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そうやって患者を殺すのか!

医者がよく使う説教の文句だ。


多分、はじめて言われたときは心に響いた。そのときが何年生のときで何をしたときだったかは忘れたけれど、そうか自分は患者さんの命を預かる仕事につくんだなと、改めて思った気がする。


しかし最近思うことは、医者はこの言葉を濫用しすぎなのではないか?ということだ。


まだ患者を殺すかもしれないという連想に無理の無い失敗などなら、こう言って諭すのもいいだろう。だが、例えばレポートの提出時間を10分遅れてしまったときに言われたことがある。


「時間を守れないというのは最低なことです。そうやって患者さんを殺してからでは遅いんです」


時間を守れない=患者を殺す ?


一見するとたしかにそういうこともあるかも知れないと思わせてしまうこの構図。だがよく考えてみると、そういったシチュエーションは結構考えにくいということに気付く。予め決められた時間があるというのは、外来患者さんの予約時間だとかopeの開始予定時刻だとかいろいろあると思うが、予定されているという時点で緊急性はゼロである。10分遅れたとして患者が死ぬようなシチュエーションがあるだろうか。精神科の外来で、約束の時間に10分遅れたら患者さんがそのことに絶望して自殺してしまった。そんなことでもない限りやはり考えにくい。
この場合は、「社会人として時間を守れないのは致命的です。社会に出てからこんなことをしたら信用は決して取り戻せませんよ」などと諭すほうが適切である。


私が言いたいのは、いくら重みのある言葉だからって何でもかんでもそれを使えばいいというものではないということだ。少なくとも時と場合を考えて使うべきだし、あまりにそればっかり言い過ぎるのもその言葉の重みを失うことになる。医者は何かといえば「患者さんを殺す」という言葉を引き合いに出して、バカの一つ覚えみたいに、他に説教のネタは無いのか?と言いたくなるときもある。


言葉は大切に使おう。
でないと本当に伝えたいことも伝わらなくなってしまう。

コメント

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なるほど・・。
私たちは災害医療の場に身をおく場合などは別として、自分の命をなげうつことは余りありませんね。
この言葉は「殺す」などという過激な言葉が含まれている分、その重みも大きいです。それだけに、使うほうも受け止めるほうも慎重になって欲しいですね。

「そうやって患者を殺すのか。」
たしかに重みのある言葉ですね。人の命を預かる職業だからこそ出る言葉でしょう。
 僕らの職業も人の命を守るという点では同じです。ただ、守るべき命のために自らの命を投げ出すという事が僕らには求められていますが・・
 失敗は、他人の命ばかりではなく自分の命をも無くしてしまう。その重圧は、例えようのないものです。
 瞬時の判断が全てを決する。常に、そういう状況に身を置いていることを忘れない。
 そのためには、レポートの遅れもまた命に関わるものと同じ意識を求めるという教授の言葉も理解できます。
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プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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