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パキってから3ヶ月、いざヨセミテへ

今年7月6日、ジムで左手薬指をパキった。
「ぱきん!」という音がして強い衝撃を感じた。
その瞬間痛みは無かったものの、驚きでホールドを手離し、飛び降りた。


「今のなに?!」って指を見つめながら、

「これってもしや・・」「パキったのかも」「しばらく登れなくなるのかも・・」と瞬時によぎった嫌な予感。

「いや、(そうなる前に)コレは終わらせておきたい!」

本能に駆り立てられるかのように急いでテーピング後、同じ課題をすぐトライ。
やはり同じホールドの握り込みで痛みが走る。けど無視してムーブを続け完登した。
ふぅよかった。さて・・。

降りて気持ちが収まったところで、現実逃避をやめ、冷静に局所の観察をはじめた。


201810141835174d1.jpeg

左環指(薬指)基節部に圧痛+。
まだ受傷直後で腫れや痛みは殆ど無い。
急いで帰宅して20分の氷水アイシング後、テーピング固定してNSAIDs(ロキソニン)を飲んだ。


あーあ・・。調子良かったのになぁ・・。
と残念な気持ちでいっぱいになる。


パキった日は、疲れが溜まっていた感じもなく、その2級の課題トライの時も力の抜けたいいトライだった。
パキリといえばclosed crimp(どカチ持ち)が最多受傷機転の気がするものの、私の場合はサイドピンチだった。
左手サイドピンチを握り込んで、遠く右上にあるフラットなガバへのデッド。右手がガバを捉えた瞬間に、引きつけていた左手から大きな"POP"音がしたのだった。


2018101418545051d.jpeg

こんな感じの課題。


いつだって怪我らしい怪我をするのはジムだ。
この日は時間がなくて、年パスだし1時間でもいいから登りに行こうと思った結果がこうなった。
アップが足りなかったのだろうか・・。
毎度のことながら、予防法が見えてこない。
しかし運動を続けている以上完璧な予防法などなく、肝心なのはいつだって、怪我をした後にどう行動するかなのだ。


とりあえず、クライマーのパキりについてマトモに調べてる文献とか無いのかな、と探してみた。

20181014173814a68.jpeg


圧痛点と、屈曲伸展が問題ないこと、パキった時と同じ動作で力を入れると不安定感とともに腱の浮いてくる感じがすることから、「pulleyの損傷かな」と思い、"pulley injury climbing"とかで検索してみたら、freeで見られる記事や文献がいくつかあった。


https://www.wemjournal.org/article/S1080-6032(03)70539-0/pdf

https://medium.com/@jamesleedpt/a2-pulley-injuries-in-rock-climbing-9cb00fa6f3bf

https://theclimbingdoctor.com/pulley-injuries-explained-part-2/

とか。



結局のところ、Schöfflら(2006)の報告がもとになり、下表のガイドラインが広く認められているようだと分かった。


20181014173814e68.jpeg


病院やめちゃってて手元にエコーも無いし、MRIもお金かかるし、とりあえず自己診察だけしてみてgrade4ではないだろうと診断。つまり保存的に治るだろう。
クライミング能力はオペ無しでちゃんと戻ると書いてある。しかし怪我前くらいに戻るのには1年を要する、とある。

1年〜くぅ〜!1年は長いよー!

とりあえず見なかったことにする。


grade2と仮定して、固定は10日、リハビリ開始が2-4週、簡単なクライミングは4週以降から、テーピングは最低3ヶ月!
よし、コレで行こう。
ガッチガチに固定すればクライミングするのも"リハビリ"の範疇と考えて、クライミング開始は2週後からかな!


そうすることにした。



そんなわけで、4日間くらいは完全固定。
ロキソニンを飲んでなるべく炎症も抑える。
大人は2週間程度ですぐ関節拘縮を来すので、5日目くらいからは固定を外して日常生活動作のみOKとした。
そして迎えた2週後・・。
ガッチガチにテーピングして登ってみた。
痛かったorz


20181014185618321.jpeg



その後もテーピング固定でだましだましジムへ。
でも思うように登れないし、ストレス溜まるし、そのうち痛めていないハズの薬指の付け根(A1 pulleyのあたり)の方が痛むようになってきた。A2が機能せず腱が浮くためにモロにA1に負担がいって腱鞘炎をきたしているのだろう。
放置して登り続けたらバネ指にもなりかねない。

20181014193319ad8.jpeg


怪我して初めて気づいたのだが、薬指はけっこう活躍している。
上記の記事でも「パキリが一番多いのは薬指のA2 pulley」と言っている。
オープンのカチは持てるがピンチが持てない。テーピングのせいかラップも全然効かない。
とがったガバはもろに圧迫されて痛い。アンダーが無理。スローパーも抑え込むと痛い、などなど・・・

やっぱり無理したらダメか・・と諦め、7月はひたすら山を走ってた。


7月終わりのノルウェーはエンクラモードだったので、テーピング固定してれば何とかなった。
でもカムの回収のとき、薬指でトリガーを引けない。
フォローで上がる頃にはカムが少し歩いてクラックの奥に入ってることがあるので、人差し指と薬指でトリガーを引く場面が多々ある。
ここでも薬指の大切さを感じるのだった。。


8月9月と過ぎて、やっとジムで3〜4級が登れるくらいになる。
いいテーピングの仕方もわかってきた。
そして今月に入り、しっかりテーピングさえしていればほぼ違和感ない位にまで回復してきた。
カムのトリガーも引けるようになった。


ついに明日、ヨセミテへ向けて出国。
パートナーが神過ぎてお荷物になる気しかしないけれど、調整万全!ともいかなかったけれど、全身全霊で聖地クライミングを満喫してきます。
今夜は旦那さんとプチfarewell partyだよ!

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プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属。国際認定山岳医。
好きな食べ物:肉。
カリマージャパンアンバサダー。

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