2020/09/09
2020/09/09 甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根 トレラン〜 ホカオネオネとGarmin ForeAthlete 45装備で走ってみた〜
「アルパインに一番重要なのは体力だと思います。」(最近指と手首がちょっと痛い35歳主婦クライマー)一般的な成人の最大心拍数は簡易的な計算式で表され、「220-年齢」程度といわれています。
この最大心拍数が、悲しいかな、"1"減ってしまう日の前日、たまたまヒマだったので、「山走りに行きたいなー」と思いました。
ちょうど2年前の夏にはじめて「トレラン」というスタイルで本気走りした黒戸尾根は、黄蓮行ったりAフランケ行ったりで通う上、数年前からは山岳医療パトロールでもお世話になっていて、今やかなり親しみのある道です。
日本三大急登に数えられる黒戸尾根ですが、平均勾配はそれほどキツくありません。
黒戸尾根のキツさはなんといってもその、片道10kmという距離の長さにあります。
これは三大急登のこりの2つである西黒尾根やブナ立尾根の約3倍の長さで、ちょうどよくキツい傾斜の登りが延々ずーっと続く感じです。。
2年前は登り3時間37分、下り2時間18分だったようです。
今回はどのくらいでいけるのか・・。
2年前まだ手に入れていなかったホカオネオネのスピードゴート3を履き、Garminのランウォッチ"ForeAthlete 45"を装着して走ってみました。
朝、3時半。珍しくぐっすりと眠っていたのに(最近はトイレで起きることが多い)、自分でセットした目覚ましにたたき起こされました。
「かけなきゃよかった(自然と目が覚めたら行く、にすればよかった)」と思いながら、予報が悪くなっていないことを確認し、しぶしぶ準備をして家を出ます。
高速を
辺りは晴れ渡っており、目的の山頂も朝日に輝いているのが見えました。

これが見られただけでもテンションうなぎ。
あの山頂に早く行きたい・・!と気持ちが焦ります。
傘雲が気にはなりますが、SCW予報では12時ころまで晴れるみたいだから信じます。
コンビニで甘い水を2本購入。ここ最近山を走る時定番になったソルティライチと、今回ははじめて「濃いめのカルピス」をチョイス。
合計1L。ちょっと少ないかなと思いつつ、たった6時間程度なら我慢できるやと過信。
また、カロリーもこれだけで計470kcalくらいあるので、あと行動食は車の中にあるゲルとかをちょっと持てばいいや、ということで購入せず。
で、はやる気持ちを抑えつつ駐車場で準備をし、6時前には走りはじめました。
そしたら走り始めてから少しして、「行動食入れるの忘れたじゃん!!!!」ということに気がつきました。
でも戻るのはすでにダルすぎる距離・・orz
というわけでたまたま家から持って来ていたアミノバイタル3本が命綱となりました・・。

ちなみにGarminのランウォッチ"ForeAthlete 45"はロード用で、全然山用ではありません。

でもGarminのソフト自体はトレラン解析もできるから、データさえちゃんととれればOK。
結果、GPS感度もよく、標高などもほぼ正確にとれていたみたいです。
走りながらわりと正確っぽい(RPEと相関してる感じがした)心拍数を確認できるのがけっこう便利でした。
電池のもちについては、20%程度減っていたので、ウルトラ系の長いレースとかだともたないかもしれませんね。
なんども歩いて走ってみて思うのは、黒戸尾根の核心部はほぼほぼ刃渡りの前までです。ここに黒戸尾根の辛さの半分以上が詰まっているといっても過言ではないと思います。逆に刃渡りまでたどり着けば、もう黒戸は半分以上終わったようなもの!

第二核心部はちょうどキツい傾斜が長く続くので、気づくと意識がとんでペースが落ちていたりします。今回はランウォッチを確認し、つねに心拍数150以上をキープするように登りました。キツかった。。最近覚えたパワーウォークも駆使しましたが足つりそうでした。
上の写真の、左下に見える登山道にまたがるボルダーが"第二核心"終了を告げる目印。ほどなくして刃渡りです!
で、刃渡り〜!


途中、数パーティの登山者のほか、2名の単独ランナーさん(ひとりは細マッチョ、ひとりは足の筋肉ムキムキ)と3人パーティのランナーさんを抜きました。下りでまたすれ違う時、微妙にオーダーが変わったりしていたのが面白かった(笑)。
刃渡りを過ぎたらすぐ五合目。

昨年は台風の直前に走りに来ており、その後台風でここの登山道が大崩落してしまいました。今回は崩落以来はじめてでしたが、とても綺麗なハシゴと木道が整備され歩きやすかったです。七丈小屋の方々はじめ、整備してくださったみなさん、本当にありがとうございます!
で、五合目を過ぎたらすぐ七丈小屋です。

で、七丈小屋を過ぎたらすぐ八合目です。


八合目を過ぎたらすぐ九合目で・・

そしてあっという間に、ホラ、山頂の祠が見えてきましたよ!
雷鳥が優雅に飛んでいるのを横目に見つつ、駐車場から3時間10分ほどで山頂到着しました!



山頂の展望も全く期待していなかったので、予想以上の快晴にテンションうなぎ!
さあ、下山です!
下りこそ、この急坂で厚底ホカちゃんの威力が発揮される時!大幅なタイム更新を狙いたいところ〜。

実は、山岳医療パトロールのとき、ペコマが七丈小屋から駐車場まで1時間10分という記録を叩き出しています。パトロールの際は七丈小屋に1泊させてもらい、翌日下山するのですが、この下山時の記録です。だから日帰りで下から山頂往復とは条件が違うといえば違う。しかし、2年前も私はこの記録に挑戦し、1時間43分かかって敗北を喫したのでした。
今回こそは!という密かな想いを胸に、七丈小屋で靴を履き直し、いざ出走!
しかし今回もやはり1時間半かかりました・・(´Д`)

思うに、笹ノ平分岐からはどうやっても30分かかると思うんです。なので、七丈から笹ノ平まで40分で来ないと話にならない。しかし、どうしても1時間かかってしまうのです。
でも今回あらためて思いました。七丈から降り始めるとき、すでに足が残ってないんですね・・。
急坂が多く、スピードコントロールを要する場面も多いものの、気持ちよくすっ飛ばせるような斜面もあります。
しかしそうしたところでもすっ飛ばすだけの足が残っていない・・。
そして水1Lが最後に効きました。
もし100円玉を持っていたなら、七丈小屋で迷いなく補給したかもしれません。
でも千円札しかなかったのと、「補給ってなんかエイドくさい」と思い、降り始める時点で200cc位しか残っていなかったのに補給しませんでした。そうしたら終盤ガチで熱中症的になりかけました。あぶないあぶない。
(ちなみに帰宅後体重を測ったら体重減少率は2.89%でした。水飲めてたらもっとタイム上がったかな?)
アミノバイタルは登りの刃渡り手前で1本、八合目手前で1本飲み、最後の1本は下りの七丈小屋で飲みました。これがなかったら本当に最後までもたなかった気がします。
行動食ナシは実験でもダイエットでもなんでもないただの忘れ物なんですが・・・色々と山をなめたことをしてしまいました。反省。



高度や距離なんかは、下のGeographicaのトラッキングの方が正確だと思います。
下山後は水をがぶ飲みしたあと、温泉に浸かってガリガリ君を食べ、優雅な1日を過ごしましたとさ。
今年の秋は積年の宿題をやりにまた甲斐駒行きたいです!

しかし流石はスピードゴートちゃん。下山後のダメージはこの秀逸な厚底のおかげでだいぶ違うって感じますね!
★コースタイム★※()内は山と高原地図の標準タイム
【登り】
駐車場ー笹ノ平分岐49分(神社ー笹ノ平分岐2時間30分)
ー刃渡り39分(2時間)
ー五合目26分(1時間)
ー七丈小屋21分(1時間10分)
ー八合目25分(1時間)
ー山頂27分(1時間30分)
【下り】
山頂ー七丈小屋30分強(1時間30分)
(小屋前で5分休憩)
ー笹ノ平分岐 約1時間(2時間30分)
ー駐車場 34分(神社まで1時間30分)
【Geographicaのトラッキング】(左が山頂まで、右が往復の累計)

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