2021/07/08
ニセコアドベンチャーレースに参加。

北海道はニセコで開催された「第2回ニセコアドベンチャーレース」に出場してきました!

アドベンチャーレースというと、地図とコンパスでナビゲーションしながらフィールドに散りばめられたチェックポイントを男女混成チームで回る競技といったイメージがあります。
トレッキングやマウンテンバイク、キャニオニングやカヤック、時にはクライミングなども行いながら、他チームより早く目的地を目指すゲームというなんとなくの知識はあり、興味もありました。
いつもお世話になっているマウンテンワークスの代表Mさんから「こんな大会出てみない?」と3ヶ月前突然LINEでお誘いが。リンク先を見てみると、マウンテンバイク(レンタル有り)、パドリングあり(一式主催者側準備)となっています。
マウンテンバイクはもっておらず、チャリでダートを走ったことももちろんなく、パドリングも当然全く経験がない上に、オリエンテーリングも自信ない。更に、Mさんが一体どんなノリというかモチベーションで出るつもりなのかも完全に謎です(笑)。
「興味はありますが、全くやったことないし足引っ張るかもしれません」
とおそるおそる返すと、
「こんなこと誰もやったことないから大丈夫だよ」と即(よく分からない)返信が。

出場が決まったら集まってトレーニングとかするのかな?予定合うかな?と少々不安でしたが、
「ぶっつけだよ」とのことで更に困惑。
そのうち「遊びだから」「楽しめればいいの」というのが、言ってるだけじゃなくてホントにそういうノリっぽいということが判明してきてほっとしつつ、一応東京マラソンの練習も兼ねて、蒸し暑い荒川河川敷を長めに走って熱中症寸前になりながらの暑熱順化だけはしときました。
そしてそれ以外の準備は本当に無で現地入りしました。

チーム「マウンテンワークス」のリーダーMさんはもちろん、NさんもNくんもみんながみんな「で、明日から何するんですか?」「さあ?」って感じのままレース当日を迎えます。
大会要綱はもちろんあるのですが内容が(たぶん敢えて)シンプルで、アドベンチャーレース未経験者にはちょっとピンとこないんです。

レースのベースとなるオシャレVilla"The Orchars"の宿泊費はなんと出場費に込みです。ここにレース前日入りして受付。この日は受付だけで、あとは準備とか買い出ししながらVillaでのんびり。

家づくりして建築物とかインテリアとか色々調べたから、オシャレVillaは見どころ満載でした。

レース当日、朝8時半からレンタルバイクの貸し出し開始。適当に試乗して好きなのを決めます。マウンテンバイクは持ってないけど、TREKのクロスバイクにはかれこれ10年近く乗っているのでギアの感じとかは違和感なしでした。

その後、ブリーフィングがはじまる11時までまたまったり。「基本ずっと自転車乗ってるのかね?」って話してたら、地図とともに配られた最初の指示書ではじめて「まず羊蹄山に登る」ということが判明しました!



実はこの前日、Mさんのお知り合いの自家用飛行機で空から眺めていた羊蹄山・・。そこをまさか翌日に足で登ることになるとは、全く思ってもみませんでした。
でも、ひたすら平地を走り回ることになるのかと思っていたので我々山屋にとってはラッキーな展開です。

The Orchardsから歩いて(チームによっては走って)登山口へ。そして山頂へ。

途中、地形図上に指示された地点をポインティングするとか「お題」があります。


ものすごく晴れてて暑くて水が足りません。自販機やコンビニ利用はオッケー、ラーメン屋行くのも自由とのことでしたが、そもそもそんなものがありません。

林道を外れ藪漕ぎしてポイントみっけ。
下山中にNさんが上水道の水脈を見つけてくれなかったら、午後3時以降、その後街に出られた深夜11時くらいまでずっと水無しだったと思うから、Nさんホントにファインプレーでした。

くれなずむ広大な北の大地をとぼとぼ歩いて、(山でも平地でも我がチームは少しも走りませんでした笑)

真っ暗闇のなか5kmくらいラフトボートで尻別川くだり。

私もMさんもパドリング初心者なので勝手わからず。カヤックとか経験豊富な釣り師のNさん&くんが後ろから的確な指示を出してくれなければ、きっと何度も瀬で座礁したり橋脚に激突して落水したりしたんじゃないかな、って思います♪
川下りがおわり、地図で最短距離を見積もって歩きはじめると倶知安の街の端っこに出ました。車で何度も走っている道だけに、「こっからヒラフまであるくのかー!」ってなりました。そろそろ日付が変わります。

日付が変わって数分後にやっとThe Orchardsに到着。ここでは30分の強制レストで、蝦夷シカカレーとかカズノコ入り大人ポテサラなどのオシャレビュッフェがありました♪私は空腹だったけど取りすぎないよう気をつけましたが、案の定取りすぎちゃってあとで「食べすぎた苦しい」ってなってる人若干2名くらいいました(笑)。
寒暖差があってかなり冷えたけど、テントサウナが温めてあって生き返りましたよ〜!
さて。ここで抜き打ち装備チェックを受けたら、新しい指示書をゲット。やっと借りたマウンテンバイクの出番がきたようです!
しかし、つぎなる関門であるCheckPoint(CP)13は朝4時がタイムリミットです。現在時刻はすでに0時半過ぎ。チャリとはいえ、あと3時間半でCP8〜12までを見つけつつ、ロードと林道あわせ15km以上も移動しなければならないのでほぼほぼ無理っぽい。この強制レストで寝る気満々だった私たちですが、少なくともそんな時間はないらしいということに気づきます。そして「絶対間に合わないけど行けるとこまで行こう!」と、なかばウンザリしながら後半戦を開始したのでした(笑)。

そこから、強烈な眠気に襲われての道端での30分仮眠をのぞき、ほぼ15時間半ものあいだわりと全速力でチャリをこぎつづけました。こんなに長時間乗ったことはもちろんありません。

しかしただ走っていればいいわけではなく、地形図にあらわれている林道なのに廃道なのかおもいっきり藪漕ぎのところや、細かい石でザレザレな林道の坂道ばかり。みんなけっこうなスピードでダートを下るのについてくのが必死でした。怖くてスピードが出せません。ハンドル操作ミスったらカーブでふっとびそうだったので全集中でした。上りのほうも、激坂はないかわりに、けっこうきつい坂が長く続く"持久系"が多くももが悲鳴をあげました。サドルでお尻も超痛くなった。
藪漕ぎ多かったから、若干2名ほどに計3匹のマダニちゃんがくっついてるのが後で発見されました。幸い熊には会いませんでした。(ひどい林道は必死すぎて写真ナシ)
ところで、CP13の関門に間に合わなくてもそこで失格ではなく、「完全完走」にはならないもののレースは続けられるということを、私たちはほどなくして知ることになります。「試合終了ですよ」の大会側からのお墨付きをもらえなくなった私たちは、そこで終わりだと思っていたからいったん気持ちが切れかけましたが、やめるにやめられず、ずるずると走り続けてどうにか1から20まで全てを回り切ったのでした(笑)。

そんなこんなで、27時間半で160kmを移動した長いレースもなんとか終了!15時半にゴールしました。総合順位はなんと4位!はじめてにしてはみんな頑張りました。

主催者側としては、完全完走(時間制限の関門も全クリして4人全員で20箇所コンプリート)が1組の設定で作ったコースだったそうですが・・いざレースが終わってみれば、完全完走は参加全21組中たった2組という過酷さです。

それにしても、上位3チームと、アクシデントでリタイア者が出て順位を落としてしまったようですが、最後の方までダントツ1位で突っ走っていたチームなど、強者の方々の強さがはんぱなかったですね。そして、これだけ大規模で練られたコース設定や大会前後のイベント準備などなどをわずか20名余というスタッフで運営されていた主催者の方々、そのバイタリティとレースに対する愛は素晴らしいものがあると思いました。とても楽しい大会を有り難うございました!

レース2日前には洞爺湖の義経岩でクライミングもでき、大充実の北海道遠征でした。
さあ、蒸し暑い長梅雨を乗り切りましょう!
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