなさんのスペックが高過ぎて、炊事は紅一点ながら私の出る幕一切ナシ(笑)。牛やらラムやら、お肉をほぼ毎日食べられてとーっても美味しかったー!


今回、マウンテンワークスさんが撮影した写真のなかから一部を個人的にお裾分けして頂きましたが、その他ほとんどの写真や動画などの素材は、今後様々な形で皆様のもとへお届けされることと思います。


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Moonlightへのアプローチ。3年前に登った氷瀑もいくつも再訪できて楽しかったです!


カリマーの専門店ももうすぐオープン!ということで、これからも開発に撮影にイベントにと、積極的にお仕事させて頂きます!とっても楽しみですね^^


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カナダのお土産といえばメープルシロップですが・・。個人的にオススメなのはコレ。唐辛子と果物のジャムです。数年前にはじめて"チポトレピーチ"というジャムを見つけてハマッて以来、カナダのスーパーで探しては試しています。今回も2種類購入。真ん中はキリマンジャロのお土産インスタントコーヒー☕︎


たくさんの友人がいるキャンモアにはまた必ず行きます!みなさん遊んでくださいね^^


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ラストナイトパーリー!Thank you guys!

アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(5895m)登山~山岳医として自身初の海外高所ツアーに学ぶ

クラブツーリズムさんという大手旅行会社さまのツアーでキリマンジャロに行ってきました!


知人を通じて頂いたこのお話、"山岳医"としての参加依頼です。


こんなに嬉しいことはありません!


ジャイアントセネシオとキリマンジャロ本峰であるキボ峰。天気にも恵まれ、"ザ・キリマンジャロ!"という景色を沢山見ることが出来ました。


"世界最高のトレッキングピーク"として、世界中の一般登山者やトレッカーが挑戦するキリマンジャロ、Maranguルート。特別な登山技術や道具を要しないということで、比較的簡単に登れる高山と見なされているようです。

火山であるキリマンジャロの2つ目の峰、マウェンジ峰と白首鴉。


しかし実際は少し違います。山小屋のキャパシティ等の関係から、通常行程でかなりの弾丸登山を強いられます。1000m以上の睡眠高度上昇はほぼ毎日で、更にアタック日には夜間行動からの標高差1200mの登高。しかも登頂後はそのまま一気に標高差2200mを下ります。山慣れしている人ならいざ知らず、登山歴がほとんど無い人や、そもそも運動習慣のない人、持病のある人などにとっては非常に厳しい"ハイキング"と言わざるを得ません。




山小屋でのアフタヌーンティータイム。高山病予防のため、沢山水分をとってガンガントイレに行きます。



しかし、そうした人々も多数チャレンジするのがこの山で、それ故に高山病関連疾患や死亡事故の起こる潜在的危険性が高い山とも言えます。


ミウラドルフィンズの安藤さんと!




これまでキリマンジャロのことをあまり知らなかった私は、色々と調べていくうちに「こうした登山こそ、山岳医の介入する余地があるのではないか」と思いました。今回は計5名、平均年齢65歳超のお客様方に安全に登山を楽しんでいただき、笑顔で無事帰国していただくことがミッションです。対応するスタッフは、添乗員のHさんと、高所の専門家であるミウラドルフィンズの安藤さん、そして私の3名です。「とにかく安全第一」とクラブツーリズムさんが言って下さったこともあり、これはやりがいのある仕事になるぞ、と思いました。


今回のメインガイド、Kimと。


東北の高校生の富士登山でも、高校生たちとの間には歳の差がかなりありますが、今回のお客様方とはそれ以上の年齢差があります。成田空港にそれぞれいらした際、ご挨拶しただけでは人となりもまだ分からず、はじめはどう接するのが良いか少し戸惑いもありました。しかしそんな不安はすぐに吹き飛んでしまうほど、とても優しくて楽しい方々ばかりでした。初ツアーで本当にお客様に恵まれた、というのが正直な感想です。そしてスタッフの安藤さんの明るさと添乗員のHさんのユーモア溢れるキャラクターも相まって、全員がすぐ打ち解けていったような気がします。


バス車内!


登山はやはり生易しいものではありませんでした。それでも、普段からお身体を鍛えている方や個人山行で練習してこられた方もあり、皆さんが事前にミウラドルフィンズの低酸素室で高所順応もされていました。力足らずで、全員とはいきませんでしたが、多くのお客様が登頂され、そして皆さんが元気で下山されました。帯同医としてこれ以上ない成果と思っています。


頂上台地を進む!


しかし、課題は山積みです。登山中、お客様の健康状態把握ためにも、そして今後の山岳医療の発展のためにも、様々なデータをとらせてもらいました。現場で現地ガイドの要請も聞きながら、お客様に対して難しい判断をしなければならない場面もありました。長い長い下山中、さまざまな反省点や改善点やアイデアが頭の中をグルグル回っていました。キリマンジャロ登山について、考えることはいっぱいです。


ご来光!


そうした意味でとても面白い山だと思います。この6日間は山岳医として本当に多くの学びを与えてくれました。


みなさん本当に本当に良い時間をありがとうございました!


さて、そのデータやアイデアを整理する時間も無いまま、今日からまたカナダに行きます。あと1時間後にフライト。今度はカリマーのお仕事です。カナディアンロッキーでスノーハイクやアイスクライミングの撮影です。


Canmore訪問はこれで3度目ですが、アイスクライミングで行くのは2度目、2017年のお正月ぶりです。


テンション鰻です!!お買い物もするぞ!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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