2017/04/26
2017/4/22~23 剣岳 早月尾根
GWの偵察を兼ねて早月尾根に行ってきました!馬場島側は無雪期も含めて今回がはじめてです。

登山申請は(20日前には間に合わなかったけど)何とか出して、この週末の分とGWの分とどちらも受理して貰えました。
ワクワクさんです!早くも心は連休ムード♪
前夜は長い長いドライブでした。分かっちゃいたけど普通の週末で来るのは大変!運転時間の方が長いなんてこともあるかも?帰りが思いやられるな〜。
しかも関越に乗ってから、「GWまでゲートがあかない」という情報を入手!林道歩きのおまけもついた〜〜!(タダの情報収集不足)
日付が変わる頃到着すると、ゲートの更に手前から通行止めになっています。カーナビによれば馬場島まで8kmの行程追加。プラス2時間が見込まれます。でも睡眠時間も確保したいし急ぐ理由も無いので、5時起床6時出発にしました。
久しぶりに車のう◯こ(※車の脇でシュラフにくるまって野宿するスタイルのこと)になって、満天の星空の下で眠りにつきます。しかし夜中に雨で起きました。寝ぼけながらテントをかぶって就寝。にわか雨ですぐやんだからよかった。
林道歩きは車にたまたまのってたトレランシューズを使い、馬場島にデポする事にしました。1時間半で登山口到着。
登山道に入ると、しょっぱなから早速の急登です。だだっ広い松尾平を過ぎるとまた急登が再開し、その後延々急傾斜が続きます。
疲れるけど、今日の行程は標高差1500mもあるので、ダラダラ登るよりいいです。グングン高度を稼いで、馬場島から5時間弱で早月小屋に着きました。

今から山頂に行くのも微妙な時間帯だったので、ここで幕営することにして、暇つぶしに穴を掘りました。本当は雪洞のなかにテントをはるつもりだったけどあまりに難儀だったから諦めて、こんな中途半端な風よけになりました。でもサイズはぴったりですぽっとハマってていい感じです。明日テントがとばなければそれでいいんです。

丁度いいタイミングというか、お昼から好天するはずの天候がどんどん怪しくなってきて、濃いガスが立ちこめてきました。でも時たま暖かい光線を感じることもあり、どこかに太陽がいるということは分かります。ペコマがせっせと2人がけソファ席にサイドテーブルまで作ってくれたので、とりあえず飲むかってなりました。

天然クーラーで青鬼を冷やしながらジャーキーをつまむ幸せなひととき。辺り一面真っ白で何も見えないけど幸せなのです。
しかしビールが1本空く頃にはどんどん気温が下がり、風雪も強まって来たのでテントに撤退。その後は雨なんだか湿雪なんだか、ほぼ雨といっていい天候になりました。夕方になっても一向に弱まる気配はなく、フライのないテントの布地を染みて来た水がしたたってテント内は水たまりです。中途半端な雪の屋根がほんの少しだけ雨漏りを防いでくれました。
そんな愉快なディナーを愉しみつつ、18時過ぎには眠りにつきました。
0時頃、一度目が覚めました。雨音は止み、辺りは水を打ったような静けさに包まれています。ヘッデンをつけずにテントを出ると、目の前に飛び込んできた宝石のような煌めきに思わず嘆息しました。光り輝やく富山市内の夜景が漆黒にぽっかりと浮かんでいます。いつの間にかガスも消え、完全な無風、静謐。頭上を見上げれば凍てつく空気の向こうに無数の星が瞬いていました。
胸いっぱいになってテントに戻り、夏用シュラフにくるまって放射冷却に震えながらうとうと。気付けば2時間が経っていました。
朝は時間のかからない乾燥パスタとスープ、パン。テント撤収も無いので1時間で出発するはずが、結局3時半過ぎになってしまいました。山頂でご来光、間に合うかな?

しかも日の出は5時半だと思ってたら5時だったみたい。いつの間にそんなに日が延びたのね。
黒々と屹立する剱尾根にも少しずつ色がついてきました。

山々が一日で1番美しく萌える刻です。

剱にいるとは思えない雲ひとつない晴天のなか、壮絶なモルゲンロートを二人じめです!

あまりペースを上げられず、結局山頂到着は日の出から1時間を過ぎた6時。山頂まで1時間半を見積もっていたというペコマに「遅いね!」となじられてしまった。反省!

実は先週から写真が少なく、かつ微妙な写真しかないのはカメラが壊れたからです。オリンパスのToughシリーズのカメラ3台目がまたしても壊れました。2台目は赤石沢で流されたので仕方ないとしても、1台目と3台目は勝手に電池ボックスが開いてて気付いたら浸水してたのが原因です。寒いとすぐ死んだフリするし、次からはtoughシリーズにこだわるのはやめて軽さ重視のカメラにしようと思います。
春山といってもやはり稜線上は15m/s程度の強風なので、手袋を外してのスマホ撮影は一苦労。タッチペンがあるといいのかもね。買わないけどね。

今回の目的は山頂から早月尾根上部にかけての難所の下見でした。GWにはここを暗い中通過する可能性があるので、予めルートの状態などを確認しておきたかったんです。夏に来たことがないから分からないけど、きっと夏は鎖場なんだろうなと思うような胸に迫る堅雪壁をダガーポジションで登ったり、軽い岩登りがあったりします。帰りはクライムダウンとラペルでした。残置スリングも探すと色々あります。
8時ころテンバについて出すもの出して、テント撤収。8時半頃には出発したのでしょうか。よく覚えてませんが、早く帰ってビールを飲みたいという不純な動機のもと、急いでおりました。でも標高1600mより上の雪は日射の割に意外と緩んでなくて、アイゼンがいちいちロックするので疲れました。
途中からだましだまし、アイゼンを手に持ってつぼグリセード、堅くて急になってきたら装着という小賢しいやり方で省エネし、最後はアイゼンをしまってひたすらグリセード滑降。上手い人はザングツでパラレルターンするそうですが私にはボーゲンが限界です。

馬場島に着いたのは11時。テンバから2時間半くらいでした。
そこらからスニーカーに履き替えての林道歩きも地味に疲れる。でもアルペンルートの喧騒とうって変わった牧歌的な風景で、途中振り返ればヨーロッパアルプスを彷彿とさせるような雄大な剱岳を拝むことができるのはとてもいいです。
行きは1時間半だったのに帰りは2時間近くかかりました。でもひどい渋滞にも巻き込まれず、無事に早く帰ってビールが飲めたので任務完遂です!
GWも天気の神様に優しくしてもらえるといいなあ。
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