2007/04/11
救急だより~その6~
今日は朝回診が終わった後昼になったのでエッセン(新出語。食事休憩?)、午後は1時から心肺蘇生の実習と2時からクルズスがありました。その後レポートのためカルテを読み、部屋に帰って寝ていたところ22:00ころ呼び出しがありました。「0150」
CPA(心肺停止)の患者さんでした。
はじめてのことでどぎまぎしましたが、あわただしい現場の中で言われるままにおどおどするだけでした。初めて本物の患者さんに心マしました。いつも通りサチュレーションとろうとしたら、「循環停止してるんだからとれないですヨ」と看護婦さんになじられました。当然ですね。
そんなこんなで時間が過ぎていきましたが、この患者さんは不審な点がいくつかありました。
車との衝突事故だったのですが、到着時からかなりの貧血ぎみで、皮膚の黄染が強く広範な点状出血が見られていたこと。こういった事故ではありえない所見で、内因性の疾患が示唆されるようでした。エコーで腹部に大量の液体貯留がみられ、試験穿刺で血性であることを確認し、循環状態も改善しないことなどから蘇生をあきらめました。患者さんは帰らぬ人となりました。
先生におおよそ上記のような説明を受けましたが、学生のわたしからすると思ったより簡単に諦めてしまうんだな、という印象でした。兎に角、ただの交通事故ではなく、不審な点が多いことを先生方は気にしていました。これから検死となるようで、もし死因が事故による外傷とは別のところにあるなら車の運転手さんの立場は大きく変わるので、そこらへんが重要みたいです。
何だかあっという間で、患者さんが亡くなったという実感もわかず、いつも通り蘇生室から帰ってきました。今はちょっと腹ごしらえをしつつ寝ようとしてます。いつか先生たちの下した結論に納得できる日が来るのかな。
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