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2018/11/2〜11/4 John Muir Trail Section Hike 〜Silver Lakes-Yosemite Valley〜 Day1

【パコつく肋骨】
10/31、目が覚めた。肋骨は・・まだぱこんぱこん言ってたorz
患部にタオルをあてて、テーピングを貼り直す。すでにテープかぶれが出来ていてヒリヒリした。
起き上がる動作、背中側にあるものを取ろうと手を伸ばす動作、立ち上がる時のプッシュ動作、全部痛かった。だめだこりゃ。

Sさんには、改めて、クライミング自体無理っぽいこと、しっかり数日休むことを告げた。
幸い、日本人クライマーや同じキャンプサイトで毎日顔を合わせている他のクライマーなど、Sさんのパートナー探しは問題なかった。
Salatheのみならず、Free Riderも行けなくなったのは本当に申し訳なかった。でもSさんはむしろすごく気遣ってくれて、それがまた申し訳なかった。

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Valleyに新しくオープンしたスタバへ行った。でも普通のスタバで、とくに面白いものはなかった。


私が本格的にレストすることになったので、そうした周りのひとたちにも肋骨骨折のことを話した。
これまでも特に隠していたわけではなかったが、話す必要もないので黙っていた。でも、みんなに話したらなんだかすっきりした。みんな優しく励ましてくれた。クライマーなら誰しも何かしらの怪我とか経験していて、お互い辛い気持ちは共有できるものだ。
ひとりじゃない、と思った。

残りの日程を可能な限り有意義に過ごすこと、それがこれからの最大目標になった。
よし、そのためにどうするかをじっくり考えよう。


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ひとりMist Trailを歩きながら、これからどうしようか、考えた。こういう1day hikeをしてValley内でダラダラ過ごすのは楽しくなさそうだった。どうせならまとまった時間がないと出来ない、もっとワクワクするようなことがしたかった。


【憧れのJMT】
Sさんは「John Muirとか、もし行くならスタート地点まで車で送って行くことも出来るよ」と言ってくれた。そうか・・憧れのJohn Muir Trail。それなら失意のレストもさぞかし充実するだろう。

pecomaはLINEで「ヨセミテにいるんだからメソメソするなんてずるいよ!」と、pecomaらしい激励の言葉をくれた。
同じく大学時代からの山仲間、変態ソロクライマーのRickyにも相談してみた。いちおう私より真面目に医者やってる整形外科医だし。
Ricky医師は、
「介達外力(直接ぶつけたのではない、間接的な力)による肋骨骨折なら、痛みの我慢できる範囲内でクライミングしても悪化はしないと思うよ」とアドバイスをくれた。

Astromanのあと悪化したけど・・っていうのは取り敢えず置いといて、この専門家のアドバイスは大きかった。
つまり、自分なりの解釈はこうだ。
「肋骨がパコパコいわないAstroman以前の状態に戻ったら、クライミングを再開しても問題ない」
それなら・・!と希望が湧いてきた。
残り滞在日数は、今日を入れてあと8日だ。
昨日はクライミングしちゃったから、今日から数えて丸5日レストしたとして、それでもし状態がよくなったら。
残り3日はまたクライミングが出来るということだ!!

そうすれば、宿題になっているButterballsとか、Tales of Powerとか、Crimson Cringeもまた行けるかも知れない。
よーし!しっかり療養するぞ!心も体も、John Muir Trail で!


【セクションハイクをプランニング】

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JMTのトレイルマップは冊子になっている。見やすいカラー刷りのテンションが上がるマップだ。

John Muir Trailは、かの有名な冒険家John Muirさんが開拓した、Californiaの絶景を次々通過するawesomeなトレイル(雑)だ。
トレッキングの聖地とか呼ばれているそうで、毎年世界中からトレッカーが集まってくる。
その全行程を歩くことを"Thru-Hike"といい、Yosemite Valleyの Happy IslesをスタートしてCalifornia州最高峰のMt.Whitneyへと至る。全211マイル(約340km)、ガイドブックでは21日間で踏破するモデルケースが紹介されている。
ただ、そんなに長い休みを取れない人も多い。ということで、部分的にJMTを楽しむ"Section Hike"という方法が一般化している。
私は今回このSection Hikeを計画してみることにした。

準備の時間も考えて、出発は11/2と決めた。せめて最後の二日くらいはクライミングしたいから、11/5か6には戻りたい。
かつ目的は肋骨の療養(?)なので、あんまり頑張るのも良くない。トレイルの状態も分からないし、重い荷物を持って歩くの自体久しぶりだから余裕を持ったプランがいいだろう。色々考えると、Silver Lakesというところからトレイルを歩いてJMTに合流し、逆走してValleyに戻ってくるプランがちょうど良さそうだった。モデルケースによれば4泊5日くらいの行程なので、3泊くらいで歩けるのではないだろうか。

早速、準備にとりかかった。
まず、はじめにやることは、Permitの取得だ。
これは、JMTに限らずover nightのトレッキングに行く際に必ず必要となる。
JMTのシーズンは6月〜10月で、この期間内だとPermitの取得は少し複雑になる。
とにかく大勢の人が訪れるため、National Park側はこれにより厳しい人数制限をしている。
数ヶ月前からオンラインで予約するか、当日直接キオスクに並んで取得するしかない。
だが、調べてみると、どうも11月からはオフシーズンということで、Permitの取得もかなりゆるくなるようだった。これはラッキーだ。

シャトルバスでValley内のVisitor Centerに行ってみた。
聞くと、予定しているスタート地点Silver LakesはYosemite National Parkの外。だからここではPermitが出せないらしい。
レンジャーのお姉さんが電話で調べてくれた結果、この時期あいているPermit StationはMammoth LakesのWelcome Centerだということが分かった。朝8時オープンだという。つまり11/2、出発日の朝にここでPermitをとってから歩き始め、ということだ。

次に、装備のなかで一番重要なものをゲットする。それが"Bear Canister"だ。

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こんなにビッグ。蓋はコインで開ける。クマが壊せないよう、専門家が研究を重ねたお墨付きらしい。

買うことも出来るが、ValleyのVisitor Centerでレンタル出来る。レンタル代は$5/week。やたら重いけど必須アイテムだから仕方ない。
これに4泊分の食料を詰め込んだ。なんだかワクワクしてくる。

他に、必須ではないかも知れないが、"準必須"くらいなのがスコップと浄水器だ。

スコップはトイレ穴を掘るためのもの。トレイルからも水場からも30m以上離れた場所に、15cm以上の穴を掘らなければならない。日本人のサイトではチタン製のものが推奨されていた。
でもValley内のMountain Shopにはプラスチック製のものしか売っていなかったので、それを買った。$2だった。
浄水器は沢の水を飲むためのものだ。煮沸すれば大丈夫だろうが、そのまま飲むのはよくない。これがあれば煮沸せず、その場で冷たい沢の水を飲むことができる。これも購入した。錠剤とか光とか、色んなタイプのものがあったが、一番軽くて安くて理解しやすい(?)濾過式のものにした。$45くらいだったと思う。


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トレッキング初日、最初の水場で記念撮影!そしてこの濾過式浄水器はこのあと意外な形で活躍を見せる。

これで必要装備は揃った!(まるでRPG!)
またシャトルバスでCamp4に戻り、パッキングを開始する。テントなど、明日の朝まで撤収出来ないものは後にして、片付けられるものからパッキングしていく。
友達になったクライマーたちが"Enjoy!"と言ってくれた。8日でThru-Hikeをしたというクライマーも、きっと楽しいよと話してくれた。期待高まる。
Mammoth Lakesまでは車で2時間半くらいかかるようなので、11/2は5時半にCamp4出発だ。Sさんは快く了承してくれ、成り行きで強強クライマー"Gachioくん"も同行することになった。

早めに夕飯を済ませてシュラフに潜り込む。
まだ時間も早いし、Camp4はいつもの賑わいを見せていた。
人々の行き交う音、笑い声。いつも通りのそれらが、この夜は心なしかより愛おしく感じられた。
明日の夜は一転、静まり返ったテントサイトで、もしかしたらたった一人で幕営しているかも知れない。
広大なアメリカの大地を一人で歩くのなんてはじめてだ。そう思ったらワクワクするし、ドキドキもした。
どんな冒険が待っているのだろうと思うと、ちょっと興奮して寝付けなかった。


【11/2、出発!】
夜明け前のValleyを後にする。2週間のスイートホームを撤収。Gachioくんが車を出してくれることになり、3人で乗り込んだ。
数日前に合流したクロヒゲさん夫妻から、「Mammoth Lakesの近くの温泉」の情報を得ていた。私をトレイルヘッドまで送り届けてくれたあと、二人はその温泉に寄って帰るというプランだった。
車を走らせ、懐かしいTuolumne Meadowsを通過、Parkのゲートを出る頃には朝日が昇っていた。
そこから先は、Valley内とは一転、"The Big America!"ともいうべき壮大な景色が広がった。

刻々と変化する景色に3人ともから歓声が上がる。これからの旅もこんな景色の中を歩いて行くのだろうか。

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Gachioくんと!

ちょうど2時間半ほどでMammoth Lakesの街に到着した。Permitは優しそうなおばさんと話して紙に記入するだけで終了した。お金はかからなかった。そこからまた30分ほどドライブして、Silver Lakesのトレイルヘッドまで送ってもらった。
ついに、はじまる。


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いってきまーす!!お見送りありがとう!温泉楽しんでねー!


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後日見せてもらった絶景温泉の写真!!(写真thx!)
これは行ってみたい!

【10.7マイルハイクから、標高3200m絶景のテント泊】
歩き始めは9時半ころ。
Mammoth Lakesの街がかなり寒かったので少し心配だったが、この頃には日も高く昇り、登っていると汗ばむくらいになった。

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初日の行程はJMTと合流するところまで。3つの大きな湖を横切るトレイルだ。2つ目の湖は大きなGem Lake!抜けるような青空が眩しい。


そろそろ3つ目の湖が見える頃。最後の湖が3つの中で一番大きい。どんな湖かなと期待していると・・・

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あれ、火星かな?


荷物は体感20kg弱といったところ。標高3000mを超えるところもあるので、持ってきていた冬用アンダーなど防寒具も多めに入れてきた。
歩荷筋(?)が貧弱なせいで、疲れより先に肩が痛くなる。ザック麻痺になっても嫌だから、こまめに座ったりして荷重を抜く。荷物を背負うときも、段差に置くなどして丁寧にやれば肋骨は問題なさそうだった。

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トレイルは明瞭で歩きやすかった。サクサク歩けて、目的のJMTとの合流点には14時ころ着いた。幕営するにはまだ早い。


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地図ではこの辺りも幕営適地となっている。焚き火跡もあった。


JMTは本来、Valleyを出発し、少しずつ高度を上げながらMt. Whitneyへと達する。それが高度順応という点で理に適っている。しかし今回は逆走コースなので、標高の高いところから低いところへと移動していく。今日は、1日で標高約1200mのValleyから一気に3000m超へ到達する。今日のうちになるべく距離を稼ぎたいのはやまやまだが、どこで寝るかは悩みどころだ。明日の行程であるDonohue Passの峠越えが今回のセクションハイクの最高到達地点。今日中にDonohue Passを超えるのはたぶん厳しい。しかしその手前で終了となると、睡眠高度は歩けば歩くほどに高くなる。


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スマホで何でも出来るご時世。JMTも専用フリーアプリがある。このアプリには水場とテン場の位置が示されており、あらかじめDLしておけばオフラインでもGPSで利用可能だ。


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あれ、いつの間に天国にいるんだけど地形図あってる?


Donohue Pass手前の最後の水場マークは標高3200mだった。時刻は17時ちょっと前。日が沈むのは18時なのでまだ歩けるが、テンバを探すにはちょうどいい頃合いだ。


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それに加えてこのロケーション!


もうここ、テンバでしょ。って即決しました。


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標高3200mの場所に水の流れる大平原。日本では見ることの出来ない、氷河が作り出した不思議な地形。


本日の行動終了、17時。行動時間7時間半。歩いた距離は10.7mile(約17.2km)。
標高3200mなので、日が落ちると流石に寒く、着込んでテントに潜り込んだ。風も少しあった。
ウインドバーナーでテントの中をあたためて、お湯を飲んで、ビッグウォール用に持ってきていたアルファ米を食べた。
干し芋とジャーキーも火で炙って食べたら美味しくてハマった。
私以外、誰も居ない。というか今日出発してから、誰にも会っていない。聞こえるのは風の音と、すぐそばを流れる水流の音だけ。
今までないくらいに心が穏やかだった。

今の私には、クライマーやクライミング環境からしっかりと距離を置いて自分を見つめ直す、こんな時間がきっと必要だったのだと思う。肋骨はまだ動いているけれど、今日1日で悪化した感じはなかった。

初日から想像以上の絶景に恵まれたJMT。明日の行程が楽しみで仕方ない。
食事を終え、寝ることにした。Bear Canisterはテントから離れたところに置いておかなければならない。
ここには絶対クマ居ないよな、と思いつつ、就寝前のトイレついでに持って出た。

明日はどんな絶景に出会えるかな。


<To Be Continued...>

2018 10/27〜28 Washington Column "Astroman" 5.11c 11pitches day2

【Astroman Day2〜Tough, long and painful day...】
10/28、朝3時起床。
夜間、胸の痛みで何度か起きた。
昨日のEnduro Cornerトライの後から何となく、右胸の違和感が増強していた。

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朝ごはんを胃に押し込んで、登る日以外は温存してきた大切なロキソニンをまた1錠内服した。

昨日、ケルンを積みまくったおかげでアプローチはスムーズだった。デポしたギアも無事回収し5時ころにはユマール開始となった。
荷物は私の35Lザックに全てまとめ、ビレイループからぶら下げる。上に左手用のアセンダーを、下にグリグリ2をセット。右手でロープを引き上げようとしたところ、右胸に激痛が走った。

ぶら下げた荷物を引き上げるのもひどく痛い。もたもたしていると、Sさんが「荷物は俺が持つよ」と言ってくれた。ここは素直に甘えたほうが良さそうだ。それにしても、なぜこんなに痛いのか分からない。昨日無理なムーヴをした自覚は全くない。ただ、Enduro Cornerの核心を超えた後で「ずきっ」ときたのは気になっていた。もしかすると何かしらの理由で、肋骨骨折が悪化したのかも知れない・・


【10/17、OSトライでロングフォール】
Valleyに到着して三日目。Cookie Cliffの看板ルート"Outer Limits"を2ピッチ繋げてOSトライした時のことだった。


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エリアで一際目を引く30m超のフレーク/ハンドクラック。1ピッチ目は5.10cで★4つ。日中は暑すぎて厳しい。早朝か、午後日が陰るのを待ってトライしたい。

1ピッチ目を登り切ったとき、すでにメンタルもフィジカルもかなり消耗していた。
#3も#4も置いてきたのが大きな間違いだった。そのせいで激しくランナウトしつつ、すでに#2は使い果たしていた。
左のテラスにあがればピッチを切れる。でもクラックはまっすぐ上へと続いている。
この時は、このままOSトライを継続したいという気持ちが勝って、つっこんだ。
2ピッチ目は、ひきつづきクラックをたどってハングにぶち当たったら、ハング下のフィンガークラックを5mほど真横にトラバースする。

だが、2ピッチ目を登り始めて数メートルで早くも後悔しはじめた。
ハングまでのハンドクラックもずっと#2サイズだったのだ。しかもクラックは少しずつ広がっていっている。
ちょっとだけ狭くなっている場所を見つけて、開き気味の#1キャメロットをセット。そこが最後のプロテクションになった。だが奥が広がっているのでカムが歩いたらアウトだ。

怖さから、そこから先の一手一手も全力で、だいぶパンプしながらハング下までたどり着いた。落ちられない。が、体勢が悪くレストも出来ない。核心のトラバースはかなり悪そうだった。外傾したピトンスカーをつなぐ際どいムーヴになりそうだ。しかも拾えそうな足は全くない。

とりあえず、早くプロテクションを取りたい。出だしのピトンスカーにエイリアンを2つきめた。テスティングしたら1個抜けたから、きめ直してもう一度テスティングした。
今度は大丈夫。ロープをかけた。

2、3手耐えればガバカチに届きそうだが、そこまでのホールドは非常に甘かった。探っているうちにぬめってきた。しかしそろそろ行かないとヨレ落ちするのは時間の問題だ。もう一度テスティングしてから、一手出した。次の一手はデッドだ。次の瞬間、ホールドを捉えられず、フォールした。

一瞬の出来事だったが、ずいぶん長い距離を墜落した。固め取ったエイリアンが2個とも弾け飛び、その数メートル下にきめていたあの#1キャメで止まったようだった。Sさんから「大丈夫!?」と声がかかる。私はといえば・・。首はヒリヒリしていて多分ロープバーンになっている。でもそれ以外はどこもぶつけていない様子。かすり傷もなかった。

暗くなったのもあってRPは諦め降りた。そして帰りの車の中ではじめて、右胸の違和感に気づいた。
違和感は痛みに変わり、「肋骨骨折かも?」と疑いはじめた。しかし腫れてもいないしアザの1つも出来ていない。それでも、痛むところを探って押してみると、嫌な圧痛があった。たぶん折れている。ロングフォールによって何らかの間接的な衝撃が局所に加わったのだろう。同じ原理で骨折でなく肉離れが起きたとも考えられる。結局その翌日も痛みは続いた。
でも痛み止めを飲めば登れないことはなさそうだった。


【長い1日は、まだ始まったばかり】
空身になって、ユマールを開始する。しかし、体勢を工夫しても、右手と左手を入れ替えても、猛烈な痛みで動きが鈍った。
これまでの1週間登り続けてきて、痛みはあったものの、とくに悪化はしていなかった。むしろここ数日はもうだいぶ良くなったようだと思っていたほどだった。何が起こったかはさっぱり不明だが、とにかく痛過ぎた。ユマールは遅々として進まなかった。
そのうち痛みと焦りとで吐き気がしてきた。なんとかたどり着いたはじめのアンカーでロキソニンを更に2錠飲んだ。
そこからはロープ70m分をほぼ空中ユマールだ。気が遠くなるようだった。でも半分ほど登ったところで、少しずつ薬が効いてきたのを感じた。

昨日OSしたEnduro Cornerが、今日は永遠に続くかに思われた。喜びの雄叫びをあげたテラスに這々の体で辿り着く頃には、もう東の空がうっすらと明るくなり始めてしまっていた。どうしてこんなことに・・。様々な思いが去来する中、冷たいテラスに横たわって星を眺めた。気がつくと少し寝ていて、夜明けの冷たい空気に身震いした。
Sさんが到着し、登攀準備にとりかかった。本来なら夜明けとともに登攀開始したかったが、私のせいで少し出遅れた。
Sさんにも明らかに焦りの色が見られる。ほとんど休憩もなしに、すぐリードを開始した。
さあ、ついに長い1日のはじまりだ。


【Harding Slot、Changing Corners、そして】
4ピッチ目は24mほどで、Sさんは素早くリードを終了した。

続く5ピッチ目は40m。

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前半はそれほど難しくないワイドだが、後半部分は初めムーヴが全く分からず、かなり逡巡した。最終的にはワイドから飛び出して、左壁のホールドと右の尖ったフレークを使った大胆なステミングで解決。こんな奇想天外なムーヴははじめてだった。5.10cながらまたしても落ちられないランナウトを強いられ、このピッチにも時間がかかった。でも何とか早く、岩が灼熱と化す前に本日のメインディッシュであるHarding Slotへのバトンを手渡さなければと必死だった。

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そうして迎えた6ピッチ目。いよいよ、覚悟を決めた顔のSさんが離陸した。出だし数メートルはかぶった5.10cレイバック。順調に高度を上げるも、一時の逡巡があった。「ガンバ!」とエールを送った。しかし次の1手を出そうとするSさんの体はなかなか上がらなかった。ついに「テンション」のコール。残念ながらOSは出来なかった。だがそこで1テンションしたのち、核心であるはずのSlot部分は流石のSさん、するするとノーテンションで抜けて行った。フォローで登ったが、非常に難しかった。出だしさえ切り抜けられれば十分OSは出来たはずで、その点は残念だったが、やり直す時間はない。先へ進んだ。

7ピッチ目。ピッチグレードは5.11bだが、出だしは5.10前半だ。しかしこの頃にはすっかり高く昇った太陽が、ラインをこれでもかとじりじり焼いていた。かぶっていて先が見えない。手のぬめりを感じ、嫌な予感に包まれながらリード開始すると、ハングの抜け口でスリップ、あっさり落ちた。何度チョークアップしてもハンドジャムはぬるぬる滑る。不甲斐ない思いで次の一手を出すと、その向こうはまだ日陰で、快適なハンドジャムが続いていた。ああ、ここさえ抜けられれば・・。しかしすでに闘志はしぼんでいた。つづく核心の5.11b部分。何度かムーヴを起こそうとして、たぶんこうなんだろう、というのは分かった。だがそのムーヴは余りにパワフルで悪いムーヴに思えた。フォールするまでひとまず試してみても良かったのだが、解決できずにエイドする自分の姿が浮かんだ。エイドするくらいならフリーで抜けよう。時間もあまりなかったので、そうと決めたらもう迷いはなく、右の5.10c var.のラインから登った。

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8ピッチ目。"Changing Corners"をSさんリード。ボルダリーなマントルをこなした後に美しいコーナーのパズルを解く、実に個性的なピッチだ。Sさんはトリッキーなコーナーにやられてフォール。CornerがChangeしたあとは、また微妙なサイズのワイド登りが待っており疲れた。

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9ピッチ目は5.10a。時間は15時に迫ろうとしていた。レイバックから小ハングを乗り越えると傾斜が緩み、ワイドハンド〜フィスト、部分的にリービテーションでずり上がること50m。のろのろ運転もいいところだった。さらにハング下を10mトラバースしてピッチを切る。

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日暮れが迫っていた。

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10ピッチ目は5.10d R。時間が限られていたこともあり、部分的にエイドで抜けたとのことだった。17時半頃フォロー終了、そのままバンドを歩いて18時過ぎ、トップアウトした。


【North Dome Gullyの下降】

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ギアをまとめ、軽くエネルギー補給をしたらすぐ出発した。ガリーまでのレッジのトラバースはまだ辺りが見渡せる明るさだったが、ほどなくして日は沈んだ。

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North Domeを間近にのぞむ。

踏み跡ははじめ明瞭だったものの、露岩帯に入るとはっきりしなくなった。滑り台のようなスラブを慎重に降りたり戻ったり、右へ行ったり左へ行ったり、謎の残置スリングを見つけて懸垂しようか迷ったりと、30分ほど彷徨った。やがて見つけた踏み跡から露岩帯を脱出し、森の中の踏み跡を下った。しかしアプローチ道には合流できず、かなり左のほうからトレイルに合流した。ロープ回収は明日に持ち越しだ。
車に戻ったのは20時半ころ。長い1日が終わった。


今回のOSトライ、内容は満足出来るものじゃなかったけれど、ふたりとも実力は出し切ったし、その範囲においては一番いいトライが出来たと思う。だがその上で、やはり実力不足だったと痛感した。
技術だけでなく、体力、気力、どれも力足らずだった。
でも、次回はもっとうまくやれる気がする。
次なる目標はワンプッシュRPだ。


【エピローグ】
その夜は激しい痛みに悩まされた。仰向けで寝られず、寝返りも打てない。
ビッグウォールに行けるかどうかはかなり怪しくなった。

明くる29日は、朝起きてそのことをSさんに打ち明けた。
ロープ回収に行ってから、一番近いOakhurstの街へ出た。

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Oakhurstで本場のバーガーを食す。残したポテトはTo go boxへ!

呼吸のたびにぐぐっ、ぐぐっ、と肋骨が動いている。今まではこんなじゃなかった。結局この日1日買い物をするだけでも大変な苦痛だった。

これはもはやビッグウォール云々以前の問題なのでは・・。
と思いつつも、とりあえずビッグウォールに行く前提の買い出しをしてまたValleyに戻った。

そして翌30日は、SさんのリクエストでCascade Falls Leftの"Crimson Cringe"へ行った。私は大人しくしていると決めてビレイに徹した。
しかし、ビレイ3便目でやはり登りたくなってきた。


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Crimson Cringeは、甲斐駒ケ岳スーパー赤蜘蛛のスーパークラックによく似ている。
今日は胸にがっつりテーピングもしてきたし、どうしても登ってみたい。

Sさんは見事RP。だがこのルートは左上しているためフォロー回収が必要になる。TRなら大丈夫だろうと、回収便でトライしてみることにした。
そして幸か不幸かこの1便で、クライミングは休むしかないことがはっきりした。
もう、これはダメでしょ、っていう痛みだったorz

あと1週間を残して、私のヨセミテツアーは終了してしまうのか・・。
失意のうちに眠りについた。仰向けで寝られないから、横向きで。
ああ、明日目が覚めたら治ってないかなぁ・・・


<Yosemite レポ〜John Muir Trail編へつづく(笑)>

2018 10/27〜28 Washington Column "Astroman" 5.11c 11pitches day1

【Astroman Day1】

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ある朝のヒトコマ。スーパーのヨーグルトは全種類制覇した。


10/27、朝7時半起床。朝ごはんはパン。というところまではこの1週間と違わなかった。だが今朝はパンを焼いたところが、ちょっとした進歩だった。買って以来ほとんど使ってこなかったパン焼き網を今回の遠征に持ってきたのだが、1週間放っておいたのをふと思い立ち、引っ張り出した。パンは焼くと香ばしくなって数段美味しくなった。もっと早く焼き網を使えばよかった。
焼き網はパンだけでなく、トルティーヤにも、マフィンにも、直接ベーコンをあぶるのにも便利だった。

Camp4を出発し、旧Awanee Hotelのパーキングに車を停める。昨日パッキングは済ませてあるので、ザックを取り出して背負うだけで出発できる。
憧れのAhwahnee Hotelは、数年前なぜか”Majestic Yosemite Hotel”という名前に変わってしまった。下品な訳をすれば「ヨセミテのマジでヤバいホテル」という感じだろうか。トイレに行きたかったので、この日ホテル内に初潜入した。そこはテーピングを巻き穴の空いたクライミングパンツを着て入るのが躊躇われるような、Camp4の雰囲気とは全くの別世界だった。都会的な高級ホテルとは違うものの、まるでハリーポッターの世界のような、重厚で豪華な空間だった。綺麗な便座にゆったりと腰掛け、シャワー以外では本当に久しぶりの温水で手を洗い、それだけで心が満たされてしまった。便利な世の中に生活していたら感じられない感動を、染み染みと味わう自分がいた。

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手前のArches Wallも巨大で迫力がある。

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左にWashington Columnが、右奥にHalf Domeが見えてきた。

Astromanへのアプローチは、Mirror Lakeへと続くTrailを左に外れて、看板のあるところから明瞭な踏み跡を辿るのがもっとも効率的だ。ただ、初日はAstromanの取り付きへ直線的に向かうことを意識して、それより少し奥の方から不明瞭な踏み跡に入ってしまい、Scramblingになってしまった。

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アプローチでも自慢のアームカバーをつけておくべきだった!

巨岩帯を登り藪を掴んだ瞬間、「ぶうん!」という羽音とともに左前腕に痛みが走った。見ると小さな蜂が怒りぶんぶん唸っている。あまりの痛さに「いてててて!!」と大声をあげSさんを驚かせてしまった。結局2箇所刺されたようで、すぐに腕は腫れ上がり、数日後には刺されたところが潰瘍になった。小さな蜂だったのに、威力はやはりYosemiteスケールということか。

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でたー!

10時50分ころ取り付きに到着すると、1パーティがちょうどEnduro Cornerに取り付いているのを遠望できた。
「うわー、かっこいい!」

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3ピッチ目のEnduro Cornerと6ピッチ目のHarding Slotが見える。


Enduro Cornerのその上にHardning Slotも見えた。そして今まさにトライ中のクライマーがかなりの距離をSlotの奥から落ちてきた。うめき声も聞こえてくる。見上げる二人に緊張が走った。

「結構かぶってるねー・・」「というかSlotはルーフに見えますね・・」
「あ、Enduro Cornerの人、もうテンションしちゃったよ・・」


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しばし見上げ立ち尽くす。


遠目にオブザベ。顕著な凹角がとぎれるところがなんだか難しそうに見える。しかも壁は直射日光に照りつけられて随分暑そうだ。取り付きは幸い、木に守られて日陰だった。強い日差しに照りつけられているだけでも体力を消耗する。先行に追いついても暑い中待つことになるので、ここでゆっくりと登攀準備をすることにした。

今回改めて分かったことだが、やはりこの時期でもValleyは暑い。日陰と日向では暑さが段違いなのだが、いいルートはなぜか多くが東・南向きときている。本気トライをするには、10月〜11月頭くらいだったら日の当たらない時間を狙うしかない。
だが丸1日かかるマルチピッチとなると時間帯は選べない。ことAstromanは南東向きで風も少なく、朝早い時間から日が当たり始めて14時くらいまでずっと直射日光に照らされる。そういう意味でも、Astromanのワンプッシュトライは非常にtoughといえる。
今取り付いているパーティは皆おそらく”Astroboy”のひとたちだ。第2の核心である6ピッチ目”Harding Slot”の手前、5ピッチ目までなら、70mロープがあれば懸垂で降りられる。そこまでで終わりにするのを”Astroboy”と呼ぶのだそうだ。Enduro Cornerをリードしていたクライマーは何度もテンションしながらようやくテラスの上へと抜けた。セカンドがフォローを開始する。
そろそろ出てもいいだろう。12時頃、ロープを結び、意を決して灼熱の日向の世界へと飛び出した。


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待ちに待った瞬間!


【Ready... Go! Astroman, Start!】

1ピッチ目は右上の大きな木まで。SuperTopoでいうところの2ピッチ目まで繋げたかったが、ロープの流れが悪くなったのでピッチを切った。かわりにSさんが2、3ピッチを繋げて登ってくれ、一気にEnduro Cornerのビレイ点まで到達した。その頃には、大きなカンテに遮られ、ラインとなる凹角は日陰になっていた。小さなレッジに立って ラインを見上げる。出だしは快適そうなサイズのクラックがパラレルにずっと伸びている。よく見ればフェイスに細かいフットホールドもありそうだった。少し傾斜が変わっていてその先は見えない。目指すテラスははるか50m頭上で、確かに遠いのだが、この時にはそれほど大した距離には思えなかった。きっとアドレナリンが大放出していたのだろう。


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うん、なんかいけそう。


小さな容器に詰め替えて持ってきた液体チョークを塗った。はじめは「マルチに液チョー持ってくる人初めて見たよ」と言っていたSさんも、もう驚かなくなっていた。私は本当に手汗がひどく、思春期にはそれが大きな悩みでもあった。今もクライマーとして悩まされていて液体チョークは手放せない。手が乾いてくるのを待って、呼吸を整えた。「いけるよ!」とSさんがエールをくれる。うん、何か行けそうな気がする。「お願いしまーす!」と気合いを入れ、離陸した。

【Enduro Corner OS!】

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テラスから足が離れるその瞬間、腹は決まった。

はじめは快適なハンドジャム。長いけどとにかく無心になって登ればどんどん高度を稼げる。持久力勝負になるので、ここでいかにギアも体力も温存するかがキーになるはずだった。フットホールドは細かいのしかなかったが、休めるところは積極的に利用した。凹角だから背中も使えた。ほどなくして、サイズが狭まった。キャメ#.75サイズ。ところどころ広がっているようにも見えるが、やはりタイトハンドでうまくきまらない。まごつく。少し声が出た。Sさんのゲキが飛ぶ。もうジャムは諦めよう。前腕が疲れてきたので迷っている暇はなかった。フットホールドはわずかな凹凸を使えそうに見えた。Yosemiteの花崗岩はつるつるなので、完全にフリクションにたよったレイバックは難しい。思い切ってレイバック体制になり、わずかな凹凸を注意深く使って進んだ。下からみたとき核心になりそうと思われた、大凹角の途切れ目は、近づいて見ればフットホールド豊富で、今ここを乗り切れば何とかなりそうだった。途端に、さっきまでうまく抜けていた余計な力が前腕にこもる。少しぎこちない動きになりながらも何とかレイバックを切り抜けた。

フットホールドが現れはじめると、思った通り、少しずつシェイクすることができるようになった。OSは目前だ、と思うと、1手1手に更に力が入った。慎重にずり上がり、5.7のチムニーに入り込んだ瞬間、ああ、やった。と思った。と同時に、ずきん、と右胸が痛んだ。そして途端、心臓の鼓動がものすごい速さと大きさでドクンドクン伝わってきた。気づけば息もひどく切れている。すごい、こんなに全力だったんだ。チムニーに挟まったまま、怖いくらいに激しい心臓の鼓動が収まるまで少し待った。呼吸も整ったので、またクライミングを再開した。あとはどう見てもWining Run。だが、そうはいってもOSトライは継続中、緊張は抜けない。チムニーから這い出る時、「さあ、これで本当にラスト」と気合を入れ直した。

テラスに上がって、思いのままに叫んだ。正直、トライに余裕はあった。でも純粋に嬉しかった。OSすべきところをちゃんとOSできたという達成感もあった。

【Day2へ、期待高まる】

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Half Domeをバックに、ガッツポーズ!

真新しいスターリンロープを終了点にFIXし、要所のギア以外は回収しながら降りた。Sさんとグータッチ。明日はSさんがやってくれるはずだ。70mロープは、はじめにピッチを切った木の脇のビレイステーションまでギリギリぴったりだった。Sさんの55mロープを連結してアンカーにFIXし、地上まで降りることができた。FIXは明日、下降したあとに回収するつもりだが、更に翌日まで延び延びになる可能性も考慮し、”Please let us leave them till around Oct. 29th .Thank you!”と書いたダクトテープを貼っておいた。
アプローチはそれほど長くはないものの、空身であれば体力温存できるので、ギア類も目立たないようにまとめて取り付き残置とし、帰路についた。

帰りは行きよりも明瞭な踏み跡を下りながらケルンをたくさん追加した。
今夜も土曜の夜で、Camp4は大賑わい。心地よい余韻に浸りながら、21時半過ぎ、眠りに落ちた。
明日は3時起床。長い1日になるぞ!

<To Be Continued...>

Astromanへの道〜Moratorium, El Capitan East Buttress, Rostrum 〜2018 Yosemite レポ

【Astromanへの道】
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アストロマンを仰ぐ。

漠然とした憧れはあったものの、これまでそれほど強く意識してはこなかったAstroman。
6月ころ、今回の旅のパートナーであるSさんからYosemite行きのお誘いを受けたとき、提案された目標の1つがこの"Astroman"だった。
今回まで三度足を運んでいるヨセミテだが、ショートルート含め高難度フリーへのトライはほとんどなく、ヨセミテのフリールートのグレード感はまだつかめていない。
かつAstromanは長く厳しく、総合力が試される"tough"なルートの代名詞だ。
雨続きの日本でSさんとのトレーニングをなんとかこなし、少しずつ出国の日が近くにつれ、期待と不安は大きくなっていった。
否、どちらかといえば、期待よりも不安のほうがよりムクムクと膨れ上がっていくようだった。

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ギア整理は楽しい時間。


核心2ピッチのうち、自分の担当はEnduro Corner、SさんがHarding Slotということに決定する。
登攀スタイルも、数ピッチずつリード交代+フォローユマールとか、フォローはFIXをマイトラ2個で一人登りとか、アタック方法もワンプッシュか前日FIXかなどなど、検討を重ねた。
結果、私が奇数ピッチ、Sさんが偶数ピッチ担当でつるべ+セカンドビレイ、荷物は60m細引きで荷揚げ、初日に3ピッチ目までFIXして翌日プッシュという方法に決まった。

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"Moratorium"でのヒトコマ。6-7mm程度の60m細挽きを荷揚げに使う。敗退など万一の際はロープ1本懸垂下降の回収にも使える。細挽きは絡みやすいので常に袋に入れて携行する。



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フォローユマール(もしくは一人登り)の際はセカンドはアンザイレンせず、ロープは垂らしっぱなし。リードをビレイするときはマイトラで必要分だけ引き上げる。


ショートルートに行ったり、Moratorium+East Buttressの継続、Rostrumといったマルチピッチへ行ったりして早1週間が経過し、ヨセミテの花崗岩、ヨセミテのスケール感にもだいぶ慣れてきた。
グレードに関して言えば、5.11前半ならOSできたりできなかったり。5.11cがついているが"悪い"と言われているButterballsは、結局1日で3便出してRP出来なかった。

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"Butterballs"は私のお粗末なフィンガージャムを1ランクアップさせてくれた。


10/26、金曜日の夜。Camp4は毎週お決まりのどんちゃん騒ぎだ。
明日、いよいよEnduro Cornerと対決する。


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巨大な肉で筋肉を修復!


果たして自分の力がどれだけ通用するのだろうか?
もちろん不安もあったが、この時にはすでに、出国のとき抱えていた弱気な気持ちはほとんど失せ、ただただ楽しみな気持ちで心が満たされていた。自分の力が通用すればもちろん嬉しいが、こてんぱんにされるならそれもまたよし。
自分にできることは、この広大な花崗岩の聖地に胸を借りる気持ちで、ただただ実力を出し切るのみだ。
それ以上でも、それ以下でもない。極めて単純だ。
心は澄み渡っていて、遠くで聞こえるギターの音も大合唱も、心地よいBGMとして私を眠りに誘ってくれた。
待ちに待った瞬間は、もうすぐそこだ。



【10/20、Long Multi-pitchで力試し〜Moratrium+East Buttress】
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Moratorium 2ピッチ目フォロー中のSさん。


El CapitanのEast Buttress11ピッチ(SuperTopoでは13ピッチ)を、El Cap 前衛壁であるSchultz's Ridgeのマルチ"Moratorium"から繋げて登ると、5.11を含む計15ピッチのロングルートとなり、「Astromanの前哨戦にいい」とトポにも書いてある。
East Buttress自体は前から行ってみたかったし、5.10d,5.10d,5.11b,5.9というタフな内容のMoratoriumからの継続とすれば更に充実するだろう。そしてこのロングルートにどれくらいの時間がかかるかによって、Astromanにかかる時間もだいたい予想がつくことになる。


朝4時半起床。日の出は6時半。取り付きまでのアプローチは前日偵察してしっかりケルンも追加しておいたのに、暗い中歩いたら迷ってしまった。それでも6時45分くらいには登攀開始となった。
はじめ1、2ピッチは私が連続リード。1ピッチ目はぐいぐいレイバック、朝一で岩も冷たく快適だった。2ピッチ目はクラックの中が湿っていて「あれ?」と思ったが、最後の核心部はシビれるステミング。声が出た。どちらもとても面白いピッチをひとまずOSできた。

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Moratorium 2ピッチ目終了点にて。

終了点でビレイしていると、上で"Rope!"とか言っているような、なにやら複数人の声が聞こえてきて、ほどなくしてロープが落ちてきた。その後3人のクライマーが懸垂下降で降りてきた。聞くと、East Buttressが5パーティ待ちとかで敗退してきたらしい。East Buttressの敗退はアプローチを歩いて降りるより、ここを懸垂してしまう方が早いんだそうな。快適なビレイ点が一時ごった返す(笑)。

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Moratorium 3ピッチ目。見た目も内容もNice!


3、4ピッチはSさんの連続リード。核心の5.11bのレイバック部分は、先ほどのクラック内の湿りがさらに酷くなった感じで明らかに悪かった。もう1ヶ月とかいうレベルで雨が降っていないというのに何故だろう?Sさんはそこでテンション。4ピッチ目はOSで抜けて行った。


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核心部は極細!なぜかじっとりと濡れていた・・・

East Buttress取り付きについたのは11時すぎだった。Moratoriumの4ピッチだけで4時間半くらいかかったことになる。
食事などして、11時半過ぎにEast Buttressスタート。でも遅くなったおかげで順番待ちはなく、終始快適に登ることができた。

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朝作って来たサンドイッチを頬張る瞬間、至福の時。

East Buttressはフォローが荷物を担いで普通につるべで登った。Sさん先行で、繋げられるところはなるべく繋いで時間を稼ぐ。この頃には太陽に照りつけられてなかなかに暑かったが、風もあってそれほど脱水にはならずに済んだ。2ピッチ目の5.10bもしびれたし、5.9+のランナウトOW(#4があればランナウトせずにすむ)は全力だったし、最終ピッチ手前のトラバースピッチも高度感が素晴らしく、全体を通してとてもいいルートだった。


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3ピッチ目終了点の大バンドから、The Nose方面を見やる。


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連日何かしらのワイドムーヴが出てくるヨセミテ。C3fitのアームカバー重宝しました。


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高度感が素晴らしい!GoProは電池切れなどなんだか調子が悪く、旅の後半はほぼ全てスマホ写真になってしまった。


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トラバースピッチ、露出感満点!ビレイヤーの目には、Half Domeをバックに空中に浮かぶ私の姿が見えていたそうだ。


2人で全ピッチOSを果たし、最後の大テラスで日没となった。やはりこの季節は日が短い。
最終ピッチはヘッデンクライミングで19時15分トップアウト。全15ピッチ、ロープスケールにして約600mに12時間35分を要した。

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最終ピッチ手前のテラス。夕焼けに染まるHalf DomeにEl Capitanの影がかかる。


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長い1日だった・・・!

たとえ5.9とか5.10台でも、1ピッチごとが長いし、内容も濃いし、OSトライとなると時間がかかってしまう。
Astromanは11ピッチでうち4ピッチが5.11ということを考えると、やはりOSトライのワンプッシュはほぼ絶望的と思えた。


懸案事項だったEast Ledgesの下降は、途中彷徨ったものの、最終的にはなんとか無事懸垂ポイントにたどり着けた。
直前に行っていた人から降り方のコツを聞いていたのと、トポの文章もよく読んで、とにかく踏み跡と次のケルンを探し注意深く降りた。2年前のノーズの時の記憶はほとんど役に立たなかった(笑)が、ヘッドライトでも降りられることが分かった。

Camp4に戻ったのが22時半。へとへとになったが、充実した1日だった。



【10/22、Rostrumへ】

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Sunday MorningはMidnight Lightning前で無料のコーヒーサービス!


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美味しいパンももらえちゃう♡ 朝9時くらいに来てくれるので、朝ごはんは控えめにして(?)待つべし!

East Buttressの翌朝はゆっくり起床。とくにレストと決めていた訳ではないけど全身疲労だし、手足はむくんでるし、結果的に1日ゆっくり過ごすことになった。夕方、Rostrumの取り付きの偵察へ行って、夕飯は肉を焼いて早めに寝た。


Rostrumに行こうと言ったのもSさんだった。Sさんは前回1度登っているそうで、今回は最終ピッチをRostrum Roofの"Original Finish"で登りたいという。最終ピッチはルーフ下を右へトラバースして5.9OWから抜けるのが一般的だが、ルーフにはクラックが2本走っており、今回挑戦するのは左のフィンガークラック、5.12bのラインだ。
そして、最終ピッチをのぞけばルートの核心部となるのが4ピッチ目の5.11c、こちらも美しいフィンガークラック。
このピッチのRPもSさんの今回の目標だ。ピッチのスタートは大きいテラスなので、時間があれば私もトライしたいところだが、まずは1〜3ピッチの連続リード、これをall OSすることが私の目標となった。


5時起床、さっさと朝ごはんを済ませて駐車地点へ行き準備をしていると、あとから車が1台やってきた。Rostrumかと聞かれ、そうだと答えると、彼らは車に乗って引き返して行った。敗退が容易なこのルートは難易度の割に取り付きやすく、混雑する人気ルートだということがあとで分かった。早めに起きてよかった。


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「これかー!!」


懸垂地点から4回の懸垂下降で取り付きへ。見上げたRostrumのかっこよさと威圧感から、一目で「これか!」と確信すると同時に感嘆の声が出た。すごい。こんなのがゴロゴロしているここヨセミテは、やっぱり普通じゃない。

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つ、つかれた・・・

7時40分、リード開始。自分としては1日休んでリフレッシュ出来たつもりでいた。でもいざ取り付いてみると、ひどく体が重い。レイバックに早くも前腕が悲鳴をあげている。疲れが全然抜けてない・・・嫌な予感がした。
1ピッチ目は一部ラインを間違え、ランナウトしながらのかなり悪いムーヴに消耗。更にトポの読み違えで終了点を間違え、そうこうしているうちに後続がやってくる。少し焦りながらの2ピッチ目は5.10dのトラバースから5.11aのシンクラック。悪い箇所はそれほど長くなく、オブザベもハマって核心は抜けた。しかしその後の長い5.9レイバックも体が重くよれよれだった。165 feetある3ピッチ目も5.10前半ながら非常に疲れて、大テラスに着く頃には予想以上の時間がかかっていた。

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4ピッチ目フィンガーはButterballsに負けず劣らぬ美しさ。必ず再訪してRPしたい。


OSは出来たが・・・登攀速度が遅すぎる。自分の不甲斐なさに打ちひしがれ、4ピッチ目のリードは諦めることにした。
4ピッチ目はSさんがあと1歩のところまでせまるもRPならず。このテラスで後続が追いついてきた。しかし驚いたのは、はるか地上まで後続が連なっていることだった。ひえ〜・・・早めに起きて本当によかった。。。

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5ピッチ目リード中のSさん。ここも簡単ながら美しいハンドクラック。北向きのRostrumは強い日差しにやられることなく1日快適に登れるのも魅力だ。


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6ピッチ目はじめのトラバースはリードだとかなり怖い。



続く5〜7ピッチ目もSさんは順調にRP。しかし6ピッチ目の5.10aOWは難しかった!私はフォローで、膝が入らなくなるところでフォール。Sさんのワイドの上手さには脱帽だ。7ピッチ目の5.11bも素晴らしいピッチだった。どのピッチもバラエティ豊かで面白い!
最終ピッチ、RostrumルーフのOriginal Finishは5.12bとは思えない悪さだった。Sさんもルーフ抜け口でテンションがかかってからは各駅停車。フォローの私もほとんど何も出来ずに這い上がった。

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Rostrum Roof!

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ルーフの下は250mの切れ落ちた空間!後続パーティの数がヤバい〜


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ひじょーーーに厳しい、薄かぶっていて足も弱点もないフィンガークラックでした!

Descentはちょっとした段差を懸垂下降したら、あとは車まで這い上がるだけと超お気軽。Descentに不安がないと登攀中のストレスも全然違う。Astromanは暗くなってからのNorth Dome Gullyの下降がかなりの懸案事項なので、そういう点でもRostrumは非常に取り付きやすいルートだと思う。



【3週間は意外に短い】
2つのマルチを終えて、Astromanへのトライ方法は決まった。North Dome Gully下降の下見についても直前まで悩んだが、2日間のトライなら明るいうちにトップアウト出来るだろうということで、行かないことにした。

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ボルダーセッションは楽しい!


Rostrumのあとは、ボルダーセッションに混ぜてもらったり、Cookie CliffのNabisco WallやTales of Powerなどのショートルートを楽しんだりして、気づけばツアーも折り返し地点に近づいていた。Salatheに行くことを考えると、Bigwallが帰国のギリギリでは都合が悪いので、もう来週のうちに荷揚げを開始しなければならない。そこから逆算すれば、明日、明後日にでもAstromanトライしなければ時間が足りないことが分かった。自分の中でなんとなく、まだ先かなと思っていたことが急にやって来た感じだった。


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フリークライミングは厳しくやりがいがある。でもやっぱりヨセミテに来たらコレを登りたい、その気持ちは強かった。


これまでの2本から、ヨセミテのマルチは相当疲れることが分かったし、本気トライであるAstromanの前は2日くらい完全レストしても良いくらいだと思っていたが、実際にはそんな暇はなかった。
10/26、丸1日レストして、翌日day1のトライ開始となる。

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トレイルMIX &バナナパンケーキ!


パンケーキを食べて、シャワーを浴びて、マウンテンショップで70mのスターリンロープをゲットした。
洗濯して、ギア整理とパッキングを完了。

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アイスも食べた。Nabisco Wallの"Butterfingers"と同じ名前のアイス!

早めに寝ようと思っていたけど、おなじサイトを共有しているクライマーが誕生日とのことでパーティに参加した。
肉を焼いて、ワインも飲んだ。

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2ポンド超味付き肉。これにて自己肉調理最大重量を更新した。

ま、明日のトライは昼からだから、いっか。
赤々と燃える焚き火を見つめながら、満ち足りた気持ちでまだ見ぬAstroman、Enduro Cornerに思いを馳せた。

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スーパーのタルトで即席バースデイケーキ♪

<To Be Continued...>

2018/10/15〜11/9 Yosemiteツアー

約2年ぶりにまたヨセミテへ行ってきました!


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今回のツアーは今までで一番長く、3週間半でした。
それでも時間が全然足りないのだから、ヨセミテの懐広さとクライマーの欲深さとは罪なものです。



これまで、ヨセミテクライミングツアーは3回で、

1度目は2012年8月。ヨセミテの巨大さと自分のちっぽけさに本気で泣きました。涙がぽろぽろ溢れて岩が見えなくなった。ここで楽しく登れるよう強くなりたい、と心から思った1週間でした。
2度目は2013年9月。ノーズをやりにいったけど、ロープを1本落として敗退しました。自分の不甲斐なさと無力さに、涙も出ませんでした。
3度目は2年前、2016年6月。チーム青鬼でノーズリベンジしました。ノーズは完登でき、ショートルートでもちょっとした成果あり、簡単なマルチなど行ってただただ楽しくてたまらない2週間でした。


3度目にして、やっとヨセミテで心から笑うことが出来るようになり(笑)、
そうして今回は4度目。パートナーとともにはじめに掲げていた大きな目標は以下の2つでした。


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左にWashington Column、右にHalf Dorm


・Washington Column "Astroman"チームOS
・El Capitan "Salathe" 完登 (Freeblast チームOS+11P目からもなるべくフリーにこだわって登る)


その他、個人的な目標は

・Tales of Power (5.12b) 完登
など

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Tales of Power!


今回のヨセミテツアーはこれまでよりフリー志向が強くなり、スタイルにこだわらずただBigwallの完登を目標にしていた今までのツアー
と比較すると、自分にとって大きな進歩となりました。
なかでもAstromanは非常にハードなクライミングとなりました。日本の2倍から3倍のスケールでグレード感も高めのマルチピッチを日の短いこの時期にこなすには、日本の5.11台のマルチピッチだったら2、3本継続出来るくらいの実力が必要。
それを身を以て体感したと共に、やる前に漠然と抱えていた不安は次回の挑戦へ向けての大きなモチベーションに変わりました。


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次はこれをフリーで・・!?


今回は怪我のせいでBigwallの垂直の旅も水平の旅(John Muir Trailを歩きました)へと計画変更してしまいました。
予定していたFreeblastもSalatheも行けなくなってしまった分、最後の1週間はショートルートを満喫しました。


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JMT、湖畔のソロキャンプもいい時間だった


国籍問わずたくさんのクライマーとの出会いあり、多ジャンルに及ぶ様々なルートとの出会いあり、
モチベーションはうなぎのぼりで、帰国してきた今もなお登攀意欲はメラメラと燃え続けています。


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メラメラ!


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メラメラで焼かれたたものたち


とりあえず、3週間の成果まとめ。
各ルートの記録は個別にまた詳しく書こうと思います。


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めらめらしてるアラスカンマラミュート


【Short Route】


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岩場は東・南向きが多く、この時期でも日が当たるとかなり暑かった。本気トライは時間帯を選んで登るべし。写真は長くてよいクラック、Sacherer Cracker

<El Cap Base>
"Sacherer Cracker" 10a OS
"The Slack, Center" 10d FL

<Church Bowl>
"Church Bowl Tree" 5.10b OS
"Book Of Revelations(2P)" 5.10d follow / 5.11a RP 2try

<New Diversions>
"Generator Crack" 5.10c TR practice

<Cookie Cliff>
"Catchy" 5.10d FL
"Outer Limits(2P link try)" 5.10b OS → 5.11b×
"Waverly Wafer" 5.11a RP 2try
"Butterballs" 5.11c RP 4try
"Butterfingers" 5.11a FL

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厳しくも美しいフィンガークラック、Butterballs


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パートナーが見事OSした5.10dOW、Twilightzone (Cookie Cliff)


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Nabisco Wallのルート名はみなお菓子の名前!


<Above The Cookie>
"Tales of Power" 5.12b RP 3try

<Cascade Falls Left>
Crimson Cringe 12b RP 2try

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左がFish Crack、右がCrimson Cringe


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岩場持参、お昼ご飯のお手製サンドイッチ


【Multi-pitch Route】

<Schultz's Ridge&El Capitan>"The Moratorium"+"East Buttress" link try 15pitches
"The Moratorium" 1〜2P lead (5.10d/5.10d) OS 3〜4P follow (partner 5.11b:×/5.9:OS)
"East Buttress" 5.10b 11pitches 偶数ピッチリード チームOS

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このかっこいい大凹角がモラトリアム!


<The Rostrum>
"The North Face" 5.12b (original finish) 8pitches
1〜3P lead (5.9/5.11a/5.10b) OS
4〜8P follow (partner 5.11c:×/5.10d:RP/5.10a:RP/5.11b:RP/5.12b:×)

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威圧的でかっこよく、内容も素晴らしいが、敗退しやすいため比較的とりつきやすいロストラム


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核心ピッチをリードするパートナー


<Washington Column>
"Astroman" 5.11c 11pitches 偶数ピッチリード 2day try
・day1 5.7 OS/ 5.10b follow (partner OS) / Enduro Corner 5.11c OS
・day2 5.9 follow (partner OS)/ 5.10c OS/ Harding Slot 5.11c follow (partner ×)/ 5.10c (slot var.) ×/ Changing Corners 5.11a follow (partner ×)/ 5.10a OS/ 5.10d follow (partner ×)/ 5.3 OS

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この長く厳しい壁は私にとってまず超えなければならない壁だと思った


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威圧的にのしかかるHarding Slot


そして帰国日には、成田到着後急いで曙橋ベータへ直行し、上映時間にぎりぎり間に合ってDawnwallを観ました。
スーパークールなクライミング。しかも自分が1日前まで居た場所で。まだヨセミテの余韻に浸っている状態でこの映画を観られたことで、モチベーションの炎がさらに燃え上がりました。ほんと、感動で涙出た。


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ボルダーでわいわいセッションも


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レスト日の朝はパンケーキ!



Yosemiteは行くたびにメンタルとフィジカルの成長をくれる場所。
このメラメラした気持ちを、はやく日本のルートにぶつけたくてたまりません!

プロフィール

chippe

Author:chippe


肉好きchippeのブログへようこそ!
2006年10月 山歩きを始める。
2007年9月 クライミングを始める。
山岳同人「青鬼」所属。
「メラメラガールズ」所属。
国際認定山岳医。
「カリマーインターナショナル」アンバサダークライマー。
現在は無職、旅人。
旦那さんはpecoma。

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