2019/07/16
2019/7/7 Isle of Skye/ Cuillin Hills traverse

Skye島のCuillin Hillsトラバースは、スコットランドで人気の岩尾根スクランブリング縦走です。
大抵の人がビバークを入れて全山縦走しますが、タイムアタックをする人もいるようです。
スコットランド在住の日本人の方に色々と情報を聞いていた中でオススメされ、行ってみようということになりました。
でも、全山行こうとしたらたぶん、車2台とか、何らかの輸送手段が必要になります。
私たちはワンデイで完結したかったので、なんとか歩いて戻れるようなラウンドトリップを計画しました。

キャンプ場の駐車場に車を置いて海からスタート。一番北側のピーク1つを端折って降りてしまいますが、ほぼ全ピークを踏んでトレイルに合流し、車道を目指します。できる限りヒッチハイクを試みますがだめなら4マイルの車道歩きでフィニッシュ!
朝4時に宿を出て海辺のキャンプ場を目指します。

道路で寝ている羊たちを起こして走ります。岩岩した山並みが見えて来た!
車をとめてパッキングし、6時半くらいに歩き始めました。

ハーネスは装着して、ペコマが35L、私がトレラン用の20Lザックに、60mダブルロープ1本(ちなみにロープは37mあれば足りるそうです)、キャメロット#.3〜#1を1セットとナッツ1セット、各自クライミングシューズと水1.5〜2リットル、行動食に防寒具を携行。
はじめはトレイルを辿り、途中から外れて標高350〜400mくらいをトラバース。

途中、鹿の大群と遭遇しながら

一番海側のはじめのピークへ、南西斜面を適当に登ります。草付きとガラガラのガレ場を登っていくと・・

いきなり細い尾根の上に出、切れ落ちた向こう側の景色が開けました。縦走開始です!

朝はガスが濃かったものの、歩いているうちにどんどん視界がひらけてきました。基本ケルンなどはないけれど、よく歩かれているようで踏み跡は明瞭。クライミングパートもよく見れば登られているラインがわかります

ザ・尾根!とでも言うべき素晴らしい岩尾根をよじ登り、走り、下ってまた登ります。はるか下の湖のほとりでは・・

ピクニック?楽しそう!

そして、そこかしこにビバーク跡というか、ストーンサークルがあります。この景色の中でビバークなんて最高ですね

前方に見えているのがこのラインの核心部となるギャップ部分。尾根の地形は複雑で、通れるところは比較的限られているのでルーファイが大切です。ルーファイを間違うとリカバリーにクライミング能力が要求されます(笑)。

こんな絶壁のギャップも結構あり、行程の後半になるほどその複雑さが増していきました。ここは懸垂で降りたあと、スタカットにしてS(Severe)のラインを登りました。

さあ、今日は長い1日なのでガンガン行きましょう。前方に見えているピョコンとしてるのは"Inaccessible Pinacle"です。かっこいいね!

ここは登る必要ないけど、せっかくだから登ろうよ!ということで登りました。

「でもさ、時間大丈夫?」「23時まで明るいんだから大丈夫でしょ!だってもうあそこに見えてる尾根を降りるだけでしょ?」って言うから、なにか勘違いしてるなと思い、改めて現在地を確認。今私たちがいるところは縦走路の真ん中で、縦走を開始したのが朝9時半、今は15時!縦走路を半分くるのに5時間半かかっています。
ペコマは「えーー!今まだココなのー!?」と驚いてます。もちろん降りる尾根はまだ見えていません。単純計算で、最後のピークまであと5時間半、その後尾根を降りて車道に戻るまで早くて2時間と見積もっても、22時半になります。その時間になればこの田舎道を走る車もありそうになく、ヒッチハイクができなければさらに6.4kmの車道歩きが待っているのです!

ということで、こっからはマきマき!ここも、赤いクライマーが登っているラインで行きたかったけど、2パーティ順番待ちしてるから仕方なく左を撒きます。

こっからずっと歩きなら5時間半もかからないでしょ!とタカをくくっていましたが、後半のほうがむしろ地形は複雑になって行きました。途中行き詰まって、持って来たトポを参照しつつ進みます。

こんなところも!

最後のピークと降りる尾根を視認できてからも激しいギャップの応酬は続きます。3級程度の岩登りと懸垂下降を繰り返し、最後のピークを踏むころには結局20時半を回っていました。

行動食も水もそろそろ尽きるけど、車には何もないね。スーパーは閉まるし、たぶん宿にも泊まれない。でもたのしいね。

あとは何も考えずひたすら歩くだけ!

やっと尾根を下りおえて21時半過ぎ、ハイキングトレイルに合流。そこから1時間ほど歩くとやっと車道が見えて来ました。
振り返ると、歩いて来た峰々が夕焼けに燃えていました!

車道に出る前にちょっと休憩し、「さあ、こっから4マイル、がんばりますか!」と歩き始める。するとほどなくして車のヘッドライトがこちらへ近づいてくるのが見えました。親指を立てて待っていたら止まってくれました。ラッキー!「キャンプ場?乗れ乗れ」と、かなりちらかった巨大なバンに乗せてもらって車道歩き回避。日付が変わる前に車に戻れました。
Cuillin トラバースは楽しい!スコットランドに行く機会があったら是非登ってみてください。
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