2019/09/02
2019/08/24-25 Cusco半日弾丸観光と予期せぬハプニング〜2019 ペルー旅行記その14〜
8/24はマチュピチュ村を午前11時に出発し、列車とcolectivoを乗り継いで14時すぎにCuscoに到着しました。
Cusco(クスコ)はインカ帝国の首都。標高3400mほどの高所にあります。侵攻してきたスペイン軍は、もとあった建物を悉く破壊したものの、耐震性に優れたインカの精巧な石組みで作られた土台は残しました。その上にコロニアル建築とよばれるスペイン調の建物を建てたことにより両者が融合した特徴的な街並みが形成され、それが世界遺産に登録されました。
今回は翌25日の早朝の便でリマに戻るため、観光できるのはこの日のみ。事前にガイドブックを調べて行きたいところをリストアップしていました。

時間が無いので、バスを降りて足早に宿へ。途中で町の中心となる広場、"プラサデアルマス"を通ります。そこで思わず足が止まりました。

こ、これがクスコのプラデアルマスかー!!
巨大!写真ではイマイチ伝わらない・・。これまでに見たプラサデアルマスとは格が違う感じです。さすがはインカの首都!
これを見ただけでもう、観光地としての規模の違いを実感しました。せめてもう1泊すべきだった・・・!

これがコロニアル建築かー!
と感動しながら宿に到着。チェックインを済ませて、まずは標高差200mほどの高台にある遺跡"Sacsayhuaman(サクサイワマン)"を目指します。
ペルーレイルの中で小さなケーキを1/3ほど食べただけなのでお腹が空いていましたが、時間がないのでランチはおあずけ。走ります!

しかし、走るととたんに息切れが。坂の傾斜もきつく、力が出ない。すぐに歩いてしまいます。標高3900mには確実に順化していたのに・・・病み上がりの影響ってことにしておきましょう。

目の前にアンティクーチョの屋台が現れ、たまらず鳥串を購入。食べながら歩くとさらに息が切れました(笑)。
でもサクサイワマンはプラサデアルマスからほんの1kmほど。もうひとのぼりでゲートが見えてきました。

手前にいたおじさんに聞くと、入場料はなんとs/70(2240円ほど)!ワラスで"入場料s/5"とかが当たり前になっていた私には信じられない高額です。アレ?地球の歩き方見てきたけどそんなに高かったっけ・・
しかしおじさんはこう続けます。「自分は地元のコミュニティに所属しているからタダでゲートを通過できる。私の車に乗っていけば、サクサイワマンの1番下の階層だけ見て、塔のある高台まで行くことだけなら可能だよ。それでオーケーならs/20だよ」
え、なにそれ。怪しすぎる(笑)。とりあえずスマホに入っている「地球の歩き方kindle版」を見直してみる。よくみると、クスコの観光スポットを周遊する券が何種類かあるらしく、それがs/70と書いてある。うわ、こんなに高いと知っていればここまで登ってこなかったのに・・。

ほんと言うと高台に登りたかっただけだし、もうこの眺めで十分かしら・・・
なんか言っていることは怪しいけど、この人自体は首から身分証みたいなものを提げてゲートの前に堂々と立ってるし、それほど怪しい感じはしない。本来s/70のところ一部だけでもs/20で見られるならいいか・・と悩んでいたら、きました。値段交渉。
「いくらなら出すの?」
それにしてもこの人の英語は、今まで聞いた現地人の英語の中で一番クリアだ。
「いやー、私s/10だとばかり思ってここに来たのよね・・・」
ととぼけたら、「ええー!そりゃないわ。でも、ならs/15でいいよ」と言ってきた。
うーん。この車乗って変なとこ連れてかれやしないか?としばし悩んだが、乗ってみることにした。
おっさんはフレディと名乗った。車で坂を上って行くとそこにもゲートがあり、彼の言う通り顔パスだった。そうしてサクサイワマン遺跡の裏口みたいなところで止まった。そこで、遺跡の1階部分と高台への道順を詳しく説明された。お金を払うと、おじさんは車で行ってしまった。

えっと、ここから入るのね・・って、「立ち入り禁止」とか書いてあるじゃん!
おっさんはもう居ない。これ、係員に見つかったりしたら怒られるかも知れないってこと??
もし入らせてもらえなかったら安いと思ったs/15が台無しに!

急いでそこを通り抜け、小走りで観光客がいるエリアへと向かった。はやく紛れ込まなければ!(笑)

で、無事誰にもとめられることなく遺跡の1階部分にたどり着いた。たぶん、裏口入場だからここより上に行くと何か問題が起きるってことなんだろう・・。

スペイン軍侵攻の際、籠城した高台の要塞。カミソリの刃1枚通さないインカの石組み、ということだが、ナイフブレード打てそう、って思っちゃった・・・
ま、私にはこれで十分。インカの石組みを撮影し、高台へと向かう。そもそも遺跡見学は私にとっておまけだった。ここへ来た主目的は、上から見るとピューマの形をしているというクスコの街を高台から見ることだったのだ。

で、標高3600mの丘の上に立った。みんなハアハアしてる。情けないなあ。私もだけど。

ここサクサイワマンを頭としてピューマの形をしているというクスコ。ぜんっぜん分からなかった。
自撮りと露店の物色で思ったより時間が経ってしまった。まだ見たいところがあるから急いで帰ろう!

ココのおばちゃんは値段交渉に応じてくれなかった。というか、スペイン語がわかってないと勘違いされてるみたいだった。
雲行きが怪しいなと思っていたらこの後ほんの少しだけ雨が降った。ペルーにきてはじめての雨だった。でもほんの少しですぐ止んだ。

ということで、また走る!弾丸観光だからずっと走りっぱなしです。

そして次なるスポットは"プレコロンビーノ博物館(美術館)"。プレコロンビーノ(プレ・コロンビア)美術とは、スペイン人征服(1532)以前の南アメリカ先住民美術のことだそうで、ペルーでいえばプレ・インカおよびインカ帝国時代の美術のこと。ここにはその時代の美術品が展示されている。地元アーティストの評価も高いとのことで、ほかにも多数有名な博物館や教会がある中から敢えてちょっと変わり種を選んでみました。

サクサイワマンからの帰り道にあるというのも決めてのひとつでした。そろそろ換金してきた現金が尽きそうなので、入り口でs/20の入場料をカード払いにしようとする。その時、気づいたのでした・・。カードがない!
いまだに信じられませんが、カードはなくなってしまいました。人混みは避けていたし、貴重品はランニング用の腰バンドに入れて常に服の下に身につけていました。それに、たった2時間前に宿代をカードで支払った後は、今までほぼずっと走り続けていました。
スられるなどということが起こりうるのか・・・?落としたのか・・・?と自分ではそう思ってしまう状況でしたが、クスコは犯罪も多いと聞きます。
あの車に乗った時?いや、フレディおじさんとはそれほど接近してないしなあ・・・
とりあえず宿に戻って、ひととおり荷物を調べなおし、やはり無い、ということを確認してすぐにカードを止めました。
そして、こんなときのために持ってきていた予備のビザカードをここではじめて使用することに。
もう、びっくりしたし走り疲れたし、プレコロンビーノ、行かなくていっかな・・・と思いかけたけど、くじけずまた博物館に走って(笑)戻りました。

しかし、またしても不思議なことが起きたのでした。暗証番号が違うといってエラーになってしまいます。二度目もエラーになったところで、完全に頭を抱えました。
なんでよ・・。どゆこと?何が起きてるの??
狐につままれたような気分のまま、仕方なく第3のカードとして持参していた最後の砦のマスターカードを使いました。

カードが1枚なくなったことはショックだし、(本当にスられたのかどうかは分からないものの、)「スリにあわないというゲーム」に負けたこと自体もなんか悔しかった。でも、今は弾丸観光中。くよくよしている時間はありません。

幸い、マスターカードがあったおかげでプレコロンビーノ博物館も無事みることができました。

展示物は本当に発掘されたものなの?と驚くほどキレイ。美的感覚(?)も現代人の私にも十分共感できるもの。展示の仕方もきれいだった。

思ったより長居してしまった。
疲れたけど来て良かった!でもクスコはまた観光に来ないとね・・・
ここで18時過ぎまで時間を使いました。外はすでに暗くなり始めています。なるべく暗くなるまえに観光を終えようと思っていたけど・・仕方ありません。人通りは多いし、まだ大丈夫でしょう。

今回の弾丸観光、最後となるスポットは、"世界最高所にあるアイリッシュパブ"です!

イギリスでアイリッシュパブに親しんだ身としては行かないわけにはいきません。

ギネスもあったっぽいけど、すぐ目についたIPAを1pintオーダー。オーダーしてから現金オンリーだと知りました。足りたけど、貴重な現金が・・・

標高3300mあるので酔いがまわります!

鏡を利用して自撮り!⭐︎
アイリッシュパブ然とした凝った内装とビールを満喫して、19時半ころお店を出ました。
途中お土産やさんに寄ったりしながら一旦宿に戻り、宿の近くで夕飯を食べられるところを探しました。しかしビザカードしか使えないお店ばかりで困ってしまいます。数軒探し回った挙句、ビザしか使えないというお店で妥協しました。

ロモ・サルタードならぬ、アルパカ・サルタード!(肉と野菜の炒め物)焼き加減のせいかも知れませんが、牛肉のロモサルタードより少しお肉が硬かったです。
持っている現金で払えるメニューを選び、食事後、もう一度ビザカードを試してみます。しかし、やはり暗証番号がはじかれる・・・なぜだ?仕方なく最後の現金を使い果たしてお店を出ました。
支払い限度額になってる?そんなはずはないと思うけど・・・。オンラインで明細を見られるので、使えないビザカードの明細を確認してみました。
すると・・・目を疑いました。
覚えのない使用履歴が8/20と8/21に計6回もあります。しかもその合計額は20万円超え!
なんじゃこりゃ〜〜!
急いでまた国際電話をかけてカードを止めざるを得ませんでした。
ということで、たった半日のうちに3枚中2枚のカードを失ってしまったのです(笑)。
もし第3のカードがなければ・・・。現金は尽きているし、今はもう土曜日の夜。明日は日曜日で大使館もあいていません。
完全に路頭に迷うところでしたね!クスコ空港に行く手段がないですから・・・

南米旅行は甘くないぞふっふっふ・・・
事前にペルーのことを調べていて、変なところへ行かなければ治安はそれほど悪くはないものの、準備はしていったほうがいいだろうと、カードを複数枚持ったり、現金を小分けにしたり、貴重品を服の下に身につけたり、その他防犯にはいろいろと注意を払っていました。
でもやっぱり初の南米ひとり旅1ヶ月はノーミスでは終われませんでした。
第2のカードに何が起こったのか、真相はまだカード会社が調査中ですが、スキミングされたか、もしくはどこかでwifiをハッキングされカード情報をとられたか位しか思いつきません。第2のカードは旅行中一度も使っていないし取り出してすらいないので、スキミングよりも後者の可能性が高いと思っています。
ま、そもそもメインで使っていたカードを紛失しなければこの事実には帰国するまで気づかなかった可能性も高いので、不幸中の幸いだったと言える気がします。
ちゃんと不正使用の事実が確認されれば請求はされないようです。期待しないで朗報を待つのみですね・・・。
ということで色々あったクスコでしたが(ちなみに不正使用の日付はリマにいたとき)、マスターカードのおかげで翌朝無事空港へ行くことができ、リマに戻りました。

クスコの空港で"alfajor"(アルファホール)をいただく。ペルーの伝統的なお菓子。見かけによらず甘さ控えめあっさり味で軽く食べられる。
他の国の歴史に触れると、自分の国の歴史をもう一度勉強し直したくなりますね。
私は大学受験、日本史選択でしたがもうほとんど知識残ってません・・・
さ、気を取り直して最後の3日間もリマ観光を楽しみましょう!
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