2018/04/02
2018/3/25 雨飾山 P2南尾根 往復 バックカントリースキー
雨飾山荒菅沢はプチ"Climb &Ride"の練習山行のつもりでした。普通にスキーのプランなら、夏道沿いに登って荒菅沢をいちど北側へ渡渉し、笹平を経由して山頂北側からのアプローチになります。
でも山頂の東〜南面はフトンビシ岩峰群を形成しており、いくつかのバリエーションルートがあります。
山頂直下からこのフトンビシの真ん中に切れ込んだ荒菅沢上部は、最大45度もあるといわれるエクストリーム斜面だとか。

赤のラインが荒菅沢。山頂直下はヤバい感じ。崖マーク。
というわけで、ハーフロープ1本と、ハーネスにスリング類数本、最小限の登攀具を身につけてフトンビシ南尾根を登攀し、山頂を踏んで荒菅沢を滑ろうというプランを考案しました。
しかしもともと1日がかりの行程となる上、もし雪が昨日みたいな感じだったらアプローチ敗退も濃厚。そもそも45度の急斜面を登攀具持って滑れるのか?(ステップアップしすぎ?)とか様々な不安要素がある中、前日の疲れ(&心を折られた)もあって再検討。
結局、登攀具ナシで入山、フリーソロで行けそうなら登攀し滑降、という超中途半端な妥協案に落ち着きました。

はじめはやはり林道歩きもあるので、昨日と同じく4時行動開始。でもさすがは豪雪地帯。林道はしっかり雪が残っており全てシールで歩けました。ちょっと道間違って鎌池方面へ遠回りしたりしながら、2時間ほどで夏の登山口を通過。
しばらく大海川の谷底を夏道沿いに歩き、上の地図の矢印付近からスキーをかついで左の尾根を直登しました。
心配していた雪質はまあまあ。ほどよく締まっていてガンガン高度を稼げました。

昨日とはうってかわって、1時間半で標高差300m上がり、1500mの尾根の上へ。シールに履き替えて少し登った後、アイゼンとピッケルに持ち替えて登攀モードに。さらに1時間で標高1838mのP2 に到達しました。
スキー靴はウォークモードにしても、足首の可動域が狭いのでフラットフッティングがし難い。歩きづらいけどここ最近の山行でだいぶ慣れてきました。

とりあえずP2で一休み。時間は10時。荒菅沢の対岸にもスキーヤーが10人くらい見えました。

さて。どうしようか。前方に見えている山頂直下の岩肌、ほぼど真ん中を登るのが南尾根最後の核心部となる岩稜。
登山体系では50mくらいとあった。あれを初見フリーソロで行くかどうかがまず1つ。そして、正面に見える絶壁が荒菅沢上部。
理屈としてはあれを滑るために南尾根を越えて行くという、一応合理的と思えるこのプランだが、果たしてあの絶壁はオーバーグレード過ぎるのでは・・・。実物を見て怖気付く。
「あれはヤバいね」
完全に戦意喪失!

あそこをすべらないのであれば、わざわざ南尾根をフリーソロして山頂を越えて行く必要もない、と更にゆるふわな思考回路は加速。
結局登ってきた南尾根を落とすことにした。

登ってきた東向き斜面は岩も出ているので、少し南側を回り込んで滑降。最初の300mくらいは最大斜度30度くらい、雪質もよく最高に気持ちよかった!

最後は荒菅沢を左に見つつ、スキーヤーズライトの尾根をいい感じに落として、尾根の緩めの斜面をラインどりしながら比較的スムーズに大海川の谷底へドロップ。
最後の林道はストップスノーでひたすら漕ぎ続けましたが、なんとか昼頃には車に戻れました。
荒菅沢はもっとうまくなって絶対リベンジします!
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