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心臓血管外科

はやいもので、循環をまわりはじめて1週目が終わりました。循環はあと1週間、その後呼吸1週間消化1週間で第2外科(2外)は終わりです。消化の1週間は夏休み明けだけど。


前評判で、2外で一番ヤバい(つらい、忙しい)のが循環、中間が呼吸、楽勝なのが消化ということで、はじめの2週間が消化にあたった人はラッキーと。引継ぎノートにはどの班もそう書いていました。


ですが住めば都?
循環もなかなか楽しいです。


以前は循環器内部での対立構造みたいなのが表面化していて、学生もよく愚痴や悪口を聞かされると書いてあったのですが、今はそんなことは全然なくてスタッフみな仲がいいし学生にもよく教えてくれます。
そんなかんじでこの1週間はとっても有意義でした。


ただ、自分で勉強する時間はちょっと少ないかもです。予習してのぞむか、若しくは判らないことみんな先生に質問してその場で覚えてしまうのがいいかも知れません。ここでは教科書的知識も学べますが、より現場と密接した実用的な知識をいろいろ学べます。変な質問してもちゃんと優しく教えてくれるので、恐れずどんどん質問したらいいと思います。

とくに「術後管理っておもしろいんだな」、と初めて思えたので、レポートにはそのことについて書こうかなと思ってます。


ところで、いつもは循環は循環、呼吸は呼吸、消化もしかりでそれぞれ独立して動いていますが、2外合同カンファというイベントもあって、そこでは一同が会します。
そこで今更ながら気付いたことがありました。


カンファでは自分の科の入院患者をだーーっと並べて表にし、発表をすすめていくのですが、そうすると患者さんの病名が縦1列にだーーっと並びます。呼吸は、肺癌ばっか。消化は、食道癌やら胃癌やら。なんとか癌は「~K」と略して書かれるんですが、呼吸も消化もその「~K」が列挙してあるんですね。


でも循環は違いました。循環の患者さんに癌はゼロです。


「心臓癌」ってきいたことありますか?もしくは「血管癌」とか。じつは心臓腫瘍ってあります。血管にも腫瘍はできます。それが悪性腫瘍なら俗にいう「ガン」ですね。でも専門的には「ガン」という言葉はあまり使わなくて、「~癌」といった場合には上皮or腺組織にできたものしかそう呼びません。

血管、骨、筋肉などの間葉組織とよばれるものに悪性腫瘍ができた場合は「癌」でなく「肉腫」になります。だから厳密な意味でも、「心臓癌」「血管癌」は存在しないのですが、わたしが言いたいのはそういう話ではなく、(心臓の悪性腫瘍自体が非常に稀だから)循環器外科の入院患者に「ガン」のひとがひとりも居ない、ということです。


まだメジャー科は第3内科くらいしか回っていませんが、ガンの人ばかりでした。ガンでstageがどれくらいとか、ケモ(化学療法)してるとかラジ(放射線療法)してるとか。総臨には余命1ヶ月で、出来ることはpain control(痛みを取り除くこと)のみというひとも居ました。例えそんなに末期のガンでなかったとしても、どの科にも大抵ガンの患者さんが居ました。私の中に個人的に「ガンはガン」という暗いイメージが植え付いているからなのかどうか判りませんが、とにかく今回「病棟にガンの人が居ない」という事実を再認識してとても新鮮だったんです。今までそんなことはまず無かったから。


医局の雰囲気が良いということもありますが、ガン患者が居ないということも循環のちょっとした”いいところ”かもしれないな、と思った瞬間でした。なんとなく気分が重くないです。たしかに心臓の手術は大手術で死亡率も他の手術に比べ高く、非常にハイリスクな患者さんも沢山居ます。

それでもやはり、「ガンではない」というところが、他科とは一風違った雰囲気をもっています。循環はそんなところです。


さて。今日はこれから、2年の長きにわたりくすぶり続けている膝の初MRIを撮りに行って来ます。MRIならひざの中で起こっている殆ど全てのことが判ります。30分程度で終わるみたいだし、レントゲン以外撮ったことないからちょっと楽しみです。

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プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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