2020/09/23
2020/09/21~22 広谷川御神楽沢~奥壁本谷ルンゼ
沢登りと岩登りのハイブリッド!スーパークラシックな会越国境の名渓に行ってきました!
秋雨前線の影響か不安定な天候のまま迎えたシルバーウィーク4連休は、当初長めの沢とか色々な計画はあったものの全てリスケに。結局、前半2日は甲斐駒ヶ岳山岳医療パトロールの一環で、登山口での声かけ活動に参加しつつ北杜市周辺に滞在。後半の2日で、きのぽんさんに誘ってもらい、御神楽沢へ行くことにしました。
天気予報が好転した後半の2日でしたが、入山直後からしっかりとした雨に。それでも騙し騙しアプローチを続けると、入渓点を過ぎたころには雨も止み、遡行中に雲もどんどん晴れてきて最終的には気持ちの良い秋晴れとなりました。

蝉ヶ平登山口を出発!

入渓してすぐ水に浸かります。水温はぬるめで、震えることなく遡行できました。

透明度の高い水と粘土質の青白い岩が綺麗です。

ショルダーも積極的に活用!
今回のメンバーは、きのぽんさん、HGさん、ちっぺこの4人です。登攀具としては、パーティで50mロープを2本、#.75以下のカム1セットとハーケン5枚程度を持参しました。はじめて一緒に登るので、入渓前にタクティクスを確認。ゴルジュ地帯では、基本1番手が空身でリードしてロープfix、後続はユマール(出来ればザックを3つにまとめて荷揚げ省略)。また奥壁の登攀は2パーティに分かれて付かず離れず登る、ということにしました。

入渓から約1時間半でム沢の大滝が見えてきました。

ここから右の御神楽沢へ!淵は歩いて突破。

御神楽滝30mはなかなかかっこいい大滝!左壁が登れるみたいだけどヌメヌメそうで悪そう。。

一応ロープを出して右から巻きます。泥壁でちょっと悪いトラバースがありました。最後は灌木の残置スリングを利用し、10mほどの懸垂で滝上へ。少し手前から降りれば懸垂なしで降りることも可能です。
4連休前半の2日で(増水した)マンダノ沢へ行かれていたきのぽんさんとHGさんは、ヨレヨレ寝不足のままの出発でした(笑)が、流石は百戦錬磨の山屋さん。4人で連携して滝やゴルジュ地帯の突破もスムーズにいき、沢水が平水より少なめだったのもあって、比較的早いペースで進んでいきました。

時にエイドやお助けも交えながら、4人でテンポよく前進。

10m滝はシャワークライム。

渓相は一時ゴルジュチックに。木登りありーの、

トイ状つっぱりありーの!

ゴルジュを抜けると急に沢が開け、大岩壁がどーん!迫力満点の岩風景!

中ノ大滝はルーファイしたのち、水線の左から取り付き、途中でロープを出しました。

ここから、核心となる上部ゴルジュ帯。この2段滝は、私がリードでトライ。抜け口で一箇所カムをとってビレイしてもらいました。1段目の落ち口は広いスペースで、肩がらみ固定したロープを2番手ペコマがゴボウで上がる。ペコマが荷揚げと後続の引き上げをしている間に、私が左壁から2段目を突破。荷揚げしやすそうな左壁に支点を作って荷揚げする間に、2名が右壁からショルダーで突破し、最後の1名は左壁のfixをユマールしました。連携プレーが楽しい!

次の10m滝は出だしの草付き地帯がヌメって悪そう。ペコマがリードし、fixロープをユマール。2番手が2本目のロープを持ってあがり、後続が登る間に先行してロープを伸ばす、といった形で時間短縮をはかりました。

といった具合にテンポよく進んでいって・・・

入渓から4時間半かからずテンバに到着!
眼前に300m級の大岩壁が拡がる絶景のテンバです!





ソーセージ祭り、ポテチカルパスバウムクーヘン"なんでも炙り"祭りを繰り広げ、飲み過ぎ食べ過ぎた私は例によってすぐ撃沈しましたが、時々広がる星空のもと、23時くらいまで楽しい夜を満喫しました。
「早く下山して美味しいもの食べようよ」ということで、翌朝は4時起床して準備し、出発。登山体系のルート図を読み解きながら、登りやすそうなところを選んで登って行きます。

遠望すると絶壁1枚岩に見えた岩壁も、近づくほどに傾斜もゆるく見えてきて顕著なルンゼ状に導かれます。

なるべく水線をたどり、登りやすそうなところを上がって行きます。概ねフリクションは良くて快適な岩登り。

私たちは結局持参したクライミングシューズには履き替えずそのまま登りました。


ぐんぐん広がる景色!高度感抜群です。
ロープを出すか出さないか、ギリギリのところでだましだまし進み、結局ロープは出さずに終わりましたが、落ちたら300m止まらないような場面も多々ありました。

最後は右俣に入り込んだものの、左上しながら沢状を辿って行って、ほぼ藪漕ぎなしで登山道へ!

まだ8時過ぎとかなり早い時間だったので、さすがに山頂往復しようということになりました。

御神楽岳登頂〜!

下山路は噂通りの悪路で、「落ちたら即終了」な箇所が次から次へと連続する、気の抜けない激下り道でした。

道すがら、奥壁全景を見渡します。

湯沢の大スラブと山伏尾根。ここら辺も岩岩していて面白そうです。
稜線上こそ涼しかったものの、標高が下がるにつれかなり暑くなってきて、汲んだ1Lの水も尽き掛けます。湯沢出合についたら冷たい水に飛び込みました。


下山後は温泉でさっぱりしたあと、HGさんが見つけた西会津の美味しい食堂で打ち上げでした。ココはオススメです!

誘ってもらっておふたりと一緒に登り、沢屋さんの効率的な登り方や芸術的なタープの張り方に至るまで、色々と勉強させてもらえた二日間。とっても楽しかったです。ありがとうございました!^^
さて。そろそろ岩の良い季節になりますね。身体作りも本腰入れて行くぞー!鰻登りで!
コースタイム
初日
8:16蝉ヶ平登山口-9:22入渓-10:40御神楽沢出合-11:50御神楽滝上-12:53中ノ大滝-13:30上部ゴルジュ帯-15:00奥壁基部
二日目
5:46遡行開始-8:11登山道-8:40御神楽岳山頂-12:20湯沢出合-13:40登山口