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図書館

 耳鼻科のBSLを回っているとき、論文検索の使い方を教えてもらった。
医中誌というデータベースで、読みたいトピックについて書かれた論文を検索をすることができる。検索で知ることが出来るのは論文の題名とそれが掲載されている雑誌の名前、書かれた日付、書いた人、内容のサマリーくらいだから、実際の内容を読みたければ図書館で探すことになるのだが、その探し方も教えてもらった。それからというもの、私にとって論文は身近なものになった。


講義ではそれはもう色んな病気の話を聞かされるから、ずっと聞いていると眠くなる。量が多すぎるし、話を聞いているだけでは実感もないから面白くない。でもBSLを回っていると、自分の担当になった患者さんの病気とか、クルズス(小講義)で聞いた内容とかが、実際を見ている分身近になる。そういう勉強できるネタについて、教科書レベルの知識だけでなく論文を読んでみようか、という気になる。どうせネタは多くても1週間に1つくらいだから、そのくらいなら勉強してみようかという気にもなる。


医学の世界は日進月歩だ。実際の医療現場では雑誌を読んだり学会に出たりして、常にフレッシュな知識を持っていないといけない。生もの的側面は強い学問だろうと思う。医学生の立場からしても、古い教科書は使い物にならないのでなるべく新しい教科書を、ということになる。解剖などの基礎医学なら多少古くてもいいだろうが、臨床系ではちょっとキビしい。


そんなこんなで、1990年に書かれた論文とかはもう「歴史書」なのだ。もっとかもしれない。2000年のでも歴史書かも。そういう中にあって、うちの図書館の製本作業はかなり怠慢なのではないかと度々思う。


図書館では、雑誌がある程度たまると"巻"とか"号"とかでひとまとめにして製本し、閲覧可能な蔵書として保管する。だから図書館で論文を探す場合は、その論文がなんと言う雑誌の何年に出た何巻に載っているのか、といった情報から探していく。


上にも述べたように、論文は古いのを読んでも意味が無い。今は2007年だから、2004年とか2003年のを読んでいると「ちょっと情報が古いね」ということになる。検索でひっかかるものも大抵新しい順にひっかかるから、じゃあコレを読んでみたいなと思って探すことになるのだ。


それなのに、他大学の図書館がどうなのかは判らないが、うちの図書館は2006年以降の雑誌は全く製本されていない。2004年のものまでとかいうのが殆どで、ひどいと2003年までしかないものもある。簡単に言うと、せっかく検索で出てきたものの中に読みたい論文があっても、うちの図書館には置いていないことが多いのだ。

よく、自分が見たい論文の直前の巻まではあったりする。そんなときは無性に腹が立つ。


製本作業が済んでいない新しい雑誌は、「未製本」という部屋においてあることもある。だが、大抵探しに行っても目当てのものは見つからないことのほうが多い。


だからウチの図書館の蔵書状況をかんがみて、わざわざ検索するときに「年代:2003年~2005年」などとしてムダを省く必要がある。新しければ新しいほど望ましいというのに、わざわざ上限を「2005」などと設定しなければならない。


論文だけでなく、教科書についても同じことが言える。医学書は高いから、図書館に良いものがあれば出来るだけそちらを利用したいものである。なのに蔵書の過半数は「歴史書」だ。背表紙のくたびれ具合から「歴史書」と一目瞭然のものも沢山ある。捨ててしまってもいいのではないかと思うが、捨てるのがもったいなければ「歴史書」というカテゴリを作って全てそちらに移動すればいいだろう。何度も刷り替えられているシリーズものなどであれば一番新しい版のものを置き、それ以外なら最低でもここ4,5年の間に書かれたものだけを「教科書」のところに置くのが妥当であろう。

現在は、教科書を利用しようと思うと図書館はあまりあてにならないというのが現状であるから、あの広い空間は果たして有効利用されているのか?と考えると疑問だ。


そんな図書館とこれから研修医になってもずっと付き合っていくだろう。研修医になると図書館のコピー機は無料で使い放題なのだ。

コメント

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笑えない・・

実際、検査データとかを注意深く読む能力の無い医者とかだと、似たような症状を呈する疾患と誤診してしまうことは多々あるようです。
患者の立場からも、これから医師になるものとしても、怖いですね・・・

確かに、医学は日進月歩ですね。
医者を選べない患者から診れば、常に新しい医学知識と実力を持っている医者に診てもらいたいものです。

以前、僕の同僚で長期間「熱が下がらない」症状、病院に行ったところ
 「風邪です。」
と診断され、風邪薬を処方されたが、それを飲んでも全く治らない。
 そこで、別の病院に行ったところ、やはり
 「風邪です。」
と診断され、そして治らないもの同じ・・・

彼は、3軒目の別の病院に行ったところ、診察室に入るなり医師に
 「あんた、死ぬよ。」
と言われて緊急入院と相成った・・

細菌性の肝炎であった(^^;
彼は、三軒目の医師のおかげで一命を取り留めたと言うわけである。

怖い話ではある(^^;
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プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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