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Squamish クライミング 2017/8/17 Angel's Crest

Squamish Selectの2012 editionは綺麗で整理されていてとても見やすく、いつまで見ていても見飽きない。

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日本も海外も含めて、今まで見たことがあるトポの中で一番質が高いかも知れない。
事前にパラパラめくってめぼしいルートを選んでいたとき、ちょっと気になって印をつけたのがAngel's Crest.だった。

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お花の手入れが行き届いた美しいスコーミッシュのダウンタウン。


"One of the most"のニュアンスが私は未だによく分からないが、とにかくチーフを登る5.10台のルートの中ではかなり長くてアルパインチックなルートらしい。ルーファイ核心とか書いてある。

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右からFirst Peak, Second Peak, Third Peak.

チーフにはガリーを挟んで3つのピークがあるのだが、そのうちの1つ、"Second Peak"に突き上げているリッジを登るラインだ。

The Grand Wallは西面の広大な一枚岩のど真ん中を登る爽快なラインだが、壁の2/3ほどのところでバンドに当たって終ってしまう。やっぱり山頂に直接突き上げるラインが最も理想的なラインだと思う。
でも、他にもやりたいのは色々あるし、"アルパインチック"というのがちょっと引っかかった。わざわざスコーミッシュでそんなルートをやらなくてもいいかなとかいう気持ちも出て来て、いつしか選択肢の中から抜け落ちていた。


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急峻なナイフリッジ!Angel's Crestの上部。


すると、スコーミッシュ二日目にMercy Me上で会った地元の二人組が「Angel's Crestは行った?ローカルクライマーは必ず行く超オススメルートよ!」と言う。何だろうそれは、と、トポを見返すと付箋が付いており気がついた。ああ、あのアルパインチックってやつか。


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乾燥しすぎて山火事頻発。焚き火禁止だよの看板。


でもオススメしてくるくらいだから、ヤブこぎ上等浮き浮きロックんロールな感じじゃなく、きっと安定しているのだろう。つまり日本の感覚の"アルパイン風味"とはどうやら違うようだ。
たしかに"Jalpine"とは書いてなかったな。


というわけで、ビビアンとの綿密な作戦会議のもと、The Grand Wallの翌々日にAngel's Crestへ行くことが決まった。

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このルートはチーフの北面を登る。Apronの駐車場から未舗装路に入りチーフの北側へ回り込む。トポの通り600mくらい走ったところで車を停めて降りると、ものすごく親切な看板がすぐに見つかった。車はテキトーにpull outに路駐。


この日も順番待ちを回避したかったから4時に起きた。アプローチ開始は5時40分でまだ暗いので、この旅初のヘッデン稼働。
しかし辺りを照らして赤布を探す手間はなく、点々と続く反射板を追っていけばいいだけだった。

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ほどなくしてハングした壁にぶち当たり、左へ回り込む。取り付きに着く頃には朝日が差してきた。タイミングばっちりだ!

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ルート取り付きにはまたプレートが付いてるので一目瞭然だ。ラインどりは両サイドからまくと簡単なようだが、ど真ん中をいく5.10bで登ることにした。6時半、ちっぺのリードで登攀スタート!


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出だしのフェイスは露出感があって面白い。ハングを越えるとすぐアンカーがあるが、そういえば1Pか2Pで登るってトポに書いてあったと思い出す。
アンカーを通過して上のスラブへ。ヌンチャクが足りないけど間引いて行けばいいか・・と思ったが甘かった!
わ、悪い!すごく悪い!
やっぱりスラブは侮れない。ロープドラッグに抗いながらハイステップのスメッジングでだましだましずり上がる。
余ったカムをボルトにかけてクリップしつつ何とか難所を切り抜けた。
朝一から痺れたー!


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続く2P目がこのラインのハイライト、"Angel's Crack"。5.10b。天使の翼のような巨大フレークの上を登っていく。
ビビアン、余裕のOS!絵になるなぁ。

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左手は切れ落ち、North Gullyの谷底まで丸見えな高度感。


3P目から上もちょい歩きを挟みながら随所に5.10aくらいが出てくる。雰囲気は瑞牆のマルチだが、瑞牆より全然すっきりしているし登りごたえがあってダレない。途中から地元クライマーペアと合流した。我々の"フォー!"コールがツボにハマっているようだ。

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ルーファイも1箇所を除いては特に迷うところはなかった。

「君らのその、"wooo!"は、なに、日本語なの?ww」とのたまう面白いにいちゃんは、Angel's Crest 2度目だという。笑い上戸なおばちゃんを連れてオールリードしている。

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マウントガリバルディが目線の高さに!

「叫びやすいでしょ、『フォー』は。楽だし疲れない。問題なく進んでれば『フォー』を使って、それ以外の時(例えば観光客が興奮して一緒になって"フォー!!"って言い出すとか)のみ、日本語使うのよ」と教えてあげた。彼らは"You're like wild birds !"と喜んでいたが、「確かに、君らのその"style"(スタイル??)、いいね。言葉で言っても逆になに喋ってるか分からなくて混乱することよくあるもんね!」と理解を示してくれた。
フォーコールが国境を超えた瞬間である。

この後も"フォー!"のたんびに笑ってたけどね!


8ピッチ目を終えるとしばしの歩き。なんだこのトーテムポール!
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ルートもいよいよ後半戦。しばらく登ると"The Acrophobes"(日本語で"高所恐怖症の人"(笑))という名のナイフリッジがみえて来た!テンション鰻!!


ここから先しばらくはレッジを登ったり降りたりの繰り返しになる。このピッチの途中で10mほどの懸垂が出てくる様だ。ピッチを切ってもいいけど、多分ロープが余るのでフォローでセルフロワーダウン(専門用語?ではlower out)でいいかな、と思い、ビビアンにリードを行ってもらった。

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しかし全くプロテクションのないレッジに苦戦するビビアン。まさに"Acrophobe"になってしまっている。
ナイフ状とはいえ、先端は50cm幅くらいの歩けるレッジになっているし、露出感はハンパないものの、落ちるようなところは全くない。それでも日本だったら、確かにボルトの1つや2つ設置するのだろう。なかなか先へ進めないでいるビビアン、クラックが出て来たところでカムをセット!それによりロープが屈曲して進めなくなってしまった。懸垂アンカーはまだ見えてないという。
やはりあまり慣れていない人にとっては、このルートは少々まごつくポイントがあるのかも知れない。


でもその恐怖心こそ普通。単なる慣れの問題だし、私だって数年前はそうだったから、気持ちはわかる。

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ピッチを切ってもらい後続する。高度感がすごくて、空を飛んでいるようだ!後ろで陽気なにいちゃんもフォーフォー言っている(笑)。


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眼下にはこの絶景だからフォーの一つも言いたくなるよね。


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ビビアンがピッチを切ったすぐ2mほど先のレッジの裏側にアンカーはあった(笑)。ここでまたピッチを切り、ムンターでビレイしてそのまま下の快適そうな大テラスに吊り下ろした。やはり懸垂は10mくらい。


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この先もアップダウンが続く。FIXロープを頼りにまた7、8メートル降りたところから、再度登り返すところでルートを誤る。今までの快適な白く硬い岩から一転して、脆そうな岩茸だらけのハングを恐る恐る乗っ越したら、荒涼としたぶったちハングが行く手を阻んでいた。
間違ったかーと思っていると、後続のにいちゃんが「そっち違う」と教えてくれた。

ここでさらに1パーティ、後続が来て3パーティがひしめき合う形となった。


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ルーファイなどの核心部は多分このアクロフォブの周辺なのだろう。最後は快適な岩登りで頂上まっしぐらだ!


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後続のにいちゃんに先に行ってもらったら、最終ピッチリード中に上から写真を撮ってくれた。「5.13登ってるみたいにかっこいいぜ!」って言ってたけど、うーん。高度感がイマイチじゃない!?(笑)いや、写真は難しいの、よく知ってる^^;


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15時半頃、登攀終了!眺め最高だねー!!


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深い深いNorth Gullyを挟んで向こう側に見えてるのはチーフのThird Peak。トレッカーがたくさんいた。


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ロープを解いてから、ホテルで作って来たチポトレピーチのサンドイッチでアフタヌーンティータイム♡♡ はー幸せ♪


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帰りはSecond Peak Trailを降りる。First Peak Trailに比べると格段に道がよく、トレッカーもたくさんいた。人気があるのだろう。


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で、ゴールはFirst Peak Trailと同じ。Grand Wall Baseの方へ降りて来てしまうので、そこからチーフの基部をひたすらひたすら北へ歩いて戻る。結構歩く。途中、Apronの麓のボルダー群の横を通過した。見事なクラックボルダーと、その上にそびえ立つSecond Peak。あー、ボルダーもしたいんだよなー。


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明日は丸1日登れる最終日。少しセンチメンタルな気持ちになって空を見上げると、抜けるように青かった。
Squamish Blue!!

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プロフィール

chippe

Author:chippe
chippeのブログへようこそ!
2006.10 山歩きをはじめる。
2007.9 クライミングをはじめる。
山岳同人「青鬼」所属。国際認定山岳医。
好きな食べ物:肉。
カリマージャパンアンバサダー。

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