2018/11/09
2018/10/15〜11/9 Yosemiteツアー
約2年ぶりにまたヨセミテへ行ってきました!
今回のツアーは今までで一番長く、3週間半でした。
それでも時間が全然足りないのだから、ヨセミテの懐広さとクライマーの欲深さとは罪なものです。
これまで、ヨセミテクライミングツアーは3回で、
1度目は2012年8月。ヨセミテの巨大さと自分のちっぽけさに本気で泣きました。涙がぽろぽろ溢れて岩が見えなくなった。ここで楽しく登れるよう強くなりたい、と心から思った1週間でした。
2度目は2013年9月。ノーズをやりにいったけど、ロープを1本落として敗退しました。自分の不甲斐なさと無力さに、涙も出ませんでした。
3度目は2年前、2016年6月。チーム青鬼でノーズリベンジしました。ノーズは完登でき、ショートルートでもちょっとした成果あり、簡単なマルチなど行ってただただ楽しくてたまらない2週間でした。
3度目にして、やっとヨセミテで心から笑うことが出来るようになり(笑)、
そうして今回は4度目。パートナーとともにはじめに掲げていた大きな目標は以下の2つでした。

左にWashington Column、右にHalf Dorm
・Washington Column "Astroman"チームOS
・El Capitan "Salathe" 完登 (Freeblast チームOS+11P目からもなるべくフリーにこだわって登る)
その他、個人的な目標は
・Tales of Power (5.12b) 完登
など

Tales of Power!
今回のヨセミテツアーはこれまでよりフリー志向が強くなり、スタイルにこだわらずただBigwallの完登を目標にしていた今までのツアー
と比較すると、自分にとって大きな進歩となりました。
なかでもAstromanは非常にハードなクライミングとなりました。日本の2倍から3倍のスケールでグレード感も高めのマルチピッチを日の短いこの時期にこなすには、日本の5.11台のマルチピッチだったら2、3本継続出来るくらいの実力が必要。
それを身を以て体感したと共に、やる前に漠然と抱えていた不安は次回の挑戦へ向けての大きなモチベーションに変わりました。

次はこれをフリーで・・!?
今回は怪我のせいでBigwallの垂直の旅も水平の旅(John Muir Trailを歩きました)へと計画変更してしまいました。
予定していたFreeblastもSalatheも行けなくなってしまった分、最後の1週間はショートルートを満喫しました。

JMT、湖畔のソロキャンプもいい時間だった
国籍問わずたくさんのクライマーとの出会いあり、多ジャンルに及ぶ様々なルートとの出会いあり、
モチベーションはうなぎのぼりで、帰国してきた今もなお登攀意欲はメラメラと燃え続けています。

メラメラ!

メラメラで焼かれたたものたち
とりあえず、3週間の成果まとめ。
各ルートの記録は個別にまた詳しく書こうと思います。

めらめらしてるアラスカンマラミュート
【Short Route】

岩場は東・南向きが多く、この時期でも日が当たるとかなり暑かった。本気トライは時間帯を選んで登るべし。写真は長くてよいクラック、Sacherer Cracker
<El Cap Base>
"Sacherer Cracker" 10a OS
"The Slack, Center" 10d FL
<Church Bowl>
"Church Bowl Tree" 5.10b OS
"Book Of Revelations(2P)" 5.10d follow / 5.11a RP 2try
<New Diversions>
"Generator Crack" 5.10c TR practice
<Cookie Cliff>
"Catchy" 5.10d FL
"Outer Limits(2P link try)" 5.10b OS → 5.11b×
"Waverly Wafer" 5.11a RP 2try
"Butterballs" 5.11c RP 4try
"Butterfingers" 5.11a FL

厳しくも美しいフィンガークラック、Butterballs

パートナーが見事OSした5.10dOW、Twilightzone (Cookie Cliff)

Nabisco Wallのルート名はみなお菓子の名前!
<Above The Cookie>
"Tales of Power" 5.12b RP 3try
<Cascade Falls Left>
Crimson Cringe 12b RP 2try

左がFish Crack、右がCrimson Cringe

岩場持参、お昼ご飯のお手製サンドイッチ
【Multi-pitch Route】
<Schultz's Ridge&El Capitan>"The Moratorium"+"East Buttress" link try 15pitches
"The Moratorium" 1〜2P lead (5.10d/5.10d) OS 3〜4P follow (partner 5.11b:×/5.9:OS)
"East Buttress" 5.10b 11pitches 偶数ピッチリード チームOS

このかっこいい大凹角がモラトリアム!
<The Rostrum>
"The North Face" 5.12b (original finish) 8pitches
1〜3P lead (5.9/5.11a/5.10b) OS
4〜8P follow (partner 5.11c:×/5.10d:RP/5.10a:RP/5.11b:RP/5.12b:×)

威圧的でかっこよく、内容も素晴らしいが、敗退しやすいため比較的とりつきやすいロストラム

核心ピッチをリードするパートナー
<Washington Column>
"Astroman" 5.11c 11pitches 偶数ピッチリード 2day try
・day1 5.7 OS/ 5.10b follow (partner OS) / Enduro Corner 5.11c OS
・day2 5.9 follow (partner OS)/ 5.10c OS/ Harding Slot 5.11c follow (partner ×)/ 5.10c (slot var.) ×/ Changing Corners 5.11a follow (partner ×)/ 5.10a OS/ 5.10d follow (partner ×)/ 5.3 OS

この長く厳しい壁は私にとってまず超えなければならない壁だと思った

威圧的にのしかかるHarding Slot
そして帰国日には、成田到着後急いで曙橋ベータへ直行し、上映時間にぎりぎり間に合ってDawnwallを観ました。
スーパークールなクライミング。しかも自分が1日前まで居た場所で。まだヨセミテの余韻に浸っている状態でこの映画を観られたことで、モチベーションの炎がさらに燃え上がりました。ほんと、感動で涙出た。

ボルダーでわいわいセッションも

レスト日の朝はパンケーキ!
Yosemiteは行くたびにメンタルとフィジカルの成長をくれる場所。
このメラメラした気持ちを、はやく日本のルートにぶつけたくてたまりません!
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